9 / 34
退魔師のリベンジは再入浴している妹鬼の母が許しません
しおりを挟む
家に帰るなり、俺は羅羽をもとの風呂場に連れていった。
「もういっぺん入れ、風邪ひくぞ」
だが、羅羽は俺をしげしげと見つめて言った。
「お兄ちゃんは?」
「後でいい」
羅羽が風呂から上がるのを待ちながら、カップ麺でも食うつもりだった。
すると、俺を見つめる羅羽は悪戯っぽく笑う。
「一緒に入ってもいいよ」
「バカ、何いってんだ」
そこは兄貴面して、羅羽の上から頭をコツンとやる。
羅羽は懲りた様子がない。
「だって、もう見られちゃったんだから、同じでしょ」
俺は無言で、風呂場の引き戸を閉めた。
その向こうから、妙に改まった囁き声が聞こえる。
「ねえ、私の話……聞いて」
「ちょっとだけだぞ。さっさと風呂入って温まれ」
引き戸を背にして廊下に座り込むと、羅羽はためらいがちに尋ねた。
「本当は、怒ってるよね……私の母のこと」
確かに、親父を連れだしたのは羅羽の母親だ。
だが、羅羽を責める気はなかった。
「いいや、親父がいい加減だから」
何も考えずに、好きになった女と出て行ったとしても驚くには値しない。
だが、羅羽は申し訳なさそうに言った。
「どっちかっていうと、母が真剣だったみたいで」
あの甲斐性なしに本気で惚れるなど、どういう趣味をしているんだろうか。
いや、もしかすると、超人的に人間のできた女性なのかもしれない。
「どんな人?」
つい、聞かないではいられなかった。
羅羽は母親について語りはじめる。
最初は申し訳なさそうだったが、その口調は次第に熱を帯びていった。
羅羽の母親、は文月篠夜という。
「父は……私が小さい頃に死んだの。退魔師に倒されて」
咲耶の姿が頭に浮かんだ。羅羽から見れば、復讐の相手ともいえるはずだ。
だが、俺の考えていることの察しがついたのか、羅羽は極めて冷静に付け加えた。
「父は、人間世界と行き来するのが仕事だったの。そういう鬼にはよくあることよ。だから、あの咲耶も恨んでない」
何でも、そうやって人間世界のものを鬼の世界に持ち込む行商人のような鬼は多いらしい。
そういう鬼たちだが、人間世界の中に入り込むと、適応は早いようだった。
もっとも、外へ出るのは主に男だった。
「でも、鬼の世界は、鬼だけじゃ保てないの」
鬼たちの女は子どもを産むことが少ない。
男たちが人間との間に子を設けないと、滅びてしまうかもしれないのだった。
「ただし、相手のOK貰ってからね。力ずくはダメっていうのも掟。人間の男から女たちを奪う以上、相対《あいたい》でなくちゃいけないっていうのが鬼の誇りなんだ」
そういうわけで、鬼だというだけで退魔師に殺されてしまうのも、お互い様ということになっているらしい。
いきおい、人間との関わりは危険なことになる。 だから、女たちが外の世界に出ることは、男たちだけでなく本人たちにも好まれなかった。
「羅羽のお母さんは?」
それまでとは打って変わって、風呂の湯の音と共に明るい声が返ってくる。
「母は特別。やりたいことはやりたいときにやりたいようにやる人だから」
自由奔放で、鬼たちとのいさかいも多かったらしい。
羅羽は更に調子よく、自分のことまで語りはじめた。
「私、鬼の世界って、つまんなかったんだ。人少ないからたいてい顔見知りだし、なんかみんなやる気ないのに文句ばっかり言ってるし、その割に偉そうだし。小さい頃から、いっぺん外に出てみたかったんだ。」
それが叶ったのは、人間世界の暦でいえば、やっと去年のことだったという。
「すっごく、楽しかった。こんなこと、他の鬼に聞かれたらたいへんだけど、帰りたくないんだ、私」
そこで、玄関のインターホンが鳴った。
慌てて廊下を駆けていくと、扉の向こうから俺を呼び捨てにする声がする。
「克衛……」
咲耶だった。
家の中に招き入れると、元の普段着姿で、両手に買い物袋を提げていた。
「たまには、ボクが押しかけてもいいよね」
