26 / 51
思わぬ収穫
しおりを挟む女の人にリードされるまま服やアクセサリーを見て回る。
男の俺としては見慣れない物ばかりだ。
アリサさんとミリアさんは趣味が合うようで元々仲も良いのか買い物を楽しんでいた。
それを遠目で見ていた俺は思ったりもする。
俺いる?
街を歩けば美女二人に挟まれた幸運な男に成り上がる。
ミリアさんは横で「ログで何度も確認したけどあの戦いの時スキルのタイミング間違えたでしょ」と他国戦の薄らとそんな記憶がある俺のミスをチクチクとつついてくる。
頑張ったから努力したから必死だったから言い訳は湯水の様に溢れ出るがミスをつついてくるのはミリアさんの優しさだと思い受け入れる。
誰もが頑張ったと言う中ミリアさんだけは俺を責めてくれる。それがありがたいという感情しか俺にはなかった。
アリサさんはそれを「シンさんだってあの時相手がスキルをミスしなげればタイミングは完璧だったんだよ」と反論してくれる。
なんで二人は俺より俺の戦いを熟知しているのか。
見守ってくれてたとしたら嬉しい限りだ。
休憩がてらにミリアさんの行き付けのカフェに入る。
コーヒー牛乳を頼むとすぐに持って来た。
「可愛いの飲むんだね」
とミリアさんが煽ってくるが俺はコーヒー牛乳が好きだ。
カップではなく瓶で持ってくるとはここの店員は分かっている。
この機会に俺はずっと疑問に思ってた事を言ってみる。
「略奪戦でヒカリさんが欲しかった物ってなんですか?」
略奪戦はいわば国を掛けたギャンブルだ。
ヒカリさんがこの国を危険に晒しても良いとは考えづらく何が引き金になったのかは知りたかった。
「シン君には教えて置いた方がいいよね?」
「はい」
ミリアさんはアリサさんに尋ねるとコクンと首を縦に振った。
『他の国の保管されたレアスキルの情報。これは他国戦を有利に進めるために最上位クランで独占したかったのと一番はラクリガルドのみ攻略している未開の地の攻略情報ですね』
レアスキルはロマンがあるからな! っと未開の地攻略情報?
「ラクリガルドが攻略しているんですか?」
俺以外にあの国で魔物を狩ってる人なんて見た事ないのに何時の間に攻略なんかしてたんだ!
「ReLIFEが開始して一度たりともスタンピードが発生してない国はラクリガルドだけなんですよ」
確かにスタンピードは起きていなかった。
ここに来て初めてその驚異を知ったぐらいだ。
その為に略奪戦に参加したのか。
それなら早く俺に。
『言ってくれれば未開の地の攻略方法ぐらい教えますよ?』
ピキンとクールタイムが発生した様に時間が止まった。
アリサさんとミリアさんの動きが止まり困惑する。
キョロキョロと見渡しているとゆっくりとミリアさんが口を動かした。
「シン君未開の地に行ったことあるの?」
「はい。ラクリガルドに居た時は毎日の様に狩りに行ってましたがミースティアに来てからは色々忙しくて樹海の最奥までですね」
俺の物言いを聞き押し黙るミリアさん。
次はアリサさんが口を開いた。
「それじゃあまず最初の敵を教えてくれる?」
まず最初の敵は最近口にした魔物だ。
「ジョーカーという人型の魔物ですね。こっちの国ではラクリガルドと魔物の種類が違ったのでもしかしたら違うかもしれません」
順序よくアリサさんとミリアさんが交互に未開の地の聞きたい情報を口にする。
俺はその都度丁寧に答えて行った。
「彼女はいる?」
「まぁ、一応」
途中から変な質問も混じり始めた所で質問を切った。
気づけば夜も暗くなり長い間付き合ったなと思う。
「じゃあね! シン君」
「シンさんのこの情報があればヒカリも喜ぶと思います!」
カフェから出ると二人は満足気な様子で俺を置いて行ってしまった。
貴重な情報らしいので早く報告やらしたいのだろう。
『役に立てたかな』
少し肌寒くなる街並み。
独り言を呟く。
このデートは俺を気づかってわざわざ用意してくれたのだろう。
最後に有益な情報を与えてあげられたのは良かった。
もう見えない二人の背中を見送りながら俺はセーブポイントの宿に向かった。
0
あなたにおすすめの小説
ザコ魔法使いの僕がダンジョンで1人ぼっち!魔獣に襲われても石化した僕は無敵状態!経験値が溜まり続けて気づいた時には最強魔導士に!?
さかいおさむ
ファンタジー
戦士は【スキル】と呼ばれる能力を持っている。
僕はスキルレベル1のザコ魔法使いだ。
そんな僕がある日、ダンジョン攻略に向かう戦士団に入ることに……
パーティに置いていかれ僕は1人ダンジョンに取り残される。
全身ケガだらけでもう助からないだろう……
諦めたその時、手に入れた宝を装備すると無敵の石化状態に!?
頑張って攻撃してくる魔獣には申し訳ないがダメージは皆無。経験値だけが溜まっていく。
気づけば全魔法がレベル100!?
そろそろ反撃開始してもいいですか?
内気な最強魔法使いの僕が美女たちと冒険しながら人助け!
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました
鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。
だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。
チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。
2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。
そこから怒涛の快進撃で最強になりました。
鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。
※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。
その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。
───────
自筆です。
アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞
さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。
ヒツキノドカ
ファンタジー
誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。
そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。
しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。
身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。
そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
ーーーーーー
ーーー
閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります!
※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
大器晩成エンチャンター~Sランク冒険者パーティから追放されてしまったが、追放後の成長度合いが凄くて世界最強になる
遠野紫
ファンタジー
「な、なんでだよ……今まで一緒に頑張って来たろ……?」
「頑張って来たのは俺たちだよ……お前はお荷物だ。サザン、お前にはパーティから抜けてもらう」
S級冒険者パーティのエンチャンターであるサザンは或る時、パーティリーダーから追放を言い渡されてしまう。
村の仲良し四人で結成したパーティだったが、サザンだけはなぜか実力が伸びなかったのだ。他のメンバーに追いつくために日々努力を重ねたサザンだったが結局報われることは無く追放されてしまった。
しかしサザンはレアスキル『大器晩成』を持っていたため、ある時突然その強さが解放されたのだった。
とてつもない成長率を手にしたサザンの最強エンチャンターへの道が今始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる