ここは地下楽園ミデル 01.樹木の妖精ロワール

貴船きよの

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3,通じあう想い

3-3

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 その事実に、ソラはいっそう切なくなった。

「高校での任務を終えてからも、僕はソラのことを忘れられなかった。妖精だって本気で恋をする。でも、人間には人間同士で幸せになってもらわなきゃいけない……そう思っていた。だけど、ソラと再会して、僕はやっぱりソラのことが好きだった。全然忘れてなんかいなかった」

 草原で寝転んでいる女性の顔を確かめたとき、それがソラだとわかったときの衝撃は、ロワールに運命さえ感じさせるものだった。

「僕は、ソラのことを諦められないよ」

 淡いグリーンの目に、強い意志が宿る。

「ソラは、僕のことが嫌い? 僕みたいな妖精は、信用できなくなった?」

 ロワールの想いを受け止めながら、ソラは自分の心を偽ることはできなかった。

「……好きに、ならないようにしていた。だって、一緒にいたって、また失恋したら嫌だもの」

「それって……」

 ソラは、ありのままの気持ちを告げた。

「私も、ロワールが好きだよ。あなたが一緒にいてくれて心強かった。一緒にいてくれたのが、ロワールでよかった……」

 ソラは、ロワールにそっと抱きついた。

 ロワールは胸にソラを抱き、彼女の頭を撫でて言った。

「ソラ……、僕の恋人になってくれる?」

「恋人……?」

 ソラは、ロワールを見上げた。
 ロワールからの思ってもみない申し出に、心が大きく揺れた。

「僕は人間界で妖精としての仕事をするけど、もう恋はしない。ソラだけでいい」

 ロワールの気持ちは嬉しかった。

 けれど、ロワールが妖精であることを考えると、ソラには不安もあった。

「でも、いつかはここへ戻ってこなくちゃいけないんじゃ……」

 すると、ロワールは力の抜けた笑みを見せて言った。

「そういうわけでもないらしいんだ。一人でも人間を愛し続けることができるなら、それは妖精としても誇らしいことだから。戻ってこない妖精の話はたまに聞いたことがあったけど、今なら僕にもその気持ちがわかる。……僕は、そういう覚悟だよ」

「ロワール……」

 ロワールの顔が近づき、ソラは温かいキスを受け取る。

「一緒にいよう、ソラ」

「うん……」

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