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1.不穏な星のプロローグ

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城の正面扉が開かれた音がした。

先程の戦いから然程さほど時間は経っていない。
しかし、プレイヤーが立て続けに訪れることは特段とくだん珍しいことではなかった。

人形をしていた彼女の顔は、感情を取り戻したようにわずかにゆがむ。

彼女の心臓は三度大きく高鳴り、ひたいには冷や汗が伝う。

彼女はゆっくりと息を吐き、恐怖する自分を落ち着かせながらプレイヤーの訪れを待った──。



「だれかあああああああああ!!!!いませんかああああああああああ!!!!」



いくばくもない時間が経過した後、突然、城館中に何者かの叫び声が響き渡った。

城館中に響き渡る甲高かんだかくけたたましい叫び声に、彼女は顔をしかめる。

「うるさいっ……」

叫び声の主は、やれ「ドアを開けて!」だの、やれ「電気をつけて!」などと叫んでおり、しまいには「おばけなんてなーいさ!」なんて歌い出した始末である。

しばらくの間辛抱しんぼうしていた彼女であったが、いつまで経っても収まりそうにない叫び声に我慢ならなくなった。

彼女は勢いよく立ち上がり、ドスドスと足音を立てて怒った様子で歩みを進める。

そうして勢いよく扉を開いて部屋を出ると、大階段のヘリに立って、この城の玄関口である大広間を見下ろした。

すると、正面扉の前に驚いた様子で彼女のことを見上げるプレイヤーの姿があった。

彼女は呆気にとられた。

そのプレイヤーは、彼女の知るプレイヤーとはあまりにもかけ離れた外見をしていたからだ。

彼女の知るプレイヤーとは違う、あまりにも異質なその身体的特徴から、彼女は思わずといったように率直そっちょくな感想をつぶやいてしまった。


「ちっさ……」
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