クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ

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第3章:揺れる絆、迫る真実

第74話:疾駆する蹄音

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大地を震わせる蹄の音が迫る。
砂煙を切り裂き、鋼鉄の馬具に覆われた騎兵たちが一斉に突撃してきた。
鋭い槍先が陽光を反射し、無数の稲妻のように煌めく。

「速ぇ……!」
誰かの悲鳴が上がる。



「全員、退け!」
蓮司の叫びと同時に、クラスメイトたちが左右に散開する。

だが、恐怖で動けない者もいた。
馬の突進に足を竦ませ、ただ槍の影を見上げるだけ。

「くそっ……!」
俺は剣を握り、前に飛び出した。



「従属――来い!」

強烈な力が走り、先頭の騎兵の瞳が濁る。
刹那、その男は槍を逸らし、隣の兵士を馬ごと弾き飛ばした。

「な、なにっ!?」
敵陣に動揺が広がる。

だがその反動で、胸の奥に焼けるような痛みが走る。
血の味が口に広がり、視界が一瞬霞んだ。

(……やっぱり、限界超えてんのか)



「悠斗!」
リーネが氷壁を展開し、追撃を逸らす。
その顔には焦りが浮かんでいた。

「もう無茶は――」
「黙れ! 今やらなきゃ……全員潰される!」

俺は声を張り上げ、再び剣を振り抜いた。



「悠斗くん!」
美咲が叫びながら駆け寄る。
手にした短剣を震わせ、それでも必死に俺の背中を守ろうとする。

「……下がってろ!」
そう怒鳴っても、彼女は首を振るだけだった。

(……こいつ、ほんと頑固だな)
その必死さに、胸の奥が妙に熱くなる。



「うおおおおっ!」
突撃してきた三騎をまとめて斬り伏せる。
だが、力の消耗は限界を超えていた。

剣を振るたび、腕が痺れ、膝が崩れそうになる。
意識の端で、自分の体が自分のものじゃなくなる感覚が広がっていく。

「……やべぇ」



その瞬間。
「悠斗ぉぉぉっ!!」

美咲の声が鋭く響く。
気づけば、彼女が俺の前に飛び出していた。

迫る槍先を、彼女の小さな体が必死に受け止める。

「ぐっ……!」
刃が擦り、火花が散る。

「美咲っ!」

俺は反射的に彼女の腕を引き、背に庇った。
怒りと焦りが渦を巻き、頭の奥で何かが弾ける。



「――従え!!」

爆発するような衝撃が走り、数十騎の兵士が一斉に膝をついた。
馬すらも頭を垂れ、戦場は一瞬で静まり返る。

「な、なんだ……これは……」
クラスメイトの誰かが呟く。

恐怖、畏怖、そして絶望。
その視線がまた俺に集まった。



「……悠斗くん」
美咲が震える声で俺の背を見つめる。
リーネもまた、瞳を細めて呟いた。

(……これ以上は危険。でも、止められない)



俺は荒い息を吐き、剣を突き立てて笑った。

「……これでまだ終わりじゃねぇ。
来るなら来いよ……王国」



__________________

後書き

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第74話では「騎兵部隊との衝突」を描きました。
悠斗の従属は一気に数十人規模に及び、その異常性が改めて浮き彫りに。
一方で美咲の必死の行動が引き金となり、力がさらに拡大したことも重要な転機です。

次回、第75話では――従属の“代償”がついに表面化します。
悠斗の身体、そして精神に走るひび割れ。
それにリーネ、美咲がどう向き合うのか。
ぜひご期待ください!
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