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23 出入り禁止となった令嬢2
「キャロライン、君って人はまたブラジェク伯爵やノール男爵令嬢に迷惑をかけていたのか」
「コーデュロイ、だって! この女がロイ様の自由を奪ったのよ!? それに私に向かって『ロイ様を奴隷にしたいのか』っていうの」
彼はエフィン公爵令嬢を見てため息を吐いた。
「もう黙った方がいい。いくら君が公爵令嬢でも失礼過ぎる。そのテーブルに出しているのは君が持ってきたお金だろう?」
「でも、だってっ」
彼女はコーデュロイ様に反論しようとするが、彼は取り合うつもりはないようだ。
そう、彼はコーデュロイ・アント侯爵子息でれっきとした彼女の婚約者だ。
私からすれば彼もロイ様に引けを取らないほどの美男子だと思うのだけど……。
「いいか、彼の婚約者はフラン嬢だ。君は私の婚約者だ。これ以上ブラジェク伯爵に迷惑をかけるのなら我が家としても付き合いきれない」
「そんなっ、コーデュロイ!」
彼の言葉にまずいと思ったのか彼女は口を閉じた。
「ノール男爵令嬢、キャロラインが煩くして申し訳ない。彼女は出入り禁止にしてくれて構わない。我が家からも公爵家に抗議をだしておく」
「コーデュロイ様も大変ね」
「公爵にはうちも世話になっているからな。まあ、限度はあるが。では申し訳ないが私はこれで失礼する。何かあればいつでもここに連絡してくれ」
「ありがとうございます」
彼はそう言って、連絡先を置いてエフィン公爵令嬢を連れて帰った。
相変わらずうるさい子だったわね。
私は商会の従業員にエフィン公爵令嬢が来ても通さなくていいと話した後、奥の部屋へと戻った。
「大丈夫だったかい?」
伯爵は心配そうな表情で聞いてきた。
「あれくらいなんの問題ありませんわ」
「それなら良かった」
「それにしても、気になっていたんですが、なぜ今までエフィン公爵令嬢とロイ様は婚約をしなかったのですか?」
「ああ、我が家の借金を背負いたくないというのもあるが、エフィン公爵は何かを警戒しているようだ。我が家には何もないが」
「そうなんですね」
「さあ、エフィン公爵のことは後にしてこの商品を見て欲しいんだ」
伯爵は私が席を外した時に良い商品を見つけたようだ。
私もその商品を手に取り、じっくりと品定めをしていく。エフィン公爵の話は他の従業員に聞かせるものでもないしね。
「職人の丁寧な作業がわかりますね」
「ああそうだろう? これは素晴らしい逸品だ」
「早くロイ様にも見せたいわ」
ロイ様はただいま学校で勉強中だ。
学院から帰った後、商会のことも携わるようにはしているけれど、本格的なものはまだ。
後日、エフィン公爵令嬢はブラジェク伯爵家や商会に出入り禁止となったのは言うまでもない。抗議もしっかりと行った。
今回はエフィン公爵令嬢の婚約者であるアント侯爵家からも抗議がいったのでエフィン公爵も動かざるをえなかったのだろう。
ざまあみろ、ね。
数日後、伯爵が選んだ商品を夫人を身につけてお茶会に参加した。
「あら、素敵なブローチね。見たことがないわ」
「本当に素敵ね! どこのお店のものかしら」
「こ、これは我が家が立ち上げた商会が最近扱いはじめた物ですの。ひとつひとつ職人の丁寧な作業が気に入っているんです。うちの商品を厳選していて数に限りがあるため、現在商会は会員制をとっていますが、もしよかったら紹介状をお渡ししますわ」
「会員制なの? ぜひ紹介状をお願いしたいわ」
「私もいただきたいわ」
ブローチは貴族たちの目に留まり、買いが殺到した。この日を境にブラジェク伯爵は多忙を極めることになった。
夫人も自分が紹介した商品が売れたことで自信を付けたようだ。伯爵家に笑顔が増えてきたと報告があった。
やはり伯爵の審美眼は素晴らしいわね。伯爵家の未来は明るいわ。
「コーデュロイ、だって! この女がロイ様の自由を奪ったのよ!? それに私に向かって『ロイ様を奴隷にしたいのか』っていうの」
彼はエフィン公爵令嬢を見てため息を吐いた。
「もう黙った方がいい。いくら君が公爵令嬢でも失礼過ぎる。そのテーブルに出しているのは君が持ってきたお金だろう?」
「でも、だってっ」
彼女はコーデュロイ様に反論しようとするが、彼は取り合うつもりはないようだ。
そう、彼はコーデュロイ・アント侯爵子息でれっきとした彼女の婚約者だ。
私からすれば彼もロイ様に引けを取らないほどの美男子だと思うのだけど……。
「いいか、彼の婚約者はフラン嬢だ。君は私の婚約者だ。これ以上ブラジェク伯爵に迷惑をかけるのなら我が家としても付き合いきれない」
「そんなっ、コーデュロイ!」
彼の言葉にまずいと思ったのか彼女は口を閉じた。
「ノール男爵令嬢、キャロラインが煩くして申し訳ない。彼女は出入り禁止にしてくれて構わない。我が家からも公爵家に抗議をだしておく」
「コーデュロイ様も大変ね」
「公爵にはうちも世話になっているからな。まあ、限度はあるが。では申し訳ないが私はこれで失礼する。何かあればいつでもここに連絡してくれ」
「ありがとうございます」
彼はそう言って、連絡先を置いてエフィン公爵令嬢を連れて帰った。
相変わらずうるさい子だったわね。
私は商会の従業員にエフィン公爵令嬢が来ても通さなくていいと話した後、奥の部屋へと戻った。
「大丈夫だったかい?」
伯爵は心配そうな表情で聞いてきた。
「あれくらいなんの問題ありませんわ」
「それなら良かった」
「それにしても、気になっていたんですが、なぜ今までエフィン公爵令嬢とロイ様は婚約をしなかったのですか?」
「ああ、我が家の借金を背負いたくないというのもあるが、エフィン公爵は何かを警戒しているようだ。我が家には何もないが」
「そうなんですね」
「さあ、エフィン公爵のことは後にしてこの商品を見て欲しいんだ」
伯爵は私が席を外した時に良い商品を見つけたようだ。
私もその商品を手に取り、じっくりと品定めをしていく。エフィン公爵の話は他の従業員に聞かせるものでもないしね。
「職人の丁寧な作業がわかりますね」
「ああそうだろう? これは素晴らしい逸品だ」
「早くロイ様にも見せたいわ」
ロイ様はただいま学校で勉強中だ。
学院から帰った後、商会のことも携わるようにはしているけれど、本格的なものはまだ。
後日、エフィン公爵令嬢はブラジェク伯爵家や商会に出入り禁止となったのは言うまでもない。抗議もしっかりと行った。
今回はエフィン公爵令嬢の婚約者であるアント侯爵家からも抗議がいったのでエフィン公爵も動かざるをえなかったのだろう。
ざまあみろ、ね。
数日後、伯爵が選んだ商品を夫人を身につけてお茶会に参加した。
「あら、素敵なブローチね。見たことがないわ」
「本当に素敵ね! どこのお店のものかしら」
「こ、これは我が家が立ち上げた商会が最近扱いはじめた物ですの。ひとつひとつ職人の丁寧な作業が気に入っているんです。うちの商品を厳選していて数に限りがあるため、現在商会は会員制をとっていますが、もしよかったら紹介状をお渡ししますわ」
「会員制なの? ぜひ紹介状をお願いしたいわ」
「私もいただきたいわ」
ブローチは貴族たちの目に留まり、買いが殺到した。この日を境にブラジェク伯爵は多忙を極めることになった。
夫人も自分が紹介した商品が売れたことで自信を付けたようだ。伯爵家に笑顔が増えてきたと報告があった。
やはり伯爵の審美眼は素晴らしいわね。伯爵家の未来は明るいわ。
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