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1物語のはじまり
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「ナーニョ、八歳のお誕生日おめでとう!」
「お父さん、お母さんありがとう」
「ナーニョも八歳になったのだからプレゼントは指輪にしたんだ」
「本当!? 嬉しいっ! ありがとう」
私は大きく尻尾を振って母に抱きついた。
母は私の頭を撫でて身体を少し離した後に三つの指輪を渡してくれる。
貰った指輪にはヒエロス、ヒーストール、ヒュールヒュールと書かれている。
初めての指輪に私はとっても興奮して立ち上がった。
「凄い! これで私も魔法が使えるのね」
「ナーニョ、指輪の使い方はわかる?」
「えっと、確かヒエロスは怪我を回復させる魔法で、ヒーストールは異界の穴になる前のものを浄化するのと、ヒュールヒュールは魔物から自分を守る結界だよね」
「よく覚えていたわね。それなら問題ないわ」
「だって、私、ずっと指輪が欲しかったんだもん。お母さんたちのように魔法が使いたかったの。怪我をして困っている人を助けたいって思ってたんだっ」
「ナーニョは優しい子ね。お母さんは嬉しいわ。ナーニョはきっと素晴らしい回復魔法の使い手になるわ」
「えへへ」
私は嬉しくなってまた母に抱きついた。
妹のローニャは小さくてまだよく分かっていないらしく首を傾げている。
「もう少し魔法に慣れたらマローの指輪やタズーロの指輪を用意しないとな」
「本当!? お父さん、私頑張るね!」
いつもの日常。彼女にとってそれはとても幸せなことで一つひとつがかけがえのないものになるとは思っていなかった。
ある日のこと、突然村に異界の穴が空き魔物は村を襲った。
私はローニャと共に地下の食糧庫に隠れ難を逃れた。すぐに国王軍が駆け、魔物を討伐したのだが、村は私たちを残し、全てが破壊され、みんなが亡くなった。
この世界では異界の穴と呼ばれるものがあり、数年に一度、世界各地で異界の穴は出現する事が確認されている。
異界の穴は別の世界と繋がっているようなのだが、大半が魔物の湧く穴なのだ。
大昔から私達は異界の穴から出てくる魔物と戦っていた。
だが異界の穴から魔法を使う人間がこの世界にやってきた時、情勢は大きく変わった。
その人間は異界の穴を塞ぐ魔法を作り上げたのだ。
獣人たちは異界の穴を塞ぐ事ができるようになり、もちろん歓喜に沸いた。だが異界の穴を塞ぐ事が出来ても数年のうちにまた何処かに穴が空くことに気づいた。
それはいたちごっこのように繰り返される。そのため、異界の穴を塞ぐ方法を忘れないようにこの世界全ての者が幼少期より歴史や魔法について学んでいる。
偉大な先祖が努力の末に異界の穴を閉じることに成功し、子孫である私達は教えを守り、穴から出てきた魔物と戦い、魔法が使える者達で穴を塞ぐ。
ずっとこれを繰り返してきた。
穴を塞ぐ術を身につけたおかげで魔物の被害が少なくなり、平和に過ごせるようになったのだが、まだまだナーニョの村のように惨劇が起こってしまうのだ。
残された私たちは国王軍のリーダーさんのおかげで隣村の教会に引き取られることになった。
今、教会には私たち以外子供がいない。つまり、私とローニャのみ。
教会は歳のいった神父様とシスターが暮らしている。昔は孤児院をしていたようだが、みんな独り立ちしていき、今は子供がいないのだとか。
私とローニャは教会での生活が始まった。
私の名前はナーニョ・スロフ、八歳。猫種の獣人なの。明るい茶色の耳にふわふわの尻尾はとっても気に入っているわ。けれど人間の血が濃い私は猫の特徴ともいえるものは殆ど持っていないけれど、祖母のおかげで魔力は多いわ。
教会の朝は早い。
シスターと食事を作った後、皆でお祈りをして食事を摂る。
その後、ローニャはシスターと部屋の掃除をする。私は村の人達と畑の手伝いやヒエロスを唱えて一日の疲れを回復する。
この村も私達がいた村と同じで大人は仕事に出て年寄りは子供たちと畑仕事をしている。
ローニャはやはり村での出来事が原因になっているのかシスターから離れる事が出来ないみたい。
シスターは私達がここに来た理由を知っているので何も言わず、怖がる度にローニャの頭を撫でて「大丈夫よ」と声を掛けてくれている。
そのおかげで少しずつローニャも落ち着いてきた。
私とローニャは神父様から魔法の成り立ちや魔法円の書き方など魔法について毎日少しずつ勉強を教えてもらっている。
シスターからはお金の計算や料理の仕方など生きていくために必要となるものを教えてもらう。
「ナーニョは『先祖返り』を親族にもっておるから魔力も質も高い。大きくなったら街へ出て魔法使いとして働けそうじゃな」
