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V.I.Pにご用心
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Ⅱ
本宅のリムジンに送られ、京都駅から新幹線で東京に戻ると、夕暮れの迫る街は、降りだした雨に濡れていた。
由樹彦は少し考えたあとで、携帯電話を取り出し、リダイヤルを押した。
短い呼び出しで、すぐに相手が出た。その迅速な対応に苦笑しながら、彼は口を開いた。
「僕です。今、東京駅なんですが、迎えに来てもらえませんか?」
『まあ…! 今日はもう、てっきりあちらにお泊りになるものと思ってましたのに』
「とりあえず義理は果たしましたし、兄たちの不景気な顔を見ているのも退屈なので戻ってきました。でも、着いたら雨が降ってて…忙しかったら別にいいんですけど。車、拾いますから」
口を噤むと、相手の声が少しだけ間を置いて返ってきた。
『そこでお待ちいただけます? すぐお迎えにあがりますわ』
「ありがとう」
電話越しに聞こえる耳障りのしないその声に、由樹彦はそっと目を細めた。
受話器を置くと、彼女はマニキュアを施した指を絡め、上目遣いに向かいのソファに身を沈めている人物を見やった。
「そういうわけなので…」
「―――無粋なヤツだな」
よく通る、渋い美声が溜め息のようにこぼれた。
「我儘な御曹司の都合に合わせてやることはないんじゃないか? もっとも、そうまでして尽くす価値があるというなら別だが」
その問いに、彼女はルージュできれいに縁取った唇をほころばせ、美しく微笑んだ。
「あの方は、私にとって失いたくない、大切な方ですわ」
「…意味深なせりふだな」
骨に直接響くような声に聞き惚れながら、彼女はソファの人物を見返した。
「あの方は、私にとって理想的な上司です。私の能力を正当に評価してくださり、最適な職場を提供してくださいます。安易な妥協こそなさいませんが、私の力量以上のことも、それ以下のことも、決してお求めになりません。その分、仕事には大変シビアな方ですけれど」
「最高のビジネスパートナーってわけか」
返事の代わりに彼女は黙って目を伏せた。
相手は溜め息混じりにソファから立ち上がり、戸口に足を向けながら低く言った。
「プライベートの貴重な時間を割いたうえに精神的な犠牲を払うんだ。それなりの見返りを貰ってもバチは当たらないと思うが?」
壁を背に煙草に火をつけ、紫煙を燻らせるその表情は狡猾だった。
「そうですわね。でしたら、私も相応の犠牲を払わなくてはなりませんわね」
一瞬思案した彼女は、やがて嫣然と笑みを湛え、相手に歩み寄った。そして、彼が指に挟んでいる煙草を取り上げると、背の高い相手に爪先立ちで身を寄せ、囁いた。
「あなたに…差し上げたいものがありますの」
それを聞いた相手が当然のように腰に手を回してくる。彼女は、その耳元に甘い声で言った。
「あの方を迎えに行ってくださる?」
「―――⁉」
虚を突かれた彼が眉を寄せると、彼女は再び美しく微笑んだ。
「大切なあの方のお迎えを譲って差し上げるんですもの、これでおあいこですわね」
極上の微笑みに相手が怯んだ隙に、彼女はするりと身を躱した。
「あの方がこの雨に濡れずにお戻りになったら、私の週末のスケジュールをお教えしてもかまいませんわ。ですから、ディナーのお誘いは、また改めて」
彼女はにっこりと、手にした煙草を灰皿に押しつけた。
実に巧妙な取り引きだった。
まんまと手玉に取られた相手は憮然とした態度で腕組みをしたが、結局無言でその場を離れるしかなかった。
雨脚の遅い空をぼんやりと眺めていた由樹彦の目の前に、シールドグラスのベンツが滑るようにやってきたのは、それからまもなくのことだった。
「お迎えだぞ、御曹司」
「鏑木さん…どうしてあなたが?」
驚いたように目を見張った彼に、中の男は迷惑そうに顔をしかめて顎をしゃくった。
「美人秘書に頼まれてな。―――週末の予定を教えるから、キャビアとドン・ペリを買いにいくついでに、東京駅までおまえを迎えに行ってくれと」
「京極さんを口説いてたんですか」
「おまえが野暮な電話をよこすからだ。―――だいたい、運転手は契約外だ。美人秘書にはたっぷりサービスしてもらうからな」
車に乗り込んだ由樹彦は、露骨に不機嫌な出迎えに思わず吹き出した。
「鏑木さん、それ…僕にツケておいてくれませんか。特別手当を出しますから」
運転席の男―――鏑木浩平は、ふんと鼻を鳴らし、トレードマークの濃いサングラス越しに由樹彦を睨んだ。
「里帰りなら、せめて一泊してくるくらいの気を利かせろ。予定を勝手に繰り上げるなら次から車を拾え。大人は忙しいんだ。第一、迎えなんか待ってるより、そのほうがずっと早いだろうが」
すると、由樹彦はフロントガラスをまっすぐに見て、小さく肩を竦めた。
「ちょっと、知らない人とは一緒にいたくない気分だったので」
「…我儘なヤツ…」
浩平は口元を歪めて舌打ちした。
「でも、あなたが来るとは思いませんでした。正直、不安ですね。僕は京極さんの運転以外信用していないので」
「女の運転なんかと比べるな」
浩平の不服そうな呟きに、由樹彦は平然と言い返した。
「京極さんのドライバーライセンスは、国際A級ですよ」
気が付くと、ベンツの後ろには後続車が列になっていた。しかし、どの車も、シールドのかかった窓にスーツ姿でサングラスという出で立ちに恐れをなし、クラクションを鳴らすことをためらっているようだった。
浩平は傍らの、可愛げの欠片もない雇い主にうんざりしながらアクセルを踏んだ。
思えば、なんの因果か、いつのまにか彼に雇われる羽目になっていたのである。由樹彦に出会って以降、彼との契約を後悔しない日は一日もなかった。
(悪魔と契約した気分だな)
魔物に魅入られ、もはや逃げることのできない蜘蛛の糸に絡め取られた自分に嘆くだけが精一杯だった。
そんな、サングラスの下の無表情な横顔から浩平の心中を察してか、由樹彦は薄い笑みを洩らして言った。
「あなたが僕をお気に召さないのはわかってます。でも、僕はマキャベリの『君主論』を読んで育ったクチなので」
浩平は、ちらりと由樹彦を一瞥した。
「目的のためには手段を選ばない…か」
由樹彦は黙って笑った。目を伏せた浩平は、今さらと言いたげに軽く首を振った。
「どうせ、引っ越そうと思ってたところだ。―――家が吹っ飛ぶ前からな。新しいコンドミニアムは、おかげさまで快適だ」
車は、首都高速の入り口に差し掛かっていた。進入口に通じる片側二車線の道は夕方のラッシュと重なり、三つ先の信号までつながっている。雨は相変わらず細く、今にもあがってしまいそうな気配だった。
窓ガラスに滲むテールランプを見ながら、由樹彦は呟くように言った。
「…疲れたので、少し眠ってもいいですか」
浩平が傍らに目をやると、瞼を閉じた由樹彦はもう眠っているようだった。ただ、それがはっきりとわかったのは、信号待ちのさなかに浩平の携帯電話が鳴ったときであった。
けたたましい電子音にも、由樹彦は目を覚ます気配がない。
(こいつ…熟睡してやがる)
肝が据わっているのか、それとも単に鈍感なだけなのか。浩平は呆れながら電話に出た。すると、聞こえてきたのは知略に長けた美人秘書・京極冴子の耳障りしない声だった。
『ちゃんと、あの方を拾っていただけて?』
「ああ。だが、これっきりだからな、こんなことは」
電話の向こうで微かな溜め息がこぼれた。
『鏑木さんの声、電話越しに聞くと痺れますわね』
「お世辞にしては、見え透いてるな」
『あら、本心でしてよ』
したたかな口調がからかうように響く。浩平は眉を寄せ、ぶっきらぼうに言った。
「…プリンスは隣でお休みだ。迎えを呼んだのも、知らない人間と一緒にいたくない気分だったからだそうだ。つくづく我儘だな」
『あの方がそうおっしゃったんですの?』
「そうだ」
わずかな沈黙のあと、クールな彼女の声が不思議なぬくもりを帯びて返ってきた。
『そうですわね。…我儘かもしれませんが、見ず知らずの他人相手に、我儘は言えませんものね』
「どういう意味だ?」
浩平の問いに、彼女は応えなかった。ただ、小さくふふっと笑ってこう言った。
『あの方をお願いしますわね。明日から学校の試験もあることですし』
電話は不可解な余韻を残したまま切れた。
浩平はしばらく考えていたが、信号が変わって前の車が動き出したのと同時に携帯電話の電源をオフにして、後部座席にそれを放った。
