クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ

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第4章:奈落の影、揺るがぬ誓い

第116話:捕縛の鎖

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昼下がりの街道。
鳥の鳴き声に混じって、金属の擦れる音が近づいてきた。

リーネが耳を澄ませて言った。
「……来ます。六、七。斥候でしょう」

「騎士団の先遣隊か」
俺は剣を握り直す。



やがて木々の間から、銀鎧に紋章を刻んだ騎士たちが姿を現した。
彼らの剣は抜かれておらず、だが視線は鋭く俺を射抜いている。

「――高宮 悠斗。王国の命により、貴様を捕縛する」

隊長らしき男が声を張り上げる。
その声には“殺意”ではなく、“命令を遂行する冷徹さ”だけがあった。



「捕縛、だと……?」
美咲が息を呑む。

俺は低く吐き捨てた。
「やっぱり……そういうつもりか」



騎士たちが一斉に動いた。
腰に下げた鎖が煌めき、魔術の符が光を帯びる。
ただの拘束具ではない。生け捕り専用の“封魔の鎖”だ。

「くっ!」

俺は飛び込んできた一人の騎士の剣を弾き、逆に黒鎖を繰り出す。
だが、その鎖に別の騎士が符を叩きつけ、火花が散った。

「……効きが鈍い!?」

「高宮 悠斗。お前の力は既に知られている。
その“従属”は、この封魔で抑え込む」



(……なるほどな。
ただの兵じゃねぇ、俺専用の対策かよ!)

舌打ちをしながら剣を振り払う。
だが鎖の符が近づくたび、黒鎖の動きがわずかに鈍る。



「悠斗!」
リーネの氷槍が飛び、二人の騎士を吹き飛ばす。

「今は退いて! 正面からでは不利です!」

「……チッ」

俺は剣を振り回し、迫る鎖を切り裂きながら後退した。



そのとき。
美咲が叫んだ。

「やめて! 悠斗くんは……私たちを守ってくれた! 捕まえるなんて間違ってる!」

必死の声に、一瞬だけ騎士たちの動きが止まった。
だが隊長は冷たく言い放つ。

「少女よ、勘違いするな。
我らは王国の命に従うだけだ。……情は無用」



その言葉に、美咲の顔が青ざめた。

(……こいつら、本気だ。
殺す気はなくても、従わせる気なんざ一切ねぇ。
俺を“物”として扱うつもりだ……!)

胸の奥に熱が走り、黒鎖が激しく脈動する。



「――誰の鎖にも繋がれるかよッ!!」

俺は全力で剣を振り抜いた。
黒雷を纏った斬撃が地面を抉り、迫る騎士たちを弾き飛ばす。

土煙の中、騎士たちは呻き声を上げながらも、なお立ち上がろうとしていた。

「撤退だ!」
隊長の号令が飛ぶ。
「報告を最優先せよ!」



彼らは完全には倒れていなかった。
だが深追いする前に、森の奥へと退いていく。

残されたのは、焦げた大地と、重い沈黙だけ。



「……悠斗」
リーネが小さく呟く。

「王国は完全にあなたを“捕える対象”として見ている。
……これからは、戦う相手が兵や魔物じゃなく、“国”そのものになるかもしれません」

「……そう、だろうな」
俺は深く息を吐いた。

胸の奥で、黒鎖がなおもざわめいていた。
まるで“怒り”を映すように。



__________________

後書き

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第116話では「王国騎士団の小部隊との初交戦」を描きました。

王国は悠斗を“殺す”のではなく“捕縛”する命令を下している

封魔の鎖という“従属対策”を持ち込んでいる

美咲が必死に訴えるも、情は通じず

悠斗は「誰の鎖にも繋がれない」と誓いを強めた

次回は「騎士団の報告を受けた王都の反応」と、「影の術者の不穏な動き」を同時に描きます。
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