クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ

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第4章:奈落の影、揺るがぬ誓い

第115話:追跡の始まり

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朝霧に包まれた村。
鶏の鳴き声と共に、俺たちは小さな宿を出た。

背中の荷物の中には――あの“黒い欠片”。
包帯にくるんでいるが、内側から冷たい瘴気が漏れ出しているのを感じる。

「……本当に持っていくのね」
リーネが横で呟いた。

「ああ。利用されるのも怖ぇが……置いて行ったら、村が危険だろ」

「そうですね。……なら、なおさら急がなければ」



広場に出ると、村人たちが待っていた。
不安そうな顔もあるが、多くは「早く出て行ってくれ」という目だった。

長老が一歩前に出て言った。

「……旅の若者よ。我らはもう力を貸せぬ。
だが……どうか、あの闇を背負ってこの村を守ってくれたことに、礼を言おう」

「……礼なんていらないさ」
俺は短く返し、背を向けた。



「悠斗くん……」
美咲が不安げに俺の後ろを追いかける。
だが次の瞬間、彼女はぎゅっと拳を握って言った。

「私は……どこまでもついていくから」

その声に、俺は返事をせず、ただ歩き続けた。
リーネは静かに微笑みながら、その横を歩いていた。



――同じ頃。

王都を出立した数十の騎士団が、整然とした列を成して街道を進んでいた。
銀の鎧に王国の紋章。
その中心にいるのは、先日謁見の間にいた老騎士。

「影の術者は未確認。だが、目標は一つ――高宮 悠斗」

「はっ!」

騎士たちの声が森に響く。
彼らの足取りに迷いはなかった。



さらに、その後方。

黒衣に身を包んだ人物が、馬を操って密かに列を追っていた。
フードの奥から覗く赤い瞳が、冷たく光る。

(……“器”。必ず手に入れる)

影の術者。
その存在もまた、王国の動きに並走するように迫っていた。



霧の中を進む街道で、俺は何度も背後を振り返った。
視線を感じる。
まだ遠い。だが、確実に――追ってきている。

(……来るな。もうすぐだ)



__________________

後書き

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第115話では「村を出立する悠斗たち」と「王国騎士団の追跡開始」を描きました。

村人たちの不安と別れ

美咲の「どこまでもついていく」という言葉

王国が本格的に騎士団を差し向ける

さらに影の術者も並行して追跡している

王国と影――二つの勢力が同時に迫ることで、悠斗の旅はますます過酷になっていきます。

次回は「騎士団との最初の衝突」。
ただの戦いではなく、“捕縛”を狙う彼らとの駆け引きが描かれる予定です。
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