28 / 125
28 お出かけの約束
しおりを挟む
ローニャの頑張りが自分のことのようで少し鼻が高い。
先にフェルナンドさんが伝えてくれていたらしく詰所に着くとエサイアス様が手を振り待っていてくれていた。
「お疲れ様、ナーニョ嬢もローニャ嬢疲れただろう? さぁ帰ろう」
「お仕事の最中なのにすみません」
「いや、良いんだ。君たちを守ることは最重要任務だ」
彼はそう言うと優しく微笑みながら私と馬車に向かって歩き出した。
「フェルナンドから聞いた。ローニャ嬢は騎士達に大人気だったんだって?」
「どうやらそうみたいですね。私は重症患者の治療をしていたため、残念ながら見ていないのですが、部屋の外に声が漏れ聞こえるほど騎士たちが聞こえていました」
「そうかそうか。ローニャ嬢が治療した騎士たちは明日から騎士団に復帰予定なんだ。君たちのおかげで騎士達の士気は日にひに高くなっているのは間違いない」
「少しでもお役に立てているなら嬉しいです」
「ナーニョ嬢、つらい時はすぐに言ってほしい。私は君を大切に思っている」
「……ありがとうございます。そう言っていただけると、私も嬉しいです」
なんだか告白されているみたいな気持ちで照れてしまう。空気を変えるようにそこからは雑談をしながら邸に戻った。
「お帰りなさいませ。今日は早いお帰りですね」
「あぁ、今日は騎士達の怪我の治療をメインに活動してもらった。ローニャ嬢は魔力が尽きるまで頑張ったみたいだ。ベッドで休ませて」
「ナーニョ様とローニャ様には頭が上がりませんね。今日は早めの夕食を準備しますか?」
「あぁ、頼む」
私はローニャを起こさないようにそっとソファに座りゆっくりする。
ローニャは身体がまだ小さいためまだまだ体力が乏しい。ローニャの魔力量を見てみると、来年辺りから一気に成長しそうな気がする。今はローニャに負担を掛けれない。
気を付けないと。
「……おねえちゃん? おはよう? あれ? ここは家?」
「起きた? マルカスさん達がローニャをここまで運んでくれたんだから後でお礼を言わなくちゃね」
「うん! そうね」
「もうすぐご飯の時間だけれど、ローニャは食べられる?」
「食べられるよー。お腹ぺこぺこだもん。ご飯までの間にお風呂に入ろうかな。さっぱりしたい」
「それが良いかもね」
私たちは他愛のない会話をした後、入浴をして夕食の時間となった。
「わぁ! 美味しそうなごはん!」
ローニャはとても喜んでいる。
「昨日、ナーニョ様が怪我の治療をした方が貴族の方でお礼にと頂いたものです」
「美味しそうだね、お姉ちゃん」
「そうね。お礼なんていいのに。私たちは自分達ができることをしただけだし」
「これからこういったことが増えるかもしれない。何か考えておかないといけないね。あ、そうそう。ローニャ嬢、陛下からこの小袋を渡されていたんだ。中身はローニャ嬢が好きそうな木の実を陛下自ら厳選したと言っていた」
「本当!? 嬉しい。あとでお礼のお手紙を書かなくちゃね。ロキアさん、手伝ってもらっていい?」
「もちろんです」
今日は私もお腹がペコペコなので盛られたご飯に感謝しながら食べていく。
「そうだ、ナーニョ嬢、ローニャ嬢。今度の休みがもらえたら王都の観光にでも行ってみるかい? ずっと邸と城しか外に出ないから飽きたんじゃない? 後、陛下の時間が空いたらまた会いたいと言っていたよ。その時に教会の神官も来ると言っていたから顔合わせも兼ねているのかもしれない」
「観光に行ってみたいです」
「私も楽しみ!」
私たちは楽しく話をしながら食事をした。
翌日。
「ナーニョさん、この文字はなんて書いてあるのですか?」
「これは……」
今日は教科書を読みながら研究所の方々と魔法の勉強をしている。
昨日の間に研究所の人は破れた教科書を新しい紙に全て書き終えたようで製本し、基本的にその本を元に勉強や解析をしていくようだ。破れた教科書は貴重な資料なのでこれ以上の破れを防ぐためには仕方がない。
ローニャはというと、こちらの世界の言葉を頑張って覚えているようだ。覚えが早くて驚かれている。反対に私はこちらの言葉の読み書きが苦手だ。
今は話ができるので問題はないが、これから先、書類や契約などがあればこちらの文字を読むことは必須になるし、覚えていても損はない。
研究所の人たちもそれを分かってくれているようで私に無理強いはしないみたい。
「ナーニョさん! 早速ですが、指輪を作ってみたので試してもらっても良いですか?」
第二研究室の方が出来上がった指輪を私に見せに来たのだ。
私たちは話を一旦止め、差し出された指輪を手に取った。私の持っている指輪は一般的な指輪のため指輪を作った後、金型を押して文字を刻んでいるのだと思うが、この指輪は職人が指輪を削り、作ったような感じだ。
その違いがどう作用するのか分からない。
「この指輪を使ってみてもいいですか?」
「使うなら医務室へと向かいましょう。ちょっとナーニョさんを借ります」
「おいおい、急だな。我々も一緒に付いていく」
私たちは一緒に医務室へと向かった。
本日、ローニャはお勉強のため治療はしないと決まっている。少し不服そうだったが、ローニャに危険があったら大変だ。
「ザイオン先生、こんにちは」
「ナーニョ様。待っていました。今日は研究所が作った指輪の試験なのでしょう? 昨日ローニャ様が治療していた部屋の騎士達なら喜んで協力してくれると思います」
「わかりました」
「エリオット、一緒に行ってこい」
「わかりました」
先にフェルナンドさんが伝えてくれていたらしく詰所に着くとエサイアス様が手を振り待っていてくれていた。
「お疲れ様、ナーニョ嬢もローニャ嬢疲れただろう? さぁ帰ろう」
「お仕事の最中なのにすみません」
「いや、良いんだ。君たちを守ることは最重要任務だ」
彼はそう言うと優しく微笑みながら私と馬車に向かって歩き出した。
「フェルナンドから聞いた。ローニャ嬢は騎士達に大人気だったんだって?」
「どうやらそうみたいですね。私は重症患者の治療をしていたため、残念ながら見ていないのですが、部屋の外に声が漏れ聞こえるほど騎士たちが聞こえていました」
「そうかそうか。ローニャ嬢が治療した騎士たちは明日から騎士団に復帰予定なんだ。君たちのおかげで騎士達の士気は日にひに高くなっているのは間違いない」
「少しでもお役に立てているなら嬉しいです」
「ナーニョ嬢、つらい時はすぐに言ってほしい。私は君を大切に思っている」
「……ありがとうございます。そう言っていただけると、私も嬉しいです」
なんだか告白されているみたいな気持ちで照れてしまう。空気を変えるようにそこからは雑談をしながら邸に戻った。
「お帰りなさいませ。今日は早いお帰りですね」
「あぁ、今日は騎士達の怪我の治療をメインに活動してもらった。ローニャ嬢は魔力が尽きるまで頑張ったみたいだ。ベッドで休ませて」
「ナーニョ様とローニャ様には頭が上がりませんね。今日は早めの夕食を準備しますか?」
「あぁ、頼む」
私はローニャを起こさないようにそっとソファに座りゆっくりする。
ローニャは身体がまだ小さいためまだまだ体力が乏しい。ローニャの魔力量を見てみると、来年辺りから一気に成長しそうな気がする。今はローニャに負担を掛けれない。
気を付けないと。
「……おねえちゃん? おはよう? あれ? ここは家?」
「起きた? マルカスさん達がローニャをここまで運んでくれたんだから後でお礼を言わなくちゃね」
「うん! そうね」
「もうすぐご飯の時間だけれど、ローニャは食べられる?」
「食べられるよー。お腹ぺこぺこだもん。ご飯までの間にお風呂に入ろうかな。さっぱりしたい」
「それが良いかもね」
私たちは他愛のない会話をした後、入浴をして夕食の時間となった。
「わぁ! 美味しそうなごはん!」
ローニャはとても喜んでいる。
「昨日、ナーニョ様が怪我の治療をした方が貴族の方でお礼にと頂いたものです」
「美味しそうだね、お姉ちゃん」
「そうね。お礼なんていいのに。私たちは自分達ができることをしただけだし」
「これからこういったことが増えるかもしれない。何か考えておかないといけないね。あ、そうそう。ローニャ嬢、陛下からこの小袋を渡されていたんだ。中身はローニャ嬢が好きそうな木の実を陛下自ら厳選したと言っていた」
「本当!? 嬉しい。あとでお礼のお手紙を書かなくちゃね。ロキアさん、手伝ってもらっていい?」
