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五月:夫婦という関係
彼に騙されて【離縁】
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彼に呼ばれて部屋へ入ってきた彼女は、怪訝そうな顔をしていました。
彼女は私との結婚前からの彼の愛人。
私の持参金や実家からの援助金で成り立っている侯爵家の女主人を気取って、使用人達とともに正妻の私を虐げてきた女性です。
「……離縁することになった。子爵令嬢はもう神殿で白い結婚の証明を受けている」
この王国の神殿は魔力によって純潔や血のつながりを確認することが出来るのです。
三年の白い結婚による離縁は結婚自体が無効になります。
侯爵家が受け取った持参金や援助金を返済しなくてはいけないということを理解している彼女は、小さく舌打ちを漏らしました。
「持参金や援助金の返済については、条件付きで分割にしてもらうことになった。詳しいことを話すから、椅子に座ってくれ」
彼の言葉に、彼女の表情が和らぎました。
分割返済ならば、毎回屁理屈を捏ねて誤魔化し続けられるかもしれないと思ったのでしょう。
彼女は彼の言葉に従い、椅子に腰かけました。
「離縁と、独身になった僕と君の結婚を祝う酒杯だ。飲んでくれ」
疑うような視線を私と彼に投げかけた彼女でしたが、彼が彼女に害を為すようなことをするわけがないとわかっているからでしょう。酒杯で唇を湿らせました。
酒好きの彼女の瞳が輝きます。
私が実家から取り寄せた上等な美酒だと気づいたのでしょう。酒精の強いそれを一気に飲み干しました。
「それでね、分割にしてもらう条件なんだけど……」
「……」
「君が彼女の実家で働くことなんだ」
「はあ? なに言ってるの? アタシにはアナタの子どもがいるのよ!」
「あの子ももう二歳だ。子守を雇えば良いだろう。休みだってちゃんとあるし、通いでかまわないと言ってくれている」
この侯爵邸も私の実家の子爵邸も、同じ王都の貴族街にあります。
身分が違うので少し離れた場所にありますが、徒歩でも行き来可能な位置です。
侯爵家の馬車は出してもらえなかったし、実家に手紙を運んでもらうことも出来なかったので、離縁の手続きをしている間の私も徒歩で行動していました。今日は手続きが終わったら、子爵家の馬車で実家へ帰ります。
「ふざけないでよッ! アタシは使用人に命じて、この女の食事に腐ったものを出させていたし、白い結婚で金を返すのが嫌で下男に襲わせようとしていたのよ? 恨みに思って酷い扱いをされるに決まってるじゃない!」
彼の顔色が変わりました。
彼女を囲った侯爵邸の離れに入り浸っていた彼は、本館で私が受けていた仕打ちを知らなかったのでしょう。
我が家の援助がどれだけ侯爵家に必要なものだったかさえ、離縁を前に私から引継ぎを始めるまでは気づいていなかったほど、彼は現実から目を背けて愛人である彼女に溺れ続けていたのですものね。
酒精の強い美酒を一気に飲み干した彼女は、杯に入っていた酒以外のものの効果もあって自分が真実を吐露してしまったことに気づいていません。
「分割でも金を返すんなら、侯爵家はもう終わりね! アタシ、あの人が婿入りした伯爵家へ行くわ」
「え? 君を僕に紹介してくれた男爵子息のことかい?」
「そうよ。婿入り先の伯爵令嬢に誤解されたから、ってアンタには言ったけど、アタシ達は本当に恋人同士だったの。でもあの人は婿入りだから、大っぴらにアタシを囲えないでしょう? アンタは貧乏侯爵家とはいえ、一応跡取りだったからねえ」
「あの子は……僕達の息子は、まさか……」
「あの人の子どもに決まってるでしょ? ってか最初の夜のアンタは、アタシに酔い潰されて寝てただけよ。簡単に騙されて責任を取ってくれたから、そのお返しに出産後は何度かお相手してあげた、だ、け」
酔いが回っているのでしょう。
ケラケラとおとぎ話に出てくる魔物のような笑い声を響かせて、彼女は部屋を出て行きました。
離れに息子を迎えに行って、そのまま伯爵邸へ向かうのでしょう。彼女の本命が温かく受け入れてくれるとは、とても思えませんが。
部屋の扉が閉まったので、私は彼に拍手を送りました。
「さすが貴方ね。人を騙すのがお上手ですわ。侯爵家の当主よりも役者になったほうが良かったのではないかしら」
「……彼女の酒杯になにを入れた」
「正直になるお薬ですわ。私も同じ酒杯に口をつけたのですから、毒でないことはおわかりでしょう? 新しい薬なので、まだ法で禁じられていませんの」
私の実家の子爵家は薬問屋から成り上がって爵位を得ました。
今は国内外の有名無名な酒も取り扱っています。
酒好きだったお爺様のせいかおかげか、酒屋としてのほうが有名ですけれど、今も商売の中心は薬のほうなのです。珍しい薬も新しい薬も入ってきます。彼女の酒杯に入れていたのは、言った通りの正直になるお薬です。
「正直に……彼女の発言は真実だったというのか?」
「飲ませただけで筋の通った嘘を言わせることが出来るような薬があると思われますか?」
持参金や援助金の返済を分割にする条件は、私の実家で彼女を雇うことではありませんでした。
ええ、あの顔を見ていたら婚家での悪夢のような日々を思い出すだけなのに、身近に置いて甚振ろうなんて莫迦げたことなど考えませんわ。すぐに実家へ助けを求めて嫌がらせから逃れたと言っても、ね。
私が出した条件は、彼がそう言って彼女を騙すことでしたの。
「貴方は私に、子どもが可哀相だとは思わないのか、とおっしゃいましたわよね? 私は可哀相だと思っておりましたので、こうして真実を暴かせていただきましたの」
「子どもが可哀相だから?」
「はい。貴方が彼女と結婚してあの子を実子と認めて跡取りにしたとしたら、当主就任の際に神殿が血のつながりを確認します。お家乗っ取りは大罪です。一族郎党が処刑されます。親が勝手にやったことで、子どもは知らなかったと言ったところで許されはしません」
爵位というのは王家が、国がその価値がある、と認めた人間に許すものです。
赤の他人が乗っ取って良いものではありません。
もちろん貴族だけではありません。平民であろうとも、ただの嘘つきがその家の人間が築き上げてきたものを横取りするのは許されないことでしょう?
そんなことを考えながら私は、でも、と話を続けました。
「両親が詐欺師の殺人未遂犯というだけなら、子どもは親から離されて幸せな人生を歩むことも出来るでしょう?」
「殺人未遂犯……?」
「彼女の本命が婿入りした伯爵家では、お子様を出産したご当主様が体調を崩されてましたの。私の兄が密かに呼び寄せられて解毒剤を調合いたしましたわ。彼女が伯爵家へ行くなんて言い出したのは、ご当主様が回復したことを知らないからでしょうね」
「……」
私は彼に騙されました。
騙すつもりはなかったのかもしれません。
愛人のいる方とは結婚出来ないと言った私に、病床にあった先代侯爵、お義父様のためにも彼女と別れて私を大切にすると誓ってくださったのです。彼を愛しているからこそ結婚を拒んだ私は、彼を愛しているからこそ騙されて結婚してしまったのです。
初夜にお義父様が急変なさったのは、あの方が私の将来を案じてくださっていたからだったのかもしれません。
おかげで私達は白い結婚になりました。
あのときお義父様がお亡くなりにならなくても、彼女は子どもを使って彼を操り続けたに違いありませんものね。
「約束通り持参金や援助金の返済は分割で結構ですけれど、この家の使用人による私への侮辱や嫌がらせについては、別途賠償を要求させていただきますわね」
「ッ! 待ってくれ、それは……ッ!」
追い縋る彼の叫びを無視して、私も部屋を出ました。
私は嘘をついた覚えはありませんが、彼は私に騙されたと思っているのかもしれません。
だとしたら、彼に騙された私が彼を騙したということですね。
彼を騙した彼女も彼に騙されて──とりあえず、めでたしめでたしだと思うことにしておきましょうか。
<終>
彼女は私との結婚前からの彼の愛人。
私の持参金や実家からの援助金で成り立っている侯爵家の女主人を気取って、使用人達とともに正妻の私を虐げてきた女性です。
「……離縁することになった。子爵令嬢はもう神殿で白い結婚の証明を受けている」
この王国の神殿は魔力によって純潔や血のつながりを確認することが出来るのです。
三年の白い結婚による離縁は結婚自体が無効になります。
侯爵家が受け取った持参金や援助金を返済しなくてはいけないということを理解している彼女は、小さく舌打ちを漏らしました。
「持参金や援助金の返済については、条件付きで分割にしてもらうことになった。詳しいことを話すから、椅子に座ってくれ」
彼の言葉に、彼女の表情が和らぎました。
分割返済ならば、毎回屁理屈を捏ねて誤魔化し続けられるかもしれないと思ったのでしょう。
彼女は彼の言葉に従い、椅子に腰かけました。
「離縁と、独身になった僕と君の結婚を祝う酒杯だ。飲んでくれ」
疑うような視線を私と彼に投げかけた彼女でしたが、彼が彼女に害を為すようなことをするわけがないとわかっているからでしょう。酒杯で唇を湿らせました。
酒好きの彼女の瞳が輝きます。
私が実家から取り寄せた上等な美酒だと気づいたのでしょう。酒精の強いそれを一気に飲み干しました。
「それでね、分割にしてもらう条件なんだけど……」
「……」
「君が彼女の実家で働くことなんだ」
「はあ? なに言ってるの? アタシにはアナタの子どもがいるのよ!」
「あの子ももう二歳だ。子守を雇えば良いだろう。休みだってちゃんとあるし、通いでかまわないと言ってくれている」
この侯爵邸も私の実家の子爵邸も、同じ王都の貴族街にあります。
身分が違うので少し離れた場所にありますが、徒歩でも行き来可能な位置です。
侯爵家の馬車は出してもらえなかったし、実家に手紙を運んでもらうことも出来なかったので、離縁の手続きをしている間の私も徒歩で行動していました。今日は手続きが終わったら、子爵家の馬車で実家へ帰ります。
「ふざけないでよッ! アタシは使用人に命じて、この女の食事に腐ったものを出させていたし、白い結婚で金を返すのが嫌で下男に襲わせようとしていたのよ? 恨みに思って酷い扱いをされるに決まってるじゃない!」
彼の顔色が変わりました。
彼女を囲った侯爵邸の離れに入り浸っていた彼は、本館で私が受けていた仕打ちを知らなかったのでしょう。
我が家の援助がどれだけ侯爵家に必要なものだったかさえ、離縁を前に私から引継ぎを始めるまでは気づいていなかったほど、彼は現実から目を背けて愛人である彼女に溺れ続けていたのですものね。
酒精の強い美酒を一気に飲み干した彼女は、杯に入っていた酒以外のものの効果もあって自分が真実を吐露してしまったことに気づいていません。
「分割でも金を返すんなら、侯爵家はもう終わりね! アタシ、あの人が婿入りした伯爵家へ行くわ」
「え? 君を僕に紹介してくれた男爵子息のことかい?」
「そうよ。婿入り先の伯爵令嬢に誤解されたから、ってアンタには言ったけど、アタシ達は本当に恋人同士だったの。でもあの人は婿入りだから、大っぴらにアタシを囲えないでしょう? アンタは貧乏侯爵家とはいえ、一応跡取りだったからねえ」
「あの子は……僕達の息子は、まさか……」
「あの人の子どもに決まってるでしょ? ってか最初の夜のアンタは、アタシに酔い潰されて寝てただけよ。簡単に騙されて責任を取ってくれたから、そのお返しに出産後は何度かお相手してあげた、だ、け」
酔いが回っているのでしょう。
ケラケラとおとぎ話に出てくる魔物のような笑い声を響かせて、彼女は部屋を出て行きました。
離れに息子を迎えに行って、そのまま伯爵邸へ向かうのでしょう。彼女の本命が温かく受け入れてくれるとは、とても思えませんが。
部屋の扉が閉まったので、私は彼に拍手を送りました。
「さすが貴方ね。人を騙すのがお上手ですわ。侯爵家の当主よりも役者になったほうが良かったのではないかしら」
「……彼女の酒杯になにを入れた」
「正直になるお薬ですわ。私も同じ酒杯に口をつけたのですから、毒でないことはおわかりでしょう? 新しい薬なので、まだ法で禁じられていませんの」
私の実家の子爵家は薬問屋から成り上がって爵位を得ました。
今は国内外の有名無名な酒も取り扱っています。
酒好きだったお爺様のせいかおかげか、酒屋としてのほうが有名ですけれど、今も商売の中心は薬のほうなのです。珍しい薬も新しい薬も入ってきます。彼女の酒杯に入れていたのは、言った通りの正直になるお薬です。
「正直に……彼女の発言は真実だったというのか?」
「飲ませただけで筋の通った嘘を言わせることが出来るような薬があると思われますか?」
持参金や援助金の返済を分割にする条件は、私の実家で彼女を雇うことではありませんでした。
ええ、あの顔を見ていたら婚家での悪夢のような日々を思い出すだけなのに、身近に置いて甚振ろうなんて莫迦げたことなど考えませんわ。すぐに実家へ助けを求めて嫌がらせから逃れたと言っても、ね。
私が出した条件は、彼がそう言って彼女を騙すことでしたの。
「貴方は私に、子どもが可哀相だとは思わないのか、とおっしゃいましたわよね? 私は可哀相だと思っておりましたので、こうして真実を暴かせていただきましたの」
「子どもが可哀相だから?」
「はい。貴方が彼女と結婚してあの子を実子と認めて跡取りにしたとしたら、当主就任の際に神殿が血のつながりを確認します。お家乗っ取りは大罪です。一族郎党が処刑されます。親が勝手にやったことで、子どもは知らなかったと言ったところで許されはしません」
爵位というのは王家が、国がその価値がある、と認めた人間に許すものです。
赤の他人が乗っ取って良いものではありません。
もちろん貴族だけではありません。平民であろうとも、ただの嘘つきがその家の人間が築き上げてきたものを横取りするのは許されないことでしょう?
そんなことを考えながら私は、でも、と話を続けました。
「両親が詐欺師の殺人未遂犯というだけなら、子どもは親から離されて幸せな人生を歩むことも出来るでしょう?」
「殺人未遂犯……?」
「彼女の本命が婿入りした伯爵家では、お子様を出産したご当主様が体調を崩されてましたの。私の兄が密かに呼び寄せられて解毒剤を調合いたしましたわ。彼女が伯爵家へ行くなんて言い出したのは、ご当主様が回復したことを知らないからでしょうね」
「……」
私は彼に騙されました。
騙すつもりはなかったのかもしれません。
愛人のいる方とは結婚出来ないと言った私に、病床にあった先代侯爵、お義父様のためにも彼女と別れて私を大切にすると誓ってくださったのです。彼を愛しているからこそ結婚を拒んだ私は、彼を愛しているからこそ騙されて結婚してしまったのです。
初夜にお義父様が急変なさったのは、あの方が私の将来を案じてくださっていたからだったのかもしれません。
おかげで私達は白い結婚になりました。
あのときお義父様がお亡くなりにならなくても、彼女は子どもを使って彼を操り続けたに違いありませんものね。
「約束通り持参金や援助金の返済は分割で結構ですけれど、この家の使用人による私への侮辱や嫌がらせについては、別途賠償を要求させていただきますわね」
「ッ! 待ってくれ、それは……ッ!」
追い縋る彼の叫びを無視して、私も部屋を出ました。
私は嘘をついた覚えはありませんが、彼は私に騙されたと思っているのかもしれません。
だとしたら、彼に騙された私が彼を騙したということですね。
彼を騙した彼女も彼に騙されて──とりあえず、めでたしめでたしだと思うことにしておきましょうか。
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