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初めての指名依頼編
22・葉菜花、傭兵隊の面接を受ける、の巻。
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いろいろ考えて、わたしは依頼を受けることにした。
ケルベロス様の注意は前世のことを考え過ぎないように、だったから大丈夫だよね。
シオン君はわたしの力がこの世界を救うとまで言ってくれた。
本来この世界の人間ではない異世界人のわたしなのに。
受け入れてもらえて嬉しかったから、彼が勧めてくれるものはなるべく受け取っていきたいと思うのだ。
それに、宿代や聖神殿が用意してくれたお金は受け取ってくれなかったふたりも港町のお土産だったら受け取ってくれると思う。
なにがいいかなー。……うん、食べ物一択だね。
心を決めたら、あとはマルコさん達に雇ってもらえるよう頑張らなきゃ。
「本来なら、ラケル君が『影運び』を使えるというだけで商人の護衛任務に引っ張りだこになるところですが、うちの隊には『アイテムボックス』持ちのドワーフもいますし、今回は葉菜花さんを食事係として雇いたいと思っています。けれど失礼ながらニコロが言った通り、魔石から食べ物を変成する錬金術なんて聞いたことがありません。スサナさんの保証を信じないわけではないですが、目の前で見せてもらってかまわないでしょうか」
マルコさんの言葉に頷く。
「はい! 数日かけて下ごしらえした魔石があります」
準備に時間がかかるという設定は忘れちゃいけない。
わたしは喫茶スペースのテーブルに平皿を出し、ダンジョンアントの魔石を載せる。
んー……男の人と男の子だから、お肉のほうが喜んでくれるかな。
おにぎりは馴染みがないよね。
──考えた末、
「できました!」
マルコさんとニコロ君は、お皿に並んだサンドイッチを前にぽかんとした顔をしている。
「……あ、ごめんなさい! ダンジョンアントの魔石はイヤでしたか?」
平皿はちゃんと『浄化』したよ?
「そういう問題じゃねーし」
変成中にボコボコ蠢いているのが気持ち悪かったのかな。
「ほ、本当に魔石から食べ物を作れるんですね。これは……食べてもいいんですか?」
「もちろんです! えっと……右からカツサンドとエビアボカドサンドと、唐揚げサンドとハンバーグサンドと、ローストビーフサンドと照り焼きチキンサンドになります」
各種二個ずつ作りました。
「サンドイッチなのか。こんな白くて柔らかそうなパン、初めて見た」
むー。この世界風のパンで作ったほうが良かったかな。
シオン君とベルちゃんに鍛えられたから、その程度の微調整ならお手のものです。
あのふたり以外の人だと、馴染みのない食材には抵抗がありそう。
ハンバーグサンドはパンがハンバーグに負けてるって言われたから、ハンバーガーも作ったんだよね。あれならバンズの色が濃いからこの世界のパンに見えるかも。
……さっきの会話からすると根っからのラトニー人じゃなさそうだから、このふたりは『解析』を持ってなかったりするのかなあ。
受付のスサナさんにお願いして、毒が入ってないって確認してもらおうか。
なんて思っていたら、
「いただきます」
マルコさんがエビアボカドサンドを手に取った。
「これ、エビですよね。僕、魚介類が好きなんですけど、王都にはあまり入って来ないんですよー。……うん、美味しい!」
「うわ……マルコ、こんな得体のしれないもん、よく食えるな」
ニコロ君は引いている。
「なにバカ言ってるんですか。こちらからお願いして作ってもらったんですよ。それに『索敵』を使えば、毒なんかないってすぐわかるでしょうに」
「あ、そっか」
『索敵』って門番のアレコスさんも言ってたヤツだよね。どんなのだろう?
