42 / 62
新章 切掛
42 魔法使いの教科書
しおりを挟む
「殿下、おはよう」
「!!? クロエ様、おはようございます。どこから来たんですか? 私には突然現れたように思えましたが」
突然現れた私に彼は驚きを隠せていない。その声に扉の外にいた警備をしていた騎士二人が入ってきた。
「殿下! 大丈夫ですか!?」
「あ、ああ。大声を出してすまなかった。君たちは持ち場に戻っていい」
「「ハッ」」
執務室にはジルディット殿下と、従者、壁際に一人護衛騎士が立っていた。
「ところでクロエ様、どこから……?」
「家から転移してきたんだよ。そのうち殿下にも教えるね」
「本当ですか!!」
ジルディット殿下はとても喜んでいる。
「殿下は王太子だから魔術師の研究以外にも仕事が沢山あって大変だよね」
「残念ながらそうですね。ですが、クロエ様が直々に教えて下さるのなら弟に仕事を投げておけば問題ありません」
「いや、それなら第二王子に魔法を教えておけばいいんじゃない? ジルディット殿下は王様になるんでしょう?」
「いえ! それなら私が王太子を降ります! 魔法をぜひ教えていただきたい」
「あはは。ところでさ、もし、私が悪い魔女だったらどうするの?」
「悪い、魔女ですか」
「例えば国を乗っ取るとか……」
正直、この魔力のない今の時代なら私が国を乗っ取るのは簡単にできてしまうだろう。
面倒だし、興味もないのでやらないけれど。
「ああ、それなら大丈夫です。ちゃんと契約書にサインをしてもらったので」
ジルディット殿下はそう言うと、机の引き出しから一枚の魔法契約書を出してきた。
陛下が私にサインさせたものだ。
魔法契約書はその名の通り魔力を使用し、契約をするもので違反すれば罰を受ける。
国王陛下が用意していた魔法契約書は簡単に言えば乗っ取りをしない。この国を侵略しない。など基本的なことが書かれていた。
違反した場合は魔力が使えなくなると書いている。
あの時、一番下に書かれていたのはしっかりと書き換えたけどね。
もちろん私はこの契約の不正や解除の仕方だって知っている。そもそもユーグ師匠が作ったものだし。
私は久々にユーグ師匠の影を感じ、クスリと笑った。
「うん、ちゃんと確認した。これでいいかな?」
「ありがとうございます」
「さっ、じゃあ、始めようか。まず、みんながどこまでの知識があるか確認したい」
「あ、はい。ではこちらに。王宮の魔術師が初期に覚えるものになっています」
そう言うと、ジルディット殿下に付いている従者は空気を読んだように数冊の魔法書を渡してくれる。
パラパラと目を通してみるが、やはり上級魔法は書かれていない。それどころか初級でも書かれていない魔法もかなりあるようだ。
「ふぅん。そっか。私が魔法使い総団長だった時の魔法使いたちが使っていた魔法の資料を家の奥から引っ張り出してきて良かったよ。これは当時の魔法使いたちが使っていた教科書ね」
私がそう言って鞄から取り出した資料を机の上に乗せると、ジルディット殿下はまた目を丸くし、本をペラペラと捲ってみていたがすぐに困った表情になった。
「……クロエ殿。これはとても貴重な資料ですね。ですが、今の我々は文字が違い、読み解くことは難しいかと……」
「ああ、そうだったね。これは古語になってるよね」
五百年も前の言葉だからさすがに読めない。全ての言葉がというわけではないけど、文字も時代と共に少しずつ変化していっている。
「じゃあ、これを読めるようにすればいい」
私はそう言ってジルディット殿下の前に立って目元に魔法を掛けた。
―光の世界に流れる一筋の河。その永劫の深淵に飛び込み知を取り込まん。神秘の力を解き放て―
「……読める。これは、凄い!」
殿下は真剣な表情で本を読み始めた。
そして一生懸命手元にあった白紙に書き写している。従者は本棚の横にある引き出しから大量の白紙を取り出し、机の上に置いていく。
「凄いぞ、凄い。やはり昔の魔術師はレベルが違う」
