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第1章 遥か高き果ての森
三十四話 皇龍人は今 後編
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一章最後の話です。
楽しんでいただけると嬉しいです。
注意、過度の下ネタを含みます。ご了承ください。
ーーー
「これは?」
突然現れた謎の鏡と映像に、俺はシリルラに一体なんなのか問う。すると彼女はやや刺々しい声音で答えてくれた。
シリルラによると、これは現在の俺自身の状況を映し出しているようだ。見ようによってはかなりグロテスクなことになってるな、これ。
俺の首筋や心臓部、四肢の欠損部にはまるで触手や血管のように灰色の蔓や枝が絡みつき、皮膚を突き破ってドクン、ドクンと脈打っているのだ。
まるで生きているかのような光景を不思議に思い眺めていると、シリルラから説明が入る。それによると、この泉は『精霊の泉』というらしい。
大精霊や神獣、亜神などの神格を持つものの霊力を促進させる効力を持つ神秘の泉らしく、そして俺には今、直接泉の力が流し込まれているようだ。
そしてこの『精霊の泉』のある場所は件の大精霊の住まう『大精霊の大樹』と呼ばれる『エナジーコア』を種として育った樹の上らしく、それ自体が意思を持つ存在、ということらしい。
そして『大精霊の大樹』は『遥か高き果ての森』の中央にそびえる大山の頂上、活火山なら火口に位置する場所に生えているらしく、普段大精霊はここにて森を管理しているのだとか。
また、シリルラ曰くこの大樹は数ある世界の中でも有数の神性を持つものらしく、イザナギ様も一目置いているらしい。大樹に何かあれば世界に異変が起きることすらありえるようだ。
それはそれを管理する大精霊が強大な力を有することも意味する。精霊と銘打ってはあるものの、その力は下位の神にすら届くようだ。
「ちなみにこの映像は大精霊に許可を取り、大樹の〝目〟を借用させてもらっていますね」
「なるほど……ん?」
神秘的な光景に見惚れていると、不意に人影が鏡の端から現れた。その人影は泉の中にいる俺に近づいていく。
そしてその人影とは……ニィシャさん、そしてエクセイザーだった。ニィシャさんはともかく、何故エクセイザーが『大精霊の大樹』に?
二人の登場に首をひねっていると、二人が泉まで近づいた。そしてエクセイザーがしゃがみこんで俺を見る。彼女は俺の頬を撫で、どこか悲しそうな表情をしていた。
するとその肩にいつも通り微笑んだニィシャさんが手を置き、何か話しかける。すると少しエクセイザーの顔が赤くなった。
音は聞こえないのかと思いながら、なんでエクセイザーは赤くなったんだ?と首を傾げていると……突如、二人が来ていた服に手をかけた。
「んん?」
そのまま二人はシュルシュルとどんどん服を脱いでいって……まあ、エクセイザーはドレスだけだったが……なんと全裸になった。
「ぶっ!!!」
まるで芸術品のような……いや、それ以上に完璧で美しいエクセイザーとニィシャさんの裸体を見て、思わず吹き出す。この時点で、俺は思考が追いつけなくなってきた。
裸になった意味がわからず困惑する俺の目の前で、鏡の中の二人は泉の中に入っていった。水面を揺らしながら俺に近づいていく。
そうして二人で眠る俺の前に立つと、おもむろに俺にまたがって手を伸ばしたニィシャさんが俺に口付けしてえぇぇぇぇぇぇえぇぇぇっ!?!!?
「えっ、ちょっ、なんでっ!?」
「うるっさいですバカ先輩」
「いででででで!」
思わず声を上げると、めっちゃ低い声のシリルラに脇腹をギリギリとつねられた。ちょ、ねじ切れるくらい痛いんですけど!
俺の心の声が聞こえているくせに無視しているシリルラは手を動かして鏡を操作し、泉の様子をアップにする。
なんでわざわざ!?と叫ぼうとするが、それよりも拡大され、さらに細かく見えるようになったニィシャさんとの口付けに口を噤んでしまった。ちょ、舌入ってないあれ!?
しばらく俺に一方的にディープキスをしていたニィシャさんは顔を離すと後ろでモジモジとしているエクセイザーに振り返り頷く。
するとエクセイザーは赤い顔でコクリと頷いて、入れ替わりで俺に覆いかぶさり、美しい銀髪を耳にかけると同じようにキスをした。
ずっと相棒として、仲間として共にいたエクセイザーとのまさかの光景に俺は絶句した。眠っているはずなのに眠ってる自分の情事を見るって、どんな不思議な話だよ。
ひとしきり俺にキスをしたエクセイザーは満足したように顔を離す。すると銀色の糸が唇から垂れて……見るな見るな!
