69 / 74
第三章 ルーセット編
色々指南
しおりを挟むうっかりいつもの暴走癖を発動し、エイデルン商会の人達に簿記についてのレクチャーすることになった私です。
しかも、ルーセット支店の人だけが教わったのではもったいないし、効率が悪いということで、ディルクさんの采配で、近隣の都市からも担当者が集められることになっちゃった。
ところが、日本と違ってメールで一斉送信してって訳にもいかないし、移動自体にも時間がかかる。それらを鑑み、十日後を目安として講義を始める事に決まったのだけど、ちょっとした思い付きから口にしてみたことが、どんどんと大掛かりになっていく気がするのは気のせい……じゃないよねぇ。
しかも、だ。
「なんで、帳簿に罫線がないのよっ?」
『ちょうぼ? 何?』
「……後で説明するから、今はおとなしくしてなさい」
毎度ながらくっ付いて来たライアが、のほほんと聞いてくるのを、適当にあしらいながらも頭を抱える。
こちらとしても、お金を頂くからにはきちんとしたい。なので、事前にあれこれと準備をしたい所であったので、講義の開始までに日にちがあること自体は大歓迎だ。当たり障りのない類の帳簿を貸してもらい、それを元にレジュメを作成をしようと思っていたところ、初日にしていきなり壁にぶつかった。
資料の一つとして渡されたまっさらの帳簿を開いたところ、中身まで全部まっさら――ただの白紙の綴じ物だったのである。
一応、こっちの世界にも印刷技術はあるらしい。各都市に図書館があるし、数は少ないけど一般の書店も存在する。印刷技術についてはよくわからんが、木版印刷みたいなのかなー、と想像している。まぁ、その辺りの細かいことはどうでもいい。問題なのは、先ほど言った通り、『帳簿』として渡されたものに全く罫線が入っていない、という事の方だ。
「けいせん、とは何でしょう?」
「それがないと、何か不都合でも?」
実際に講義をするのは私一人だが、準備のためにとディルクさんがローム君とレーム君を付けてくれていた。その二人そろって、私の叫びに不思議そうに問いかけてくる。
「あー、つまりね。この紙――帳簿の用紙に、ラインが引かれてないでしょ? これだと、ちょっと使いづらいと思うんですよ」
私がそう答えると、?マークが顔に浮かぶ。まぁ、そりゃそうか。今までこれが当たり前だと思っていたんだから、そんなことを言われも困るわな。
現状、真っ白で何もない紙に、適当なところに数字をかきこんで、とりあえずそれを基準に次をかきこんでいるようだが、こんなんじゃ一ページにある情報量がバラバラ過ぎて使いにくいじゃんか。
字がきれいな人ならまだいいが、そうじゃないと文字や数字の大きさもまちまちで、単式簿記の帳簿だってのに、その数字が入費と出費のどっちなのかさえ判別しずらいものまである。
私はそれほど神経質な方じゃないし、文字も特別綺麗だとは言えないが、ソレを差し引いてもこれはない。
「まずはここからか……あのね、レーム君。この辺で印刷――は、時間がかかりすぎるか。判子みたいなの作ってくれる人いないかしら?」
「はんこ、ですか?」
「うん。それもかなり大きめの――この紙くらいの大きさのと、後は文字がついたちっちゃめのやつ。どっちも複数」
「木製か、金属製、どちらがいいでしょう?」
「んと……耐久性を考えるなら金属だろうけど、今はとにかく早く欲しいのよね。できれば複数」
「ではやはり金属でしょうね」
あれ? そうなの? 木の方が早くできそうなものだと思うけど。
「金属でしたら、一旦型を作ってしまえば、いくらでも作れますので」