「……わふう……」
「ラケルはあとで、ね?」
「わふ!」
ニコロ君がハンバーグサンドを手に取った。
「確かに毒じゃないみてーだから食ってみるけどよー……匂いはいいな。……ん! なんだ、この肉すげー柔らかい! 噛むと肉汁が出てくる!」
ニコロ君は初めて食べるらしい。
この世界にもハンバーグのような挽き肉料理はあるのだけれど、ラトニーではお肉をぶ厚く切って焼くステーキ形式のほうが一般的だった。
ぶつ切りにしてシチューに入れたりとか。
『黄金のケルベロス亭』の今朝の朝食がシチューで、すごく美味しかったな。
「えーウソーマジでうめー! ソースも甘くて……これ本当に魔石なんだよな?」
ハンバーグサンド(防御力上昇)のソースは、デミグラスと悩んだけれどケチャップにしてみました。
お肉料理は味付けで、攻撃力上昇と防御力上昇に別れる気がする。
「目の前で変成するところを見たじゃないですか、ニコロ」
「見たけど……って! マルコはそれ、もう食べただろ?」
ニコロ君が、二個目のエビアボカドサンドを掴んだマルコさんを咎める。
「なんのことです? サンドイッチには名前なんて書いていませんよ?」
「そういう問題じゃねーよ。一種類二個ずつあんだから……あー! 食ったー!」
「エビアボカドサンド、もう一個作りましょうか?」
「いいの?」
瞳を輝かせるニコロ君の頭を、マルコさんが軽く叩く。
「文句ばっかり言ってたくせに、調子に乗るんじゃありません」
「んなこと言いながら、俺の分のサンドイッチまで食ってんじゃねーよ」
「あ、大丈夫ですよ? 修行の一環で、下ごしらえが済んだ状態の魔石ならたくさんありますから。魚介類がお好きなら……焼きサバサンドとか白身魚のフライサンドとかも作れますよ?」
シオン君が、お肉とお魚の付与効果の違いを確認したがったから作ったんだよね。
焼きサバサンドは素早さ上昇、白身魚のフライサンドは集中力上昇の効果があります。
マルコさんがわたしを見つめる。
「それは魅力的ですが……こうして作ってもらったのにごめんなさい」
「え?」
雇ってもらえないんだろうか。
うーん。シオン君にがっかりされるのは怖いけど、知らない人達と八日間も過ごすのも怖かったし……複雑な気持ち。
シオン君とベルちゃんに見捨てられたりしちゃうのかなあ。……それは、やだなあ。
マルコさんが話を続ける。
「うちにはほかにも隊員がいます」
『アイテムボックス』を持ってるドワーフがいるって言ってたっけ。
ベルちゃんと似てるのかな。
「美味しそうなのでつい食べちゃいましたけど、本当は全隊員の前で力を見せてほしかったんです。これから『白銀のダークウルフ亭』へ移動してもう一度力を使ってもらってもかまいませんか?」
「は、はい! ご、ごめんなさい。先走って魔石ごはんを作っちゃって」
恥ずかしくて顔が熱い。
「美味しかったからいいですよ。焼きサバサンドと白身魚のフライサンドは『白銀のダークウルフ亭』で作ってくださいね」
「わかりました」
「では行きましょうか」
気が付くと、平皿の上からサンドイッチが消えていた。
六種類×ふたり分で十二個あったんだけど……ダンジョンアントの魔石製で小さいサイズだからすぐ食べちゃえるか。
「俺、さっきの柔らかい肉のヤツ、もっと食べたい!」
「ハンバーグサンドですね」
「……わふう……」
美味しそうに食べるふたりを見ていたら、ラケルもお腹が減ったようだ。
『浄化』した平皿を影に片付けてもらいながら、頭を撫でる。
「今は大事なお話してるから、ラケルのごはんは待ってね」
「わふ」
というか、まだお昼の時間でもないんだけどね。
──依頼の面接を受けてると思ったら、自分が先走っていただけで、面接会場にも着いていなかったみたいです。
ケルベロス様の注意は前世のことを考え過ぎないように、だったから大丈夫だよね。
シオン君はわたしの力がこの世界を救うとまで言ってくれた。
本来この世界の人間ではない異世界人のわたしなのに。
受け入れてもらえて嬉しかったから、彼が勧めてくれるものはなるべく受け取っていきたいと思うのだ。
それに、宿代や聖神殿が用意してくれたお金は受け取ってくれなかったふたりも港町のお土産だったら受け取ってくれると思う。
なにがいいかなー。……うん、食べ物一択だね。
心を決めたら、あとはマルコさん達に雇ってもらえるよう頑張らなきゃ。
「本来なら、ラケル君が『影運び』を使えるというだけで商人の護衛任務に引っ張りだこになるところですが、うちの隊には『アイテムボックス』持ちのドワーフもいますし、今回は葉菜花さんを食事係として雇いたいと思っています。けれど失礼ながらニコロが言った通り、魔石から食べ物を変成する錬金術なんて聞いたことがありません。スサナさんの保証を信じないわけではないですが、目の前で見せてもらってかまわないでしょうか」
マルコさんの言葉に頷く。
「はい! 数日かけて下ごしらえした魔石があります」
準備に時間がかかるという設定は忘れちゃいけない。
わたしは喫茶スペースのテーブルに平皿を出し、ダンジョンアントの魔石を載せる。
んー……男の人と男の子だから、お肉のほうが喜んでくれるかな。
おにぎりは馴染みがないよね。
──考えた末、
「できました!」
マルコさんとニコロ君は、お皿に並んだサンドイッチを前にぽかんとした顔をしている。
「……あ、ごめんなさい! ダンジョンアントの魔石はイヤでしたか?」
平皿はちゃんと『浄化』したよ?
「そういう問題じゃねーし」
変成中にボコボコ蠢いているのが気持ち悪かったのかな。
「ほ、本当に魔石から食べ物を作れるんですね。これは……食べてもいいんですか?」
「もちろんです! えっと……右からカツサンドとエビアボカドサンドと、唐揚げサンドとハンバーグサンドと、ローストビーフサンドと照り焼きチキンサンドになります」
各種二個ずつ作りました。
「サンドイッチなのか。こんな白くて柔らかそうなパン、初めて見た」
むー。この世界風のパンで作ったほうが良かったかな。
シオン君とベルちゃんに鍛えられたから、その程度の微調整ならお手のものです。
あのふたり以外の人だと、馴染みのない食材には抵抗がありそう。
ハンバーグサンドはパンがハンバーグに負けてるって言われたから、ハンバーガーも作ったんだよね。あれならバンズの色が濃いからこの世界のパンに見えるかも。
……さっきの会話からすると根っからのラトニー人じゃなさそうだから、このふたりは『解析』を持ってなかったりするのかなあ。
受付のスサナさんにお願いして、毒が入ってないって確認してもらおうか。
なんて思っていたら、
「いただきます」
マルコさんがエビアボカドサンドを手に取った。
「これ、エビですよね。僕、魚介類が好きなんですけど、王都にはあまり入って来ないんですよー。……うん、美味しい!」
「うわ……マルコ、こんな得体のしれないもん、よく食えるな」
ニコロ君は引いている。
「なにバカ言ってるんですか。こちらからお願いして作ってもらったんですよ。それに『索敵』を使えば、毒なんかないってすぐわかるでしょうに」
「あ、そっか」
『索敵』って門番のアレコスさんも言ってたヤツだよね。どんなのだろう?
「……わふう……」
「ラケルはあとで、ね?」
「わふ!」
ニコロ君がハンバーグサンドを手に取った。
「確かに毒じゃないみてーだから食ってみるけどよー……匂いはいいな。……ん! なんだ、この肉すげー柔らかい! 噛むと肉汁が出てくる!」
ニコロ君は初めて食べるらしい。
この世界にもハンバーグのような挽き肉料理はあるのだけれど、ラトニーではお肉をぶ厚く切って焼くステーキ形式のほうが一般的だった。
ぶつ切りにしてシチューに入れたりとか。
『黄金のケルベロス亭』の今朝の朝食がシチューで、すごく美味しかったな。
「えーウソーマジでうめー! ソースも甘くて……これ本当に魔石なんだよな?」
ハンバーグサンド(防御力上昇)のソースは、デミグラスと悩んだけれどケチャップにしてみました。
お肉料理は味付けで、攻撃力上昇と防御力上昇に別れる気がする。
「目の前で変成するところを見たじゃないですか、ニコロ」
「見たけど……って! マルコはそれ、もう食べただろ?」
ニコロ君が、二個目のエビアボカドサンドを掴んだマルコさんを咎める。
「なんのことです? サンドイッチには名前なんて書いていませんよ?」
「そういう問題じゃねーよ。一種類二個ずつあんだから……あー! 食ったー!」
「エビアボカドサンド、もう一個作りましょうか?」
「いいの?」
瞳を輝かせるニコロ君の頭を、マルコさんが軽く叩く。
「文句ばっかり言ってたくせに、調子に乗るんじゃありません」
「んなこと言いながら、俺の分のサンドイッチまで食ってんじゃねーよ」
「あ、大丈夫ですよ? 修行の一環で、下ごしらえが済んだ状態の魔石ならたくさんありますから。魚介類がお好きなら……焼きサバサンドとか白身魚のフライサンドとかも作れますよ?」
シオン君が、お肉とお魚の付与効果の違いを確認したがったから作ったんだよね。
焼きサバサンドは素早さ上昇、白身魚のフライサンドは集中力上昇の効果があります。
マルコさんがわたしを見つめる。
「それは魅力的ですが……こうして作ってもらったのにごめんなさい」
「え?」
雇ってもらえないんだろうか。
うーん。シオン君にがっかりされるのは怖いけど、知らない人達と八日間も過ごすのも怖かったし……複雑な気持ち。
シオン君とベルちゃんに見捨てられたりしちゃうのかなあ。……それは、やだなあ。
マルコさんが話を続ける。
「うちにはほかにも隊員がいます」
『アイテムボックス』を持ってるドワーフがいるって言ってたっけ。
ベルちゃんと似てるのかな。
「美味しそうなのでつい食べちゃいましたけど、本当は全隊員の前で力を見せてほしかったんです。これから『白銀のダークウルフ亭』へ移動してもう一度力を使ってもらってもかまいませんか?」
「は、はい! ご、ごめんなさい。先走って魔石ごはんを作っちゃって」
恥ずかしくて顔が熱い。
「美味しかったからいいですよ。焼きサバサンドと白身魚のフライサンドは『白銀のダークウルフ亭』で作ってくださいね」
「わかりました」
「では行きましょうか」
気が付くと、平皿の上からサンドイッチが消えていた。
六種類×ふたり分で十二個あったんだけど……ダンジョンアントの魔石製で小さいサイズだからすぐ食べちゃえるか。
「俺、さっきの柔らかい肉のヤツ、もっと食べたい!」
「ハンバーグサンドですね」
「……わふう……」
美味しそうに食べるふたりを見ていたら、ラケルもお腹が減ったようだ。
『浄化』した平皿を影に片付けてもらいながら、頭を撫でる。
「今は大事なお話してるから、ラケルのごはんは待ってね」
「わふ」
というか、まだお昼の時間でもないんだけどね。
──依頼の面接を受けてると思ったら、自分が先走っていただけで、面接会場にも着いていなかったみたいです。
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