「そりゃ、そうだよ。貴族はみんな魔力を持っていて基礎的なものは学院ってところで全員学んでいて跡を継げない子息たちが身を立てるために魔法使いになっていたからね」
「……すごい。本当にすごい」
ジルディット殿下は興奮のあまり、語彙力が崩壊し始めているようだ。
苦笑しながらその様子を眺めていると、扉を叩く音がする。
彼は不満そうにしながら魔法の世界に飛び込んでいた意識が戻ってきたようだ。
「ジルディット殿下、お呼びでしょうか」
「あ? ああ、ロカが気を利かせて呼んでくれたのか。フィル、ちょっとこれを見てくれ。ああ、読めないんだった。クロエ殿、フィルにも魔法を掛けてもらってもいいでしょうか?」
「フィルさんおはよう。うん、いいよー」
私はフィルさんに挨拶をした後、同じようにフィルさんにも魔法を掛ける。
「フィル、これを読んでみろ」
「殿下、失礼します」
フィルさんはそう言って本を読み始めた。どうやら彼の語彙力も崩壊してしまったらしい。
先ほどのジルディット殿下と同様に本を読んでいる。
しばらくはこのままかな。
私はロカと呼ばれた従者にカップをもらい、自分でお茶を淹れる。
ロカさんが『淹れますよ』と言ってくれるんだけど、丁寧に断った。
昨日の話を聞いて、もしも……の可能性も否定できなかったからだ。
お茶を飲みながらそっと殿下たちの魔力を調べる。
まさか、ね。
私の勘が外れればいいんだけど。
もし、最悪の場合、一人で国中を回らなければいけない可能性だってある。面倒だ。
でも、将来ユーグ師匠が帰ってきた時のことを考えると私がここで頑張らなければいけないと思うんだよね。
どうしよっかな……。
「!!? クロエ様、おはようございます。どこから来たんですか? 私には突然現れたように思えましたが」
突然現れた私に彼は驚きを隠せていない。その声に扉の外にいた警備をしていた騎士二人が入ってきた。
「殿下! 大丈夫ですか!?」
「あ、ああ。大声を出してすまなかった。君たちは持ち場に戻っていい」
「「ハッ」」
執務室にはジルディット殿下と、従者、壁際に一人護衛騎士が立っていた。
「ところでクロエ様、どこから……?」
「家から転移してきたんだよ。そのうち殿下にも教えるね」
「本当ですか!!」
ジルディット殿下はとても喜んでいる。
「殿下は王太子だから魔術師の研究以外にも仕事が沢山あって大変だよね」
「残念ながらそうですね。ですが、クロエ様が直々に教えて下さるのなら弟に仕事を投げておけば問題ありません」
「いや、それなら第二王子に魔法を教えておけばいいんじゃない? ジルディット殿下は王様になるんでしょう?」
「いえ! それなら私が王太子を降ります! 魔法をぜひ教えていただきたい」
「あはは。ところでさ、もし、私が悪い魔女だったらどうするの?」
「悪い、魔女ですか」
「例えば国を乗っ取るとか……」
正直、この魔力のない今の時代なら私が国を乗っ取るのは簡単にできてしまうだろう。
面倒だし、興味もないのでやらないけれど。
「ああ、それなら大丈夫です。ちゃんと契約書にサインをしてもらったので」
ジルディット殿下はそう言うと、机の引き出しから一枚の魔法契約書を出してきた。
陛下が私にサインさせたものだ。
魔法契約書はその名の通り魔力を使用し、契約をするもので違反すれば罰を受ける。
国王陛下が用意していた魔法契約書は簡単に言えば乗っ取りをしない。この国を侵略しない。など基本的なことが書かれていた。
違反した場合は魔力が使えなくなると書いている。
あの時、一番下に書かれていたのはしっかりと書き換えたけどね。
もちろん私はこの契約の不正や解除の仕方だって知っている。そもそもユーグ師匠が作ったものだし。
私は久々にユーグ師匠の影を感じ、クスリと笑った。
「うん、ちゃんと確認した。これでいいかな?」
「ありがとうございます」
「さっ、じゃあ、始めようか。まず、みんながどこまでの知識があるか確認したい」
「あ、はい。ではこちらに。王宮の魔術師が初期に覚えるものになっています」