「あ、なるほど……」
んじゃそれでいきますか。
早速、欲しいものをリストにしてしていく。
まずは罫線用のやつ。それから貸方、借方、勘定項目別のちっちゃい奴……うわ、マズイ。たった二年離れてただけなのに、十年近くなじんだ書式がぱっと浮かんでこないっ。
微妙に冷や汗を流しながらも、とりあえず思い出せる限りの事をかきだしていく。
「とりあえず、これだけあるんだけど……」
「かなりの量ですね。これでしたら、一か所だけでは間に合わないかもしれません」
「数か所に分けて発注したほうが良いでしょうね」
「その辺りはお任せします」
「はい。では、こちらは僕が――」
そう言って、レーム君が出ていく。ローム君は残ってくれたので、疑問に思ったことをぶつけてみた。
「ところで、ローム君。ちょっと訊きたいんだけど」
「はい。どのような事でしょう?」
「あのね、ここの紙の余白のとこに、いっぱい数字がかきこんであるんだけど……」
「ああ、それでしたら計算の痕ですね」
「……やっぱりかい」
即答です。そして、またしてもそのことについて何も疑問を持っていない様子だ。
いや、そっちが気にしてないのならいいのかもしれんが……私が間違ってないなら、これって報告用の紙だよね? 上司に見せる奴に、計算の痕――しかもなんか間違ってるし――が残ってるってどうなのよ。
「ついでに尋ねるけど、計算ってどうやってるの?」
「は? どう……とは?」
「計算機――こっちはヨーロッパ風だから、計算尺っていうのかな? そう言うの使ってるのかってこと?」
「計算機? 尺? ……それはどういうものでしょう?」
計算機、という概念そのものがないのか? ってことは、まさかの全部、筆算かい?
「……ごめん。さっき言った木工の工房、そっちにも注文したいものが出来た」
ええい、こうなったら毒を食らわば皿までだっ。
「……お前は何をしている?」
「あ、ロウ」
口でいっても、紙に書いてもいまいち理解してもらえなかったようなので、現在、私、木工工房にいます。そこの責任者――親方さんと、喧々諤々で作ってほしいモノの説明をしていたら、いきなり後ろから声をかけられた。
「どしたの? こんなところで会うなんて偶然ね」
「偶然な訳があるか! お前が朝、出て行ったきり、何時まで経っても戻ってこないから迎えに来た――昼過ぎには戻ると言ったくせに、そろそろ日が暮れるぞ」
「え? あれ……もうそんな時間?」
ちょっと遅めのお昼をエイデルン商会で頂いてから、ここに来たのは覚えてる。私が流した和風調味料を使い、こちらのアレンジで調理したもので、大変おいしゅうございました。こういう味付けもあるのね、と感心したことしきり――じゃない、知らん間にえらいこと時間がたっていたらしい。
「商会の方へ行ったら、お前はこちらだと教えられた。それで――今度は何をやらかす気だ?」
「やらかす……って、人聞きの悪い……」
「レイガ様は、新しい道具を教えてくださっているんですよ」
今まで通り『殿』でいいって言ったんだけど、一夜にして『様』呼びが定着しちゃったらしく、何をどういっても変えてくれなかった。ホントは『さん』で十分なのに、どうしてこうなった……?
それはさておき、ローム君の口添えで、やっとこロウが私達の手元へと目を落とす。
「道具……子供のおもちゃでも作る気か?」
「まぁ、現状ではそう見えるよねぇ……」
私の手元にあるのは、人差し指程の長さの細い棒と横から見るとひし形の小さな玉だ。
え? 何を作ってもらう気かって?
そりゃ勿論、そろばんですよ。
「そろばん……聞いたことがないな。なんだ。それは?」
「帳簿の――ばっかでもないんだけど、とにかく計算がすごく楽になる道具よ」
「そんな棒と玉でか?」
「これは部品だから。組み立てないと使えないんだよ」
「ふむ……?」
まだ納得はしていない様子だが、それ以上問い詰められることはなかった。
「で、用事は済んだのか?」
「あ、もうちょっとだけ待ってね――すみません、話の途中で」
「ああ、気にすんな。お嬢ちゃん程の別嬪だ、心配になって探しにくる気持ちはよっくわからぁな」
がはははっ、と工房の親方さんが豪快に笑い飛ばしてくれたので、ちょっとほっとする。しかし、今は笑っているが、最初にここにきて、欲しいものを告げた時の反応は凄かったんだよ。
とにかくきちんとした規格ですべてを揃えたい私と、手作業なんだから差が出るのは当たり前だと引かない親方とのやり取りはかなり白熱していた。やっとの思いで、何故そうじゃないとならないのかというのを理解してもらい、規格の元になるのを作ってもらえたのはいいが、次は納期でまた……と。まぁ、そちらはローム君の口添えも有り、とにかくできただけ最初に納品で、次は完成し次第ということで落ち着いたばかりのところなのだ。
「後のことは僕がお引き受けいたします。レイガ様はどうぞ、もう戻られてください」
「え、でも……」
一応、このプロジェクトの責任者は私だ。それが、途中で戻っていいんだろうか?
「大まかなところは親方も掴んでくださったはずです。後は、細かい打ち合わせになりますので、レイガ様のお手を煩わせるほどの事ではありません」
「ああ、なるほど……」
費用とか納期とかか。そりゃたしかに私では口出ししにくい、というか、相場的なのを全く知らないからいても仕方がない。
「それじゃ、申し訳ないけどお言葉に甘えるね……親方さん、途中で抜けてすみません」
「気にすんなって。見たことも聞いたこともねぇ代物だが、面白そうだ。ありきたりのモンを作るのに飽きてきてたところだし、ウチにこの仕事を持ってきてくれて感謝するぜ――珍しいモンもみせてもらったしよ」
「あはは……」
最後の『珍しいモノ』とは、ちょっと離れたところで木のきれっぱしにじゃれついてるライアの事だろうな。お気に召してくださったようで、何よりです。
その妙に楽しそうな様子と、後は任せろと言わんばかりのローム君の表情に安心して、私はロウと連れだって宿へと戻ることにした。
ところで、ルーセット滞在中の宿である『安らぎ亭』には、朝食付きで一泊いくらで、夕食は別料金という約束だったんだよね。が、そのことをディルクさんにお話ししたところ、あっという間に宿と話を付けたらしく、昨日戻って来た時には既に部屋がチェンジされていた。
元々、上から二番目だか三番目だかの部屋だったのが、一番いいところに変わっていたわけですよ。お金には余裕があるから払えない金額じゃなかったけど、そこまで贅沢しなくてもいいだろうってことでのチョイスだったんで、別に請求金額の事を思って青くはならなかったけど――全く考える必要がなくなるとまでは思わなかった。
「請求はすべて、エイデルン商会へ回すようにと言付かりましたので」
「へっ?」
有無を言わさず、新しい部屋へと案内されて――荷物は全部魔倉の中だから、本人たちが移動するだけで事は済む――目を白黒させていたら、宿の人からそう言われてまたビックリだ。夕食代ももう、一々払わないでいいと告げられて、そこまでお世話になっていいものかどうかと悩んだわ。
「いいんじゃねぇか? 長逗留することになったのは、あっちの都合なんだしよ。それに、たかが宿代程度でオタつくエイデルン商会じゃねぇだろ」
「相手が欲しいと言ってきたんだ。精々高く売りつけてやればいい」
でも、ガルドさんやロウはそう言うし――。
「レイ殿が案ずる事はない。何かあれば俺達が出るまでだ」
「いや、喧嘩しに行くわけじゃないから。講義するだけだからっ」
ターザさんまでそんなことを言うから、却って冷や汗が出たよ。
「ついでに言うと、馬たちの世話もあっちから申し出てくれたぜ。長ぇこと厩に閉じ込めとくのもかわいそうだつったら、近くにある商会の牧場で面倒見てくれるってよ」
「え、そうなの?」
何時の間にそこまで話をしていたのか……毎度ながら、ガルドさんの交渉術には驚かされる。
