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【15】これだからメリケン人は!とその時のヒマリは思ったのであった
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異世界軍の勝利を、というよりはみんなの無事を見て飛び上がって喜ぶヒマリを横目に、中佐は表情も変えない。
「まあ、初戦だからな。こんなもんだろう。
これで敵も指揮官が変わった―あいつらを知ってる側が来た事を理解した。
要するに次が本番だな」
「それもそうか」
「戦争ってのはな、ヒマリ。
結局相手に何もさせない事が理想だ。
その為には相手の能力、数、時を知り、もちろん自分側の能力こそ熟知してそれを最適の場所にぶつける。
孫氏だよ、ジャパニーズ」
「「「「U!S!A!!!U!S!A!!!」」」」
「……え??」
中佐が言い終えるタイミングを計ったかのようだった。
砦の中でも外からも、全てで勝鬨が巻き起こる。
鳴りやまない勝利の雄たけびが高らかに響いた。
「「「「U!S!A!!!U!S!A!!!」」」」
砦をゆさぶるかのような、全部族の、全戦士の声を合わせた大合唱。
その大合唱を受けて腕を組み満面の笑みの中佐と、茫然と立ち尽くすヒマリ。
「…何これ、ウソでしょ?」
「あとはな、ヒマリ。士気だ。
異なる部族を一つの軍団とするために一体感を上げることだ。同じ方向を向かせることだ。
わかったか、これが世界最強の移民国家USA式だ」
「え?どうしました、ヒマリさん」
ぽかんと口を開けているヒマリに、ヴァンデルベルトが声をかけた。
「…中佐がやらかしてくれたの?これ」
「ええ、そちらの世界での勝鬨は全部これだって言ってましたよ、中佐は」
と、ヴァンデルベルトが怪訝な顔で答える。
「うわあ!中佐あ!!あんた何やってんの!!異世界情緒カケラもないじゃんか!
―HAHAHAじゃねえよ!」
「うるせえぞ、ジャパニーズ」
「何にせよ、大勝利だ」
二人のやり取りを置いて、あらためてヴァンデルベルトは笑顔で声を強めた。
「しかも…最高ですよ!特別じゃない、どの国にもある兵力のみで倒せた…!」
「ああ、そこが一番大事だからな」
「まったくです!他の軍勢、他国に共有できますからね。
かまいませんか?中佐」
「無論だ。すぐにも共有しといてくれ。
そもそもあんたらはヤツらを知らなかっただけだ。
いずれ似た作戦を練られただろうさ」
「かもしれません、が、その作戦立案のための経験を積む間に滅んだでしょう。
それに別種族を分け隔てなく指揮するのは我々こちらの世界の誰にも難しかったでしょう」
「―そうだ。
そのためにも勝鬨も一緒に共有させる事が絶対条件だ。
U・S・Aだぞ、U・S・A」
「え?ああ、構いませんが…
ソレそんなに重要なんですか?術式詠唱のように効力があるんですか?」
「ある」
「無いよ」
「ある」
「無いってば」
堂々と効力を宣言する中佐と呆れ顔でつっこむヒマリの顔を見比べて、苦笑いをする騎士。
「まあ、なんでもいいですよ。
この結果をまとめて至急王都と同盟国に伝達をするように。大至急です」
他の騎士や従者に指示を出しながら、忙しそうにヴァンデルベルトは本陣を降りていく。
「やっぱりヴァンデルベルトさん、責任者って大変だなぁ。休まる暇もないよ」
「はは、そりゃあそうだ」
「それにしても、この戦争はやっぱり異世界対宇宙人なんだ。
ボクら地球組も手伝ったかもしれないけど、彼らの戦争だ」
「当たり前だろ?
大事な事だ。覚えておけよジャパニーズ。
日本に何かあったら俺たちステイツは最高の同盟軍として戦いを手伝ってやるさ。
だが、戦うのはあくまでお前たち自身だ。よく判っただろう」
「あーー、聞きたくないぃ、生々しい話やめてよ!もう。
―じゃあボクも行くよ、ヘルガオルガたちが気になるから」
「わかった。
あ、おいヒマリ、お前の友達連中にもちゃんと言うように伝えろよ。わかってるな?」
「わかんないよ」
「USAだ馬鹿野郎」
「わかんねえっつってんだよ!!
