勇者は夢見て強くなる

影狼

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15話 数ヶ月後の惨劇

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 委員長が来て数ヶ月が経った、あれから俺は色々な魔法も覚え、剣術もクレアに本気を出させるまで使えるようになった。
最初の頃は魔力切れですぐぶっ倒れたりしたし、剣の打ち合いで吹っ飛ばされて大ケガもしたりした。委員長はと言うと...
クレア曰く、「絶大な光魔法の適正者だった」とか何とか。レベルは全く上がってはないが、俺も委員長も確実に力はついているのは確かだ。昨日の飯時にクレアは俺たちにこう言った。

「やっと基礎と技術と体と魔力ができるようになったね、明日から二人にわたしの使える最大規模の魔法と技を教えるわよ?」と笑っていた。
ちなみに、封印の解除はまだ出来ていない。
まだ力が足りないって言うのか....そう思いながら俺は眠りに落ちた。

次の日

外が騒がしい....祭り事でもある日なのか...?
俺は寝起きで意識がまだ覚醒しきっていないがかすかに聞き取ることができた事がある。
〈...人間..!!女子供は...!!!力がある..は...え!!〉

「....やけに大きな声だな...」

〈村長!!大丈夫ですか!?村長!?村長ッ!!!〉
と悲痛な声が響く。その声で俺の脳が覚醒した。
「ッ!な、何かあったってのか!?」
俺は夢幻ノ刀を取り出して外へ出る。
外は暑く、焦げ臭い匂いが立ち込めていた。
少ししてクレアと委員長が出て来た。
「な、何の騒ぎ!?」と混乱している委員長にクレアは苦虫を噛み潰したような顔をして
「シオンの兵が攻めて来たッ...」と答えた。
「とりあえず村に!」
「そうしましょうッ」と言って村へと向かう。そこで目にしたのは同じクラスにいた女子に向かって剣を振りかぶる村人モンスターだった。
〈ウァァァァッ!(ドスッ)グフゥ!...〉ドシャッ
「我らが王国に勝利をッ!!」
「ウオォォォォォォッ!!!!」と空気を揺らす程の声が聞こえた。

突然後ろから空気が凍りつくような殺意が放たれた。間違いなくクレアの殺気だった。
「よくも.......よくもぉぉおおぉおッ!」
クレアは涙を流しながら魔法陣を展開し、村人たちを殺している人間に向かって放った。

ドォォォォォォンッ!!!

とてつもない爆音が響く。
土煙がが上がり侵入者達が見えなくなった。

「っはぁ、はぁ、はぁ....」荒い息を吐くクレア。
「大丈夫!?クレアさん!?」と委員長が言ったその時、
「おやおやまぁまぁ...誰かと思えばじゃない」と土煙の中から声がする。

土煙が収まった場所に全員無傷でこちらに武器を向けている侵入者達の姿があった。
「いい魔法だったけど残念でしたぁ~、私たちには魔法は効かないんですよ~」と嘲笑うように話す女子。その首には首輪?らしきものが付いている。周りにいる人たちもそうだ。
「な、何しに来たんだ、お前ら」と聞くと侵入者達はゲラゲラと笑い始めた。その中の一人が
「何しに来た?至極簡単な事。レベリングだよぉ、雑魚を蹴散らして強くなるんだよぉはっはっはっはっ!」と言ってきた。

俺は剣を抜き、構える。そして委員長に向かって「下がっていてくれ、委員長、クレアも。」と言って敵へと突っ込んで行く。
リーダーだと思える女を狙って切り込もうとするが、傍にいた男が鍔迫り合いになった。
「単独で来るとか馬鹿としか言いようがねぇ馬鹿だなぁ!オイ!」と言って押し返される。
「チッ...」と舌打ちをした後に剣を男の足元に投げる。
ドスっ
「何やってんだおまえ、武器を投げるとか、諦めたのか?」と煽って来るが気にしない。

俺は刺した剣へと高速移動して男の胸当てを切る。
「んなっ!?」と驚いている。
「油断大敵って言葉があっただろうが」と言って男の首を.....切り落とした。
〈レベルが上がりました〉と頭の中でなったが無視をする。
次を斬りかかろうとした時...
ボゴンッ!と脇腹に中級魔法の火炎玉を食らってしまった。
「ゴフッ」ドシャァァァァッ
俺はクレアたちの方へと吹き飛ばされてしまった。
委員長は「あ、あぁ....結城くん....」と今にも泣きそうだ。
クレアは....いきなり俺たちをかばうように立ち詠唱を唱え始めた。
《我、求む、古より伝わりし永遠なる力を、
我、望む、絶対にして強大なる力を、
我、望む、善を滅する悪なる者を屠る力を、
我、望む、弱気を護る善なる力を、
我、望む、この身果てて尚護る大いなる力を!!!》
第15位界魔法
聖処女の加護ジャンヌ・オブ・ディバインプロセクション

クレアを光が包み込む。そして振り返って俺と委員長の頭に触れると光が俺たちに移り消えた。そしてクレアはニコリと笑った。
「あなた達はここから離れなさい。〈転移魔法起動〉....もうここは...堕とされた...なら最後に...希望を....」と言った時、〈ゴプッ〉とクレアの口から血が流れ出す。
「ッ!?」
「く、クレアさん!!」
よく見るとクレアの右胸に赤黒い槍が突き刺さむていた。
「く、クレア....俺、」
「良いよ。何も言わなくて...さっきの魔法は...貴方達を追わせないための魔力痕跡の隠蔽化の魔法...ゴホッ」
クレアが喋るたびに血がとめどなく溢れる。
「クレア!それ以上喋るな!!」
「この槍は...どうせ助からない槍だから」
と言って槍を見る。
侵入者が笑いながら
「よく知ってるねぇ~その槍は刺した相手を確実に殺す槍、神槍・グングニル。元々はここのボスモンスターをるために取っておいたんだけどねぇ~面倒くさいから使っちゃった」とヘラヘラしている。
「そんなことって...」
「.....嘘だ...」
「嘘じゃないよ」
「......」
「庇って正解だった....ゴホッ!」クレアが咳き込むととてつもない量の血が地面へと溢れた。
「楽しかった」とクレアが言って微笑んだ。
そして....微笑んだままクレアの瞳から光が消えたのだ。
「発動〈転移魔法〉」ドシュッ!...
「クレアぁぁぁぁぁぁぁぁぁああッ!!!」
「クレアさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁんッ!!」

侵入者達が目に光が宿っていないクレアにトドメを刺す瞬間を目撃したのだ。薄れゆく意識の中で.....
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みんなの感想(1件)

松ノ字
2018.07.17 松ノ字

第2話の、私もついて行ってもいいでしょうかの所が何故か改行になっています。
話の展開は好きなんですが、自分は読みにくく感じて、あまり頭に入ってこないです。はい。
それと、主人公の限界を書くのはどうでしょうか?(速読したので載せていたらすいません。)ですが、限界が分かっていると「お、主人公頑張ってるな!」ってなりませんかね?どこぞのフルカウル使ったときの主人公みたいに。
頑張って続き出してください!長文失礼しました!!

解除

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