そう言うと、ジルディット殿下に付いている従者は空気を読んだように数冊の魔法書を渡してくれる。
パラパラと目を通してみるが、やはり上級魔法は書かれていない。それどころか初級でも書かれていない魔法もかなりあるようだ。
「ふぅん。そっか。私が魔法使い総団長だった時の魔法使いたちが使っていた魔法の資料を家の奥から引っ張り出してきて良かったよ。これは当時の魔法使いたちが使っていた教科書ね」
私がそう言って鞄から取り出した資料を机の上に乗せると、ジルディット殿下はまた目を丸くし、本をペラペラと捲ってみていたがすぐに困った表情になった。
「……クロエ殿。これはとても貴重な資料ですね。ですが、今の我々は文字が違い、読み解くことは難しいかと……」
「ああ、そうだったね。これは古語になってるよね」
五百年も前の言葉だからさすがに読めない。全ての言葉がというわけではないけど、文字も時代と共に少しずつ変化していっている。
「じゃあ、これを読めるようにすればいい」
私はそう言ってジルディット殿下の前に立って目元に魔法を掛けた。
―光の世界に流れる一筋の河。その永劫の深淵に飛び込み知を取り込まん。神秘の力を解き放て―
「……読める。これは、凄い!」
殿下は真剣な表情で本を読み始めた。
そして一生懸命手元にあった白紙に書き写している。従者は本棚の横にある引き出しから大量の白紙を取り出し、机の上に置いていく。
「凄いぞ、凄い。やはり昔の魔術師はレベルが違う」
「そりゃ、そうだよ。貴族はみんな魔力を持っていて基礎的なものは学院ってところで全員学んでいて跡を継げない子息たちが身を立てるために魔法使いになっていたからね」
「……すごい。本当にすごい」
ジルディット殿下は興奮のあまり、語彙力が崩壊し始めているようだ。
苦笑しながらその様子を眺めていると、扉を叩く音がする。
彼は不満そうにしながら魔法の世界に飛び込んでいた意識が戻ってきたようだ。
「ジルディット殿下、お呼びでしょうか」
「あ? ああ、ロカが気を利かせて呼んでくれたのか。フィル、ちょっとこれを見てくれ。ああ、読めないんだった。クロエ殿、フィルにも魔法を掛けてもらってもいいでしょうか?」
「フィルさんおはよう。うん、いいよー」
私はフィルさんに挨拶をした後、同じようにフィルさんにも魔法を掛ける。
「フィル、これを読んでみろ」
「殿下、失礼します」
フィルさんはそう言って本を読み始めた。どうやら彼の語彙力も崩壊してしまったらしい。
先ほどのジルディット殿下と同様に本を読んでいる。
しばらくはこのままかな。
私はロカと呼ばれた従者にカップをもらい、自分でお茶を淹れる。
ロカさんが『淹れますよ』と言ってくれるんだけど、丁寧に断った。
昨日の話を聞いて、もしも……の可能性も否定できなかったからだ。
お茶を飲みながらそっと殿下たちの魔力を調べる。
まさか、ね。
私の勘が外れればいいんだけど。
もし、最悪の場合、一人で国中を回らなければいけない可能性だってある。面倒だ。
でも、将来ユーグ師匠が帰ってきた時のことを考えると私がここで頑張らなければいけないと思うんだよね。
どうしよっかな……。
58
あなたにおすすめの小説
断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
古堂 素央
恋愛
【完結】
「なんでわたしを突き落とさないのよ」
学園の廊下で、見知らぬ女生徒に声をかけられた公爵令嬢ハナコ。
階段から転げ落ちたことをきっかけに、ハナコは自分が乙女ゲームの世界に生まれ変わったことを知る。しかもハナコは悪役令嬢のポジションで。
しかしなぜかヒロインそっちのけでぐいぐいハナコに迫ってくる攻略対象の王子。その上、王子は前世でハナコがこっぴどく振った瓶底眼鏡の山田そっくりで。
ギロチンエンドか瓶底眼鏡とゴールインするか。選択を迫られる中、他の攻略対象の好感度まで上がっていって!?
悪役令嬢? 断罪ざまぁ? いいえ、冴えない王子と結ばれるくらいなら、ノシつけてヒロインに押しつけます!
黒ヒロインの陰謀を交わしつつ、無事ハナコは王子の魔の手から逃げ切ることはできるのか!?
転生皇女セラフィナ
秋月真鳥
恋愛
公爵家のメイド・クラリッサは、幼い主君アルベルトを庇って十五歳で命を落とした。
目覚めたとき、彼女は皇女セラフィナとして生まれ変わっていた——死の、わずか翌日に。
赤ん坊の身体に十五歳の記憶を持ったまま、セラフィナは新しい人生を歩み始める。
皇帝に溺愛され、優しい母に抱かれ、兄に慈しまれる日々。
前世で冷遇されていた彼女にとって、家族の愛は眩しすぎるほどだった。
しかし、セラフィナの心は前世の主・アルベルトへの想いに揺れ続ける。
一歳のお披露目で再会した彼は、痩せ細り、クラリッサの死を今も引きずっていた。
「わたしは生涯結婚もしなければ子どもを持つこともない。わたしにはそんな幸福は許されない」
そう語るアルベルトの姿に、セラフィナは決意する。
言葉も満足に話せない。自由に動くこともできない。前世の記憶を明かすこともできない。
それでも、彼を救いたい。彼に幸せになってほしい。
転生した皇女が、小さな身体で挑む、長い長い物語が始まる。
※ノベルアップ+、小説家になろうでも掲載しています。
【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います
りまり
恋愛
私の名前はアリスと言います。
伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。
母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。
その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。
でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。
毎日見る夢に出てくる方だったのです。
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】優しいあなたに、さようなら。二人目の婚約者は、私を殺そうとしている冷血公爵様でした
ゆきのひ
恋愛
伯爵令嬢であるディアの婚約者は、整った容姿と優しい性格で評判だった。だが、いつからか彼は、婚約者であるディアを差し置き、最近知り合った男爵令嬢を優先するようになっていく。
彼と男爵令嬢の一線を越えた振る舞いに耐え切れなくなったディアは、婚約破棄を申し出る。
そして婚約破棄が成った後、新たな婚約者として紹介されたのは、魔物を残酷に狩ることで知られる冷血公爵。その名に恐れをなして何人もの令嬢が婚約を断ったと聞いたディアだが、ある理由からその婚約を承諾する。
しかし、公爵にもディアにも秘密があった。
その秘密のせいで、ディアは命の危機を感じることになったのだ……。
※本作は「小説家になろう」さん、カクヨムさんにも投稿しています
※表紙画像はAIで作成したものです
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
置き去りにされた転生シンママはご落胤を秘かに育てるも、モトサヤはご容赦のほどを
青の雀
恋愛
シンママから玉の輿婚へ
学生時代から付き合っていた王太子のレオンハルト・バルセロナ殿下に、ある日突然、旅先で置き去りにされてしまう。
お忍び旅行で来ていたので、誰も二人の居場所を知らなく、両親のどちらかが亡くなった時にしか発動しないはずの「血の呪縛」魔法を使われた。
お腹には、殿下との子供を宿しているというのに、政略結婚をするため、バレンシア・セレナーデ公爵令嬢が邪魔になったという理由だけで、あっけなく捨てられてしまったのだ。
レオンハルトは当初、バレンシアを置き去りにする意図はなく、すぐに戻ってくるつもりでいた。
でも、王都に戻ったレオンハルトは、そのまま結婚式を挙げさせられることになる。
お相手は隣国の王女アレキサンドラ。
アレキサンドラとレオンハルトは、形式の上だけの夫婦となるが、レオンハルトには心の妻であるバレンシアがいるので、指1本アレキサンドラに触れることはない。
バレンシアガ置き去りにされて、2年が経った頃、白い結婚に不満をあらわにしたアレキサンドラは、ついに、バレンシアとその王子の存在に気付き、ご落胤である王子を手に入れようと画策するが、どれも失敗に終わってしまう。
バレンシアは、前世、京都の餅菓子屋の一人娘として、シンママをしながら子供を育てた経験があり、今世もパティシエとしての腕を生かし、パンに製菓を売り歩く行商になり、王子を育てていく。
せっかくなので、家庭でできる餅菓子レシピを載せることにしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる