元OLの異世界逆ハーライフ

砂城

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第三章 ルーセット編

これが……普通?

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「これを……まさか、やれ、と?」

 しおりが挟まれていたところから数ページの文章と、その合間にある図解を見て愕然とする。
 あー、なんだ――あんまり思わせぶりなことを続けていても仕方がないから、ぶっちゃけちゃいますけど、所謂『ア○ルセックス』についての説明でした。
 こっちの世界にもあったのね……そして、こんな本が普通に売ってる&読まれてるとか、どんだけ性的にフリーダムなんですか、こっちは。

「いや、流石にすぐになんざ思ってねぇよ。まずは、レイちゃんから許可もらって、慣らしてって――その後だな」

 あ、そうなんですか。良かった――じゃないっ! すぐにだろうと、後でだろうと、結局はそのつもりなんでしょうがっ。
 百歩譲って、その行為がこちらでは普通にされてるんだってことはみとめよう。複数婚のこちらでは、そう言う需要があると言うのも理解できる。だが、私にはハードルが高いです。

「却下」
「おいおい、試しもしねぇでそりゃねぇだろ?」

 千歩譲って、私がそれを受け入れたとしよう。譲りすぎな気もするけど、あっちじゃ想像もしなかった3○(ピー)とか4○(ピピー)とかまでやっちゃってるんだから、毒を食らわば皿までだ。但し、その場合でもどうしても無理ってことはある。主に物理的な問題で……貴方達、自分のサイズがわかってるの?

「ま、前でさえいっぱいいっぱいなのよっ。それが、本来そう言うことに使うもんじゃないトコになんか、絶対に無理でしょっ?」
「やってみなきゃわかんねぇだろ」
「無理! 絶対に裂けるっ。痔になるっ」

 赤裸々すぎかもしれないけど、それが正真正銘の私の本音である。二十歳前から痔主になるなんて、御免蒙りたい。

「裂けても、お前ならすぐに癒せるだろうが……確かに、苦痛が伴うと分かっている事を強いるのは俺も反対だ」
「ロウっ、ありがとうっ」

 と、そこで助っ人が入った。一連の会話をガルドさんに任せて、今まで黙っていたロウだ。
 若干Sの気のあるロウだけど、あくまでも『その気がある』ってだけで、肉体的に痛めつけて喜ぶような嗜好はない。精神的なものは……黙秘権を使わせてもらうが、私に対する過保護さは三人の中でも一番なので、これは当然と言えるだろう。

「おい、こら、ロウ。手前ぇだけいい子ぶんじゃねぇよ。つか、そうならねぇように、じっくりと慣らしてからって話だったろうが」
「そうだったか? まぁ、痛みがないなら構わん」

 ……前権撤回。感謝して損したわっ。そして、ターザさんは一人蚊帳の外――というか、そもそもが人族の夜の事情なんか分かるはずもないから、ガルドさんとロウに全部投げてる状態です。

「郷に入りては郷に従え、と父からも言われている。人族の習慣がそうであるなら、俺もそれに従うまでだ」
「ってことでよ。どうしても無理ってんなら、俺も諦めるが、試すだけ試してみようぜ? とりあえず、慣らすことから初めてよ」
「な、慣らすって、どうやってっ?」
「そこに書いてあんだろ?」

 確かに、書いてありました。親切丁寧に、図解付きで――泣けてきちゃう。

「けど、なんか変な道具とかつかってるよっ? こんなの……」
「安心してくれ。ちゃんと買ってきた」
「買い物ってそれなのっ? っていうか、普通に売ってるんかい! そして、ガルドさんはなんでそんなに詳しいのよ?」
「あー、そりゃアレだ。ほれ、俺が騎士崩れってなぁ、レイちゃんも知ってるよな?」

 うん、知ってます。前に話してくれたよね。でも、それが今の会話にどう……と、そこまで考えて、このタイミングでその話を持ち出した関連性に、非常に遺憾ではございますが、思い当たってしまいました。

「その顔だと説明するまでもねぇ感じだが……ま、そういうこった。娼館にいくにしても非番の日じゃねぇとだし、それなりに金もかかる。ありがてぇことに俺ぁ、昔っからこういう顔と顔つきだったんでお声はかからなかったけどよ。同期で、ちょいと華奢で顔の可愛らしい奴がいたんだが、そいつは入団早々に先輩方のご寵愛をうけてたぜ」

