86 / 125
86 魔獣肉の効果
しおりを挟む
「ビ、ビリビリしますっ! こ、これはっ!! アワワワ」
「ナーニョ様、だ、大丈夫ですか!?」
騎士たちは驚き、みんな立ち上がった。
「これは……魔力が、たくさん含まれていますっっ」
魔獣の魔力が、空になった私の身体に流れ込んできた。身体は魔力を取り込もうと反応したのだろうか。しばらくすると全身を巡ったビリビリとした感覚が落ち着いてきた。
味は、ビリビリに驚きすぎてよく分からなかった。
口に運ぶたびにビリビリと刺激してきた魔獣料理だが、食べていくうちに刺激は減り、魔力が貯まっていった。
「最初、食べた時は驚きましたが、慣れてくると魔力も貯まって刺激が落ち着いてきました。この料理、美味しいですね」
騎士たちは私がパクパクと食べ始めると、落ち着きを取り戻し、彼らも料理を食べ始めた。騎士たちは特に刺激はないらしい。
そして肉の塊は香草と一緒に焼かれているけれど、癖はなかなかに強く、食べるのに苦労しているようだ。
「癖が強いだろう? 血抜きをしっかりした後、塩漬けにしてから水で戻し、調理したスープの方が食べやすい。だが、滋養強壮にはそのままの肉が一番効果があるんだ。何故かはわからんが」
店主はクククッと笑いながら私たちを見ている。
「おじさん、魔獣はどんな種類でも食べられるのですか?」
「どうだろうな? この街の近辺に出る魔獣は大体食べられる。蛇や虫っぽいやつは知らない。調理する気も起きないから食べたことはないんだ」
魔獣料理の話を聞きながら食べ進めていく。やはり食べていくうちに魔力の戻りは早く感じる。これは新たな発見だ。
今日の報告書にしっかりと書かねば!
考えてみればローニャが送ってくれた魔獣のチャームも魔力が通しやすい。魔獣自体が魔力を持っていてもおかしくはないのよね。別世界の生き物なのだから。
私はこうして魔力を自分の魔力へ変換しているけれど、魔力を持っていない人たちはどうなのだろう?
後で護衛騎士の人たちをみてみれば分かるかもしれない。私は新しい発見と煮込み料理の美味しさに嬉しくなった。
「あとで皆の体調を調べさせて下さいね」
「分かりました!」
料理を食べ終わった後、神殿に戻ってから護衛騎士たちにヒエロスを掛けてみると、お腹を中心としてやはり魔力を感じることができた。
魔獣の持つ魔力を変換せずに持っている状態のようにも感じる。
店主は翌朝元気になると言っていたわ。明日の朝も体調を確認するように伝えた。
湯浴みも終えてようやく一人になった時、魔力も半分は回復したようだ。今日、買った腕輪と商会長がくれた魔獣の肉をローニャに送る。
『ローニャ、今送った干し肉を一口食べてみてちょうだい』
しばらくすると返事が返ってきた。
『お姉ちゃん!! これ、何!? 魔力があるよ!!』
ローニャは素直に干し肉を口にしたようだ。その様子を思い浮かべ、クスリと笑いながら返事をする。
『この街で作られている魔獣の肉を使ったものなの。凄いよね』
『この腕輪もとっても綺麗! 気に入ったわっ。お姉ちゃんありがとう! 嬉しい』
『その腕輪も魔獣の骨と玉からできているの。私はまだ付けたことがないからどうかは分からないけれど、前にローニャが送ってくれたチャームのように魔法が使いやすいかなって思って買ってみたの。使えなくても装飾品としてとても綺麗でしょ?』
『うん! とっても綺麗! 明日、研究所に持って行って付けてみるね! 「扱いが分からないものを勝手に付けて使わないで」ってこのあいだゼロさんに怒られちゃったんだよね!』
『ローニャ……あまり他の人を心配させないのよ?』
『うーん、そうだね。ついついやってみたくなっちゃうんだもん。気を付けるね』
ローニャからてへへと声がすると、私も笑顔がこぼれた。
今日は私も気づかないうちに興奮していたのだろう。妹の声を聞いて落ち着きを取り戻した後、すぐに眠りについた。
翌日、いつものように準備を終えた後、部屋の外で待機していた護衛騎士たちに魔力を流してみる。
……凄いわ。
微々たるものだけど、魔力がある。昨日は彼らの体内に魔獣の魔力を感じていたけれど、今は護衛騎士の身体に馴染んでいた。
どうやら魔力がしっかりと変換されているようだ。
「身体の調子はどうですか?」
「いやー今朝の目覚めはとても良かったです。今までにないほど身体が軽く感じます。夜は疲れが酷く、眠るまで身体がだるくて動くのもやっとの状態でしたが。あの肉のおかげなのでしょうか」
寝ている間にゆっくりと魔力は変化していったようだ。他の護衛騎士も同じように頷いている。
「体調が良くなってよかったです。今、みなさんの身体を見たところ極わずかですが、魔獣肉の持つ魔力を自分のものに上手く切り替えられたようです」
「!? 本当ですか?」
「えぇ、今、グリークス神官長のようにごくわずかに魔力が体力を底上げしているのかもしれないですね」
私の言葉を聞いた騎士たちは笑顔になっている。
あの癖の強い肉を頑張って食べたおかげだろう。よくお腹を壊さなかったなと私は内心思ったけれど、それは内緒だ。
「ナーニョ様、だ、大丈夫ですか!?」
騎士たちは驚き、みんな立ち上がった。