当然のように言う。
確かに、年賀状を見て行き来するのはお互い様だ。
だが、たいへんにまずいことがあった。
「おい、羅羽が風呂から出たら……」
さっきのような大立ち回りになってもおかしくない。
咲耶は咲耶で、平然と答えた。
「ちょうどよかった。その前に」
何をする気かと思えば、台所へと案内させて夕食を作りはじめる。
余裕たっぷりだが、俺は気は気ではない。
「羅羽が風呂入ってなかったらどうする気だったんだ」
別に、と事もなげな返事が帰ってくる。
「そういう関係になったんでしょ。克衛が何されることもないじゃない」
人が聞いたら誤解を招きかねない。
「そういう関係ってお前」
すると咲耶の声は、急に沈んだ。
「ひどいよ、先に告白させといて」
それを言われると、俺はひと言もない。
「すまん」
そんな返事しかできなかった。
そこで出されたのは、「じゃがピー」だった。
細切りにしたジャガイモとピーマンを炒めただけの料理だ。
だが、咲耶は自信たっぷりだった。
「大好物だろ? 練習したんだ、いつか作ってやろうと思って」
そんな気負いが、妙におかしい。
「こんな、切って炒めるだけのもん」
そう言いながらも、箸でつまんで口に運ぶ。
咲耶が俺の顔をしげしげと眺めて尋ねた。
「どう?」
「あ……」
ちょっと苦いが、箸が止まらない。
黙って箸を進める俺に、咲耶は笑ってみせる。
「返事は、あとでいいから」
どっちの返事だろうか?
じゃがピーか、それとも告白か。
答えるに答えられないでいると、風呂場への引き戸がガラガラと音を立てた。
パジャマに着替えた羅羽が、戻ってきたのだった。
怒りで声を震わせながら、羅羽は顔を伏せて尋ねる。
「何で? 何でこの女が?」
咲耶は悠然と答えた。
「心配しないで。克衛が無事なら、キミにも手出しはしない」
だが、羅羽の怒りが向けられていたのは、別のことだった。
「私が……作ろうと思ってたのに!」
夕食のことだった。
「いや、お前先に自分だけで食ってたろ」
そうツッコんだのは、別に怒ったわけでもからかったわけでもない。
俺としては、張りつめたこの場の雰囲気を和らげようとしたかっただけだ。
だが、羅羽には通じなかった。
「お兄ちゃんまで!」
再び、鋭い爪が伸びる。
咲耶はというと、懐から一枚の紙を取り出す。
「杖がなくても……これで」
その紙は、しなやかな指の先で右へ左へと滑るだけで、鳥の形になる。
投げれば夜闇の中に消えて、神主装束の咲耶を招き寄せた、あの白い鳥だ。
羅羽は、それが何だか知っていた。
「八尋白千鳥《やひろのしろちどり》……式神なんか使ったら、お兄ちゃんだって無事じゃ済まないわ」
一触即発の雰囲気だった。
それを何とかしようとして、俺は無駄な努力を試みる。
「俺、メシ食ってんだけど……」
その軽口を、咲耶は聞き流す。
「大丈夫、瞬きする間に終わるから」
もう、はっきり言うしかなかった。
「っていうか、ケンカやめろケンカ!」
俺は立ち上がってテーブルを叩く。
そのときだった。
対峙する鬼娘と少女退魔師の間に、割って入った者があった。
そこには、妙に色っぽく成熟した女性の姿があった。
だが、向こうの壁が透けて見えるから、実体はないのが分かる。
ホログラムのような幻だった。
「あっち行ってなさい、羅羽」
「お母様……」
それ以上は何も言わず、羅羽は台所を出ていく。
そのやりとりで、現れたのが誰だか分かった。
文月篠夜は、俺に軽く会釈すると、咲耶に深々と頭を下げた。
「克衛さんとお話したいことがあります。今日のところはどうか、お引き取りを」
咲耶は、驚いた様子もない。
「遠いところからようこそ。その姿でここでいらっしゃるということは、使える力には限界があるはず。長くはいられないでしょうから、お邪魔はいたしません」
ひと息にそう挨拶すると、俺や羅羽のほうを振り返りもしないで出ていく。
テーブルの上には、丁寧にラッピングされた袋が残されていた。
