クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ

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第4章:奈落の影、揺るがぬ誓い

第135話:封印の里と使役の真実

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隠れ里の奥。
深い森の中に佇む古びた社のような建物。
その中心に、里の長老――セラ・ルフレインが静かに座していた。

白髪を三つ編みに結い、翡翠色の瞳は歳月を超えた光を宿している。
ただ者ではない。
それを、誰もが一目で感じ取った。



「よくぞ幻霧域を越えたな」
セラの声は穏やかだが、空気を震わせるほどの力を帯びていた。
「お前たちの中に“影”の気配がある。とくに――そなただ」

視線が俺に向く。
胸の奥で、影核が微かに震えた。

「……やっぱり、気づかれたか」
俺は小さく息を吐く。

「これは……敵の術者が残した“影核”だ。
戦いのあとに拾った」

俺が袋を開くと、黒い結晶が淡い紫光を放った。
セラの表情がわずかに険しくなる。



「“影核”……古の封印を乱すもの。
かつて我らが王国から追放した“影誓機関”が、その禁術を復活させたのだな」

「禁術……?」
美咲が小さく呟く。

セラはゆっくりと頷く。
「“使役スキル”――本来は、王族の血に連なる者にのみ許された契約術式だ。
他者を支配するのではなく、“心を繋ぐ”ための祈りだった」

「……心を、繋ぐ?」
俺は思わず聞き返した。

「そうだ。だが千年前、ある魔導師がこの力を“従属の術”に歪めた。
それが“影誓機関”の始まりだ」



リーネが静かに息を呑む。
「つまり……悠斗の“使役スキル”は、その源流に……?」

「そうだ」
セラは目を細める。
「だが同時に、彼の中には“原初の形”――真の使役の力も宿っている。
ゆえに、影誓機関は彼を“回収”しようとしているのだ」



「……俺を、回収?」
嫌な響きに、胸の奥がざらついた。

「影誓機関は、“心の支配”を完成させるために、お前の力を取り込もうとしている。
従属ではなく、“共有”の使役――それこそが、彼らが喉から手が出るほど欲する力だ」

「……じゃあ、俺は――」

セラは静かに言葉を続けた。
「そなたは“鍵”なのだ。
この世界と、影の界を繋ぐ“扉”の鍵。
だが同時に、それを閉じる唯一の存在でもある」



「鍵……」
リーネが呟き、美咲が不安げに俺を見る。

「そんなの……どうすればいいの?」

セラは立ち上がり、ゆっくりと歩み寄った。
「この地に残る“封印の祭壇”を見よ。
そこに刻まれた光が、お前に真の選択を示すだろう」



「選択……?」
俺が問うと、セラは淡く笑った。

「影を従え、己を保てるか。
それとも、影に呑まれて全てを失うか。
お前が選ぶ未来次第で、この国は変わる」

霊気を帯びた風が吹き抜け、社の奥で鈍い音が鳴った。
床に埋め込まれた紋章が、紫と金の光を交互に放ち始める。



「……行け」
セラが指を鳴らす。

「“真なる使役”の試練が始まる」



俺は一歩、光の中へ足を踏み入れた。
リーネと美咲が後ろから駆け寄る。

「悠斗くん!」
「気をつけて!」

俺は振り返り、微笑んだ。
「大丈夫だ。……今度こそ、俺の意思で選ぶ」

光が視界を包み、意識が遠のく――。



__________________

後書き

ここまで読んでくださりありがとうございます!

第135話では、ついに“使役スキル”の真実が語られました。

本来の使役は「支配」ではなく「心を繋ぐ契約術」だった

悠斗の力は“原初の形”を受け継いだ特異な存在

影誓機関はそれを利用して「完全支配」を目論む

そして、悠斗に“真なる使役”の試練が訪れる

次回136話は「試練の間」。
悠斗が心の中で“もう一人の自分”と対峙し、真の“契約者”として覚醒します。
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