「神父様、『先祖返り』っていうのはなあに?」
横にいたローニャが神父様に聞いてきた。
「大昔に異界の穴からきた人間は獣人よりもか弱いが知力は高く魔法が使えたんじゃ。
我々獣人は人間と混ざったことにより子孫である私たちも道具を使えば魔法が使えるようになったのだが、何百年という年月が経つうちに段々と固有の能力は薄まっていった。
だが、獣人たちの中に昔の獣人や人間の姿や能力を持つ者が出てきた。それを『先祖返り』と呼んでおるのじゃよ。
猫であればしなやかになり柔軟な身体となることや、熊になると力が強くなるなど。
反対に人間の血が強くなると道具を使用しなくても魔法が行使出来る。ナーニョもローニャも魔力が高いのはそのおかげじゃな」
人間寄り、獣人寄り、どちらも魔物が現れるこの世界には必要な能力なので歓迎されているのだ。
「神父様、みんな魔法が使えるけど、魔法使いは何が違うの?」
私も神父様に質問すると、神父様は優しく答えてくれる。
「魔力を多く消費する高度な魔法が使える獣人はほんの一握りしかいないんじゃ。異界の穴を閉じるグリスコヒュールなんかはその一つじゃな。それを扱えるほどの知識と魔力量があるかどうかだろう」
「神父様、私、皆を守るために勉強を頑張りたい。神父様のおかげでヒュールヒュールも上手くなったわ。上位の指輪を手に入れたらこの村全体を包んで守りたい」
「ナーニョはいい子じゃな。ここまで育ててくれた両親にも感謝せねばならん」
「はい、神父様。私、お父さんやお母さんのためにも頑張ります」
私は将来優秀な魔法使いになることを心に決めた。
神父様の話では上位の魔法使いになれば指輪は文字を刻まなくてもいいらしい。
その代わり地面に魔法円を描いて手を付く。指輪を通して魔力を流し、魔法を使うのだとか。そうすれば毎回指輪を交換する事がないので楽なのだとか。
大勢を転移させるための魔法はこの方法が取られている。国王軍がすぐに到着したのもこの転移魔法のおかげらしい。
ただ、指輪は高価な物だし、魔力量の関係もあるので一般人は未だに馬車を使うのが殆どだ。
私も魔法使いになれば魔法円を自在に使えるようになるのではないかと教えられた。
魔法円は描く事がまず難しい。何度も練習しているが、今の私にはまだ魔法を発現させるに至っていない。
回復魔法は毎日使うことで魔力の扱い方も慣れてきた。やはり私は魔力量が多いようで他の人が使う魔法に比べ、効果は高いようだ。
✂︎ーーーーーーーーーーーーーーーー
突然の変更すみませんでしたっっ。汗
猛ダッシュで冒頭部をカットし、読みにくい説明部を加え…。
あとはこっそり細々と変更していく予定です。
「お父さん、お母さんありがとう」
「ナーニョも八歳になったのだからプレゼントは指輪にしたんだ」
「本当!? 嬉しいっ! ありがとう」
私は大きく尻尾を振って母に抱きついた。
母は私の頭を撫でて身体を少し離した後に三つの指輪を渡してくれる。
貰った指輪にはヒエロス、ヒーストール、ヒュールヒュールと書かれている。
初めての指輪に私はとっても興奮して立ち上がった。
「凄い! これで私も魔法が使えるのね」
「ナーニョ、指輪の使い方はわかる?」
「えっと、確かヒエロスは怪我を回復させる魔法で、ヒーストールは異界の穴になる前のものを浄化するのと、ヒュールヒュールは魔物から自分を守る結界だよね」
「よく覚えていたわね。それなら問題ないわ」
「だって、私、ずっと指輪が欲しかったんだもん。お母さんたちのように魔法が使いたかったの。怪我をして困っている人を助けたいって思ってたんだっ」
「ナーニョは優しい子ね。お母さんは嬉しいわ。ナーニョはきっと素晴らしい回復魔法の使い手になるわ」
「えへへ」
私は嬉しくなってまた母に抱きついた。
妹のローニャは小さくてまだよく分かっていないらしく首を傾げている。
「もう少し魔法に慣れたらマローの指輪やタズーロの指輪を用意しないとな」
「本当!? お父さん、私頑張るね!」
いつもの日常。彼女にとってそれはとても幸せなことで一つひとつがかけがえのないものになるとは思っていなかった。
ある日のこと、突然村に異界の穴が空き魔物は村を襲った。
私はローニャと共に地下の食糧庫に隠れ難を逃れた。すぐに国王軍が駆け、魔物を討伐したのだが、村は私たちを残し、全てが破壊され、みんなが亡くなった。
この世界では異界の穴と呼ばれるものがあり、数年に一度、世界各地で異界の穴は出現する事が確認されている。
異界の穴は別の世界と繋がっているようなのだが、大半が魔物の湧く穴なのだ。
大昔から私達は異界の穴から出てくる魔物と戦っていた。
だが異界の穴から魔法を使う人間がこの世界にやってきた時、情勢は大きく変わった。
その人間は異界の穴を塞ぐ魔法を作り上げたのだ。