その場に残された俺に、篠夜さんは改めて頭を下げた。
「この度は、まことに申し訳ありませんでした。本当にお父様を愛しているのです。お許しください」
いささか早口なのは、咲耶の言ったとおり、時間がないからなのだろう。
それでも、分かったことがある。
羅羽によれば、篠夜さんが親父を連れだしたらしいが、いい加減な人ではない。
やはり、問題は親父のほうだ。
だから、限られた時間の中で俺が聞きたいのは、別のことだった。
「母さんは……母さんは、どうしていますか? その、鬼の世界で」
「もういっぺん入れ、風邪ひくぞ」
だが、羅羽は俺をしげしげと見つめて言った。
「お兄ちゃんは?」
「後でいい」
羅羽が風呂から上がるのを待ちながら、カップ麺でも食うつもりだった。
すると、俺を見つめる羅羽は悪戯っぽく笑う。
「一緒に入ってもいいよ」
「バカ、何いってんだ」
そこは兄貴面して、羅羽の上から頭をコツンとやる。
羅羽は懲りた様子がない。
「だって、もう見られちゃったんだから、同じでしょ」
俺は無言で、風呂場の引き戸を閉めた。
その向こうから、妙に改まった囁き声が聞こえる。
「ねえ、私の話……聞いて」
「ちょっとだけだぞ。さっさと風呂入って温まれ」
引き戸を背にして廊下に座り込むと、羅羽はためらいがちに尋ねた。
「本当は、怒ってるよね……私の母のこと」
確かに、親父を連れだしたのは羅羽の母親だ。
だが、羅羽を責める気はなかった。
「いいや、親父がいい加減だから」
何も考えずに、好きになった女と出て行ったとしても驚くには値しない。
だが、羅羽は申し訳なさそうに言った。
「どっちかっていうと、母が真剣だったみたいで」
あの甲斐性なしに本気で惚れるなど、どういう趣味をしているんだろうか。
いや、もしかすると、超人的に人間のできた女性なのかもしれない。
「どんな人?」
つい、聞かないではいられなかった。
羅羽は母親について語りはじめる。
最初は申し訳なさそうだったが、その口調は次第に熱を帯びていった。
羅羽の母親、は文月篠夜という。
「父は……私が小さい頃に死んだの。退魔師に倒されて」
咲耶の姿が頭に浮かんだ。羅羽から見れば、復讐の相手ともいえるはずだ。
だが、俺の考えていることの察しがついたのか、羅羽は極めて冷静に付け加えた。
「父は、人間世界と行き来するのが仕事だったの。そういう鬼にはよくあることよ。だから、あの咲耶も恨んでない」
何でも、そうやって人間世界のものを鬼の世界に持ち込む行商人のような鬼は多いらしい。
そういう鬼たちだが、人間世界の中に入り込むと、適応は早いようだった。
もっとも、外へ出るのは主に男だった。
「でも、鬼の世界は、鬼だけじゃ保てないの」
鬼たちの女は子どもを産むことが少ない。
男たちが人間との間に子を設けないと、滅びてしまうかもしれないのだった。
「ただし、相手のOK貰ってからね。力ずくはダメっていうのも掟。人間の男から女たちを奪う以上、相対《あいたい》でなくちゃいけないっていうのが鬼の誇りなんだ」
そういうわけで、鬼だというだけで退魔師に殺されてしまうのも、お互い様ということになっているらしい。
いきおい、人間との関わりは危険なことになる。 だから、女たちが外の世界に出ることは、男たちだけでなく本人たちにも好まれなかった。
「羅羽のお母さんは?」
それまでとは打って変わって、風呂の湯の音と共に明るい声が返ってくる。
「母は特別。やりたいことはやりたいときにやりたいようにやる人だから」
自由奔放で、鬼たちとのいさかいも多かったらしい。
羅羽は更に調子よく、自分のことまで語りはじめた。
「私、鬼の世界って、つまんなかったんだ。人少ないからたいてい顔見知りだし、なんかみんなやる気ないのに文句ばっかり言ってるし、その割に偉そうだし。小さい頃から、いっぺん外に出てみたかったんだ。」
それが叶ったのは、人間世界の暦でいえば、やっと去年のことだったという。