 リアルBLがこっちにもあったのね……そして、説明される前に分かっちゃったのは、BL苦手だけど、全く知らないって訳でもなかった所為です。
 それにしても、ガルドさんがその毒牙にかからなかったことを喜べばいいのか、それともそういう知識を仕入れちゃったことを悲しめばいいのか……。
 そして、その知識を持ったガルドさん主導の元に、ロウもその気になってるようだし、ターザさんはさっきみたいな態度だし、完全に外堀を埋められちゃった感じだ。

「ってことでよ、レイちゃん?」
「う……」

 そして、最大の問題は、私自身がそれについてまったく興味がないのか、と訊かれれば、そうでもないってことだ。多種多彩な情報が氾濫していたネット上には、その手の体験談とかも当然ながらあった。彼氏いない歴を再度更新中だった私だが、野次馬根性的な興味もあっていくつか覗いたことがある。
 それによると、ダメな人は本当にダメだが、中には普通のエッチより気持ちがいい、病みつきになるとか書いてる人もいた。自分から言い出したりは絶対にしないけど、こうまでお膳立てされてるのなら、それに乗っかるのはアリかもしれない、なんて思っちゃったのが運の尽きです。

「……試すだけ、なら……」

 興味というか、欲望に負けました。



「あんま緊張しねぇでくれよ。レイちゃんは、素直に気持ちよくなってくれりゃいい」

 相変わらず主導権はガルドさんにある様だ。一応、前準備として、冊子にかかれていたことをすませ(詳細についてはご勘弁下さい……)、ベッドの上には私、ロウ、ターザさんがいる。当のガルドさんはちょっと離れた所の椅子に座って、手元の冊子と買ってきた道具とやらの再確認中だ。

「素直に、って言われても……」

 どうしてもそっちが気になるんだよ。だから、いつもみたいにロウに抱き寄せられても、ガルドさんの手元にばかり目が行っちゃって。ちょっと、あれってまさか……話には聞いたことのあるア○ルビーズって奴っ? んで、その隣にある瓶は、もしかすると潤滑剤……?

「……レイ」
「っ!」

 ってなことをしていたら、直ぐ近くから低い声がした。びくっとして見上げると、ロウがこっちを見てる。
 ヤバい、マズい――唇は微笑んでるように見えなくもないけど、目がそれを裏切ってます。ガルドさんばっかり気にしてるのがばれて、機嫌を損ねてしまったようだ。

「そうガルドばかりを気にされると、少々面白くないな。それとも、これは俺に対する挑戦か?」
「いやいやいやっ、なんでそうなるのっ?」
「あちらを気にする余裕をなくしてみせろ、と。そう言う事だろう?」
「そんな斜め上の解釈をされてもっ」

 誰がそんな事、希望しますかいっ。しかし、私が何を言おうと、既にロウのスイッチは入ってしまっている。

「おう、頑張れよ、ロウ。余計な力が入ると上手くいかねぇからな。レイちゃんをトロットロのフニャフニャになるまで、とろかしてやってくれや」
「そのつもりだ、お前に言われるまでもない」

 その上に、ガルドさんが煽るみたいなことを言うもんだから、余計にやる気がみなぎるのが分かった。いらん事はいわんでいい、と抗議するにもすでに遅い。

「んんっ!」

 片手で顎を捕らえられ、振り向かされたところで本気の口づけが降って来る。
 風呂上がりということもあり、今の私が着ているのは、シャツドレスみたいな形状のものだ。
七分位の袖が付いていて、前はずらりとボタンが並んでいる。その服の合わせから、もう片方の手が内部へと忍び込み、胸の膨らみを捕らえて、痛みに変わるぎりぎりの力で揉まれ始める。乱暴にされているわけじゃないが、私の中のMっ気を刺激するには十分な強さで――この辺りの手加減の絶妙さは、流石というしかない。
 そしてもう一人――ただでさえ無口な上に、先程から完全に沈黙を保っていたターザさんなのだけど、だからと言って何もしていないわけでもなかった。
 しゃべる代わりに、口の別の使い方を発見(?)したようだ。
 力無く投げ出されていた私の足の片方を抱え上げ、躊躇いの欠片も見せず、つま先を口に含む。

