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久々のお出かけ 男の視点
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「おい、あそこにいいカモがいるぞ」
「本当だ。他の村から流れて来たやつか? 警戒心が全くないよな。俺らに襲ってくれといっているようなもんじゃないか」
俺達は浮かれている一組のカップルに目を付けた。カップルを脅し、金を巻き上げた後、女を頂く。泣き叫びながら許しを乞う女を無理やり抱くのは最高だ。大抵の男は金と女を置いて逃げるんだ。その姿は楽しくてしかたがない。
今回、俺達が目を付けたカップルはまさに美男美女だ。周りのやつらも二人を見ているがカップルは全く気にした様子がない。女の泣き顔を早く見たいぜ。
俺達はいつも通りの方法でカップルにぶつかる。
「おいっ! 女。俺の服が濡れたじゃねぇか! どうしてくれるんだよ」
女は立ち止まり、不思議そうにこちらを見ている。当たり屋を知らない程の田舎から来たのか?
俺達は馬鹿な女を捕まえたとニヤニヤしながらアジトにしている部屋へと連れて来た。普通ならこの時点で女は怖がっているはずなのだが、この女は一向に怖がっていない。
むしろ本当に何が起こるのか分かっていない様子。俺は女を襲ってやろうと女の前に出た時、突然体が動かなくなった。
……なんでだ?
あぁ、俺、もしかして……死んだかも。
そう思った時には目の前が暗転した。
次に俺が目覚めた時、体に少しの違和感があった。冷たい床で気を失っていたせいだろうか。
「俺、死んだと思ったんだが、ただ気を失っただけだったのか?」
周りを見ると他のやつらも倒れていたが、次々と頭を振り、起き始めた。どうやら俺達は気絶していたようだ。全く最悪だ。
俺達が皆気絶するなんてどんな手を使ったんだ?
「おい、エド。お前大丈夫なのか?」
「何がだ?」
「い、いや……。お前の首がグルッて回って……。夢だったのか」
「何を言ってんだ? 俺はこうして生きているだろう? 俺も自分が死んだと思っていたんだが、夢だったようだな。あいつらは魔法使いだったのかもしれないな」
「クソッ。俺達に幻覚を見せたのか」
この日、俺達はついてないぜと話しながら解散した。今日金を巻き上げられなかったから明日に期待だな。
翌日、いつもよりすっきりとした目覚めだった。何年ぶりだろうか。体がなんだか軽いし、頭もすっきりしている。
いつものように仲間とつるんでカモを探す。
奪った金で女を抱き、酒を飲む。あぁ、なんて幸せなんだ。
そんな日が一週間ほど続いただろうか。昼前に目が覚め起き上がると、ずっと体が軽いと感じていたのに今までになく体が重く、思うように体を動かす事も出来ない。
やっとの事でベッドから起き上がり、水の入っているコップに手を伸ばした。
!!?
手の感覚が、ない。
一体どうしちまったんだ?
体の何処に触っても感覚がない。
手だけじゃないのか……?
突然襲われたこの感覚に一人でいることが恐ろしくなって仲間の家へ転がるように向かった。
……どういう事だ?
仲間がいるであろう部屋の前に着くと、部屋の外にまで漏れるほどの低いうめき声が聞こえてきた。どうなっているんだ。
俺は未だかつてないほどの恐怖と戦いながらゆっくりと扉を開けると、そこにはいつもつるんでいる奴等が床に倒れ、うめき声をあげていた。
「おい、大丈夫か!?」
よく見ると、仲間の背中が破れている……?