アクセルを踏み込んだ車は進入口のきつい坂を一気に駆けのぼった。
本宅のリムジンに送られ、京都駅から新幹線で東京に戻ると、夕暮れの迫る街は、降りだした雨に濡れていた。
由樹彦は少し考えたあとで、携帯電話を取り出し、リダイヤルを押した。
短い呼び出しで、すぐに相手が出た。その迅速な対応に苦笑しながら、彼は口を開いた。
「僕です。今、東京駅なんですが、迎えに来てもらえませんか?」
『まあ…! 今日はもう、てっきりあちらにお泊りになるものと思ってましたのに』
「とりあえず義理は果たしましたし、兄たちの不景気な顔を見ているのも退屈なので戻ってきました。でも、着いたら雨が降ってて…忙しかったら別にいいんですけど。車、拾いますから」
口を噤むと、相手の声が少しだけ間を置いて返ってきた。
『そこでお待ちいただけます? すぐお迎えにあがりますわ』
「ありがとう」
電話越しに聞こえる耳障りのしないその声に、由樹彦はそっと目を細めた。
受話器を置くと、彼女はマニキュアを施した指を絡め、上目遣いに向かいのソファに身を沈めている人物を見やった。
「そういうわけなので…」
「―――無粋なヤツだな」
よく通る、渋い美声が溜め息のようにこぼれた。
「我儘な御曹司の都合に合わせてやることはないんじゃないか? もっとも、そうまでして尽くす価値があるというなら別だが」
その問いに、彼女はルージュできれいに縁取った唇をほころばせ、美しく微笑んだ。
「あの方は、私にとって失いたくない、大切な方ですわ」
「…意味深なせりふだな」
骨に直接響くような声に聞き惚れながら、彼女はソファの人物を見返した。
「あの方は、私にとって理想的な上司です。私の能力を正当に評価してくださり、最適な職場を提供してくださいます。安易な妥協こそなさいませんが、私の力量以上のことも、それ以下のことも、決してお求めになりません。その分、仕事には大変シビアな方ですけれど」
「最高のビジネスパートナーってわけか」
返事の代わりに彼女は黙って目を伏せた。
相手は溜め息混じりにソファから立ち上がり、戸口に足を向けながら低く言った。
「プライベートの貴重な時間を割いたうえに精神的な犠牲を払うんだ。それなりの見返りを貰ってもバチは当たらないと思うが?」
壁を背に煙草に火をつけ、紫煙を燻らせるその表情は狡猾だった。
「そうですわね。でしたら、私も相応の犠牲を払わなくてはなりませんわね」
一瞬思案した彼女は、やがて嫣然と笑みを湛え、相手に歩み寄った。そして、彼が指に挟んでいる煙草を取り上げると、背の高い相手に爪先立ちで身を寄せ、囁いた。
「あなたに…差し上げたいものがありますの」
それを聞いた相手が当然のように腰に手を回してくる。彼女は、その耳元に甘い声で言った。
「あの方を迎えに行ってくださる?」
「―――⁉」
虚を突かれた彼が眉を寄せると、彼女は再び美しく微笑んだ。
「大切なあの方のお迎えを譲って差し上げるんですもの、これでおあいこですわね」
極上の微笑みに相手が怯んだ隙に、彼女はするりと身を躱した。
「あの方がこの雨に濡れずにお戻りになったら、私の週末のスケジュールをお教えしてもかまいませんわ。ですから、ディナーのお誘いは、また改めて」
彼女はにっこりと、手にした煙草を灰皿に押しつけた。
実に巧妙な取り引きだった。
まんまと手玉に取られた相手は憮然とした態度で腕組みをしたが、結局無言でその場を離れるしかなかった。
雨脚の遅い空をぼんやりと眺めていた由樹彦の目の前に、シールドグラスのベンツが滑るようにやってきたのは、それからまもなくのことだった。
「お迎えだぞ、御曹司」
「鏑木さん…どうしてあなたが?」
驚いたように目を見張った彼に、中の男は迷惑そうに顔をしかめて顎をしゃくった。
「美人秘書に頼まれてな。―――週末の予定を教えるから、キャビアとドン・ペリを買いにいくついでに、東京駅までおまえを迎えに行ってくれと」
「京極さんを口説いてたんですか」
「おまえが野暮な電話をよこすからだ。―――だいたい、運転手は契約外だ。美人秘書にはたっぷりサービスしてもらうからな」
車に乗り込んだ由樹彦は、露骨に不機嫌な出迎えに思わず吹き出した。
