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122 初めて知る
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『お姉ちゃん、そろそろ街についた?』
『今、部屋で荷物を降ろしたところよ。そっちはどう? 変わったことはない?』
『こっちは変わらずかなぁ。あ、でも、研究所の人たちが言ってたんだけど、今神殿で預かっている子供の魔力を測っているんだけど、魔力の訓練を早めに受けると伸びがいいらしいって。
必死に訓練していけば私たちと同じくらいの魔力になるかもしれないんだって。凄いよね。
やっぱり人間と獣人との差なのかなぁ。ちょっと悔しいなって思ったんだ。
でも、私たちくらいの魔力の人たちが増えれば私たちの持つ役割も減って少しは自由も増えるんじゃないかなって思ってる。王女様ってドレスを着てキラキラしていて綺麗だけど、色々と窮屈なのが分かったわ』
『ふふっ。ローニャはドレスを着て舞踏会で踊ってみたいって言ってたわね。相手は見つかりそうなの?』
『うーん。どうかなぁ。あんまり考えたことがないし、いないかなぁ。いたとしても兄様が全部反対して結婚できなさそうだよね。お姉ちゃんはいいよね。エサイアス様がいるんだし』
私はローニャの言葉にドキリとした。
『エサイアス様?』
『え? お姉ちゃん気づいてないの?』
『……どういうこと?』
『え? エサイアス様ってヘタレだし、お姉ちゃんも鈍感すぎて周りがヤキモキしっぱなしだよ!』
私はローニャの言葉に衝撃を受けた。
私ってそんなに鈍感だったの!?
それに周りは知っていた??
『ローニャ、みんな知っていたの?』
『え!? えーーっ!? 鈍感過ぎるよ……。エサイアス様って会った時からお姉ちゃんに好き好きオーラをずっと出してたよ? 兄様をあからさまに牽制していたし。他の騎士たちが話しかけようもんなら威嚇して追い払っていたのに』
『そうなの?』
『エサイアス様がいつ告白するか賭けてる騎士もいたんだよ。ヘタレだよね』
『この間、エサイアス様からこの巡視が終わったら結婚してほしいって言われたの。でも、悩んでる』
『どうして? 悩むことなんてあった?』
『だってエサイアス様はこの国の英雄なのよ? 私なんかが一緒になっていいのかなって思って』
『お姉ちゃん……。あのね、エサイアス様がこの国の英雄ならお姉ちゃんはこの世界の聖女なんだよ? 英雄と聖女が結婚なんて伝説になるしかないじゃない。あ、因みに私は伝説の魔法使いになるつもりだからね!』
『え? 私が聖女?』
『そうだよ? 指輪の聖女って呼ばれているのを知らないの? いくらお姉ちゃんが否定しても、お姉ちゃんより治癒魔法が上手な人はいないからね? 治療した人たちはみんなお姉ちゃんの信者。
むしろエサイアス様がお姉ちゃんと結婚するために必死になってると思うわ』
『全く知らなかった。でも、エサイアス様と結婚なんてお父様たちは許してくれるのかな?』
『許すと思うよ? むしろエサイアス様以外とは結婚させないんじゃないかな? そっちの方は安心していいと思うよ。お姉ちゃんの気持ちで決めていいんじゃない?』
『……そっか。分かった』
そうして妹と話を終えた。
……私の気持ち、か。
私は指輪の聖女って呼ばれていたのね。
全く知らなかった。
聞かれたら否定していたけれど、いつの間にか否定する事もなくなった。みんなの感謝の気持ちをたくさん受け取るようになって呼ばれ方も気にしなくなっていた。
グリークス神官長も言っていたのはきっとこのことなのだと今更ながら理解する。私は我儘を言ってもいいのかな。
私は少ししてから駐屯所に向かった。エサイアス様と一緒に食事に行く約束をしたからだ。
「え、エサイアス様、お待たせしました。遅くなってごめんなさい」
エサイアス様の笑顔を見るとなんだか恥ずかしくて照れてしまう。
「待っていない。さあ、行こうか」
エサイアス様が差し出した手をそっと取り、私たちは街の中を歩いていく。
夕方なので店は閉店の準備をしているが、食堂や飲み屋は明かりが照らされ活気がある。店の外にいても笑い声が聞こえてくる。
「賑やかですね。このお店にしますか?」
「あぁ、ここにしようか」
私たちは食堂に入っていった。店の中では店員が楽器を鳴らし、客が音楽に合わせて踊っている。とても賑やかな食堂だった。
「お兄さんたち、注文はどうします?」
「フォッコの煮込みとシャーロ鳥の丸焼き、あとロティを二つ」
「フォッコとシャーロ、ロティ二つね!」
元気のいい掛け声と共に店員は厨房へ注文を出しにいく。
「この街は王都に近いからたまに騎士団も魔獣討伐に寄るんだ。だから魔獣はあまりいないからこの街の滞在は数日程度になるかな」
「そうですね。ここに来る途中も出会った魔獣は一匹だけだったし、街が活気づいているのもそのおかげかもしれませんね」
「異次元の空間も閉じたから不安もかなり減ったんじゃないかな。魔獣の恐怖は本当に大きいからね」