手で目を庇おうとするのを何故かギリギリとシリルラに阻まれていると、エクセイザーが不意にピクリと肩を震わせる。
一体どうしたのかと思っていると、エクセイザーは俺の下半身へと視線を移す。つられてそちらを見れば……眠っているのに元気なアレが。
「そこも眠ってろよぉぉおおおおおおお!」
「うるさいって言ってるんですこの浮気者!」
「ゴフッ!」
今度はボディーブローを叩き込まれる。そしていつものごとく名前が消え、大変不本意な呼び名をされた。解せぬ。お前が見せてるのに理不尽すぎない?
痛みにゴホゴホと咳を吐いている間にも、鏡の中で情事は続く。もはや年齢制限がかかりそう……いや、確実にかかるところまでいっていた。
結局そのあと自分で見ざる聞かざるを決め込もうとしてもシリルラに阻まれ、ならば本人を止めようとしてもことごとく無力化された。
それどころか、しまいには神の力で強制的に体を動かせなくされてしまい、視線は映像に固定され一部始終を見せられた。紛れもなく拷問である。
その間にも延々と垂れ流され続けるエクセイザーとの情事。シリルラは嫌がらせのように映像をアップにしてより細かく見せてきやがる。
眠っているであろう自分が一方的にヤられているわ、隣ではシリルラでら自分で見せているくせにどんどん不機嫌になっていくわで、もう死にたい。
幸いなのは音がないことか。もしこれで映像からエクセイザーの喘ぎ声まで聞こえてきたら、俺は何がなんでも拘束を振りほどいて自分で舌を噛み切る自信がある。
羞恥心やら喪失感やらで内心さめざめと泣いていると、ようやく情事が終わった。よかった、これで解放され……っ!?
「……なあ、シリルラ」
「なんですかねこの変態」
「酷い!?」
「うるさいですね。さっき私に愛を囁いたくせに、他の女を抱いている先輩なんて変態だけで十分ですね」
「いやこれ明らかに一方的だよね?俺悪くないよね!?」
って違う! 俺はこんなコントじみたことをしたいわけではない!
「俺の目には、二回目が始まっているように見えるんだが……?」
「ええ、性懲りも無くやってますね。まあ、今更驚くこともないでしょう。普段から七、八回くらいやってようやく終わっていますしね」
「嘘だろ!?」
思わず叫ぶ。七、八回って多すぎだろ! 俺一回死んで昏睡してるんだよね? 我ながらなんでそんなことできてるのだろうか。
そのシリルラの言葉通り、それから幾度も行為は繰り返された。5回を超えたあたりで俺はもはや思考を放棄し、ひたすら明鏡止水の境地に至らんとしていた。
「ほら、いい加減戻ってきてください先輩」
「あだっ!?」
が、唐突に頬に強烈な痛みが走ったことで我に返る。するとまず最初にシリルラの振り切られた手のひらが視界に移った。どうやらビンタされたらしい。
それと共にどうやら体の拘束も解いてくれたようで、自由に動かせるようになっていた。キョロキョロと見回すと、映像も虚空から消えている。
どうやら現実逃避している間に終わっていたようだとホッとしていると、シリルラがわざとらしく咳払いをした。慌ててそちらを向く。
「……と、いうわけですね。途中から思考放棄していたようですが、こうして肉体を結合することで霊力を直接流し込んでいるわけですね」
「……要するに房中術みたいなことをしているわけだな」
房中術とは古来中国に伝わる古代保険医学の一環である養成法であり、性交渉により体内の陰陽の気の調和を取り長寿、健康を保つというものである。
一般的には気、という曖昧な認識で伝わっているが、俺のような陰陽師などの霊力を操るものたちにとって房中術はただの健康法ではない。
主に重大な怪我を負った際、呪いなどで衰弱した時などに、限りなく自然のものに近づけた純粋な霊力を流し込むことにより生命力を活性化させるための救命手段として用いられている。
つまり、エクセイザーがやっていたのはそういうことだろう。亜神である彼女のエネルギーは神性が高く、その分純粋だ。俺の死にかけの身体を回復させるのにまさにうってつけというわけである。
とすると……おそらくニィシャさんの最初のアレは、接吻による霊力の供給を行い、肉体の維持に必要な分を補充したといったところだろうか。
あるいは、エクセイザーの霊力を全て漏らさず受け取れるように肉体の昂りを一定に抑えるようなことをしたのかもしれない。必要以上に興奮してしまっては効果がなくなってしまうからな。
そう考えれば、恥ずかしさで目をそらしていたが割とすんなりと受け止めることができた。救命措置の一環だとするならば納得もできる。
できるのだが、一人の男としてはなんとも言えない気持ちだった。意識がないうちに喪失してたとか、あまりにも惨めというか情けないというか。
というか、それはそれとして……霊力の話を抜きにして定期的にあんな回数身体を重ねていれば、その、色々とまずいのではないだろうか。
……いや、その確率は低いはずだ。なにせ神と人間、格の違う存在が交わったとしてそうなるとは考えにくい。というかそうであってほしい。
そんな俺の願いは、次のシリルラの言葉によって木っ端微塵となった。
「ああ、その点はご心配なく。今の龍人様は神化が進んでいますので、孕みますよ」
……え?