…中佐さーー、あんた本気でこっちに領土作る気じゃないよね?星条旗とか発注してないよね?」
「お、いいなそれ」
「やめてよねマジで!」
笑う中佐に怒鳴るヒマリ。
それは年頃の娘が授業参観に行くと言い出した父親へ言う「来ないでよね!絶対!」と全く同じ口調だった。
そうして去ろうとするヒマリと入れ替わりでオーク師団長が入ってきた。
「おう、異世界の娘、やったぞ!」
「エウゲニイさん!大活躍だったじゃん!いえー」
頼りになるオーク師団の将軍に、ヒマリはすれ違いざまに親指を立ててニカっと笑ってみせた。
「…なんだ?親指がどうした?」
「え?ここサムザップないの?
ほら、こう」
ヒマリがオークの手をつかんでぐいぐいと無理やり親指を立てる事を強制する。
「なんだこりゃ」
「相手がグッジョブな時にこれを力強く突き出すんだよ。
ねえ、中佐」
「HAHAHA!そうだ、その通りだ」
「ほら、気持ち良さそうでしょ?使ってこうよ、サムザップ!」
そう言ってヒマリは両手サムザップをオーク師団の団長に突き出し、ウインクする。
完全に毒気を抜かれ、エウゲニイはぽかんと口を開くだけだった。
「まあ、気が向いたらやってやるよ」
苦笑いするオークを、言ったからね、という顔で指さしながら去っていくヒマリ。
「あの子にはあんたでさえ形無しだな」
戦闘を終えた緊張感のほぐれもあったのだろう。中佐も含み笑いで肩をゆすった。
「―なあ異世界人。
あんたらの世界にはオークは居ないらしいな」
「ああ、ヒューマンだけだ」
「じゃあ人種間の争いがないのか」
「……ある。
残念ながらある。
俺の国でも差別はまだ消えていない。
こればかりは無くせないのかもしれんな」
「そんなもんか……。
中佐。
今更なんだが、あんたは、俺たちオークが嫌じゃないのか?」
「嫌も何も…。
―そうだな。正直あんたら全員がうちの軍に来てくれたらたまらんなぁ、と思ってる。
全員が2メートルを超えるマッチョ、速筋と遅筋のバランス、戦いのカンどころ。何よりもその勇猛さ。
全員US式で鍛えてうちの装備をさせたら間違いなく最強の海兵隊が作れるな。
海軍でじゃない。海兵隊で最強のチームだ」
「海兵隊というのは強い騎士団なのか?」
「ああ、俺たちの惑星で最強の騎士団だ」
「ほお。いいな。いつか行ってみたいな、異世界」
「来い来い。IPAを奢ってやる。最高の酒だぞ」
そこでふと、中佐の脳にさっきのヒマリの言葉がよぎる。
―別ルーツの生物。
今回のエイリアンは、中佐が動画で見た前回のエイリアンとは全く違っていたのは間違いない。
倒したスーツから液体が漏れたという報告も届いている。魚類のように水棲生物なのか、大気圧の違いから圧力調整のための液体なのか。
この異世界にも亜人は大勢いる。
ドワーフ、エルフ、オーク、ノーム、獣人、鳥人、ゴブリン、コボルド…。しかしそのほとんどは混血すら生まれるほどの同種同根の生物だ。
地球の哺乳類は全て二本の腕、足、両の目、肺呼吸、脊椎、頭部に脳、と、はっきり言って同じ脊椎動物としての形状がある。さかのぼれば全て爬虫類、両生類、魚類とたどり着く。
ヒマリの言っていたルーツの話ぐらいは中佐でも知っている。思い出せる。
もし、完全に別のルーツの生物だとしたら―
ジャンジャンジャンとけたたましい鐘の音が中佐の思考を遮る。
「中佐!!上空です!西側上空、1200ヤードに単騎現れました!
―大型UFOです!」
「何?さっきの戦いの後で?指揮官は正気か?出すならなぜ連携で来ない。とはいえもう直上か…マズいな」
言葉とは裏腹に中佐は複数の魔導水晶に向かって次々と指示を出す。
急襲された際の作戦も当然準備はしていたし、最低限の訓練・伝達も済ませてあった。
「バリスタ、カタパルト至急準備させろ、動きに合わせて…」
「中佐、UFOの下部開きます!」
「こんな近くでか」
三機目の大型UFOの底には、他の戦闘機UFOがセットされていない。本当に単騎で来たらしい。
それでも強敵であり、少しでも作戦を間違えれば砦はあっさりと壊滅してしまうだろう。
中佐が双眼鏡で見守る中、開かれた大型の下部ハッチから、重力波により剣がぶら下がる。
全長7~8メートルほどの分厚い剣がぶら下がる。
砦の異世界軍がどよめく中、その剣のようなUFOはそれ自体が兵器のように射出された。
やはり音もなく、摩擦を感じさせない不思議な飛行で砦へと直進した。
胸壁を掠め飛び、砦に何もさせる暇もなくそのまままっすぐ地面へと突き刺さり、爆炎を上げた。
「何?UFOじゃないのか?それともカミカゼか?」
しかしそのソード型UFOが刺さった場所は、撃墜された大型UFO二隻の中央だった。
明らかに偶然ではない。
「中佐、どちらを攻撃しますか?!」
「むろん大型だ、バリアーを貼る前に攻撃したいが…」
ソード型UFOが刺さり、今も爆炎を挙げているがそこはヒマリを含め地上部隊の多くが集まる場所。
明らかに目的を感じながらも、中佐は空を見上げる。
まだ高い、こちらの攻撃は届かない。
「地上に落ちた剣を攻撃しますか?!」
「いや待て、大型に絞ったままで待機だ、あの剣の動き次第で大型も降りてくるはずだ」
半分は中佐の予想通りであり、しかし宇宙人側は変わらず油断はしていない。
高度を維持しつつ水平移動で、まるで届かない事をしりあざ笑うかのように、ソード型UFOの上空へと移動した。
「重力波来ます!」
「敵UFOはこちらの重力魔法の射程圏外です!!」
「シット!」
大型は兵士の多い場所や地上にしつらえたカタパルトを吸い上げる。
その移動の緩慢さと高度から、兵士ら自体のほとんどが逃げ回れているが、吸い上げた瓦礫やカタパルト、兵士を降らせるシンプルな攻撃は一方的だった。
「まあ、初戦だからな。こんなもんだろう。
これで敵も指揮官が変わった―あいつらを知ってる側が来た事を理解した。
要するに次が本番だな」
「それもそうか」
「戦争ってのはな、ヒマリ。
結局相手に何もさせない事が理想だ。
その為には相手の能力、数、時を知り、もちろん自分側の能力こそ熟知してそれを最適の場所にぶつける。
孫氏だよ、ジャパニーズ」
「「「「U!S!A!!!U!S!A!!!」」」」
「……え??」
中佐が言い終えるタイミングを計ったかのようだった。
砦の中でも外からも、全てで勝鬨が巻き起こる。
鳴りやまない勝利の雄たけびが高らかに響いた。
「「「「U!S!A!!!U!S!A!!!」」」」
砦をゆさぶるかのような、全部族の、全戦士の声を合わせた大合唱。
その大合唱を受けて腕を組み満面の笑みの中佐と、茫然と立ち尽くすヒマリ。
「…何これ、ウソでしょ?」
「あとはな、ヒマリ。士気だ。
異なる部族を一つの軍団とするために一体感を上げることだ。同じ方向を向かせることだ。
わかったか、これが世界最強の移民国家USA式だ」
「え?どうしました、ヒマリさん」
ぽかんと口を開けているヒマリに、ヴァンデルベルトが声をかけた。
「…中佐がやらかしてくれたの?これ」
「ええ、そちらの世界での勝鬨は全部これだって言ってましたよ、中佐は」
と、ヴァンデルベルトが怪訝な顔で答える。
「うわあ!中佐あ!!あんた何やってんの!!異世界情緒カケラもないじゃんか!
