まさか猫種の私が聖女なんですか?

まるねこ

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87 研究員たちのイカレタ行動

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「さぁ、今日も巡視に向かいましょうか。みなさんの体調を細かく見て、王宮に報告書をあげないといけないですね」
「分かりました。ほんの僅かでも魔力が自分にあると聞いて嬉しい気持ちになります。では向かいましょう」

 私たちはいつも通り騎士団と合流した後、巡視に出掛けた。

 ちょくちょく彼らの体調を確認していたが、特に体調の変化はなくお昼前には魔力も無くなっていた。食事の効果は午前中までのようだ。

 私にはごくわずかな魔力だが、護衛騎士たちにとっては違いを感じていた。

 常に体力を使っているからごく僅かな差でも感じられるのだろうか? 

 護衛騎士たちは報告書を書き上げて休憩中にまたあの食堂に行くと言っていた。

 護衛騎士は基本ローテーションで私の護衛をしいるため、休憩時間や休日はしっかりと確保されている。

 エサイアス様たちに伝えはしたけれど、確実なことはまだ分からないので、数日魔獣肉を食べてから報告する方がいいと護衛騎士たちと話をした。


 今日も神殿に怪我人が来ているため治療する。

 魔獣肉の話を聞いてみたが、やはり癖が強くて好んで食べる人はいないと言っていた。今日も治療を終え、私は部屋でくつろいでいた。

 ローニャからの連絡を聞いてやっぱり自分の感じていたことは間違いなかったようだ。

 ローニャは朝から研究所に魔獣の干物を持ち込み、魔獣の肉が魔力を持っていることを伝えたようだ。

 半信半疑になりながら研究員たちは魔獣の干し肉を口にしたらしいが、特に身体に変化はなかったらしい。

 生肉だとどうなのか? という話になり、王宮の騎士の討伐に参加し、その場で研究員が魔獣肉を譲り受けて焼いて食べたのだとローニャは言っていた。

 癖が強く、とても不味かったらしい。騎士たちは魔獣肉を食べる研究員に引いていたのだとか。

『元々研究員は少しイカレタやつらだったが、とうとう魔獣肉まで口にしたぞ』と。

 彼らは研究室に戻り、ローニャに確認をしてもらったようだ。

 やはり魔獣の持つ魔力が体内に残っていた。

 そして魔獣を食べた研究員たちは、他の研究員に研究対象として実験台にされているらしい。

 ローニャの声は高く、その様子はとても面白かったようだ。

 あと、私が送った魔獣の玉も色々な角度で調べが始まった。まだ確証は持てないらしいけれど、ローニャの魔力を玉に纏わせると色が濃くなるようだ。

 だが力任せに魔力を流そうとすると、自分の魔力が押し返されるような感覚になるのだとか。

 まだ玉の扱いも研究が始まったばかりだ。
 今後の成果に期待したい。

 私の方も護衛騎士が魔獣料理を食べた話をローニャに話した。詳しくは報告書にあげると言ったけれど、大まかに話した内容は研究員を刺激しそうだと喜んでいた。

 こうして二週間ほど滞在した頃、巡視の成果が実り、ようやく魔獣も減り始めた。

 欠損の治療を受け、回復した人も多くなってきた。やはり怪我の治療ができると聞くと近隣の村々から怪我人が集まってくる。

 商会に勤めている人たちはほぼ治療を終えたので怪我人の治療に切り替わった。怪我人の治療を続けて行っているうちにやはり街の人たちも明るくなっていった。

 護衛騎士から報告を受けたエサイアス様や騎士たちはこぞって魔獣肉を食べに食堂へと足を運んでいる。

 やはり騎士たちは翌朝身体の変化を実感するようだ。癖は強いが翌日の身体が軽くなるから魔獣肉を食べるという騎士も出てきた。

「ナーニョ様、魔獣も落ち着いてきたので来週にはここを発つ予定だ」
「最近は怪我人も落ち着いてきたので田畑や井戸の方へ切り替えていこうと神官と話をしていたのです。丁度いいですね。次はどこの街になるのですか?」

 エサイアスは笑顔で話をする。

「次の街はラーシュだ。海辺の街だよ。温暖な地域だったはずだ」
「海を見たことがないので楽しみです!」

 私は次の街に思いを馳せた。

 どんな街だろう?

 ローニャには申し訳ないけれど、巡視に付いてきて良かったと思う。様々な街に行くことができて、色んな人たちに会うことができた。この街もそう。

 露天商の人たちをはじめ、みんなが声を掛けてくれる。

 最近は自分の考えも変わり始めたと思う。
 みんながこうして声を掛けてくれるのが素直に嬉しい。

 エサイアス様をはじめとして身近な人たちが私のことを気に掛けて心配してくれる。

 今までもそうだったのだろうと思うけれど、どこか不安で、信じ切きれなかった。

 この巡視をこのまま続けていけばもっと自分は変わることができるのだろうか? まだ答えは出ないけれど、少し前向きになっている。

 そんな中、ローニャから伝言魔法が届いた。
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