「もちろんです」
今日は私もお腹がペコペコなので盛られたご飯に感謝しながら食べていく。
「そうだ、ナーニョ嬢、ローニャ嬢。今度の休みがもらえたら王都の観光にでも行ってみるかい? ずっと邸と城しか外に出ないから飽きたんじゃない? 後、陛下の時間が空いたらまた会いたいと言っていたよ。その時に教会の神官も来ると言っていたから顔合わせも兼ねているのかもしれない」
「観光に行ってみたいです」
「私も楽しみ!」
私たちは楽しく話をしながら食事をした。
翌日。
「ナーニョさん、この文字はなんて書いてあるのですか?」
「これは……」
今日は教科書を読みながら研究所の方々と魔法の勉強をしている。
昨日の間に研究所の人は破れた教科書を新しい紙に全て書き終えたようで製本し、基本的にその本を元に勉強や解析をしていくようだ。破れた教科書は貴重な資料なのでこれ以上の破れを防ぐためには仕方がない。
ローニャはというと、こちらの世界の言葉を頑張って覚えているようだ。覚えが早くて驚かれている。反対に私はこちらの言葉の読み書きが苦手だ。
今は話ができるので問題はないが、これから先、書類や契約などがあればこちらの文字を読むことは必須になるし、覚えていても損はない。
研究所の人たちもそれを分かってくれているようで私に無理強いはしないみたい。
「ナーニョさん! 早速ですが、指輪を作ってみたので試してもらっても良いですか?」
第二研究室の方が出来上がった指輪を私に見せに来たのだ。
私たちは話を一旦止め、差し出された指輪を手に取った。私の持っている指輪は一般的な指輪のため指輪を作った後、金型を押して文字を刻んでいるのだと思うが、この指輪は職人が指輪を削り、作ったような感じだ。
その違いがどう作用するのか分からない。
「この指輪を使ってみてもいいですか?」
「使うなら医務室へと向かいましょう。ちょっとナーニョさんを借ります」
「おいおい、急だな。我々も一緒に付いていく」
私たちは一緒に医務室へと向かった。
本日、ローニャはお勉強のため治療はしないと決まっている。少し不服そうだったが、ローニャに危険があったら大変だ。
「ザイオン先生、こんにちは」
「ナーニョ様。待っていました。今日は研究所が作った指輪の試験なのでしょう? 昨日ローニャ様が治療していた部屋の騎士達なら喜んで協力してくれると思います」
「わかりました」
「エリオット、一緒に行ってこい」
「わかりました」
55
あなたにおすすめの小説
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
底無しポーターは端倪すべからざる
さいわ りゅう
ファンタジー
運び屋(ポーター)のルカ・ブライオンは、冒険者パーティーを追放された。ーーが、正直痛くも痒くもなかった。何故なら仕方なく同行していただけだから。
ルカの魔法適正は、運び屋(ポーター)に適した収納系魔法のみ。
攻撃系魔法の適正は皆無だけれど、なんなら独りで魔窟(ダンジョン)にだって潜れる、ちょっと底無しで少し底知れない運び屋(ポーター)。
そんなルカの日常と、ときどき魔窟(ダンジョン)と周囲の人達のお話。
※タグの「恋愛要素あり」は年の差恋愛です。
※ごくまれに残酷描写を含みます。
※【小説家になろう】様にも掲載しています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】召喚された2人〜大聖女様はどっち?
咲雪
恋愛
日本の大学生、神代清良(かみしろきよら)は異世界に召喚された。同時に後輩と思われる黒髪黒目の美少女の高校生津島花恋(つしまかれん)も召喚された。花恋が大聖女として扱われた。放置された清良を見放せなかった聖騎士クリスフォード・ランディックは、清良を保護することにした。
※番外編(後日談)含め、全23話完結、予約投稿済みです。
※ヒロインとヒーローは純然たる善人ではないです。
※騎士の上位が聖騎士という設定です。
※下品かも知れません。
※甘々(当社比)
※ご都合展開あり。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる