まさか猫種の私が聖女なんですか?

まるねこ

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28 お出かけの約束

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 ローニャの頑張りが自分のことのようで少し鼻が高い。

 先にフェルナンドさんが伝えてくれていたらしく詰所に着くとエサイアス様が手を振り待っていてくれていた。

「お疲れ様、ナーニョ嬢もローニャ嬢疲れただろう? さぁ帰ろう」
「お仕事の最中なのにすみません」
「いや、良いんだ。君たちを守ることは最重要任務だ」

 彼はそう言うと優しく微笑みながら私と馬車に向かって歩き出した。

「フェルナンドから聞いた。ローニャ嬢は騎士達に大人気だったんだって?」
「どうやらそうみたいですね。私は重症患者の治療をしていたため、残念ながら見ていないのですが、部屋の外に声が漏れ聞こえるほど騎士たちが聞こえていました」

「そうかそうか。ローニャ嬢が治療した騎士たちは明日から騎士団に復帰予定なんだ。君たちのおかげで騎士達の士気は日にひに高くなっているのは間違いない」
「少しでもお役に立てているなら嬉しいです」
「ナーニョ嬢、つらい時はすぐに言ってほしい。私は君を大切に思っている」

「……ありがとうございます。そう言っていただけると、私も嬉しいです」

 なんだか告白されているみたいな気持ちで照れてしまう。空気を変えるようにそこからは雑談をしながら邸に戻った。

「お帰りなさいませ。今日は早いお帰りですね」
「あぁ、今日は騎士達の怪我の治療をメインに活動してもらった。ローニャ嬢は魔力が尽きるまで頑張ったみたいだ。ベッドで休ませて」
「ナーニョ様とローニャ様には頭が上がりませんね。今日は早めの夕食を準備しますか?」
「あぁ、頼む」

 私はローニャを起こさないようにそっとソファに座りゆっくりする。

 ローニャは身体がまだ小さいためまだまだ体力が乏しい。ローニャの魔力量を見てみると、来年辺りから一気に成長しそうな気がする。今はローニャに負担を掛けれない。

 気を付けないと。

「……おねえちゃん? おはよう? あれ? ここは家?」
「起きた? マルカスさん達がローニャをここまで運んでくれたんだから後でお礼を言わなくちゃね」
「うん! そうね」

「もうすぐご飯の時間だけれど、ローニャは食べられる?」
「食べられるよー。お腹ぺこぺこだもん。ご飯までの間にお風呂に入ろうかな。さっぱりしたい」
「それが良いかもね」

 私たちは他愛のない会話をした後、入浴をして夕食の時間となった。

「わぁ! 美味しそうなごはん!」

 ローニャはとても喜んでいる。

「昨日、ナーニョ様が怪我の治療をした方が貴族の方でお礼にと頂いたものです」
「美味しそうだね、お姉ちゃん」

「そうね。お礼なんていいのに。私たちは自分達ができることをしただけだし」
「これからこういったことが増えるかもしれない。何か考えておかないといけないね。あ、そうそう。ローニャ嬢、陛下からこの小袋を渡されていたんだ。中身はローニャ嬢が好きそうな木の実を陛下自ら厳選したと言っていた」

「本当!? 嬉しい。あとでお礼のお手紙を書かなくちゃね。ロキアさん、手伝ってもらっていい?」
「もちろんです」

 今日は私もお腹がペコペコなので盛られたご飯に感謝しながら食べていく。

「そうだ、ナーニョ嬢、ローニャ嬢。今度の休みがもらえたら王都の観光にでも行ってみるかい? ずっと邸と城しか外に出ないから飽きたんじゃない? 後、陛下の時間が空いたらまた会いたいと言っていたよ。その時に教会の神官も来ると言っていたから顔合わせも兼ねているのかもしれない」
「観光に行ってみたいです」
「私も楽しみ!」

 私たちは楽しく話をしながら食事をした。



 翌日。

「ナーニョさん、この文字はなんて書いてあるのですか?」
「これは……」

 今日は教科書を読みながら研究所の方々と魔法の勉強をしている。

 昨日の間に研究所の人は破れた教科書を新しい紙に全て書き終えたようで製本し、基本的にその本を元に勉強や解析をしていくようだ。破れた教科書は貴重な資料なのでこれ以上の破れを防ぐためには仕方がない。

 ローニャはというと、こちらの世界の言葉を頑張って覚えているようだ。覚えが早くて驚かれている。反対に私はこちらの言葉の読み書きが苦手だ。

 今は話ができるので問題はないが、これから先、書類や契約などがあればこちらの文字を読むことは必須になるし、覚えていても損はない。

 研究所の人たちもそれを分かってくれているようで私に無理強いはしないみたい。

「ナーニョさん! 早速ですが、指輪を作ってみたので試してもらっても良いですか?」

 第二研究室の方が出来上がった指輪を私に見せに来たのだ。

 私たちは話を一旦止め、差し出された指輪を手に取った。私の持っている指輪は一般的な指輪のため指輪を作った後、金型を押して文字を刻んでいるのだと思うが、この指輪は職人が指輪を削り、作ったような感じだ。

 その違いがどう作用するのか分からない。

「この指輪を使ってみてもいいですか?」
「使うなら医務室へと向かいましょう。ちょっとナーニョさんを借ります」
「おいおい、急だな。我々も一緒に付いていく」

 私たちは一緒に医務室へと向かった。

 本日、ローニャはお勉強のため治療はしないと決まっている。少し不服そうだったが、ローニャに危険があったら大変だ。

「ザイオン先生、こんにちは」
「ナーニョ様。待っていました。今日は研究所が作った指輪の試験なのでしょう? 昨日ローニャ様が治療していた部屋の騎士達なら喜んで協力してくれると思います」
「わかりました」
「エリオット、一緒に行ってこい」
「わかりました」
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