48 / 125
48 神官長の魔法
しおりを挟む
「ナーニョ様、ごきげんよう」
「ごきげんよう」
すれ違う人たちは皆、私に挨拶をしていく。医務室や騎士達の顔を覚えてきてはいるが、貴族は接する機会もないため、まだまだだ。
自分の部屋に戻ると、ローニャはベッドの上で本を読んでいた。
「ローニャ、痛みはどう?」
「うん、こうやってベッドにいたら痛くはないかな」
「良かったわ。心配したわ」
「ごめんね、お姉ちゃん」
「気にしなくていいの。それよりお父様達にお願いしないといけないわ。洋服がすぐに小さくなるからね」
「そうだったね。今まで着ていた兄様たちのお洋服もすぐに着れなくなりそうだよね。それより、お姉ちゃん、その髪飾りはどうしたの?」
「ああ、これ?エサイアス様にもらったの。可愛いでしょう?」
「お姉ちゃんに良く似合っている!いいなあ、私もケイルート兄様にお願いしようかな」
「良いと思うわ。兄様ならすぐに買ってくれそうね」
「だよね! ああ、でも今の状態なら小さな子供向けの可愛いものだよね。中身はお姉ちゃんとそう変わらないはずなのにっ。成長してすぐに似合わなくなるのも嫌だから強請るのはもう少し成長してからの方がいいかなぁ」
「そうかもしれないわね。でも成長痛で良かった。大怪我したかと思ったもの」
どうやらローニャは数日前から身体がむずむずとして違和感があったようだ。
私は妹のことがとても心配したが、みんなが通るものだし、仕方がないとはいえ魔法で治療できないことを歯がゆい。
今はただ痛む時にさすってあげることしかできない。
その後丸二日、ローニャはベッドで過ごした。
食事も部屋で摂ることになった。心配した家族は部屋に来て少し話をした後、安心して部屋に戻っていった。
私は妹がベッドで休んでいる間、妹の分も頑張ろうと魔法を枯渇ギリギリまで使いながら怪我人の治療に当たった。
ローニャは痛みが落ち着いて研究室に戻ってきたが、まだまだ成長途中で突然痛みや、魔力が不安定になることもあり、治療は王宮騎士だけになった。
その分私が神殿に行き、聖騎士や平民達の治療に当ることになったの。
グリークス神官長は私が一人で神殿に来た時、とても心配していたが、いつものように治療をはじめると安心したようだ。
どうやら彼にとっては二人で一人という認識だったのかもしれない。
そして神官長の魔法はというと、神官長はかなり努力をしたらしく、何度も倒れながら魔法の練習を重ね、ひと月かからずに魔法を習得してみせたのだ。
大人である神官長の魔力量はかなり少ないが、軽い治療程度なら日に二、三人は治療できるようになっていた。
驚いたことに魔法の練習のせいか少しだけ魔力が増えている気がした。
これは人間だから?