「そう言う訳で、細けぇ事は俺らに任せて、レイちゃんは自分のやることに集中してくれりゃいいってこった」
「その通りだな。肝心のお前がへまをしては元も子もない」
「う、うん」
と、ここまでが昨日の事だ。
最初の部屋も立派だったが、それに輪をかけて豪華なお部屋に『ただいま』と声をかけて入ると、ガルドさんとターザさんが出迎えてくれる。
「おう、レイちゃん、お帰り。えれぇ遅かったが、大丈夫か?」
「お帰り、レイ殿、ロウ」
男性三人は、何やら買い物があるとかだったので、私とは別行動になったのだけど、とっくに戻って来てたようだ。で、私がまだだと言うのでロウが迎えに来てくれたんだろう。
「大丈夫かと訊かれたら大丈夫なんだけど……なんでこう、大げさな事になっちゃったのかなぁ、と……」
「お前が絡むといつもそうだろうに」
「ちょ、ロウッ。それって、ひどくないっ?」
反射的に抗議するが、ロウに一刀のもとに切って捨てられる。
「その通りだろうが。前の馬車や新型の寝台の時は勿論だが、その後のオルフェンでのあれこれを思い出せ」
「う……それを言われると……」
反論できない。いや、でも、あれらはほんの思い付きで口に出したのが、こっちが知らない間に商業ペースに乗っかっちゃって――って、あれ? 今回のこれも、そうなのか?
「ま、レイちゃんに関しちゃ、今に始まった話じゃねぇしな」
「レイ殿の発想にはいつも驚かされる。一緒にいる俺達でさえそうなのだから、商人が目の色を変えるのも頷ける話だ」
更に言えば、私が考案したんじゃなくて、あっちでは一般的な知識を披露してるだけなんですけど……いかん、この話題に突っ込み始めると、どんどん泥沼にはまっていく予感がする。
「そ、そうだっ! ガルドさん達の買い物はどうだったの?」
「……お前な。話を逸らすにしても、もう少し上手くできないのか?」
知りません、聞こえません。ロウの台詞を華麗(?)にスルーして、ガルドさん達に向き直ると――ん? なんか、変な顔になってる。
「あー、それなんだがよ――飯の後でちぃっとレイちゃんに相談があんだよ」
「私は今でも構わないけど?」
「いや、後でいい。急ぐ話じゃねぇんだ」
「そう?」
わざわざ『相談がある』って言ったわりには、急ぎじゃないってどういうことだ。しかし、ガルドさんがそう言うのなら、今、無理に聞き出すこともないか……。そう思って、素直に頷いて、まずは腹ごしらえを先に済ませる事にする。
で、戻って来て話を聞こうとしたら、今度は『先に風呂を使いたいんじゃないか?』って言われて、またも後回しになっちゃった。
「どうしたの、ガルドさん。なんか、今日は変だよ」
気になってゆっくり湯船に浸かる気にもなれなくて、早めに切り上げて戻って来たんだから、さっさと話とやらを聞きたいのに、それでもまだ言い出しにくそうにしてる様子に、何やら嫌な予感が湧き上がる。
「相談って、どんなこと? もしかして、何か悪い知らせでもあったの?」
「いや、そう言う訳じゃねぇんだ」
「だったら、どうしてそんな言いにくそうにしてるの?」
「あー……なんつうか、その、あれだ。男の事情ってやつが絡む話でよ」
「はい?」
どんな話かと身構えていたのに、男の事情? なんなのよ、それは?
「つまりだな……その、レイちゃんは一人だよな? だけど、俺らは三人な訳でよ」
「……まさか、私だけじゃ物足りなくなって、浮気の相談とか?」
「んな訳ねぇだろ! つか、レイちゃんを抱いちまったら、そこらの女なんざもう目に入らねぇし、そもそも勃たねぇよ」
……これは、褒められていると受け止めるべきなんだろうか。
しかし、浮気の線はこれで消えたにしても、まだ本題には全く触れられていない。どんな事情かは知らないけど、いい加減、焦らすのは止めてさっさと言ってほしいもんだ。
そんなことを思っていたら、おもむろにガルドさんが一冊の本を手渡してくる。本と言っても、それほど立派な装丁じゃなくて、しかも微妙に手ずれの痕もある。要するに、そこらの庶民が手が届く程度の(比較的)安価な冊子と言ったところだ。もしかしたら、中古品なのかもしれない。
「なに、これ?」
「とりあえず、目を通してみてくれねぇか?」
そう言われて表紙を見ると、『閨指南』とか書いてある。
タイトルからして怪しい……閨ってのはつまりアッチのことですよね?