見たこともない状況に理解が追いつかない。
呆然と眺めていると、敗れた背中から黒い何かが這い出てきた。
驚きのあまり、俺は尻もちをついた。
「カチッカチッ、ニンゲン、ニンゲン」
黒い何かが何匹も奴等の背中から出てくる。恐怖で俺は声を出そうとするが、恐怖のあまり声が出ない。
駄目だ。に、逃げるしかない。
そう思って後ずさろうとするが、重い体は全く動かない。焦りと恐怖で一杯になった時、背中から痛みが走った。
もしかして、俺も既に……。
嫌だ、嫌だ。
た、助けてくれ……。
「本当だ。他の村から流れて来たやつか? 警戒心が全くないよな。俺らに襲ってくれといっているようなもんじゃないか」
俺達は浮かれている一組のカップルに目を付けた。カップルを脅し、金を巻き上げた後、女を頂く。泣き叫びながら許しを乞う女を無理やり抱くのは最高だ。大抵の男は金と女を置いて逃げるんだ。その姿は楽しくてしかたがない。
今回、俺達が目を付けたカップルはまさに美男美女だ。周りのやつらも二人を見ているがカップルは全く気にした様子がない。女の泣き顔を早く見たいぜ。
俺達はいつも通りの方法でカップルにぶつかる。
「おいっ! 女。俺の服が濡れたじゃねぇか! どうしてくれるんだよ」
女は立ち止まり、不思議そうにこちらを見ている。当たり屋を知らない程の田舎から来たのか?
俺達は馬鹿な女を捕まえたとニヤニヤしながらアジトにしている部屋へと連れて来た。普通ならこの時点で女は怖がっているはずなのだが、この女は一向に怖がっていない。
むしろ本当に何が起こるのか分かっていない様子。俺は女を襲ってやろうと女の前に出た時、突然体が動かなくなった。
……なんでだ?
あぁ、俺、もしかして……死んだかも。
そう思った時には目の前が暗転した。
次に俺が目覚めた時、体に少しの違和感があった。冷たい床で気を失っていたせいだろうか。
「俺、死んだと思ったんだが、ただ気を失っただけだったのか?」
周りを見ると他のやつらも倒れていたが、次々と頭を振り、起き始めた。どうやら俺達は気絶していたようだ。全く最悪だ。
俺達が皆気絶するなんてどんな手を使ったんだ?
「おい、エド。お前大丈夫なのか?」
「何がだ?」
「い、いや……。お前の首がグルッて回って……。夢だったのか」
「何を言ってんだ? 俺はこうして生きているだろう? 俺も自分が死んだと思っていたんだが、夢だったようだな。あいつらは魔法使いだったのかもしれないな」
「クソッ。俺達に幻覚を見せたのか」
この日、俺達はついてないぜと話しながら解散した。今日金を巻き上げられなかったから明日に期待だな。
翌日、いつもよりすっきりとした目覚めだった。何年ぶりだろうか。体がなんだか軽いし、頭もすっきりしている。
いつものように仲間とつるんでカモを探す。
奪った金で女を抱き、酒を飲む。あぁ、なんて幸せなんだ。
そんな日が一週間ほど続いただろうか。昼前に目が覚め起き上がると、ずっと体が軽いと感じていたのに今までになく体が重く、思うように体を動かす事も出来ない。
やっとの事でベッドから起き上がり、水の入っているコップに手を伸ばした。
!!?
手の感覚が、ない。
一体どうしちまったんだ?
体の何処に触っても感覚がない。
手だけじゃないのか……?
突然襲われたこの感覚に一人でいることが恐ろしくなって仲間の家へ転がるように向かった。
……どういう事だ?
仲間がいるであろう部屋の前に着くと、部屋の外にまで漏れるほどの低いうめき声が聞こえてきた。どうなっているんだ。
俺は未だかつてないほどの恐怖と戦いながらゆっくりと扉を開けると、そこにはいつもつるんでいる奴等が床に倒れ、うめき声をあげていた。
「おい、大丈夫か!?」
よく見ると、仲間の背中が破れている……?
見たこともない状況に理解が追いつかない。
呆然と眺めていると、敗れた背中から黒い何かが這い出てきた。
驚きのあまり、俺は尻もちをついた。
「カチッカチッ、ニンゲン、ニンゲン」
黒い何かが何匹も奴等の背中から出てくる。恐怖で俺は声を出そうとするが、恐怖のあまり声が出ない。
駄目だ。に、逃げるしかない。
そう思って後ずさろうとするが、重い体は全く動かない。焦りと恐怖で一杯になった時、背中から痛みが走った。
もしかして、俺も既に……。
嫌だ、嫌だ。
た、助けてくれ……。
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