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新章 切掛
58 クロエの姿
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「クロエ様が目を覚ましたぞ。!? クロエ様、姿が」
私は師匠に言われた通り、魔法を解き、本来の姿になった。
「ああ、この姿が本来の姿だからね」
私がロシュフォードさんに答えた時、扉は大きな音を立ててレティシア嬢が入ってきた。
「ユーグ様が倒れたと聞きましたわ! そこの女、どきなさいっ! 私のユーグ様に触らないで!」
目覚めて早々にレティシア嬢か。
面倒だな。
師匠はこの女のことが大嫌いなんだろうな。
私も嫌いだ。
ユーグ師匠に執着する彼女に一番効くものは……。
私はレティシア嬢に向けて不敵な笑みを浮かべ、横で寝ているユーグ王子の頬を指で撫でた後、キスをする。
すると彼女の怒りが頂点に達したようで叫ぶ声が聞こえ、結界をドンドンと強く叩いてきた。
……どうしようかな。
せっかく師匠が張ってくれた結界を解くのもなぁ。
そう思っていると、ベッドがグッと沈み込む。
横を振り向くと、ユーグ王子が私の顎に手を当ててそのまま深いキスをしてきた。
「クロエ様、おはよう」
「ユーグ王子、目覚めた?」
私たちの様子を見ていたレティシア嬢はわなわなと震えている。
「ああ、爽やかな気分だ」
「ユーグ、大丈夫か?」
じっと黙っていたジルディット陛下が声を掛けてきた。
「父上、全く問題ありません」
ユーグ王子は私を抱き寄せ、笑顔で言葉を続ける。
「レティシア嬢、私の妻になるのはここにいるクロエだ。君には申し訳ないが別の子息を紹介しよう」
「私はユーグ様の婚約者です! その女を追い出して」
レティシア嬢はまた結界を叩き始めた。
「ポストマ公爵令嬢、やめないか。ユーグはまだ目覚めたばかりだ」
「陛下! あの女を捕まえてください」
「煩いな。せっかくクロエが手に入ったというのに」
レティシア嬢が陛下へ大声で訴えているのをユーグ王子は面倒くさそうに彼女に向けて魔法を使う。
部屋中に風が吹いたかと思うと、彼女を部屋から追い出してしまった。
「これで静かになったな。クロエ、続きをしよう」
ユーグ王子はまたキスをしようとしてきた時、ジルディット陛下が声をかけてきた。
「ユーグ、クロエ様が困っておるだろう」
ジルディット陛下がそう言うと、ユーグ王子は不機嫌そうにチッと舌打ちをした。
「ユーグ王子、無理しないで寝ていなさい。あとのことは大丈夫だから」
「……分かった。あとはクロエ様にお願いする」
ユーグ王子は言い終わると同時に身体が傾き、私は彼を受け止めた。
「クロエ様!? ユーグは……」
「ジルディット陛下、大丈夫。眠りにつくと言ったでしょう? 本当なら魔力暴走が治まった時に眠りにつくはずだったけれど、私が倒れたことやレティシア嬢が勝手に部屋に入ってきたことで無理やり起きたの。
彼はしばらく眠りにつく。ジルディット陛下、ユーグ王子の目が覚めるまで彼を安全な場所に匿うことにする。ここは邪魔者が多すぎる」
「……ユーグをどこへ」
「彼が目覚めた時、戻ってくるからしばらく待っていて」
私はそう言い残し、彼と共に魔の森の家に転移した。
「師匠、おかえり。ここならゆっくりと過ごせるね」
私は彼をベッドに寝かせ、森を閉じた。
私は久々に師匠がいることに心が浮かれている。
寝ていたって問題ない。
私が彼をどんなものからも守る、守ってみせる。
私は師匠に言われた通り、魔法を解き、本来の姿になった。
「ああ、この姿が本来の姿だからね」
私がロシュフォードさんに答えた時、扉は大きな音を立ててレティシア嬢が入ってきた。
「ユーグ様が倒れたと聞きましたわ! そこの女、どきなさいっ! 私のユーグ様に触らないで!」
目覚めて早々にレティシア嬢か。
面倒だな。
師匠はこの女のことが大嫌いなんだろうな。
私も嫌いだ。
ユーグ師匠に執着する彼女に一番効くものは……。
私はレティシア嬢に向けて不敵な笑みを浮かべ、横で寝ているユーグ王子の頬を指で撫でた後、キスをする。
すると彼女の怒りが頂点に達したようで叫ぶ声が聞こえ、結界をドンドンと強く叩いてきた。
……どうしようかな。
せっかく師匠が張ってくれた結界を解くのもなぁ。
そう思っていると、ベッドがグッと沈み込む。
横を振り向くと、ユーグ王子が私の顎に手を当ててそのまま深いキスをしてきた。
「クロエ様、おはよう」
「ユーグ王子、目覚めた?」
私たちの様子を見ていたレティシア嬢はわなわなと震えている。
「ああ、爽やかな気分だ」
「ユーグ、大丈夫か?」
じっと黙っていたジルディット陛下が声を掛けてきた。
「父上、全く問題ありません」
ユーグ王子は私を抱き寄せ、笑顔で言葉を続ける。
「レティシア嬢、私の妻になるのはここにいるクロエだ。君には申し訳ないが別の子息を紹介しよう」
「私はユーグ様の婚約者です! その女を追い出して」
レティシア嬢はまた結界を叩き始めた。
「ポストマ公爵令嬢、やめないか。ユーグはまだ目覚めたばかりだ」
「陛下! あの女を捕まえてください」
「煩いな。せっかくクロエが手に入ったというのに」
レティシア嬢が陛下へ大声で訴えているのをユーグ王子は面倒くさそうに彼女に向けて魔法を使う。
部屋中に風が吹いたかと思うと、彼女を部屋から追い出してしまった。
「これで静かになったな。クロエ、続きをしよう」
ユーグ王子はまたキスをしようとしてきた時、ジルディット陛下が声をかけてきた。
「ユーグ、クロエ様が困っておるだろう」
ジルディット陛下がそう言うと、ユーグ王子は不機嫌そうにチッと舌打ちをした。
「ユーグ王子、無理しないで寝ていなさい。あとのことは大丈夫だから」
「……分かった。あとはクロエ様にお願いする」
ユーグ王子は言い終わると同時に身体が傾き、私は彼を受け止めた。
「クロエ様!? ユーグは……」
「ジルディット陛下、大丈夫。眠りにつくと言ったでしょう? 本当なら魔力暴走が治まった時に眠りにつくはずだったけれど、私が倒れたことやレティシア嬢が勝手に部屋に入ってきたことで無理やり起きたの。
彼はしばらく眠りにつく。ジルディット陛下、ユーグ王子の目が覚めるまで彼を安全な場所に匿うことにする。ここは邪魔者が多すぎる」
「……ユーグをどこへ」
「彼が目覚めた時、戻ってくるからしばらく待っていて」
私はそう言い残し、彼と共に魔の森の家に転移した。
「師匠、おかえり。ここならゆっくりと過ごせるね」
私は彼をベッドに寝かせ、森を閉じた。
私は久々に師匠がいることに心が浮かれている。
寝ていたって問題ない。
私が彼をどんなものからも守る、守ってみせる。
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