理由は分からない。けれど、治療を行うグリークス神官長はとても嬉しそうだった。
そして私がもっと驚いたことは神官長が指輪を使わずに魔法を使っていたことだ。
やはりそこは獣人と人間の違いなのだと思う。
他の魔法は指輪が出来次第、順次試すことになっている。
「ごきげんよう」
すれ違う人たちは皆、私に挨拶をしていく。医務室や騎士達の顔を覚えてきてはいるが、貴族は接する機会もないため、まだまだだ。
自分の部屋に戻ると、ローニャはベッドの上で本を読んでいた。
「ローニャ、痛みはどう?」
「うん、こうやってベッドにいたら痛くはないかな」
「良かったわ。心配したわ」
「ごめんね、お姉ちゃん」
「気にしなくていいの。それよりお父様達にお願いしないといけないわ。洋服がすぐに小さくなるからね」
「そうだったね。今まで着ていた兄様たちのお洋服もすぐに着れなくなりそうだよね。それより、お姉ちゃん、その髪飾りはどうしたの?」
「ああ、これ?エサイアス様にもらったの。可愛いでしょう?」
「お姉ちゃんに良く似合っている!いいなあ、私もケイルート兄様にお願いしようかな」
「良いと思うわ。兄様ならすぐに買ってくれそうね」
「だよね! ああ、でも今の状態なら小さな子供向けの可愛いものだよね。中身はお姉ちゃんとそう変わらないはずなのにっ。成長してすぐに似合わなくなるのも嫌だから強請るのはもう少し成長してからの方がいいかなぁ」
「そうかもしれないわね。でも成長痛で良かった。大怪我したかと思ったもの」
どうやらローニャは数日前から身体がむずむずとして違和感があったようだ。
私は妹のことがとても心配したが、みんなが通るものだし、仕方がないとはいえ魔法で治療できないことを歯がゆい。
今はただ痛む時にさすってあげることしかできない。
その後丸二日、ローニャはベッドで過ごした。
食事も部屋で摂ることになった。心配した家族は部屋に来て少し話をした後、安心して部屋に戻っていった。
私は妹がベッドで休んでいる間、妹の分も頑張ろうと魔法を枯渇ギリギリまで使いながら怪我人の治療に当たった。
ローニャは痛みが落ち着いて研究室に戻ってきたが、まだまだ成長途中で突然痛みや、魔力が不安定になることもあり、治療は王宮騎士だけになった。
その分私が神殿に行き、聖騎士や平民達の治療に当ることになったの。
グリークス神官長は私が一人で神殿に来た時、とても心配していたが、いつものように治療をはじめると安心したようだ。
どうやら彼にとっては二人で一人という認識だったのかもしれない。
そして神官長の魔法はというと、神官長はかなり努力をしたらしく、何度も倒れながら魔法の練習を重ね、ひと月かからずに魔法を習得してみせたのだ。
大人である神官長の魔力量はかなり少ないが、軽い治療程度なら日に二、三人は治療できるようになっていた。
驚いたことに魔法の練習のせいか少しだけ魔力が増えている気がした。
これは人間だから?
理由は分からない。けれど、治療を行うグリークス神官長はとても嬉しそうだった。
そして私がもっと驚いたことは神官長が指輪を使わずに魔法を使っていたことだ。
やはりそこは獣人と人間の違いなのだと思う。
他の魔法は指輪が出来次第、順次試すことになっている。
54
あなたにおすすめの小説
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
底無しポーターは端倪すべからざる
さいわ りゅう
ファンタジー
運び屋(ポーター)のルカ・ブライオンは、冒険者パーティーを追放された。ーーが、正直痛くも痒くもなかった。何故なら仕方なく同行していただけだから。
ルカの魔法適正は、運び屋(ポーター)に適した収納系魔法のみ。
攻撃系魔法の適正は皆無だけれど、なんなら独りで魔窟(ダンジョン)にだって潜れる、ちょっと底無しで少し底知れない運び屋(ポーター)。
そんなルカの日常と、ときどき魔窟(ダンジョン)と周囲の人達のお話。
※タグの「恋愛要素あり」は年の差恋愛です。
※ごくまれに残酷描写を含みます。
※【小説家になろう】様にも掲載しています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】召喚された2人〜大聖女様はどっち?
咲雪
恋愛
日本の大学生、神代清良(かみしろきよら)は異世界に召喚された。同時に後輩と思われる黒髪黒目の美少女の高校生津島花恋(つしまかれん)も召喚された。花恋が大聖女として扱われた。放置された清良を見放せなかった聖騎士クリスフォード・ランディックは、清良を保護することにした。
※番外編(後日談)含め、全23話完結、予約投稿済みです。
※ヒロインとヒーローは純然たる善人ではないです。
※騎士の上位が聖騎士という設定です。
※下品かも知れません。
※甘々(当社比)
※ご都合展開あり。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる