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第4章:奈落の影、揺るがぬ誓い
第111話:影を操る者
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◇
影従隊の霧が再び集まり、人型を作り出す。
だが――その動きに、先ほどまでとは違う“意思”を感じた。
(……今のは、命令じゃなく……自律? いや、違う)
背筋を冷たいものが走る。
影従隊の背後から、誰かの“視線”が確かに俺を貫いていた。
◇
「悠斗、どうしたの?」
リーネが俺の横顔を覗き込む。
「……いや、今までと違う。誰かが……直接、見てる」
言葉にした瞬間、胸がざわめいた。
影従隊の一体が突如、ぎこちなく剣を掲げたかと思うと――
「……喋った、だと?」
「――従え」
低い声が影の口から漏れた。
まるで遠くから誰かが“声”を投げ込んでいるような、不気味な響き。
◇
「今の……」
美咲が震える声で呟く。
「ああ、間違いねぇ。影従隊の奥に……術者がいる」
俺は剣を構え直した。
黒鎖がざわめき、術者の存在を確かめるように蠢く。
◇
次の瞬間、影従隊の群れが一斉に動いた。
それはもはや“無秩序な暴走”ではない。
統率された軍勢のごとく、剣戟を揃えて襲いかかってきた。
「くっ!」
一撃を受け止めると、骨が軋むような衝撃が腕を走る。
「悠斗!」
リーネの氷槍が影を貫くが、再生の速度が増していた。
「再生が……速い!?」
◇
「悠斗くん! 危ない!」
美咲が叫ぶ。
影従隊の剣が横薙ぎに迫る。
咄嗟に身を翻した俺の耳元で、再び声が響いた。
『……従え。抗うな』
「っ……!」
脳裏に直接、冷たい声が流れ込む。
視界が歪み、再び従属の命令が押し寄せる。
だが――
「悠斗!」
リーネが肩を掴む。
「自分を見失わないで!」
「悠斗くん……!」
美咲も両手を胸に当て、必死に叫ぶ。
二人の声が、再び俺を引き戻した。
◇
(……そうだ。俺は俺だ。従うなんざ、御免だ……!)
俺は黒鎖を握り、力いっぱい引き千切るように叫んだ。
「――俺は誰の従者でもないッ!!」
鎖が閃光を放ち、迫る影従隊を弾き飛ばす。
◇
霧が散った一瞬、遠くの森の闇に“人影”が立っているのが見えた。
フードを深く被り、その瞳だけが血のように赤く光っていた。
(あれが……術者!)
確信が走る。
同時に、影従隊が再び形を整え、俺たちを取り囲んだ。
◇
「悠斗……!」
リーネの声は緊張を帯びていた。
「ああ、わかってる。ここからが本番だ」
俺は剣を構え、遠くの人影を睨みつけた。
(……絶対に、断つ)
影と影の戦いが、本格的に幕を開けようとしていた。
◇
__________________
後書き
ここまで読んでくださりありがとうございます!
第111話では、影従隊を操る“術者”の存在が初めて明確に姿を見せました。
影従隊が言葉を発する
悠斗の精神を直接支配しようとする声
森の奥に立つ謎の術者の人影
いよいよ戦いは“本物の敵”との対峙に移行していきます。
次回は、術者との初めての直接交戦――悠斗たちがその力の正体を暴いていく回です。
影従隊の霧が再び集まり、人型を作り出す。
だが――その動きに、先ほどまでとは違う“意思”を感じた。
(……今のは、命令じゃなく……自律? いや、違う)
背筋を冷たいものが走る。
影従隊の背後から、誰かの“視線”が確かに俺を貫いていた。
◇
「悠斗、どうしたの?」
リーネが俺の横顔を覗き込む。
「……いや、今までと違う。誰かが……直接、見てる」
言葉にした瞬間、胸がざわめいた。
影従隊の一体が突如、ぎこちなく剣を掲げたかと思うと――
「……喋った、だと?」
「――従え」
低い声が影の口から漏れた。
まるで遠くから誰かが“声”を投げ込んでいるような、不気味な響き。
◇
「今の……」
美咲が震える声で呟く。
「ああ、間違いねぇ。影従隊の奥に……術者がいる」
俺は剣を構え直した。
黒鎖がざわめき、術者の存在を確かめるように蠢く。
◇
次の瞬間、影従隊の群れが一斉に動いた。
それはもはや“無秩序な暴走”ではない。
統率された軍勢のごとく、剣戟を揃えて襲いかかってきた。
「くっ!」
一撃を受け止めると、骨が軋むような衝撃が腕を走る。
「悠斗!」
リーネの氷槍が影を貫くが、再生の速度が増していた。
「再生が……速い!?」
◇
「悠斗くん! 危ない!」
美咲が叫ぶ。
影従隊の剣が横薙ぎに迫る。
咄嗟に身を翻した俺の耳元で、再び声が響いた。
『……従え。抗うな』
「っ……!」
脳裏に直接、冷たい声が流れ込む。
視界が歪み、再び従属の命令が押し寄せる。
だが――
「悠斗!」
リーネが肩を掴む。
「自分を見失わないで!」
「悠斗くん……!」
美咲も両手を胸に当て、必死に叫ぶ。
二人の声が、再び俺を引き戻した。
◇
(……そうだ。俺は俺だ。従うなんざ、御免だ……!)
俺は黒鎖を握り、力いっぱい引き千切るように叫んだ。
「――俺は誰の従者でもないッ!!」
鎖が閃光を放ち、迫る影従隊を弾き飛ばす。
◇
霧が散った一瞬、遠くの森の闇に“人影”が立っているのが見えた。
フードを深く被り、その瞳だけが血のように赤く光っていた。
(あれが……術者!)
確信が走る。
同時に、影従隊が再び形を整え、俺たちを取り囲んだ。
◇
「悠斗……!」
リーネの声は緊張を帯びていた。
「ああ、わかってる。ここからが本番だ」
俺は剣を構え、遠くの人影を睨みつけた。
(……絶対に、断つ)
影と影の戦いが、本格的に幕を開けようとしていた。
◇
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後書き
ここまで読んでくださりありがとうございます!
第111話では、影従隊を操る“術者”の存在が初めて明確に姿を見せました。
影従隊が言葉を発する
悠斗の精神を直接支配しようとする声
森の奥に立つ謎の術者の人影
いよいよ戦いは“本物の敵”との対峙に移行していきます。
次回は、術者との初めての直接交戦――悠斗たちがその力の正体を暴いていく回です。
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