「鏑木さん、それ…僕にツケておいてくれませんか。特別手当を出しますから」
運転席の男―――鏑木浩平は、ふんと鼻を鳴らし、トレードマークの濃いサングラス越しに由樹彦を睨んだ。
「里帰りなら、せめて一泊してくるくらいの気を利かせろ。予定を勝手に繰り上げるなら次から車を拾え。大人は忙しいんだ。第一、迎えなんか待ってるより、そのほうがずっと早いだろうが」
すると、由樹彦はフロントガラスをまっすぐに見て、小さく肩を竦めた。
「ちょっと、知らない人とは一緒にいたくない気分だったので」
「…我儘なヤツ…」
浩平は口元を歪めて舌打ちした。
「でも、あなたが来るとは思いませんでした。正直、不安ですね。僕は京極さんの運転以外信用していないので」
「女の運転なんかと比べるな」
浩平の不服そうな呟きに、由樹彦は平然と言い返した。
「京極さんのドライバーライセンスは、国際A級ですよ」
気が付くと、ベンツの後ろには後続車が列になっていた。しかし、どの車も、シールドのかかった窓にスーツ姿でサングラスという出で立ちに恐れをなし、クラクションを鳴らすことをためらっているようだった。
浩平は傍らの、可愛げの欠片もない雇い主にうんざりしながらアクセルを踏んだ。
思えば、なんの因果か、いつのまにか彼に雇われる羽目になっていたのである。由樹彦に出会って以降、彼との契約を後悔しない日は一日もなかった。
(悪魔と契約した気分だな)
魔物に魅入られ、もはや逃げることのできない蜘蛛の糸に絡め取られた自分に嘆くだけが精一杯だった。
そんな、サングラスの下の無表情な横顔から浩平の心中を察してか、由樹彦は薄い笑みを洩らして言った。
「あなたが僕をお気に召さないのはわかってます。でも、僕はマキャベリの『君主論』を読んで育ったクチなので」
浩平は、ちらりと由樹彦を一瞥した。
「目的のためには手段を選ばない…か」
由樹彦は黙って笑った。目を伏せた浩平は、今さらと言いたげに軽く首を振った。
「どうせ、引っ越そうと思ってたところだ。―――家が吹っ飛ぶ前からな。新しいコンドミニアムは、おかげさまで快適だ」
車は、首都高速の入り口に差し掛かっていた。進入口に通じる片側二車線の道は夕方のラッシュと重なり、三つ先の信号までつながっている。雨は相変わらず細く、今にもあがってしまいそうな気配だった。
窓ガラスに滲むテールランプを見ながら、由樹彦は呟くように言った。
「…疲れたので、少し眠ってもいいですか」
浩平が傍らに目をやると、瞼を閉じた由樹彦はもう眠っているようだった。ただ、それがはっきりとわかったのは、信号待ちのさなかに浩平の携帯電話が鳴ったときであった。
けたたましい電子音にも、由樹彦は目を覚ます気配がない。
(こいつ…熟睡してやがる)
肝が据わっているのか、それとも単に鈍感なだけなのか。浩平は呆れながら電話に出た。すると、聞こえてきたのは知略に長けた美人秘書・京極冴子の耳障りしない声だった。
『ちゃんと、あの方を拾っていただけて?』
「ああ。だが、これっきりだからな、こんなことは」
電話の向こうで微かな溜め息がこぼれた。
『鏑木さんの声、電話越しに聞くと痺れますわね』
「お世辞にしては、見え透いてるな」
『あら、本心でしてよ』
したたかな口調がからかうように響く。浩平は眉を寄せ、ぶっきらぼうに言った。
「…プリンスは隣でお休みだ。迎えを呼んだのも、知らない人間と一緒にいたくない気分だったからだそうだ。つくづく我儘だな」
『あの方がそうおっしゃったんですの?』
「そうだ」
わずかな沈黙のあと、クールな彼女の声が不思議なぬくもりを帯びて返ってきた。
『そうですわね。…我儘かもしれませんが、見ず知らずの他人相手に、我儘は言えませんものね』
「どういう意味だ?」
浩平の問いに、彼女は応えなかった。ただ、小さくふふっと笑ってこう言った。
『あの方をお願いしますわね。明日から学校の試験もあることですし』
電話は不可解な余韻を残したまま切れた。
浩平はしばらく考えていたが、信号が変わって前の車が動き出したのと同時に携帯電話の電源をオフにして、後部座席にそれを放った。
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