―HAHAHAじゃねえよ!」
「うるせえぞ、ジャパニーズ」
「何にせよ、大勝利だ」
二人のやり取りを置いて、あらためてヴァンデルベルトは笑顔で声を強めた。
「しかも…最高ですよ!特別じゃない、どの国にもある兵力のみで倒せた…!」
「ああ、そこが一番大事だからな」
「まったくです!他の軍勢、他国に共有できますからね。
かまいませんか?中佐」
「無論だ。すぐにも共有しといてくれ。
そもそもあんたらはヤツらを知らなかっただけだ。
いずれ似た作戦を練られただろうさ」
「かもしれません、が、その作戦立案のための経験を積む間に滅んだでしょう。
それに別種族を分け隔てなく指揮するのは我々こちらの世界の誰にも難しかったでしょう」
「―そうだ。
そのためにも勝鬨も一緒に共有させる事が絶対条件だ。
U・S・Aだぞ、U・S・A」
「え?ああ、構いませんが…
ソレそんなに重要なんですか?術式詠唱のように効力があるんですか?」
「ある」
「無いよ」
「ある」
「無いってば」
堂々と効力を宣言する中佐と呆れ顔でつっこむヒマリの顔を見比べて、苦笑いをする騎士。
「まあ、なんでもいいですよ。
この結果をまとめて至急王都と同盟国に伝達をするように。大至急です」
他の騎士や従者に指示を出しながら、忙しそうにヴァンデルベルトは本陣を降りていく。
「やっぱりヴァンデルベルトさん、責任者って大変だなぁ。休まる暇もないよ」
「はは、そりゃあそうだ」
「それにしても、この戦争はやっぱり異世界対宇宙人なんだ。
ボクら地球組も手伝ったかもしれないけど、彼らの戦争だ」
「当たり前だろ?
大事な事だ。覚えておけよジャパニーズ。
日本に何かあったら俺たちステイツは最高の同盟軍として戦いを手伝ってやるさ。
だが、戦うのはあくまでお前たち自身だ。よく判っただろう」
「あーー、聞きたくないぃ、生々しい話やめてよ!もう。
―じゃあボクも行くよ、ヘルガオルガたちが気になるから」
「わかった。
あ、おいヒマリ、お前の友達連中にもちゃんと言うように伝えろよ。わかってるな?」
「わかんないよ」
「USAだ馬鹿野郎」
「わかんねえっつってんだよ!!
…中佐さーー、あんた本気でこっちに領土作る気じゃないよね?星条旗とか発注してないよね?」
「お、いいなそれ」
「やめてよねマジで!」
笑う中佐に怒鳴るヒマリ。
それは年頃の娘が授業参観に行くと言い出した父親へ言う「来ないでよね!絶対!」と全く同じ口調だった。
そうして去ろうとするヒマリと入れ替わりでオーク師団長が入ってきた。
「おう、異世界の娘、やったぞ!」
「エウゲニイさん!大活躍だったじゃん!いえー」
頼りになるオーク師団の将軍に、ヒマリはすれ違いざまに親指を立ててニカっと笑ってみせた。
「…なんだ?親指がどうした?」
「え?ここサムザップないの?
ほら、こう」
ヒマリがオークの手をつかんでぐいぐいと無理やり親指を立てる事を強制する。
「なんだこりゃ」
「相手がグッジョブな時にこれを力強く突き出すんだよ。
ねえ、中佐」
「HAHAHA!そうだ、その通りだ」
「ほら、気持ち良さそうでしょ?使ってこうよ、サムザップ!」
そう言ってヒマリは両手サムザップをオーク師団の団長に突き出し、ウインクする。
完全に毒気を抜かれ、エウゲニイはぽかんと口を開くだけだった。
「まあ、気が向いたらやってやるよ」
苦笑いするオークを、言ったからね、という顔で指さしながら去っていくヒマリ。
「あの子にはあんたでさえ形無しだな」
戦闘を終えた緊張感のほぐれもあったのだろう。中佐も含み笑いで肩をゆすった。
「―なあ異世界人。
あんたらの世界にはオークは居ないらしいな」
「ああ、ヒューマンだけだ」
「じゃあ人種間の争いがないのか」
「……ある。
残念ながらある。
俺の国でも差別はまだ消えていない。
こればかりは無くせないのかもしれんな」
「そんなもんか……。
中佐。
今更なんだが、あんたは、俺たちオークが嫌じゃないのか?」
「嫌も何も…。
―そうだな。正直あんたら全員がうちの軍に来てくれたらたまらんなぁ、と思ってる。
全員が2メートルを超えるマッチョ、速筋と遅筋のバランス、戦いのカンどころ。何よりもその勇猛さ。
全員US式で鍛えてうちの装備をさせたら間違いなく最強の海兵隊が作れるな。
海軍でじゃない。海兵隊で最強のチームだ」
「海兵隊というのは強い騎士団なのか?」
「ああ、俺たちの惑星で最強の騎士団だ」
「ほお。いいな。いつか行ってみたいな、異世界」
「来い来い。IPAを奢ってやる。最高の酒だぞ」
そこでふと、中佐の脳にさっきのヒマリの言葉がよぎる。
―別ルーツの生物。
今回のエイリアンは、中佐が動画で見た前回のエイリアンとは全く違っていたのは間違いない。
倒したスーツから液体が漏れたという報告も届いている。魚類のように水棲生物なのか、大気圧の違いから圧力調整のための液体なのか。
この異世界にも亜人は大勢いる。
ドワーフ、エルフ、オーク、ノーム、獣人、鳥人、ゴブリン、コボルド…。しかしそのほとんどは混血すら生まれるほどの同種同根の生物だ。
地球の哺乳類は全て二本の腕、足、両の目、肺呼吸、脊椎、頭部に脳、と、はっきり言って同じ脊椎動物としての形状がある。さかのぼれば全て爬虫類、両生類、魚類とたどり着く。
ヒマリの言っていたルーツの話ぐらいは中佐でも知っている。思い出せる。
もし、完全に別のルーツの生物だとしたら―
ジャンジャンジャンとけたたましい鐘の音が中佐の思考を遮る。
「中佐!!上空です!西側上空、1200ヤードに単騎現れました!
―大型UFOです!」
「何?さっきの戦いの後で?指揮官は正気か?出すならなぜ連携で来ない。とはいえもう直上か…マズいな」
言葉とは裏腹に中佐は複数の魔導水晶に向かって次々と指示を出す。
急襲された際の作戦も当然準備はしていたし、最低限の訓練・伝達も済ませてあった。
「バリスタ、カタパルト至急準備させろ、動きに合わせて…」
「中佐、UFOの下部開きます!」
「こんな近くでか」
三機目の大型UFOの底には、他の戦闘機UFOがセットされていない。本当に単騎で来たらしい。
それでも強敵であり、少しでも作戦を間違えれば砦はあっさりと壊滅してしまうだろう。
中佐が双眼鏡で見守る中、開かれた大型の下部ハッチから、重力波により剣がぶら下がる。
全長7~8メートルほどの分厚い剣がぶら下がる。
砦の異世界軍がどよめく中、その剣のようなUFOはそれ自体が兵器のように射出された。
やはり音もなく、摩擦を感じさせない不思議な飛行で砦へと直進した。
胸壁を掠め飛び、砦に何もさせる暇もなくそのまままっすぐ地面へと突き刺さり、爆炎を上げた。
「何?UFOじゃないのか?それともカミカゼか?」
しかしそのソード型UFOが刺さった場所は、撃墜された大型UFO二隻の中央だった。
明らかに偶然ではない。
「中佐、どちらを攻撃しますか?!」
「むろん大型だ、バリアーを貼る前に攻撃したいが…」
ソード型UFOが刺さり、今も爆炎を挙げているがそこはヒマリを含め地上部隊の多くが集まる場所。
明らかに目的を感じながらも、中佐は空を見上げる。
まだ高い、こちらの攻撃は届かない。
「地上に落ちた剣を攻撃しますか?!」
「いや待て、大型に絞ったままで待機だ、あの剣の動き次第で大型も降りてくるはずだ」
半分は中佐の予想通りであり、しかし宇宙人側は変わらず油断はしていない。
高度を維持しつつ水平移動で、まるで届かない事をしりあざ笑うかのように、ソード型UFOの上空へと移動した。
「重力波来ます!」
「敵UFOはこちらの重力魔法の射程圏外です!!」
「シット!」
大型は兵士の多い場所や地上にしつらえたカタパルトを吸い上げる。
その移動の緩慢さと高度から、兵士ら自体のほとんどが逃げ回れているが、吸い上げた瓦礫やカタパルト、兵士を降らせるシンプルな攻撃は一方的だった。
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