「これは……魔力が、たくさん含まれていますっっ」
魔獣の魔力が、空になった私の身体に流れ込んできた。身体は魔力を取り込もうと反応したのだろうか。しばらくすると全身を巡ったビリビリとした感覚が落ち着いてきた。
味は、ビリビリに驚きすぎてよく分からなかった。
口に運ぶたびにビリビリと刺激してきた魔獣料理だが、食べていくうちに刺激は減り、魔力が貯まっていった。
「最初、食べた時は驚きましたが、慣れてくると魔力も貯まって刺激が落ち着いてきました。この料理、美味しいですね」
騎士たちは私がパクパクと食べ始めると、落ち着きを取り戻し、彼らも料理を食べ始めた。騎士たちは特に刺激はないらしい。
そして肉の塊は香草と一緒に焼かれているけれど、癖はなかなかに強く、食べるのに苦労しているようだ。
「癖が強いだろう? 血抜きをしっかりした後、塩漬けにしてから水で戻し、調理したスープの方が食べやすい。だが、滋養強壮にはそのままの肉が一番効果があるんだ。何故かはわからんが」
店主はクククッと笑いながら私たちを見ている。
「おじさん、魔獣はどんな種類でも食べられるのですか?」
「どうだろうな? この街の近辺に出る魔獣は大体食べられる。蛇や虫っぽいやつは知らない。調理する気も起きないから食べたことはないんだ」
魔獣料理の話を聞きながら食べ進めていく。やはり食べていくうちに魔力の戻りは早く感じる。これは新たな発見だ。
今日の報告書にしっかりと書かねば!
考えてみればローニャが送ってくれた魔獣のチャームも魔力が通しやすい。魔獣自体が魔力を持っていてもおかしくはないのよね。別世界の生き物なのだから。
私はこうして魔力を自分の魔力へ変換しているけれど、魔力を持っていない人たちはどうなのだろう?
後で護衛騎士の人たちをみてみれば分かるかもしれない。私は新しい発見と煮込み料理の美味しさに嬉しくなった。
「あとで皆の体調を調べさせて下さいね」
「分かりました!」
料理を食べ終わった後、神殿に戻ってから護衛騎士たちにヒエロスを掛けてみると、お腹を中心としてやはり魔力を感じることができた。
魔獣の持つ魔力を変換せずに持っている状態のようにも感じる。
店主は翌朝元気になると言っていたわ。明日の朝も体調を確認するように伝えた。
湯浴みも終えてようやく一人になった時、魔力も半分は回復したようだ。今日、買った腕輪と商会長がくれた魔獣の肉をローニャに送る。
『ローニャ、今送った干し肉を一口食べてみてちょうだい』
しばらくすると返事が返ってきた。
『お姉ちゃん!! これ、何!? 魔力があるよ!!』
ローニャは素直に干し肉を口にしたようだ。その様子を思い浮かべ、クスリと笑いながら返事をする。
『この街で作られている魔獣の肉を使ったものなの。凄いよね』
『この腕輪もとっても綺麗! 気に入ったわっ。お姉ちゃんありがとう! 嬉しい』
『その腕輪も魔獣の骨と玉からできているの。私はまだ付けたことがないからどうかは分からないけれど、前にローニャが送ってくれたチャームのように魔法が使いやすいかなって思って買ってみたの。使えなくても装飾品としてとても綺麗でしょ?』
『うん! とっても綺麗! 明日、研究所に持って行って付けてみるね! 「扱いが分からないものを勝手に付けて使わないで」ってこのあいだゼロさんに怒られちゃったんだよね!』
『ローニャ……あまり他の人を心配させないのよ?』
『うーん、そうだね。ついついやってみたくなっちゃうんだもん。気を付けるね』
ローニャからてへへと声がすると、私も笑顔がこぼれた。
今日は私も気づかないうちに興奮していたのだろう。妹の声を聞いて落ち着きを取り戻した後、すぐに眠りについた。
翌日、いつものように準備を終えた後、部屋の外で待機していた護衛騎士たちに魔力を流してみる。
……凄いわ。
微々たるものだけど、魔力がある。昨日は彼らの体内に魔獣の魔力を感じていたけれど、今は護衛騎士の身体に馴染んでいた。
どうやら魔力がしっかりと変換されているようだ。
「身体の調子はどうですか?」
「いやー今朝の目覚めはとても良かったです。今までにないほど身体が軽く感じます。夜は疲れが酷く、眠るまで身体がだるくて動くのもやっとの状態でしたが。あの肉のおかげなのでしょうか」
寝ている間にゆっくりと魔力は変化していったようだ。他の護衛騎士も同じように頷いている。
「体調が良くなってよかったです。今、みなさんの身体を見たところ極わずかですが、魔獣肉の持つ魔力を自分のものに上手く切り替えられたようです」
「!? 本当ですか?」
「えぇ、今、グリークス神官長のようにごくわずかに魔力が体力を底上げしているのかもしれないですね」
私の言葉を聞いた騎士たちは笑顔になっている。
あの癖の強い肉を頑張って食べたおかげだろう。よくお腹を壊さなかったなと私は内心思ったけれど、それは内緒だ。
49
あなたにおすすめの小説
追放された悪役令嬢はシングルマザー
ララ
恋愛
神様の手違いで死んでしまった主人公。第二の人生を幸せに生きてほしいと言われ転生するも何と転生先は悪役令嬢。
断罪回避に奮闘するも失敗。