「すっごく、楽しかった。こんなこと、他の鬼に聞かれたらたいへんだけど、帰りたくないんだ、私」
そこで、玄関のインターホンが鳴った。
慌てて廊下を駆けていくと、扉の向こうから俺を呼び捨てにする声がする。
「克衛……」
咲耶だった。
家の中に招き入れると、元の普段着姿で、両手に買い物袋を提げていた。
「たまには、ボクが押しかけてもいいよね」
当然のように言う。
確かに、年賀状を見て行き来するのはお互い様だ。
だが、たいへんにまずいことがあった。
「おい、羅羽が風呂から出たら……」
さっきのような大立ち回りになってもおかしくない。
咲耶は咲耶で、平然と答えた。
「ちょうどよかった。その前に」
何をする気かと思えば、台所へと案内させて夕食を作りはじめる。
余裕たっぷりだが、俺は気は気ではない。
「羅羽が風呂入ってなかったらどうする気だったんだ」
別に、と事もなげな返事が帰ってくる。
「そういう関係になったんでしょ。克衛が何されることもないじゃない」
人が聞いたら誤解を招きかねない。
「そういう関係ってお前」
すると咲耶の声は、急に沈んだ。
「ひどいよ、先に告白させといて」
それを言われると、俺はひと言もない。
「すまん」
そんな返事しかできなかった。
そこで出されたのは、「じゃがピー」だった。
細切りにしたジャガイモとピーマンを炒めただけの料理だ。
だが、咲耶は自信たっぷりだった。
「大好物だろ? 練習したんだ、いつか作ってやろうと思って」
そんな気負いが、妙におかしい。
「こんな、切って炒めるだけのもん」
そう言いながらも、箸でつまんで口に運ぶ。
咲耶が俺の顔をしげしげと眺めて尋ねた。
「どう?」
「あ……」
ちょっと苦いが、箸が止まらない。
黙って箸を進める俺に、咲耶は笑ってみせる。
「返事は、あとでいいから」
どっちの返事だろうか?
じゃがピーか、それとも告白か。
答えるに答えられないでいると、風呂場への引き戸がガラガラと音を立てた。
パジャマに着替えた羅羽が、戻ってきたのだった。
怒りで声を震わせながら、羅羽は顔を伏せて尋ねる。
「何で? 何でこの女が?」
咲耶は悠然と答えた。
「心配しないで。克衛が無事なら、キミにも手出しはしない」
だが、羅羽の怒りが向けられていたのは、別のことだった。
「私が……作ろうと思ってたのに!」
夕食のことだった。
「いや、お前先に自分だけで食ってたろ」
そうツッコんだのは、別に怒ったわけでもからかったわけでもない。
俺としては、張りつめたこの場の雰囲気を和らげようとしたかっただけだ。
だが、羅羽には通じなかった。
「お兄ちゃんまで!」
再び、鋭い爪が伸びる。
咲耶はというと、懐から一枚の紙を取り出す。
「杖がなくても……これで」
その紙は、しなやかな指の先で右へ左へと滑るだけで、鳥の形になる。
投げれば夜闇の中に消えて、神主装束の咲耶を招き寄せた、あの白い鳥だ。
羅羽は、それが何だか知っていた。
「八尋白千鳥《やひろのしろちどり》……式神なんか使ったら、お兄ちゃんだって無事じゃ済まないわ」
一触即発の雰囲気だった。
それを何とかしようとして、俺は無駄な努力を試みる。
「俺、メシ食ってんだけど……」
その軽口を、咲耶は聞き流す。
「大丈夫、瞬きする間に終わるから」
もう、はっきり言うしかなかった。
「っていうか、ケンカやめろケンカ!」
俺は立ち上がってテーブルを叩く。
そのときだった。
対峙する鬼娘と少女退魔師の間に、割って入った者があった。
そこには、妙に色っぽく成熟した女性の姿があった。
だが、向こうの壁が透けて見えるから、実体はないのが分かる。
ホログラムのような幻だった。
「あっち行ってなさい、羅羽」
「お母様……」
それ以上は何も言わず、羅羽は台所を出ていく。
そのやりとりで、現れたのが誰だか分かった。
文月篠夜は、俺に軽く会釈すると、咲耶に深々と頭を下げた。
「克衛さんとお話したいことがあります。今日のところはどうか、お引き取りを」