無機質な声で無慈悲に放たれた死刑宣告に、俺はピシッと体が硬直した。そして錆びた蛇口のひねりのように緩慢な動きでシリルラを見る。
するとシリルラはいっそ凄絶なまでに綺麗な笑顔だった。だがその眼鏡の奥にある目は一切笑っていない。むしろ圧死しそうなほどのプレッシャーがある。
しかし、そんなことさえ冷静に分析できるほど俺は頭の中身が真っ白にリセットされていた。あまりにも衝撃的すぎて、一周回って冷静になってしまったのだ。
しばらく顔をひきつらせて固まっていたが、いつまでもそうしていては聞きたいことが何も聞けないので千切れるくらいの速度で頭を左右に振ると気持ちを落ち着ける。
「……それで、なんだって?」
「聞こえませんでしたか? 龍人様は神になりかけているのでエクセイザー様と同格、つまりそういうことをすれば子供ができます」
「はあぁああぁぁああぁぁぁあああぁっ!?」
俺は絶叫した。もはやそうすることでしか、爆発した感情を吐き出すことができなかった。もう無理、現状が俺のキャパシティを大幅にオーバーしてるよ。
まず最初に、というか何よりも先に、神化とか言ってるけど訳がわからない。いつ、どうやって、どこに俺が神の一柱になる要因があったというのだ。
いや、ほかにも聞きたいことはある。俺は知らぬうちに父親になってしまうのかとか色々あるけど、それよりもそのことについて説明が欲しい!
鬼気迫るものを感じシリルラに尋ねると、思いのほかシリルラはあっさりと教えてくれた。あるいは彼女ももう色々と吹っ切れてしまったのかもしれない。
「龍人様の死によってエクセイザー様たちが深く悲しんだことは話しましたよね?」
「あ、ああ。みんなすごい悲しんでくれたんだよな」
「はい。そしてエクセイザー様たちは龍人様を奪われたその怒りのままに東部に殴り込み、黒鬼神を完膚なきまでに叩き潰しましたね。それはもう、いっそ惨たらしいほどに」
「そ、そうだったのか。ていうことは、東部との長い戦いは終わったわけだな」
「結果的に言えばそういうことになりますね……しかし、それこそが龍人様の神化の要因だったのです」
「……どういうことだ?」
その後に続いたシリルラの説明曰く、あの俺が命を賭して倒した異形……アレは黒鬼神自らが生み出したものだったらしい。
ダークゴブリンの中でも精鋭のもの同士を殺し合わせ、最後に生き残った最も強いものに自分の力を分け与えることで一気に黒鬼暴君まで進化させたそうだ。
さらにそこにあの時持っていた魔法武器の斧を二つ持たせ、切り札としてあの【狂化】スキルを植え付けて毎度援軍をよこす北部を先に潰そうとした。
つまりあの異形は黒鬼神の切り札の一つであり、ただいたずらに北部を蹂躙していたわけではなく作戦の一環だったのだ。
だがそれは俺の奮闘によりあえなく失敗。そして異形を殺したことにより、力を分け与えていた黒鬼神に知らぬうちに深刻なダメージを与えていたらしい。
それからは簡単で、いつもならエクセイザーと互角のはずが弱体化している黒鬼神は怒り狂うエクセイザーを筆頭とした各区画のリーダーたちに嬲り殺しにされた。
黒鬼神が倒れたことにより東部は実質上敗北。もともと頭がいなくては何もできないダークゴブリンたちは降参し、東部はエクセイザーの支配下に入った。
「なるほど、そんなことが……でもそれがなんで俺の神化に関係してくるんだ?」
「龍人様、【創造神の友】の第三能力を覚えていますかね?」
「ああ、あの文字化けしていて読めなかった……………まさか」
「そのまさかですね。あの能力の全貌は、こういうことです」
シリルラが右手を振ると、また空中に何か出現した。今度は縦長の窓のようなものだ。そしてそこには何か文字の羅列が浮かび上がっている。
そしてそこには……こう書かれていたのだ。
====================
第3:最終地点。生物の限界を超越し、所有者の神化への道を開放する。
解放条件:強さを望んだ時、これは解放される。
発動条件:亜神を二体以上倒すこと。
====================
「なっ……!?」
驚きの声をあげた俺に、シリルラは静かに頷く。
「そう……力を介して異形と繋がっていた黒鬼神をエクセイザー様たちが倒したことによって、休眠状態とはいえ亜神である黒鬼神を倒したと判断され、この能力が発動されたのですね。そしてこれは、あれほどの回数霊力を注ぎ込み、また、この場所の説明にも繋がりますね」
シリルラが言うには、精霊の加護によってなんとか生きながらえているのに、そこに膨大なエネルギーを消費する神化が重なってしまったらしい。
しかしそこは不足している分をさらに多く注ぎ込めば問題はないらしい。だからこそ、俺はあんな回数エクセイザーとしていたということである。
だが、それでは死にかけで不安定な状態の魂までは耐えきれないらしいのだ。ただでさえ無理やり繋ぎとめた状態、そこに格の昇華まで加わっては魂が自壊してしまうらしい。
さらに畳み掛けるように、異形と黒鬼神を倒したという判定により最高レベルまで到達してしまい、ヒュリスの亜神化のシステムまで重複しているのだとか。
つまり俺は肉体の維持による消耗、神化による消耗、亜神化による消耗の三重苦を受けているわけだ。それによって消費されるエネルギーは計り知れない。
だから俺の魂と繋がっていたシリルラは神化が始まった瞬間全力で避難場所……つまりこの場所を構築し、俺の魂を一時避難させた。
「じゃあここは、お前の作った異空間なんだな」
「はい、そうですね。力が半減している以上、この空間の維持が精一杯で龍人様を治療することもできず、エクセイザー様たちに任せきりになってしまい、ここで自我を取り戻すまで待つしかありませんでしたね。実はあれから半年も経過してるんですよ?」
「そんなに経ってたのか……」
「ちなみに肉体が完全に神化…復活した時点で魂は自動的に戻りますので、ご心配なく」
「あ、そうなんだな」
「ただ……」
エネルギーの消耗にエクセイザー様たちの再生が多少優っている現状では、現実世界に復活するまでどれほどかかるかわからないらしい。
とすると、何十年も目覚めない可能性もあるってことか……できればヴェルやレイが生きているうちに目覚めたいな。
だが、そうやってできれば早く目覚めたいとは思う反面、この場所にいること自体は別に嫌ではない。嫌なはずがないのだ。
なぜなら……この場所にいる間は、ずっと声しか聞こえなかったシリルラと、瑠璃と一緒に居られるのだから。好きな子と二人きりで、嬉しくないはずがない。
無論、いつまでもいるつもりはない。それでは現実世界で頑張ってくれているエクセイザーやニィシャさん達を裏切ることになってしまう。
それでもせめて、許されるうちはずっと一緒にいたい。欲を言えば一緒にヒュリスで暮らしたいが……それはかなり難しいだろうし。
「当たり前ですね。現実ではエクセイザー様に先を越されたんです……一緒にいないなんて、絶対に嫌ですね」
シリルラは俺の腕に抱きついて小さな声でそう言う。その姿に、先程までの圧倒的な力はなくて。ただそこにいるのは、俺の知る白井瑠璃という一人の女の子だった。
……そっか、心の中は筒抜けだったっけか。ちょっとクサい言いかたすると、直接心が繋がってるわけだ。それがなんとなく嬉しい。
だからこそ、ここまで追いかけてきてくれた彼女のことを絶対に大切にしようと改めて心に誓う。
「約束する。何があっても、お前を愛してるから」
たとえどんなことがあっても、この気持ちは変わらない。それこそもう一度死んでも、彼女への愛は絶対に不変のものであると確信できる。
「……もう、こっ恥ずかしいこと言わないでくださいよ」
そう言って見上げてくる彼女の顔は、真っ赤に染まっていて。
けれど、見惚れてしまうほどに綺麗な笑顔で彩られていた。
「ずっと一緒です……センパイ!」
「……ああ、ずっと一緒だ!」
美しく笑うシリルラを俺は抱きしめて、この先ずっと愛して行こうと、そう決めた。
ーーー
これでこの章は終わりです。
次回は人物紹介です。
すでに何人かの読者様から楽しいと言っていただけているので、続けようかなと思っております。
これからもよろしくお願いいたします。
感想をいただけると嬉しいです。
楽しんでいただけると嬉しいです。
注意、過度の下ネタを含みます。ご了承ください。
ーーー
「これは?」
突然現れた謎の鏡と映像に、俺はシリルラに一体なんなのか問う。すると彼女はやや刺々しい声音で答えてくれた。
シリルラによると、これは現在の俺自身の状況を映し出しているようだ。見ようによってはかなりグロテスクなことになってるな、これ。
俺の首筋や心臓部、四肢の欠損部にはまるで触手や血管のように灰色の蔓や枝が絡みつき、皮膚を突き破ってドクン、ドクンと脈打っているのだ。
まるで生きているかのような光景を不思議に思い眺めていると、シリルラから説明が入る。それによると、この泉は『精霊の泉』というらしい。
大精霊や神獣、亜神などの神格を持つものの霊力を促進させる効力を持つ神秘の泉らしく、そして俺には今、直接泉の力が流し込まれているようだ。
そしてこの『精霊の泉』のある場所は件の大精霊の住まう『大精霊の大樹』と呼ばれる『エナジーコア』を種として育った樹の上らしく、それ自体が意思を持つ存在、ということらしい。
そして『大精霊の大樹』は『遥か高き果ての森』の中央にそびえる大山の頂上、活火山なら火口に位置する場所に生えているらしく、普段大精霊はここにて森を管理しているのだとか。
また、シリルラ曰くこの大樹は数ある世界の中でも有数の神性を持つものらしく、イザナギ様も一目置いているらしい。大樹に何かあれば世界に異変が起きることすらありえるようだ。
それはそれを管理する大精霊が強大な力を有することも意味する。精霊と銘打ってはあるものの、その力は下位の神にすら届くようだ。
「ちなみにこの映像は大精霊に許可を取り、大樹の〝目〟を借用させてもらっていますね」
「なるほど……ん?」
神秘的な光景に見惚れていると、不意に人影が鏡の端から現れた。その人影は泉の中にいる俺に近づいていく。
そしてその人影とは……ニィシャさん、そしてエクセイザーだった。ニィシャさんはともかく、何故エクセイザーが『大精霊の大樹』に?
二人の登場に首をひねっていると、二人が泉まで近づいた。そしてエクセイザーがしゃがみこんで俺を見る。彼女は俺の頬を撫で、どこか悲しそうな表情をしていた。
するとその肩にいつも通り微笑んだニィシャさんが手を置き、何か話しかける。すると少しエクセイザーの顔が赤くなった。
音は聞こえないのかと思いながら、なんでエクセイザーは赤くなったんだ?と首を傾げていると……突如、二人が来ていた服に手をかけた。
「んん?」
そのまま二人はシュルシュルとどんどん服を脱いでいって……まあ、エクセイザーはドレスだけだったが……なんと全裸になった。
「ぶっ!!!」
まるで芸術品のような……いや、それ以上に完璧で美しいエクセイザーとニィシャさんの裸体を見て、思わず吹き出す。この時点で、俺は思考が追いつけなくなってきた。
裸になった意味がわからず困惑する俺の目の前で、鏡の中の二人は泉の中に入っていった。水面を揺らしながら俺に近づいていく。
そうして二人で眠る俺の前に立つと、おもむろに俺にまたがって手を伸ばしたニィシャさんが俺に口付けしてえぇぇぇぇぇぇえぇぇぇっ!?!!?
「えっ、ちょっ、なんでっ!?」
「うるっさいですバカ先輩」
「いででででで!」
思わず声を上げると、めっちゃ低い声のシリルラに脇腹をギリギリとつねられた。ちょ、ねじ切れるくらい痛いんですけど!
俺の心の声が聞こえているくせに無視しているシリルラは手を動かして鏡を操作し、泉の様子をアップにする。
なんでわざわざ!?と叫ぼうとするが、それよりも拡大され、さらに細かく見えるようになったニィシャさんとの口付けに口を噤んでしまった。ちょ、舌入ってないあれ!?
しばらく俺に一方的にディープキスをしていたニィシャさんは顔を離すと後ろでモジモジとしているエクセイザーに振り返り頷く。
するとエクセイザーは赤い顔でコクリと頷いて、入れ替わりで俺に覆いかぶさり、美しい銀髪を耳にかけると同じようにキスをした。
ずっと相棒として、仲間として共にいたエクセイザーとのまさかの光景に俺は絶句した。眠っているはずなのに眠ってる自分の情事を見るって、どんな不思議な話だよ。
ひとしきり俺にキスをしたエクセイザーは満足したように顔を離す。すると銀色の糸が唇から垂れて……見るな見るな!
手で目を庇おうとするのを何故かギリギリとシリルラに阻まれていると、エクセイザーが不意にピクリと肩を震わせる。
一体どうしたのかと思っていると、エクセイザーは俺の下半身へと視線を移す。つられてそちらを見れば……眠っているのに元気なアレが。
「そこも眠ってろよぉぉおおおおおおお!」
「うるさいって言ってるんですこの浮気者!」
「ゴフッ!」
今度はボディーブローを叩き込まれる。そしていつものごとく名前が消え、大変不本意な呼び名をされた。解せぬ。お前が見せてるのに理不尽すぎない?
痛みにゴホゴホと咳を吐いている間にも、鏡の中で情事は続く。もはや年齢制限がかかりそう……いや、確実にかかるところまでいっていた。
結局そのあと自分で見ざる聞かざるを決め込もうとしてもシリルラに阻まれ、ならば本人を止めようとしてもことごとく無力化された。
それどころか、しまいには神の力で強制的に体を動かせなくされてしまい、視線は映像に固定され一部始終を見せられた。紛れもなく拷問である。
その間にも延々と垂れ流され続けるエクセイザーとの情事。シリルラは嫌がらせのように映像をアップにしてより細かく見せてきやがる。
眠っているであろう自分が一方的にヤられているわ、隣ではシリルラでら自分で見せているくせにどんどん不機嫌になっていくわで、もう死にたい。
幸いなのは音がないことか。もしこれで映像からエクセイザーの喘ぎ声まで聞こえてきたら、俺は何がなんでも拘束を振りほどいて自分で舌を噛み切る自信がある。
羞恥心やら喪失感やらで内心さめざめと泣いていると、ようやく情事が終わった。よかった、これで解放され……っ!?
「……なあ、シリルラ」
「なんですかねこの変態」
「酷い!?」
「うるさいですね。さっき私に愛を囁いたくせに、他の女を抱いている先輩なんて変態だけで十分ですね」
「いやこれ明らかに一方的だよね?俺悪くないよね!?」
って違う! 俺はこんなコントじみたことをしたいわけではない!
「俺の目には、二回目が始まっているように見えるんだが……?」
「ええ、性懲りも無くやってますね。まあ、今更驚くこともないでしょう。普段から七、八回くらいやってようやく終わっていますしね」
「嘘だろ!?」
思わず叫ぶ。七、八回って多すぎだろ! 俺一回死んで昏睡してるんだよね? 我ながらなんでそんなことできてるのだろうか。
そのシリルラの言葉通り、それから幾度も行為は繰り返された。5回を超えたあたりで俺はもはや思考を放棄し、ひたすら明鏡止水の境地に至らんとしていた。
「ほら、いい加減戻ってきてください先輩」
「あだっ!?」
が、唐突に頬に強烈な痛みが走ったことで我に返る。するとまず最初にシリルラの振り切られた手のひらが視界に移った。どうやらビンタされたらしい。
それと共にどうやら体の拘束も解いてくれたようで、自由に動かせるようになっていた。キョロキョロと見回すと、映像も虚空から消えている。
どうやら現実逃避している間に終わっていたようだとホッとしていると、シリルラがわざとらしく咳払いをした。慌ててそちらを向く。
「……と、いうわけですね。途中から思考放棄していたようですが、こうして肉体を結合することで霊力を直接流し込んでいるわけですね」
「……要するに房中術みたいなことをしているわけだな」
房中術とは古来中国に伝わる古代保険医学の一環である養成法であり、性交渉により体内の陰陽の気の調和を取り長寿、健康を保つというものである。
一般的には気、という曖昧な認識で伝わっているが、俺のような陰陽師などの霊力を操るものたちにとって房中術はただの健康法ではない。
主に重大な怪我を負った際、呪いなどで衰弱した時などに、限りなく自然のものに近づけた純粋な霊力を流し込むことにより生命力を活性化させるための救命手段として用いられている。
つまり、エクセイザーがやっていたのはそういうことだろう。亜神である彼女のエネルギーは神性が高く、その分純粋だ。俺の死にかけの身体を回復させるのにまさにうってつけというわけである。
とすると……おそらくニィシャさんの最初のアレは、接吻による霊力の供給を行い、肉体の維持に必要な分を補充したといったところだろうか。
あるいは、エクセイザーの霊力を全て漏らさず受け取れるように肉体の昂りを一定に抑えるようなことをしたのかもしれない。必要以上に興奮してしまっては効果がなくなってしまうからな。
そう考えれば、恥ずかしさで目をそらしていたが割とすんなりと受け止めることができた。救命措置の一環だとするならば納得もできる。
できるのだが、一人の男としてはなんとも言えない気持ちだった。意識がないうちに喪失してたとか、あまりにも惨めというか情けないというか。
というか、それはそれとして……霊力の話を抜きにして定期的にあんな回数身体を重ねていれば、その、色々とまずいのではないだろうか。
……いや、その確率は低いはずだ。なにせ神と人間、格の違う存在が交わったとしてそうなるとは考えにくい。というかそうであってほしい。
そんな俺の願いは、次のシリルラの言葉によって木っ端微塵となった。
「ああ、その点はご心配なく。今の龍人様は神化が進んでいますので、孕みますよ」
……え?
無機質な声で無慈悲に放たれた死刑宣告に、俺はピシッと体が硬直した。そして錆びた蛇口のひねりのように緩慢な動きでシリルラを見る。
するとシリルラはいっそ凄絶なまでに綺麗な笑顔だった。だがその眼鏡の奥にある目は一切笑っていない。むしろ圧死しそうなほどのプレッシャーがある。
しかし、そんなことさえ冷静に分析できるほど俺は頭の中身が真っ白にリセットされていた。あまりにも衝撃的すぎて、一周回って冷静になってしまったのだ。
しばらく顔をひきつらせて固まっていたが、いつまでもそうしていては聞きたいことが何も聞けないので千切れるくらいの速度で頭を左右に振ると気持ちを落ち着ける。
「……それで、なんだって?」
「聞こえませんでしたか? 龍人様は神になりかけているのでエクセイザー様と同格、つまりそういうことをすれば子供ができます」
「はあぁああぁぁああぁぁぁあああぁっ!?」
俺は絶叫した。もはやそうすることでしか、爆発した感情を吐き出すことができなかった。もう無理、現状が俺のキャパシティを大幅にオーバーしてるよ。
まず最初に、というか何よりも先に、神化とか言ってるけど訳がわからない。いつ、どうやって、どこに俺が神の一柱になる要因があったというのだ。
いや、ほかにも聞きたいことはある。俺は知らぬうちに父親になってしまうのかとか色々あるけど、それよりもそのことについて説明が欲しい!
鬼気迫るものを感じシリルラに尋ねると、思いのほかシリルラはあっさりと教えてくれた。あるいは彼女ももう色々と吹っ切れてしまったのかもしれない。
「龍人様の死によってエクセイザー様たちが深く悲しんだことは話しましたよね?」
「あ、ああ。みんなすごい悲しんでくれたんだよな」
「はい。そしてエクセイザー様たちは龍人様を奪われたその怒りのままに東部に殴り込み、黒鬼神を完膚なきまでに叩き潰しましたね。それはもう、いっそ惨たらしいほどに」
「そ、そうだったのか。ていうことは、東部との長い戦いは終わったわけだな」
「結果的に言えばそういうことになりますね……しかし、それこそが龍人様の神化の要因だったのです」
「……どういうことだ?」
その後に続いたシリルラの説明曰く、あの俺が命を賭して倒した異形……アレは黒鬼神自らが生み出したものだったらしい。
ダークゴブリンの中でも精鋭のもの同士を殺し合わせ、最後に生き残った最も強いものに自分の力を分け与えることで一気に黒鬼暴君まで進化させたそうだ。
さらにそこにあの時持っていた魔法武器の斧を二つ持たせ、切り札としてあの【狂化】スキルを植え付けて毎度援軍をよこす北部を先に潰そうとした。
つまりあの異形は黒鬼神の切り札の一つであり、ただいたずらに北部を蹂躙していたわけではなく作戦の一環だったのだ。
だがそれは俺の奮闘によりあえなく失敗。そして異形を殺したことにより、力を分け与えていた黒鬼神に知らぬうちに深刻なダメージを与えていたらしい。
それからは簡単で、いつもならエクセイザーと互角のはずが弱体化している黒鬼神は怒り狂うエクセイザーを筆頭とした各区画のリーダーたちに嬲り殺しにされた。
黒鬼神が倒れたことにより東部は実質上敗北。もともと頭がいなくては何もできないダークゴブリンたちは降参し、東部はエクセイザーの支配下に入った。
「なるほど、そんなことが……でもそれがなんで俺の神化に関係してくるんだ?」
「龍人様、【創造神の友】の第三能力を覚えていますかね?」
「ああ、あの文字化けしていて読めなかった……………まさか」
「そのまさかですね。あの能力の全貌は、こういうことです」
シリルラが右手を振ると、また空中に何か出現した。今度は縦長の窓のようなものだ。そしてそこには何か文字の羅列が浮かび上がっている。
そしてそこには……こう書かれていたのだ。
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第3:最終地点。生物の限界を超越し、所有者の神化への道を開放する。
解放条件:強さを望んだ時、これは解放される。
発動条件:亜神を二体以上倒すこと。
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「なっ……!?」