獣人たちは異界の穴を塞ぐ事ができるようになり、もちろん歓喜に沸いた。だが異界の穴を塞ぐ事が出来ても数年のうちにまた何処かに穴が空くことに気づいた。
それはいたちごっこのように繰り返される。そのため、異界の穴を塞ぐ方法を忘れないようにこの世界全ての者が幼少期より歴史や魔法について学んでいる。
偉大な先祖が努力の末に異界の穴を閉じることに成功し、子孫である私達は教えを守り、穴から出てきた魔物と戦い、魔法が使える者達で穴を塞ぐ。
ずっとこれを繰り返してきた。
穴を塞ぐ術を身につけたおかげで魔物の被害が少なくなり、平和に過ごせるようになったのだが、まだまだナーニョの村のように惨劇が起こってしまうのだ。
残された私たちは国王軍のリーダーさんのおかげで隣村の教会に引き取られることになった。
今、教会には私たち以外子供がいない。つまり、私とローニャのみ。
教会は歳のいった神父様とシスターが暮らしている。昔は孤児院をしていたようだが、みんな独り立ちしていき、今は子供がいないのだとか。
私とローニャは教会での生活が始まった。
私の名前はナーニョ・スロフ、八歳。猫種の獣人なの。明るい茶色の耳にふわふわの尻尾はとっても気に入っているわ。けれど人間の血が濃い私は猫の特徴ともいえるものは殆ど持っていないけれど、祖母のおかげで魔力は多いわ。
教会の朝は早い。
シスターと食事を作った後、皆でお祈りをして食事を摂る。
その後、ローニャはシスターと部屋の掃除をする。私は村の人達と畑の手伝いやヒエロスを唱えて一日の疲れを回復する。
この村も私達がいた村と同じで大人は仕事に出て年寄りは子供たちと畑仕事をしている。
ローニャはやはり村での出来事が原因になっているのかシスターから離れる事が出来ないみたい。
シスターは私達がここに来た理由を知っているので何も言わず、怖がる度にローニャの頭を撫でて「大丈夫よ」と声を掛けてくれている。
そのおかげで少しずつローニャも落ち着いてきた。
私とローニャは神父様から魔法の成り立ちや魔法円の書き方など魔法について毎日少しずつ勉強を教えてもらっている。
シスターからはお金の計算や料理の仕方など生きていくために必要となるものを教えてもらう。
「ナーニョは『先祖返り』を親族にもっておるから魔力も質も高い。大きくなったら街へ出て魔法使いとして働けそうじゃな」
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我々獣人は人間と混ざったことにより子孫である私たちも道具を使えば魔法が使えるようになったのだが、何百年という年月が経つうちに段々と固有の能力は薄まっていった。
だが、獣人たちの中に昔の獣人や人間の姿や能力を持つ者が出てきた。それを『先祖返り』と呼んでおるのじゃよ。
猫であればしなやかになり柔軟な身体となることや、熊になると力が強くなるなど。
反対に人間の血が強くなると道具を使用しなくても魔法が行使出来る。ナーニョもローニャも魔力が高いのはそのおかげじゃな」
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「神父様、みんな魔法が使えるけど、魔法使いは何が違うの?」
私も神父様に質問すると、神父様は優しく答えてくれる。
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「神父様、私、皆を守るために勉強を頑張りたい。神父様のおかげでヒュールヒュールも上手くなったわ。上位の指輪を手に入れたらこの村全体を包んで守りたい」
「ナーニョはいい子じゃな。ここまで育ててくれた両親にも感謝せねばならん」
「はい、神父様。私、お父さんやお母さんのためにも頑張ります」
私は将来優秀な魔法使いになることを心に決めた。
神父様の話では上位の魔法使いになれば指輪は文字を刻まなくてもいいらしい。
その代わり地面に魔法円を描いて手を付く。指輪を通して魔力を流し、魔法を使うのだとか。そうすれば毎回指輪を交換する事がないので楽なのだとか。
大勢を転移させるための魔法はこの方法が取られている。国王軍がすぐに到着したのもこの転移魔法のおかげらしい。
ただ、指輪は高価な物だし、魔力量の関係もあるので一般人は未だに馬車を使うのが殆どだ。
私も魔法使いになれば魔法円を自在に使えるようになるのではないかと教えられた。
魔法円は描く事がまず難しい。何度も練習しているが、今の私にはまだ魔法を発現させるに至っていない。
回復魔法は毎日使うことで魔力の扱い方も慣れてきた。やはり私は魔力量が多いようで他の人が使う魔法に比べ、効果は高いようだ。
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