「んっ? ぅうっ」

 何? 止めてっ――と叫びたかったのけど、その声はロウの唇で封じ込められてしまう。足の甲へキスされたことはあっても、ここまでがっつりと舐められるのは初めてだ。お風呂に入ったばかりだから汚くはないはずだが、そんなところを舐めるなんて、ターザさんに抵抗はないのだろうか――その表情を見る限り、なさそうだ。
 しっかりと踵を掴んで動かせないようにしてから、丁寧に一本一本、親指から順に口に含み、ねっとりと舌を這わせられる。指の間の股を、尖らせた舌先でチロチロと刺激されたかと思うと、ほんの軽くではあるが歯を立てられ、それがまた、何というか――すごく気持ちがいい。皮膚の薄い部分を熱く滑った舌で丁寧になぞられると、ゾクゾクとした悪寒にも似た感覚が湧き上がり、それが下腹を直撃する。
 こんなところにまで性感帯があったのかと、改めて人体の神秘に驚かされます。

「ぅ……ふ……」

 上半身はと言えば、相変わらず口の中ではロウの舌が暴れているし、きっちりと胸は揉まれて続けている。掌全体で胸の膨らみを捏ねまわしながら、指で尖り始めた先端をクニクニと刺激される。円を描くようにして粗っぽく揉みしだく合間に、固くなった先端を指で肉の中に埋め込まれたかと思うと、一転して転がすようにして左右に小さく振られる。その指使いは繊細且つ、私がどうされれば感じるかを熟知している動きだ。
 二人掛かりでそんなことをされているものだから、ロウの先程の宣言通り、ガルドさんを気にする余裕などあっという間になくなってしまう。

「ん、あ……は、ぁんっ」

 蕩けた声が、合わせた唇の間から洩れる。にやりと、ロウの唇が笑みの形を取るのが感じられるが、それを悔しいと思うより先に、もっと強い刺激が欲しくて体がいやらしくくねった。

「おお、いい具合になって来てるじゃねぇか」

 と、そこへ、少し離れた所から声がかけられる。

「……にしても、楽しそうだな。特に、ターザ――レイちゃんの足は美味いか?」
「ああ。レイ殿の体はどこもかしこも甘い。砂糖菓子でできているのではないかと思うくらいだ」

 冊子から顔を上げ、こっちを見ていたガルドさんの声に、ターザさんが答える。いやいや、それは無いから。普通にたんぱく質でできてますから。んでもって、咥えたまましゃべらないでください。舌が不規則にあっちこっちにあたって、その刺激で掴まれた足がヒクヒクと痙攣し、またしても下腹がきゅんとなってしまう。

「そうかそうか。んじゃ俺も、ちと味見させてもらうかな」

 そして、そんなことを言いながら、ガルドさんが座っていた椅子から立ち上がる気配がする。そのままこちらへと向かって来て――最初は、ロウとターザさんの二人に任せるんじゃなかったのっ?
 ベッドへと上がってターザさんの隣に腰を下ろし、よっこいしょとばかりに、私のもう一方の足を抱え込んだ。

「ひゃっ」

 大の男が二人、それも平均よりもかなり逞しい体格だから、並んで座るだけでもかなりの幅を取る。そんな男同士が密着しているのは視覚的にも優しくないし、何より本人たちだって好き好んでそんなことはしたくないだろう。なので、少し距離を開けて陣取ったガルドさんに足を抱え上げられると、結果的に、私は大きく股を開かされた状態になってしまう。

「さて、どっから食うかな……」
「きゃっ!」

 ちょっと危ないセリフを呟くガルドさんに、いきなり足の甲に噛みつかれて、小さな悲鳴を上げる。勿論、本気で噛まれたんじゃないから、痛いって訳ではない。だけど、同時に指で土踏まずのところを強く押されて、どっちかというとそちらの刺激で声が上がった感じだ。こっちはちょっと痛いけど、でも気持ちがいい。足つぼマッサージをされてるみたいと言えば、分かりやすいだろうか。

「おお、確かに甘ぇな」
「だろう?」

 大真面目な顔で嘘を吐くガルドさんに、ターザさんは我が意を得たりとばかりに頷く。もしかして、ほんとに甘いって感じてるんじゃないかと思ってしまう。
 
「お前たちは何を言っている……」
「マジで美味いぜ、ロウ。お前も仲間に入るか?」
「レイの足は二本しか無かろうに」

 ようやく私を口づけから解放したロウが、呆れたように言うが、その間も胸を揉む手は止まらない。両足はそれぞれ異なるやり方で刺激されているし――ターザさんは未だにつま先に舌を這わせながら、ふくらはぎへ柔らかく指を這わせていて、ガルドさんは足の甲から脛にかけて、軽くついばむような口づけを落としつつ、モミモミと足の裏を刺激してくる。いろんな意味で気持ちよくて、気持ちがよすぎて体が跳ねそうになるのだけど、どこもかしこもがっちりとホールドされているから動かせない。
 動かせない分、余計に気持ちよさが募る。それに呼応してどんどん体の中に熱が貯まっていき、切なげな吐息が漏れる。

「や……あ、つい……」
「……おい、ロウ」
「ああ」

 吐息に混じったかすかな呟きにガルドさんが反応して、それをロウが拾うと、空いていた手で私が着ている服のボタンをぷちぷちと外していく。下まで全部外されて、身頃を左右に大きく広げられれば、まだ袖は通しているものの、私の体を隠すのは小さな下着だけの姿にされてしまう。
 まだ触れられてもいないソコは、しかしあちこちからの刺激で内側から熱い液体をあふれさせている。おかげで下着はすっかりと濡れそぼり、ぺたりと張り付いていて、膨らみかけた小さな突起の存在が鮮明に浮き上がってしまっていた。

「びしょびしょだな」
「少しいじられただけで、こうしていたのか?」

 ターザさんが無言なのは、相変わらずつま先を舐(な)め舐(ねぶ)るのに忙しいからだろう。ふやけてしまうんじゃないかと思うくらい、しつこくされていて――余程、気に入ったようである。それにしても、これのどこが『少し』なんだか、一度、とことん話し合う必要があると思う。
 しかし、悔しく思っても、気持ちがいいという事実は変わらない。すでにソコはジンジンと疼くような感覚を訴えてきていて、早く触れて欲しくてたまらなくなっている。

「あ、や……ね、ぇっ」

 溜まらず腰をくねらせると、ようやくロウの指がそこに触れてくれた。

「ああんっ!」

 布の上から、軽く突起をなぞられただけなのだけど、自分でも驚くくらいの強い快感が全身を駆け抜けた。さらに強い刺激が欲しくて、考えるより先に腰が跳ねあがる。けど、それを避けるようにして指を引かれ、落ちたところでまたゆるりと撫で上げられた。そこでまたも腰がうねるのだけど、やはり同じようにされ――それを何度も繰り返される。

「ああ、やっ! なんで、ぇっ」

 じれったい快感が、涙が出るほどつらくて、泣きぬれた声を上げてしまう。
 気が付けば、ガルドさんとターザさんに足を抱えられているのは変わらないが、そこへの刺激は止まっていて、ぎらぎらとした欲望をたたえた目で見つめられている。その視線を意識した途端、疼きが更に強くなる。

「すげぇ気持ちよさそうだな、レイちゃん……」
「レイ殿……」

 ごくり、と喉が鳴る音がしたのはどちらの方からだろうか。けど、それを見極める余裕は無くて、私は必死でロウの腕にすがりながら、懇願した。

「も、やっ……もっと、ちゃんと……」
「ちゃんと――なんだ?」

 後ろから私を抱きすくめているロウが、耳元で低く囁いてくる。耳朶に触れる唇や、吹きかけられる吐息にさえ感じてしまい、ぶるりと全身が震えた。

「ちゃんと、触って……っ」
「触っているだろうに――それとも、これでは不満か?」

 いじめっ子の面目躍如と言ったところだが、今はそれに抗議している余裕などない。具体的にどうして欲しいか言えという言外の要求に、私は一も二もなく飛びついた。

「もっと、強く……ぐりぐりってしてぇっ」
「こう、か?」

 そう叫んだ途端、指の腹で強く突起が押しつぶされる。更に左右に捏ねるように刺激され――それだけで、私は軽く達してしまった。

「ひっ……ああんっ!」

 大きく体が跳ねあがり、それをまた三人が掛かりでおさえこまれる。

「ああっ、い、ぃっ」
「これで満足か?」

 かすかな笑いを含んだ声で囁かれ、即座に否定する。

「やっ、まだっ――もっと、弄ってっ」
「どう弄ってほしい? 具体的に言え」

 思えば、これで赤面して黙り込んだ過去も有りました。が、今更、この程度で躊躇うほどヤワな鍛えられ方(?)はしていない。

「脱がせて、直接……下も、触って……いっぱい、ぐちゅぐちゅって言わせてぇっ」
「レイちゃん……エロ過ぎだぜ」

 私をエロくした張本人の一人がそんなことを呟く。自分のやったことを棚に上げるんじゃないと、声を大にして言いたいところだ。
 何となく惰性っぽくふくらはぎを撫でていた手が、太ももの半ばくらいまで上がってきたが、その先に進もうとしたところで、ロウがペチンと叩いてそれを阻止する――いい気味だ、とちょっと思った。
 尤もそれも一瞬の事で、私の願ったとおりに、腰のところで結ばれていた紐が解かれ、下着が取り払われる。べっとりと濡れた叢の中から赤い小さな肉芽が顔を出し、そこを指で優しくなぞられ、快感に全身が震えた。

「あっ、い……気持ち、いっ」

 さらにその先へと指が進み、割れ目に沿うようにして撫で上げられると、せき止める物がなくなったソコから、熱い液体がコポリと音を立ててあふれ出した。

「あ……もったいない」

 は? と思う間もなかった。それはロウも同じらしく、咄嗟の反応が遅れたようだ。その隙をつくようにして、動いたのはターザさんだ。勿論、さっきの声も彼のものである。
 座って私の足を抱え込んで居た体勢から一瞬でその位置を変え、私のソコへ顔を埋めると、あふれ出る液体を舌で掬って飲み下す。

「うおっ、疾ぇっ?」
「これが獣族の反応速度か……」

 あっちとこっちから驚きの声が上がるが、私はそれどころではなかった。

「レイ、どのっ……ああ、やはり、ここも甘い……」
「あ、あっ! しゃべ、っちゃ……や、ぁんっ」

 ロウの手を押しのけてソコにむしゃぶりついたターザさんが、猛烈な勢いで舌を使ってくる。
 ぴったりと唇で覆うようにして、襞の間にたまった液体を吸い取り、それでは足りないとばかりに狭い入り口へと尖らせた舌先を差し入れられる。内部に溜まっていたモノがあふれると、またも音を立てて飲み下しながら、更に強く唇を押し当ててくる。

「ひゃんっ! あ、ああっ……い、んぅうっ」

 じゅるじゅるという聞くに堪えない淫猥な水音を立てつつ、無我夢中の体で舌を動かし――どうやら、さっきからさんざん足を舐めていたことで、何かのスイッチが入ってしまったようだ。限界ギリギリの深さまで舌を差し入れようとしている所為で、鼻先がぷっくりと膨れ上がった突起に当たっているし、興奮の余りか時折甘噛みまでされて――ロウやガルドさんみたいに、こっちに快感を与えるための動きじゃなくて、ひたすら本能のままって感じなのだけど、私の体はそんな行為でさえ快感を拾ってしまう。

「やっ、ダメっ! っちゃ……イっちゃ、ぅうっ!」

 ぐりぐりっと鼻で突起を押されながら、指ともアレとも違う柔らかな舌先で、内部の一点を刺激され、またイってしまう。しかもその波が引く前にまたも同じところをツンツンとつつかれて、背筋が大きくのけぞった。下腹から太ももにかけても、痙攣がとまらない。

「ひっ! あっ、待っ……もっと、ゆっく、り……ああっ」
「……くそっ」

 その上、私の痴態に反応したのか、突然のターザさんの行動を茫然としてみていたロウが、はっとした様に動く。後ろから抱え込んでいた上半身を開放し、ベッドへと横たえたかと思うと、横を向かされて唇に硬く屹立したモノが宛がわれた。

「ん、ぅっ」

 つい反射的に口を開けたら、遠慮のかけらもない動きで咥えさせられた。しょっぱい味が舌に感じられる。後頭部に手を添えて引けないようにした後で、自分から腰を使ってきたのをみると、かなり切羽詰まった状況だったようだ。

「……おいおい。なんか、えれぇことになってんな」

 そして、残る一人――出遅れた形になったガルドさんが、呆れたようにつぶやくのが聞こえた――私の片足を抱えたままで。
 見てるだけじゃなくて何とかしてくれと言いたいところなのが、生憎と口いっぱいにロウが詰め込まれていて喋れません。まぁ、過去の経験からして、助けを求めたところで生ぬるくスルーされるだけなんだろうけどね。
 なもので、この状態から脱出するにも、自分で何とかしなくてはいけない。
 イきまくりつつのフェラ状態で、息苦しさマックスの状況ながらも、半ば拘束されたままの手を動かす。片手を口とロウの腰の間に何とかこじ入れて、えずくほど奥まで突っ込まれるのを回避しつつ、もう片手をターザさんの頭へと伸ばす。だが、その位置が悪かった。

「うぉっ!」
「ぅ、ふぅっ?」

 手を付いた先に有ったのは、ターザさんの耳だ。勿論、頭の両脇からぴょこんと生えている獣族のケモ耳である。獣族の象徴であり、誇りの塊でもあるそれは、実は性感帯の一つでもあるらしい。故に滅多な事では触っちゃダメなんだけど、今回のは事故です。
 そこですぐに手を引けばよかったんだけど、ターザさんの声に驚いたのと、モフ好きの本能が顔を出し、柔らかな毛に包まれたそれをつい、ぎゅぅっと掴んでしまった。

「っ!」

 ああ、柔らかい。モフ耳最高――なんて、思ったのも一瞬だった。ターザさんの動きがぴたりと止まり、わなわなと震えだしたかと思うと、前にもましてものすごい勢いでむしゃぶりつかれてしまう。ついでに指まで加わってますがな。

「う、んっ!……ん、んんっ! ん、ぁ、ふあぁんっ!」

 舌と指が、一緒に私のナカで蠢いていて、固いのと柔らかいのとの二つの刺激で、イくのが止められない。ぽっちりと膨らんだ突起にも指が添えられ、そこを刺激されるとまた恥ずかしい液体があふれ出して、ターザさんの興奮に拍車をかけるという悪循環が出来上がっていた。
 上は上で、いっぱいに頬張らされたロウのに歯を立てないように、口を閉じずにいるのが精いっぱいだ。なのに、ロウの腰の動きは衰える様子もないから、喘ぎとも悲鳴ともつかない声が、呑み込み切れなかった唾液と一緒に零れ落ちてる。

 快感と酸欠で、意識が朦朧としてきてヤバイ。このままだと、序盤戦からイき堕ちる――その寸前で、ガルドさんがようやく動いてくれた。

「おい、こら、お前ら――特にターザ。とりあえず、落ち着けって」
 
 スパーンっ、と。
 この状況を考えると、非常に場違いな音が響く。ガルドさんが、ターザさんの頭を平手でぶっ叩いたようだ。その衝撃で強く突起を押されてしまい、またまたイってしまったのは――おかげで、ターザさんが多少なりとも正気を取り戻してくれたのだから、不幸な事故だと思っておこう。

「なっ――ガルド?」
「ガルド? じゃねぇよ――レイちゃんをとろとろにしろとは言ったが、気絶するほど攻め立てろたぁ言ってねぇぞ」

 そして、今度はロウの方に向き直り――。

「手前ぇは……ま、とりあえず、一回、出しとけ」

 止めないのかいっ!

 ちょっと呆然となった私をよそに、晴れて口中射精の許可の下りたロウが、腰の動きを速める。
 先ほどから口を開きっぱなしで、いい加減、顎が痛くなっていたんだけど、ここで粘られてもしんどいのが増すだけだ。下半身への攻勢が止んだで、呼吸も幾分、楽になってきているのもあって、一先ずそちらに集中する。

 我が物顔に口の中を占領しているソレに、舌を這わせる。ホントなら少し引いてもらって、先端にある割れ目に沿ってやった方がロウも気持ちがいいだろうと思うんだけど、すでにその段階は過ぎているようだ。全部は到底無理だけど、半分くらいまでを突っ込まれ、また引き出されてる状態だから、他にできることと言えば唇をすぼめて扱く様に刺激するくらいだ。ついでに、そこに置いたままだった片手の親指と人差し指で、輪っかを作るようにして、そっちでも扱き上げる。

「んんっ、んっ、ん……ふ、ぅっ」
「う、ぁっ! こ、のっ……っ」

 ほっぺたを凹ませて、ちゅぅって吸ってやったら、頭の上でロウの切羽詰まった声がした。

「ぅ、くっ……出、る……っ!」
「ん……ぷ、ぁっ」

 口の中のソレが膨れ上がり、ドクンと大きく脈打ったかと思うと、口いっぱいに苦い味が広がった。鼻に抜ける匂いが、青臭い。
 美味しいとは死んでも思えない味だけど、涙目になりながらも、必死でそれを飲み下す。
 マジで不味い。でも、がんばった!
 味もさることながら、量も多いんで一度じゃ呑み込めず、むせ返りながらも喉の奥へと
通していたら、抱き起されて唇にコップが宛がわれた。ガルドさんがやってくれたらしい。
 ありがたく口を開けて不味い味を洗い流し、同時に喘がされっぱなし渇いていた喉を潤すことが出来た。口移しじゃなかったのは、流石のガルドさんも、ロウの『味』なんかを知りたくなかった所為だろうな。

「は……ふぅ……」

 そこでやっと一息付けて――でも、まだこれ、全然終わってないんだよね?
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