驚きの声をあげた俺に、シリルラは静かに頷く。
「そう……力を介して異形と繋がっていた黒鬼神をエクセイザー様たちが倒したことによって、休眠状態とはいえ亜神である黒鬼神を倒したと判断され、この能力が発動されたのですね。そしてこれは、あれほどの回数霊力を注ぎ込み、また、この場所の説明にも繋がりますね」
シリルラが言うには、精霊の加護によってなんとか生きながらえているのに、そこに膨大なエネルギーを消費する神化が重なってしまったらしい。
しかしそこは不足している分をさらに多く注ぎ込めば問題はないらしい。だからこそ、俺はあんな回数エクセイザーとしていたということである。
だが、それでは死にかけで不安定な状態の魂までは耐えきれないらしいのだ。ただでさえ無理やり繋ぎとめた状態、そこに格の昇華まで加わっては魂が自壊してしまうらしい。
さらに畳み掛けるように、異形と黒鬼神を倒したという判定により最高レベルまで到達してしまい、ヒュリスの亜神化のシステムまで重複しているのだとか。
つまり俺は肉体の維持による消耗、神化による消耗、亜神化による消耗の三重苦を受けているわけだ。それによって消費されるエネルギーは計り知れない。
だから俺の魂と繋がっていたシリルラは神化が始まった瞬間全力で避難場所……つまりこの場所を構築し、俺の魂を一時避難させた。
「じゃあここは、お前の作った異空間なんだな」
「はい、そうですね。力が半減している以上、この空間の維持が精一杯で龍人様を治療することもできず、エクセイザー様たちに任せきりになってしまい、ここで自我を取り戻すまで待つしかありませんでしたね。実はあれから半年も経過してるんですよ?」
「そんなに経ってたのか……」
「ちなみに肉体が完全に神化…復活した時点で魂は自動的に戻りますので、ご心配なく」
「あ、そうなんだな」
「ただ……」
エネルギーの消耗にエクセイザー様たちの再生が多少優っている現状では、現実世界に復活するまでどれほどかかるかわからないらしい。
とすると、何十年も目覚めない可能性もあるってことか……できればヴェルやレイが生きているうちに目覚めたいな。
だが、そうやってできれば早く目覚めたいとは思う反面、この場所にいること自体は別に嫌ではない。嫌なはずがないのだ。
なぜなら……この場所にいる間は、ずっと声しか聞こえなかったシリルラと、瑠璃と一緒に居られるのだから。好きな子と二人きりで、嬉しくないはずがない。
無論、いつまでもいるつもりはない。それでは現実世界で頑張ってくれているエクセイザーやニィシャさん達を裏切ることになってしまう。
それでもせめて、許されるうちはずっと一緒にいたい。欲を言えば一緒にヒュリスで暮らしたいが……それはかなり難しいだろうし。
「当たり前ですね。現実ではエクセイザー様に先を越されたんです……一緒にいないなんて、絶対に嫌ですね」
シリルラは俺の腕に抱きついて小さな声でそう言う。その姿に、先程までの圧倒的な力はなくて。ただそこにいるのは、俺の知る白井瑠璃という一人の女の子だった。
……そっか、心の中は筒抜けだったっけか。ちょっとクサい言いかたすると、直接心が繋がってるわけだ。それがなんとなく嬉しい。
だからこそ、ここまで追いかけてきてくれた彼女のことを絶対に大切にしようと改めて心に誓う。
「約束する。何があっても、お前を愛してるから」
たとえどんなことがあっても、この気持ちは変わらない。それこそもう一度死んでも、彼女への愛は絶対に不変のものであると確信できる。
「……もう、こっ恥ずかしいこと言わないでくださいよ」
そう言って見上げてくる彼女の顔は、真っ赤に染まっていて。
けれど、見惚れてしまうほどに綺麗な笑顔で彩られていた。
「ずっと一緒です……センパイ!」
「……ああ、ずっと一緒だ!」
美しく笑うシリルラを俺は抱きしめて、この先ずっと愛して行こうと、そう決めた。
ーーー
これでこの章は終わりです。
次回は人物紹介です。
すでに何人かの読者様から楽しいと言っていただけているので、続けようかなと思っております。
これからもよろしくお願いいたします。
感想をいただけると嬉しいです。
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