国外追放先で国王の子を孕んでいることに気がつく。
この子は私の子よ!守ってみせるわ。
1人、子を育てる決心をする。
そんな彼女を暖かく見守る人たち。彼女を愛するもの。
さまざまな思惑が蠢く中彼女の掴み取る未来はいかに‥‥
ーーーー
完結確約 9話完結です。
短編のくくりですが10000字ちょっとで少し短いです。
底無しポーターは端倪すべからざる
さいわ りゅう
ファンタジー
運び屋(ポーター)のルカ・ブライオンは、冒険者パーティーを追放された。ーーが、正直痛くも痒くもなかった。何故なら仕方なく同行していただけだから。
ルカの魔法適正は、運び屋(ポーター)に適した収納系魔法のみ。
攻撃系魔法の適正は皆無だけれど、なんなら独りで魔窟(ダンジョン)にだって潜れる、ちょっと底無しで少し底知れない運び屋(ポーター)。
そんなルカの日常と、ときどき魔窟(ダンジョン)と周囲の人達のお話。
※タグの「恋愛要素あり」は年の差恋愛です。
※ごくまれに残酷描写を含みます。
※【小説家になろう】様にも掲載しています。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
【完結】召喚された2人〜大聖女様はどっち?
咲雪
恋愛
日本の大学生、神代清良(かみしろきよら)は異世界に召喚された。同時に後輩と思われる黒髪黒目の美少女の高校生津島花恋(つしまかれん)も召喚された。花恋が大聖女として扱われた。放置された清良を見放せなかった聖騎士クリスフォード・ランディックは、清良を保護することにした。
※番外編(後日談)含め、全23話完結、予約投稿済みです。
※ヒロインとヒーローは純然たる善人ではないです。
※騎士の上位が聖騎士という設定です。
※下品かも知れません。
※甘々(当社比)
※ご都合展開あり。
転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです
青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる
それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう
そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく
公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる
この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった
足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で……
エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた
修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た
ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている
エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない
ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく……
4/20ようやく誤字チェックが完了しました
もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m
いったん終了します
思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑)
平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと
気が向いたら書きますね
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
モブなのに、転生した乙女ゲームの攻略対象に追いかけられてしまったので全力で拒否します
みゅー
恋愛
乙女ゲームに、転生してしまった瑛子は自分の前世を思い出し、前世で培った処世術をフル活用しながら過ごしているうちに何故か、全く興味のない攻略対象に好かれてしまい、全力で逃げようとするが……
余談ですが、小説家になろうの方で題名が既に国語力無さすぎて読むきにもなれない、教師相手だと淫行と言う意見あり。
皆さんも、作者の国語力のなさや教師と生徒カップル無理な人はプラウザバック宜しくです。
作者に国語力ないのは周知の事実ですので、指摘なくても大丈夫です✨
あと『追われてしまった』と言う言葉がおかしいとの指摘も既にいただいております。
やらかしちゃったと言うニュアンスで使用していますので、ご了承下さいませ。
この説明書いていて、海外の商品は訴えられるから、説明書が長くなるって話を思いだしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる