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呪いの子
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私はいつものように庭にある薬草を手入れしていると、玄関前からかすかな物音と気配がした。
「ガロン、何かしら?」
「見てきますぞ」
ガロンは玄関前に向かったと思うと、人型になって何かを引き摺りながら戻ってきた。
「エイシャ様、人間の子が落ちておりましたぞ。このズダボロ具合。親に虐待され、捨てられたのかも知れませんな」
「あら、そうなの? 面倒ね」
私は近づいて子供を見ると、年は十歳位だろうか。衰弱が激しく今にも死にそうね。
意識は低下しているように見えたので目を開いて瞳孔を確認してみた。
「あら、これは面白い拾い物よ? 白髪に赤と金のオッドアイ。よくこの年まで生きてこれたわねぇ。人間って珍しい子を不吉だって殺すんでしょう?」
「エイシャ様。この童、どうされますかな?」
「そうねぇ、この子は相当な魔力を持っているようだし、ダイモーンはちょうど弟子が欲しいって言っていた気がするわ。彼にあげればいいかしら。きっと喜んでくるわ」
「ダイモーンですかな。確かにあやつなら喜ぶでしょうな」
ガロンは引き摺っていた子供を抱き起こし、魔法で身綺麗にしてやる。
「ガロン、部屋に連れて行って着替えと回復薬をあげてちょうだい。私はダイモーンに連絡を取ってからいくわ」
「分かりましたぞ」
ガロンはそう言うと、子供を抱き抱え、家へと戻って行った。私はそのままダイモーンへメッセージを飛ばす。するとすぐに返事が返ってきたわ。
『連絡を待ってたよ~⭐︎今、ちょ~っと取り込み中だ、か、ら、終わったらすぐに取りに行くよ~⭐︎』
相変わらず軽いわね。
私は家に戻り、子供の様子を見に行くと、子供はしっかりと回復薬を飲んだようで怪我が消えていた。けれど、長年の虐待ですっかり自分以外は全て敵だと認識しているようね。
こちらを睨みつけ、威嚇しているわ。
私はパンとスープを子供に出してやると勢いよく手づかみで食べ始めた。パンを口に押し込み、スープを流し込むようにして飲んでいた。
毎日生きるのに精一杯だったのだろう。
「へぇ、よく心を折られなかったわね。その精神力に期待したいわ」
長期にわたり虐待や奴隷として暴力を受けると人間は自我を無くすように無気力、無抵抗になっていくのに。素質は充分のようね。
食事の様子を眺めていると、入り口の方から転移の魔法円が光と共に浮かび上がり、一人の男が姿を現した。
「あら、ダイモーン、早かったわね」
「だってぇー魔女っ子ちゃんからの熱いメッセージを聞いてすぐに動かないなんて悪魔の風上にもおけないよー⭐︎」
おどけたような話し方で宙に浮かび上がり、話をするダイモーンは細身で長身、タキシード姿なのにピエロのような顔をしていて悪魔の尻尾を持っている。
彼は悪魔の一族で人間達に深く関わりながら生きている。人間達の嫉妬や恐怖、怒りなどの負の感情を刺激することが生きがいだといってもいいだろう。
「麗しの魔女っ子ちゃんが言うくらいなんだから才能はあるんだよねー?」
「才能があるかは分からないわ。うちの前に落ちていたの。ただ珍しいから貴方を呼んだだけよ。この子を持って帰ってちょうだい。この子なら貴方の弟子でも大丈夫な気はするわ」
私はダイモーンと話をしている間も必死でパンを口に詰め込んでいる子供に視線を向ける。
「どれどれー? ふぅん。オッドアイね! イイね! この反抗的な目! シビれるー⭐︎」
ダイモーンはパッと子供顔を覗き込み、ふざけた事を言いながら詳しく調べている様子。
子供は彼にジロジロ見られるのにイラ立ったようでフォークを掴み刺そうとするが、後ろへ引いたダイモーンには触れる事が出来ずに驚き動揺した姿をみせた。
「良いねー⭐︎この反抗的な態度。気に入ったよ♪ 魔女っ子、引き受けるよー⭐︎
彼が僕の弟子になったらその時は薬を頼みにくるからその時は魔女っ子ちゃんお願いー⭐︎」
「ええ、もちろんよ」
ダイモーンは上機嫌になり子供の上をふわふわと飛び始めた。
「助かるわ。後を宜しくね」
「そうだねー⭐︎上手く仕上がったらいいなー⭐︎じゃぁ、そろそろ行こうか。少年⭐︎僕についておいで⭐︎」
ダイモーンは床に降り立つと指を一つ鳴らすと、フォークがカランと落ちた。
子供はダイモーンの魔法に抵抗が出来ず、唸りながらも歩いてダイモーンの横に立った。
「魔女っ子ちゃーん⭐︎じゃ、待ったねー⭐︎」
ダイモーンは大きく手を振って消えていった。
「相変わらずあやつは五月蝿いですな」
「ふふっ。そうねぇ。彼の今後が楽しみね」
私はそう言ってフォークを拾い、ガロンが差出したお茶を飲んだ。
「ガロン、何かしら?」
「見てきますぞ」
ガロンは玄関前に向かったと思うと、人型になって何かを引き摺りながら戻ってきた。
「エイシャ様、人間の子が落ちておりましたぞ。このズダボロ具合。親に虐待され、捨てられたのかも知れませんな」
「あら、そうなの? 面倒ね」
私は近づいて子供を見ると、年は十歳位だろうか。衰弱が激しく今にも死にそうね。
意識は低下しているように見えたので目を開いて瞳孔を確認してみた。
「あら、これは面白い拾い物よ? 白髪に赤と金のオッドアイ。よくこの年まで生きてこれたわねぇ。人間って珍しい子を不吉だって殺すんでしょう?」
「エイシャ様。この童、どうされますかな?」
「そうねぇ、この子は相当な魔力を持っているようだし、ダイモーンはちょうど弟子が欲しいって言っていた気がするわ。彼にあげればいいかしら。きっと喜んでくるわ」
「ダイモーンですかな。確かにあやつなら喜ぶでしょうな」
ガロンは引き摺っていた子供を抱き起こし、魔法で身綺麗にしてやる。
「ガロン、部屋に連れて行って着替えと回復薬をあげてちょうだい。私はダイモーンに連絡を取ってからいくわ」
「分かりましたぞ」
ガロンはそう言うと、子供を抱き抱え、家へと戻って行った。私はそのままダイモーンへメッセージを飛ばす。するとすぐに返事が返ってきたわ。
『連絡を待ってたよ~⭐︎今、ちょ~っと取り込み中だ、か、ら、終わったらすぐに取りに行くよ~⭐︎』
相変わらず軽いわね。
私は家に戻り、子供の様子を見に行くと、子供はしっかりと回復薬を飲んだようで怪我が消えていた。けれど、長年の虐待ですっかり自分以外は全て敵だと認識しているようね。
こちらを睨みつけ、威嚇しているわ。
私はパンとスープを子供に出してやると勢いよく手づかみで食べ始めた。パンを口に押し込み、スープを流し込むようにして飲んでいた。
毎日生きるのに精一杯だったのだろう。
「へぇ、よく心を折られなかったわね。その精神力に期待したいわ」
長期にわたり虐待や奴隷として暴力を受けると人間は自我を無くすように無気力、無抵抗になっていくのに。素質は充分のようね。
食事の様子を眺めていると、入り口の方から転移の魔法円が光と共に浮かび上がり、一人の男が姿を現した。
「あら、ダイモーン、早かったわね」
「だってぇー魔女っ子ちゃんからの熱いメッセージを聞いてすぐに動かないなんて悪魔の風上にもおけないよー⭐︎」
おどけたような話し方で宙に浮かび上がり、話をするダイモーンは細身で長身、タキシード姿なのにピエロのような顔をしていて悪魔の尻尾を持っている。
彼は悪魔の一族で人間達に深く関わりながら生きている。人間達の嫉妬や恐怖、怒りなどの負の感情を刺激することが生きがいだといってもいいだろう。
「麗しの魔女っ子ちゃんが言うくらいなんだから才能はあるんだよねー?」
「才能があるかは分からないわ。うちの前に落ちていたの。ただ珍しいから貴方を呼んだだけよ。この子を持って帰ってちょうだい。この子なら貴方の弟子でも大丈夫な気はするわ」
私はダイモーンと話をしている間も必死でパンを口に詰め込んでいる子供に視線を向ける。
「どれどれー? ふぅん。オッドアイね! イイね! この反抗的な目! シビれるー⭐︎」
ダイモーンはパッと子供顔を覗き込み、ふざけた事を言いながら詳しく調べている様子。
子供は彼にジロジロ見られるのにイラ立ったようでフォークを掴み刺そうとするが、後ろへ引いたダイモーンには触れる事が出来ずに驚き動揺した姿をみせた。
「良いねー⭐︎この反抗的な態度。気に入ったよ♪ 魔女っ子、引き受けるよー⭐︎
彼が僕の弟子になったらその時は薬を頼みにくるからその時は魔女っ子ちゃんお願いー⭐︎」
「ええ、もちろんよ」
ダイモーンは上機嫌になり子供の上をふわふわと飛び始めた。
「助かるわ。後を宜しくね」
「そうだねー⭐︎上手く仕上がったらいいなー⭐︎じゃぁ、そろそろ行こうか。少年⭐︎僕についておいで⭐︎」
ダイモーンは床に降り立つと指を一つ鳴らすと、フォークがカランと落ちた。
子供はダイモーンの魔法に抵抗が出来ず、唸りながらも歩いてダイモーンの横に立った。
「魔女っ子ちゃーん⭐︎じゃ、待ったねー⭐︎」
ダイモーンは大きく手を振って消えていった。
「相変わらずあやつは五月蝿いですな」
「ふふっ。そうねぇ。彼の今後が楽しみね」
私はそう言ってフォークを拾い、ガロンが差出したお茶を飲んだ。
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