表紙だけでドン引いてるのに、ガルドさんはさっさと読めとせっついてくる。仕方なくぱらぱらとページをめくってみる。あ、挿絵もついてるんだと、ふと、とあるページに目が留まったところで……。
「な、なによ、これぇっ!」
ものすごいモノが目に飛び込んできて、思わず放り投げちゃった。
「うおっと! アブねぇなぁ。丁寧に扱ってくれよ。こいつぁ人気があって、なかなか手に入らねぇんだぜ」
それが床に落ちる前に、ガルドさんがキャッチする。そして、付いてもいない埃を払う仕草をしながら、言うんですよ。
「に、人気ぃっ?」
「あっちこっち駆け回って、やっとのことで一冊だけ手に入ったんだ――貸本だったみてぇで、ちぃっとばっか汚れてるけどよ」
「貸本……ってこんなもの借りる人がいるのっ?」
それを聞いて頭に浮かんだのが、校舎の裏でこっそりエッチ本を回し読む青少年たちの図だ。だってこれ……ちらっと見ただけだけど、なんかものすごい格好で絡み合ってる姿(もちろん、裸)が描いてあったんだよ。
「だから、人気だって言っただろ。生産が追いつかなくて、仕方なく回し読みしてんだよ」
「誰がっ?」
「あー、だからよ、ちゃんと読んでくれりゃわかるって」
重ねて言われて、渋々嫌々、もう一度、表紙に目を落とす。『閨指南』と大きくタイトルが書いてあり、その下に――ん? それよりも小さな文字で『複数の旦那様を持つ奥方へ』とあるぞ。そして、一ページ目には目次があって『お二人の場合』『お三人、もしくはそれ以上の場合」とか……まて、こら。もしかして、これ、ただのエッチ本じゃなくて、その手のHOW TOというか、夜の指南書の類かいっ!
「ちなみにそいつの逆で、複数女房持ちの亭主用のもあんぜだぜ。そっちはもっと品薄らしくてよ、最低でも半年待ちだとさ」
「……これが堂々とそこらで売られてること自体が、ものすごくショックです」
文化の差なのか? こっちはそういう面でかなりおおらかというか、フリーダムなのには気が付いていたけど、流石にこれはちょっと……。しかし、ターザさんは兎も角、あのロウでさえさほど驚いた様子がないのだから、こっちではごく普通の事なんだろうなぁ。
それにしても、なぜ今、私にこれを読ませたがる? んでもって、肝心のガルドさんの相談ってやつは、まだ何も聞いてない。
消えたはずの『悪い予感』がまたひしひしと押し寄せてくるのを感じながら、とにかく言われたとおりにその本にざっと目を通していく。
……何が悲しゅうて、人に見られながらエロ本(もどき)を読まねばならんのだ。かなり赤裸々に夫婦生活についての描写があるから、顔が赤くなるのが自分でもわかる。あ、でもこれ、やったことがあるな――こっちもだし、その次も。
「その辺は、もうレイちゃんにはおなじみだろうから、すっ飛ばして後ろの方をみてくれっか?」
「……はい」
半分以上自棄になりながら、ぱらぱらとページをめくっていく。すると、かなり後ろの方にしおりみたいなのが挟まれていた。誰がやったんだろうと思って、そこにかかれてるのを読んでみたら――ちょっとまてやぁぁぁっ!
「ちょっ、これ……っ?」
これを読ませたかったのかいっ!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にノーチェの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、ノーチェのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。