咲耶は、驚いた様子もない。
「遠いところからようこそ。その姿でここでいらっしゃるということは、使える力には限界があるはず。長くはいられないでしょうから、お邪魔はいたしません」
ひと息にそう挨拶すると、俺や羅羽のほうを振り返りもしないで出ていく。
テーブルの上には、丁寧にラッピングされた袋が残されていた。
その場に残された俺に、篠夜さんは改めて頭を下げた。
「この度は、まことに申し訳ありませんでした。本当にお父様を愛しているのです。お許しください」
いささか早口なのは、咲耶の言ったとおり、時間がないからなのだろう。
それでも、分かったことがある。
羅羽によれば、篠夜さんが親父を連れだしたらしいが、いい加減な人ではない。
やはり、問題は親父のほうだ。
だから、限られた時間の中で俺が聞きたいのは、別のことだった。
「母さんは……母さんは、どうしていますか? その、鬼の世界で」
10
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
平凡志望なのにスキル【一日一回ガチャ】がSSS級アイテムばかり排出するせいで、学園最強のクール美少女に勘違いされて溺愛される日々が始まった
久遠翠
ファンタジー
平凡こそが至高。そう信じて生きる高校生・神谷湊に発現したスキルは【1日1回ガチャ】。出てくるのは地味なアイテムばかり…と思いきや、時々混じるSSS級の神アイテムが、彼の平凡な日常を木っ端微塵に破壊していく!
ひょんなことから、クラス一の美少女で高嶺の花・月島凛の窮地を救ってしまった湊。正体を隠したはずが、ガチャで手に入れたトンデモアイテムのせいで、次々とボロが出てしまう。
「あなた、一体何者なの…?」
クールな彼女からの疑いと興味は、やがて熱烈なアプローチへと変わり…!?
平凡を愛する男と、彼を最強だと勘違いしたクール美少女、そして秘密を抱えた世話焼き幼馴染が織りなす、勘違い満載の学園ダンジョン・ラブコメ、ここに開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
さようなら、お別れしましょう
椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。
妻に新しいも古いもありますか?
愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?
私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。
――つまり、別居。
夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。
――あなたにお礼を言いますわ。
【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる!
※他サイトにも掲載しております。
※表紙はお借りしたものです。
後日譚追加【完結】冤罪で追放された俺、真実の魔法で無実を証明したら手のひら返しの嵐!! でももう遅い、王都ごと見捨てて自由に生きます
なみゆき
ファンタジー
魔王を討ったはずの俺は、冤罪で追放された。 功績は奪われ、婚約は破棄され、裏切り者の烙印を押された。 信じてくれる者は、誰一人いない——そう思っていた。
だが、辺境で出会った古代魔導と、ただ一人俺を信じてくれた彼女が、すべてを変えた。 婚礼と処刑が重なるその日、真実をつきつけ、俺は、王都に“ざまぁ”を叩きつける。
……でも、もう復讐には興味がない。 俺が欲しかったのは、名誉でも地位でもなく、信じてくれる人だった。
これは、ざまぁの果てに静かな勝利を選んだ、元英雄の物語。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる