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最終話・真紅の竜を召喚しました。
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「……というわけで、クラウス殿下にはゲオルグ帝の悪霊との絆を断ち切っていただきたいのです」
「悪霊と言われても……」
わたしの説明を聞いたクラウス殿下は、困惑した表情で首を傾げます。
頭のおかしい女だと思われているのでしょうか。
「まあ確かに、幼いころから妙な声を聞くことはあったよ。あれがゲオルグ帝のものだったのかなあ?」
殿下が呟いたとき、
──近寄るな。俺の彼女に近寄るな。近寄ればお前も彼女も殺してやる。
地の底から響くような低い声が部屋中に轟き渡りました。
少しクラウス殿下の声に似ていますが、彼と違って邪悪な声です。
殿下が口角を上げました。
「どうやって? 私はもう幼い子どもではない。曾おじい様の戯言に怯えて、大切な今夜を無駄にする気はないな。私に憑いているというのなら追い出してやる。コリンナはあなたの『彼女』ではない!」
──うぐっ!
クラウス殿下の体から、黒い霧のようなものが噴き出しました。
揺れ動く霧が形作る男性の顔は、殿下とよく似ています。
この方がゲオルグ帝なのでしょうか。
「ガルム様!」
「うむ!」
扉が開いて、神獣ガルム様が飛び込んできます。
あら! マーナと仔犬達まで一緒に入って来ました。
今日は夜会の準備や本番で忙しかったから、わたしと会えなくて寂しかったのでしょうか。駆け寄ってきたのを撫でてやります。モフモフですわーっ! なぜかクラウス殿下が羨ましそうに見ています。どうしてもとおっしゃるのなら、うちの可愛い仔犬に触ってもいいですよ?
「ぱくっ、むしゃ、ごくっ」
ゲオルグ帝だったと思しき黒い霧のような悪霊は、ガルム様のお口の中に消えました。
悪霊はガルム様の血肉になるわけではなく、冥府に送り返されたのです。……たぶん、そのはずです。ガルム様は苦虫を噛み潰したような顔をなさっていました。
それを見て、クラウス殿下が呆然としています。
「神獣様? ガルム君は神獣様だったのかい?」
「隠していてすみません」
「いや、よくわからないが私のためだったのだろう? コリンナ、君を責める気はない」
「ありがとうございます。わたしは、これからもクラウス殿下のお幸せを祈っています」
わたしは立ち上がりました。
家族への手紙はもう書いています。
マーナ達も室内にいるので、もう召喚魔術を発動させてしまいましょう。魔術式は最初から部屋の床に書いています。
「コリンナ、神獣様達もこの部屋で眠るのか? もちろんベッドの下だよな? ベッドの上ではないだろう?」
「いいえ、わたしと一緒に竜の国へ行きます。それが、クラウス殿下を悪霊憑きにしてしまったわたしの償いです。もう二度と殿下にご迷惑はおかけしません」
「ちょっと待ってくれ、コリンナ。さっぱりわけが……」
魔術式から煙が立ち上ります。
やがてそれは、真紅の竜に姿を変えました。
言葉を失ったわたしの前で、真紅の竜は真っ赤な髪を持つ褐色の肌をした逞しい男性に姿を変えました。
赤い髪の男性の手に小さな炎が浮かびました。魔術でしょうか。
彼はその炎でわたしの顔を照らし、言いました。
「そうだよな。ヨハンナのはずがない。髪の色も違うし、少しも胸が騒がない。……まあ可愛いとは思うがな」
「え?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
真紅の竜、ヨハンナ様の夫でもあるというアフマル・ガーメク様を交えて会話して、以下のことがわかりました。
ヨハンナ様はゲオルグ帝の浮気癖に耐えかねて注意をしたら逆切れされて、婚約破棄の上国外追放されてしまったのだとのこと。
趣味で魔術研究をしていたら召喚魔術ができたので、使ってみたらアフマル・ガーメク様が現れて、おふたりはお互いにひと目惚れしてしまったとのこと。
「ヨハンナ様は今もご健在なのですか?」
ちょっと驚きです。
だってヨハンナ様はおじい様の伯母君なのですから。
「おうよ。俺の寿命を分け与えたから、今でもあんたと同じくらいピチピチしてるぜ。今産んでくれてる俺との子どもは十二人目だ」
「そんな大変なときに召喚してしまって申し訳ありませんでした」
「いいってことよ。ヨハンナの親族はヴィンター帝国の皇族に執着されることがあるから、なにかあったら守ってやってくれって言われてるんだ。あんたは……そこの男を迷惑には思ってねぇんだよな?」
「は、はい!」
ヨハンナ様がご健在だということよりも驚いたことに、クラウス殿下はわたしを愛していらっしゃるのだと言います。
優しくしてくださったのは悪霊のゲオルグ帝ではなかったのです。
神獣ガルム様の咆哮で悪霊の頸木から解かれたクラウス殿下ご本人だったとおっしゃるのです。
「だったらいい。でもこの男が嫌になったらいつでも俺を召喚しな。どこにいても助けに来てやる。……ま、用事のあるときゃ弟を寄こすかもしれないが、案外そのほうがいいかもな。弟はきっと、ヨハンナを見たときの俺みてぇにあんたにひと目惚れするぜ」
「……コリンナは私のものです」
クラウス殿下がアフマル・ガーメク様を睨みつけます。
アフマル・ガーメク様は豪快に笑って、真紅の竜の姿に戻りました。
わたしは召喚魔術を逆式発動させて、彼を竜の国へ送り返したのでした。召喚魔術で呼び出した相手は逆式発動することで送り返せます。わたし達が竜の国へ行くためには、飛んで行かないといけないのですけどね。……はい。今回は行くのをやめにしました。
「……コリンナ」
クラウス殿下がわたしの肩を抱き寄せます。
「殿下?」
「さっきも言ったように、私が愛しているのはコリンナだ。悪霊のせいで無駄にしてしまった時間を取り戻そう」
「浮気なさったのも悪霊のせいですか?」
「……あれは、その、向こうから誘惑して来て……」
「女性のせいになさるおつもりですか?」
「……私が欲望を抑えられなかったせいだ。反省している」
「そうですね。しばらく反省なさるとよろしいでしょう。……ガルム様」
「うむ!」
神獣姿で待っていらしたガルム様が、クラウス殿下をくわえて廊下へ放り出します。
召喚魔術の影響下にあったからか、アンスル公爵家にいるほかの人間がわたしの部屋の騒動に気づいた様子はなさそうです。
ガルム様は部屋の扉も閉めてくださいました。わたしが鍵をかけます。扉の向こうから殿下の声がします。
「コリンナ? 私達は両思いなんだよな?」
「さあ、どうでしょう。クラウス殿下が十分反省なさったと思ったら、わたしも自分の気持ちを見直してみます。……世界には殿下より素敵な方がいらっしゃるかもしれませんし」
先ほどのアフマル・ガーメク様はヨハンナ様の旦那様です。
素敵だと感じても、それは劇場の人気俳優に対するのと同じような気持ちでした。
でもアフマル・ガーメク様の弟君は独身でいらっしゃると言います。どのような方なのでしょう?
考えてみるとクラウス殿下への気持ちは、愛は愛でも愛情、長く過ごしてきた情に過ぎない気もします。
わたしは恋に恋していただけなのかもしれません。
マーナや仔犬達と会えないのは一日でも寂しいですが、正直殿下とは三年会わなくても平気でしたしね。
「コリンナ? コリンナ?」
「やあクラウス坊や。俺の大事な嫁入り前の娘の部屋の前で、なにを騒いでいらっしゃるのかな?」
「アンスル公爵。私はコリンナに招かれて来たのだ」
「扉が閉まってるのが見えないんですか、殿下。……レオナルトには許可を得ている。今夜は男同士ゆっくり飲み明かそうじゃねぇか、なあ?」
血塗れの赤獅子と呼ばれ、ヴィンター帝国で暴れる魔獣や悪党を粉砕してきたアンスル公爵、お父様が殿下を引きずって行く音が聞こえてきます。
寝巻に着替えたわたしは、神獣ガルム様、マーナ、仔犬達と一緒にベッドに入りました。あ、仔犬達の名前を付けました。シュバルツ、ヴァイス、グラオです。本当はモフモフちゃん、モコモコちゃん、モシャモシャちゃんにしたかったのですが、ガルム様になんとも言えない顔で見つめられて変更したのです。でもシュバルツ、ヴァイス、グラオって毛色そのままだから安直じゃないですか?
「ひゃう」
「ひゃうひゃう」
「ひゃうひゃうひゃう」
「……くー……」
「……ぐー……」
すべすべの毛皮の温もりがわたしを眠りに誘います。毎晩櫛を入れている甲斐があるというものです。
クラウス殿下のこともまだ見ぬ竜の殿方のことも、今は忘れてしまいましょう。
わたしの犬達は今日も可愛いです。あー、可愛過ぎて生きるのが辛いですわーっ!
殿下に愛されていると知っても一番愛しているのは飼い犬達のわたしは、本当に罪深い女なのかもしれませんね。
「悪霊と言われても……」
わたしの説明を聞いたクラウス殿下は、困惑した表情で首を傾げます。
頭のおかしい女だと思われているのでしょうか。
「まあ確かに、幼いころから妙な声を聞くことはあったよ。あれがゲオルグ帝のものだったのかなあ?」
殿下が呟いたとき、
──近寄るな。俺の彼女に近寄るな。近寄ればお前も彼女も殺してやる。
地の底から響くような低い声が部屋中に轟き渡りました。
少しクラウス殿下の声に似ていますが、彼と違って邪悪な声です。
殿下が口角を上げました。
「どうやって? 私はもう幼い子どもではない。曾おじい様の戯言に怯えて、大切な今夜を無駄にする気はないな。私に憑いているというのなら追い出してやる。コリンナはあなたの『彼女』ではない!」
──うぐっ!
クラウス殿下の体から、黒い霧のようなものが噴き出しました。
揺れ動く霧が形作る男性の顔は、殿下とよく似ています。
この方がゲオルグ帝なのでしょうか。
「ガルム様!」
「うむ!」
扉が開いて、神獣ガルム様が飛び込んできます。
あら! マーナと仔犬達まで一緒に入って来ました。
今日は夜会の準備や本番で忙しかったから、わたしと会えなくて寂しかったのでしょうか。駆け寄ってきたのを撫でてやります。モフモフですわーっ! なぜかクラウス殿下が羨ましそうに見ています。どうしてもとおっしゃるのなら、うちの可愛い仔犬に触ってもいいですよ?
「ぱくっ、むしゃ、ごくっ」
ゲオルグ帝だったと思しき黒い霧のような悪霊は、ガルム様のお口の中に消えました。
悪霊はガルム様の血肉になるわけではなく、冥府に送り返されたのです。……たぶん、そのはずです。ガルム様は苦虫を噛み潰したような顔をなさっていました。
それを見て、クラウス殿下が呆然としています。
「神獣様? ガルム君は神獣様だったのかい?」
「隠していてすみません」
「いや、よくわからないが私のためだったのだろう? コリンナ、君を責める気はない」
「ありがとうございます。わたしは、これからもクラウス殿下のお幸せを祈っています」
わたしは立ち上がりました。
家族への手紙はもう書いています。
マーナ達も室内にいるので、もう召喚魔術を発動させてしまいましょう。魔術式は最初から部屋の床に書いています。
「コリンナ、神獣様達もこの部屋で眠るのか? もちろんベッドの下だよな? ベッドの上ではないだろう?」
「いいえ、わたしと一緒に竜の国へ行きます。それが、クラウス殿下を悪霊憑きにしてしまったわたしの償いです。もう二度と殿下にご迷惑はおかけしません」
「ちょっと待ってくれ、コリンナ。さっぱりわけが……」
魔術式から煙が立ち上ります。
やがてそれは、真紅の竜に姿を変えました。
言葉を失ったわたしの前で、真紅の竜は真っ赤な髪を持つ褐色の肌をした逞しい男性に姿を変えました。
赤い髪の男性の手に小さな炎が浮かびました。魔術でしょうか。
彼はその炎でわたしの顔を照らし、言いました。
「そうだよな。ヨハンナのはずがない。髪の色も違うし、少しも胸が騒がない。……まあ可愛いとは思うがな」
「え?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
真紅の竜、ヨハンナ様の夫でもあるというアフマル・ガーメク様を交えて会話して、以下のことがわかりました。
ヨハンナ様はゲオルグ帝の浮気癖に耐えかねて注意をしたら逆切れされて、婚約破棄の上国外追放されてしまったのだとのこと。
趣味で魔術研究をしていたら召喚魔術ができたので、使ってみたらアフマル・ガーメク様が現れて、おふたりはお互いにひと目惚れしてしまったとのこと。
「ヨハンナ様は今もご健在なのですか?」
ちょっと驚きです。
だってヨハンナ様はおじい様の伯母君なのですから。
「おうよ。俺の寿命を分け与えたから、今でもあんたと同じくらいピチピチしてるぜ。今産んでくれてる俺との子どもは十二人目だ」
「そんな大変なときに召喚してしまって申し訳ありませんでした」
「いいってことよ。ヨハンナの親族はヴィンター帝国の皇族に執着されることがあるから、なにかあったら守ってやってくれって言われてるんだ。あんたは……そこの男を迷惑には思ってねぇんだよな?」
「は、はい!」
ヨハンナ様がご健在だということよりも驚いたことに、クラウス殿下はわたしを愛していらっしゃるのだと言います。
優しくしてくださったのは悪霊のゲオルグ帝ではなかったのです。
神獣ガルム様の咆哮で悪霊の頸木から解かれたクラウス殿下ご本人だったとおっしゃるのです。
「だったらいい。でもこの男が嫌になったらいつでも俺を召喚しな。どこにいても助けに来てやる。……ま、用事のあるときゃ弟を寄こすかもしれないが、案外そのほうがいいかもな。弟はきっと、ヨハンナを見たときの俺みてぇにあんたにひと目惚れするぜ」
「……コリンナは私のものです」
クラウス殿下がアフマル・ガーメク様を睨みつけます。
アフマル・ガーメク様は豪快に笑って、真紅の竜の姿に戻りました。
わたしは召喚魔術を逆式発動させて、彼を竜の国へ送り返したのでした。召喚魔術で呼び出した相手は逆式発動することで送り返せます。わたし達が竜の国へ行くためには、飛んで行かないといけないのですけどね。……はい。今回は行くのをやめにしました。
「……コリンナ」
クラウス殿下がわたしの肩を抱き寄せます。
「殿下?」
「さっきも言ったように、私が愛しているのはコリンナだ。悪霊のせいで無駄にしてしまった時間を取り戻そう」
「浮気なさったのも悪霊のせいですか?」
「……あれは、その、向こうから誘惑して来て……」
「女性のせいになさるおつもりですか?」
「……私が欲望を抑えられなかったせいだ。反省している」
「そうですね。しばらく反省なさるとよろしいでしょう。……ガルム様」
「うむ!」
神獣姿で待っていらしたガルム様が、クラウス殿下をくわえて廊下へ放り出します。
召喚魔術の影響下にあったからか、アンスル公爵家にいるほかの人間がわたしの部屋の騒動に気づいた様子はなさそうです。
ガルム様は部屋の扉も閉めてくださいました。わたしが鍵をかけます。扉の向こうから殿下の声がします。
「コリンナ? 私達は両思いなんだよな?」
「さあ、どうでしょう。クラウス殿下が十分反省なさったと思ったら、わたしも自分の気持ちを見直してみます。……世界には殿下より素敵な方がいらっしゃるかもしれませんし」
先ほどのアフマル・ガーメク様はヨハンナ様の旦那様です。
素敵だと感じても、それは劇場の人気俳優に対するのと同じような気持ちでした。
でもアフマル・ガーメク様の弟君は独身でいらっしゃると言います。どのような方なのでしょう?
考えてみるとクラウス殿下への気持ちは、愛は愛でも愛情、長く過ごしてきた情に過ぎない気もします。
わたしは恋に恋していただけなのかもしれません。
マーナや仔犬達と会えないのは一日でも寂しいですが、正直殿下とは三年会わなくても平気でしたしね。
「コリンナ? コリンナ?」
「やあクラウス坊や。俺の大事な嫁入り前の娘の部屋の前で、なにを騒いでいらっしゃるのかな?」
「アンスル公爵。私はコリンナに招かれて来たのだ」
「扉が閉まってるのが見えないんですか、殿下。……レオナルトには許可を得ている。今夜は男同士ゆっくり飲み明かそうじゃねぇか、なあ?」
血塗れの赤獅子と呼ばれ、ヴィンター帝国で暴れる魔獣や悪党を粉砕してきたアンスル公爵、お父様が殿下を引きずって行く音が聞こえてきます。
寝巻に着替えたわたしは、神獣ガルム様、マーナ、仔犬達と一緒にベッドに入りました。あ、仔犬達の名前を付けました。シュバルツ、ヴァイス、グラオです。本当はモフモフちゃん、モコモコちゃん、モシャモシャちゃんにしたかったのですが、ガルム様になんとも言えない顔で見つめられて変更したのです。でもシュバルツ、ヴァイス、グラオって毛色そのままだから安直じゃないですか?
「ひゃう」
「ひゃうひゃう」
「ひゃうひゃうひゃう」
「……くー……」
「……ぐー……」
すべすべの毛皮の温もりがわたしを眠りに誘います。毎晩櫛を入れている甲斐があるというものです。
クラウス殿下のこともまだ見ぬ竜の殿方のことも、今は忘れてしまいましょう。
わたしの犬達は今日も可愛いです。あー、可愛過ぎて生きるのが辛いですわーっ!
殿下に愛されていると知っても一番愛しているのは飼い犬達のわたしは、本当に罪深い女なのかもしれませんね。
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第一章「婚約者編」
第二章「お見合い編(過去)」
第三章「結婚編」
第四章「出産・育児編」
第五章「ミリアの知らないオレファンの過去編」連載開始
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