注文した品物がすぐに運ばれてきた。私たちはあえて王都に戻った時の話はせずに街の様子や明日の予定の話をしながら食事をしていると。
『今、部屋で荷物を降ろしたところよ。そっちはどう? 変わったことはない?』
『こっちは変わらずかなぁ。あ、でも、研究所の人たちが言ってたんだけど、今神殿で預かっている子供の魔力を測っているんだけど、魔力の訓練を早めに受けると伸びがいいらしいって。
必死に訓練していけば私たちと同じくらいの魔力になるかもしれないんだって。凄いよね。
やっぱり人間と獣人との差なのかなぁ。ちょっと悔しいなって思ったんだ。
でも、私たちくらいの魔力の人たちが増えれば私たちの持つ役割も減って少しは自由も増えるんじゃないかなって思ってる。王女様ってドレスを着てキラキラしていて綺麗だけど、色々と窮屈なのが分かったわ』
『ふふっ。ローニャはドレスを着て舞踏会で踊ってみたいって言ってたわね。相手は見つかりそうなの?』
『うーん。どうかなぁ。あんまり考えたことがないし、いないかなぁ。いたとしても兄様が全部反対して結婚できなさそうだよね。お姉ちゃんはいいよね。エサイアス様がいるんだし』
私はローニャの言葉にドキリとした。
『エサイアス様?』
『え? お姉ちゃん気づいてないの?』
『……どういうこと?』
『え? エサイアス様ってヘタレだし、お姉ちゃんも鈍感すぎて周りがヤキモキしっぱなしだよ!』
私はローニャの言葉に衝撃を受けた。
私ってそんなに鈍感だったの!?
それに周りは知っていた??
『ローニャ、みんな知っていたの?』
『え!? えーーっ!? 鈍感過ぎるよ……。エサイアス様って会った時からお姉ちゃんに好き好きオーラをずっと出してたよ? 兄様をあからさまに牽制していたし。他の騎士たちが話しかけようもんなら威嚇して追い払っていたのに』
『そうなの?』
『エサイアス様がいつ告白するか賭けてる騎士もいたんだよ。ヘタレだよね』
『この間、エサイアス様からこの巡視が終わったら結婚してほしいって言われたの。でも、悩んでる』
『どうして? 悩むことなんてあった?』
『だってエサイアス様はこの国の英雄なのよ? 私なんかが一緒になっていいのかなって思って』
『お姉ちゃん……。あのね、エサイアス様がこの国の英雄ならお姉ちゃんはこの世界の聖女なんだよ? 英雄と聖女が結婚なんて伝説になるしかないじゃない。あ、因みに私は伝説の魔法使いになるつもりだからね!』
『え? 私が聖女?』
『そうだよ? 指輪の聖女って呼ばれているのを知らないの? いくらお姉ちゃんが否定しても、お姉ちゃんより治癒魔法が上手な人はいないからね? 治療した人たちはみんなお姉ちゃんの信者。
むしろエサイアス様がお姉ちゃんと結婚するために必死になってると思うわ』
『全く知らなかった。でも、エサイアス様と結婚なんてお父様たちは許してくれるのかな?』
『許すと思うよ? むしろエサイアス様以外とは結婚させないんじゃないかな? そっちの方は安心していいと思うよ。お姉ちゃんの気持ちで決めていいんじゃない?』
『……そっか。分かった』
そうして妹と話を終えた。
……私の気持ち、か。
私は指輪の聖女って呼ばれていたのね。
全く知らなかった。
聞かれたら否定していたけれど、いつの間にか否定する事もなくなった。みんなの感謝の気持ちをたくさん受け取るようになって呼ばれ方も気にしなくなっていた。
グリークス神官長も言っていたのはきっとこのことなのだと今更ながら理解する。私は我儘を言ってもいいのかな。
私は少ししてから駐屯所に向かった。エサイアス様と一緒に食事に行く約束をしたからだ。
「え、エサイアス様、お待たせしました。遅くなってごめんなさい」
エサイアス様の笑顔を見るとなんだか恥ずかしくて照れてしまう。
「待っていない。さあ、行こうか」
エサイアス様が差し出した手をそっと取り、私たちは街の中を歩いていく。
夕方なので店は閉店の準備をしているが、食堂や飲み屋は明かりが照らされ活気がある。店の外にいても笑い声が聞こえてくる。
「賑やかですね。このお店にしますか?」
「あぁ、ここにしようか」
私たちは食堂に入っていった。店の中では店員が楽器を鳴らし、客が音楽に合わせて踊っている。とても賑やかな食堂だった。
「お兄さんたち、注文はどうします?」
「フォッコの煮込みとシャーロ鳥の丸焼き、あとロティを二つ」
「フォッコとシャーロ、ロティ二つね!」
元気のいい掛け声と共に店員は厨房へ注文を出しにいく。
「この街は王都に近いからたまに騎士団も魔獣討伐に寄るんだ。だから魔獣はあまりいないからこの街の滞在は数日程度になるかな」
「そうですね。ここに来る途中も出会った魔獣は一匹だけだったし、街が活気づいているのもそのおかげかもしれませんね」
「異次元の空間も閉じたから不安もかなり減ったんじゃないかな。魔獣の恐怖は本当に大きいからね」
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