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北ダンジョン編
22話 支部長ブライト
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メイドスに戻った俺達に加え、新たな仲間になったカリナの率いる黒ローブパーティーは、風音の鶴の一声によって冒険者登録を行っていた。
カウンターに座った5人は登録証が来ると俺と風音が受けたギルド説明会がはじまる。5人は真剣に話を聞いていた。
▽▽▽
ゼスと風音は、支部長より先に応接室のソファーに腰掛け来るのを待っていた。ゼスが持ち運んだ調査の戦利品と共に…
支部長が、階段を駆け応接室のドアを開ける。
丸い眼鏡をかけ、小太り気味だが感じの良い、黒髪短髪の50歳前後の男。メイドス・ギルド支部 支部長のブライト。
「ゼス… やったのか!? 」
ゼスは、テーブルの上に床に置いた土嚢袋を乗せて中身を広げた。
「うおぉぉぉぉ! ゼス!! やったなゼス! やったぞぉぉぉ!! 」
興奮する支部長。ゼスと風音は目を合わせ軽く笑みを見せる。
ゼスは、8層からの道順を説明しながら、9層と石版の仕掛けや儀式に使われたとされる施設の発見と宝物庫について模写してきたマップを支部長に見せながら説明をする。支部長は、ゼスの報告を紙に綴ると一人のギルド職員を声を大にして呼ぶ。
「エリック! エリックはいないか!? 」
「今行きます 支部長」
エリックと呼ばれる職員が1階のオフィスから駆け上がってきた。
「どうしたんですか? 支部長 おおっ! なんですかこれは!? 古代通貨じゃないですか!? こんなに… 」
「ゼスがやったんだよ! 北ダンジョンの攻略を!! 」
エリックは、ゼスを見て挨拶をする。
「ゼスさんおめでとうございます!! やりましたね! わたしはエリックと言います。事務処理専門で中々、挨拶が出来ませんでしたが今後もよろしくお願いします。」
「ありがとう こちらこそよろしくお願いします」
ゼスは、帽子を取り頭を下げる。すると、今度はミラが駆け上がってきた。
「支部長! 大変です!! 北ダンジョンの8層魔獣のキングタイガーを倒してきた少年が… なんですそれは? 」
「ああ ミラくん これは古代通貨だ ゼス達が北ダンジョンの攻略を成功させたんだ! これでメイドス・ギルド支部も盛り上がるぞ! 」
「ぎゃああああ」
バターン
ミラは、その場で倒れてしまった。エリックが、慌てて起こすが起きないミラをみかねて支部長とエリックが隣の部屋にミラを運んで休ませた。
「まったく… 今はそれどころじゃないのに エリック 大至急、ギルド本部に鳩を飛ばしてくれ! 早急の案件だ 頼む」
「わかりました 支部長」
ここでエリックが印を結び出した。
「なんじゃ… 術者か」
風音が言う。すると、支部長ブライトがゼスに訪ねる。
「ゼス… この子は? あまり見かけたことないんだが… 」
「一緒に同行したCランクの冒険者 かざねさんだ こう見えても16だからあまり子供扱いしないで欲しい なんせ、ビーノすら手も足も出ない実力者だから 下の冒険者達も見たはずだ」
「この子が… 」
支部長ブライトが息を飲む。
「かざねさんがいなきゃ 今回の調査も成功しなかった 最大の功労者だよ」
印を結んでいたエリックの横に隼が動物が現れた。隼はテーブルに留まり、支部長から預かった伝言メモをエリックが隼の足に結ぶ。すると今度は支部長がスキルで魔法を隼にかける。
「何をしたんじゃ? 」
風音は、ゼスに聞く。
「支部長はビショップ アコライトの上位職業で 今、使った魔法は一度だけ攻撃を無効化出来る魔法をかけたんだ」
「なるほどのう… 」
エリックが隼に命令する。
「ギルド本部だ 頼んだぞ! 」
隼は、エリックの掛け声と共に応接室の窓から飛んでいった。エリックは隼が進む方向を確認すると仕事に戻る。支部長は風音達の迎いに座り。今後の予定を話し出した。
「一応、国の研究機関から1名ギルド本部でダンジョン・遺跡部門から1名の計2名の学者が査定を行う事になる。プラス、国から雑兵が20名と荷馬車4台を率いて、メイドスに集合してから出発になるはずだ」
「おいおい 支部長! 雑兵20名って… 宝を運ぶだけの人員かよ? 」
「すまんな しかし、Sランク同等の実力者なんて軍に数名しかいないのは事実 誰が来た所で8層クリアーすらできないだろう」
「確かにそうだが… 」
「そこでだ! 今回の件とは別に、護衛依頼として受けてはくれないか? 」
「報酬次第だろけど… いくら出るんだよ」
「金貨300でどうだ? 」
「500… 」
「吹っかけてきたな… ゼス 350だ! 」
「400… 400出せなきゃ置いていくぜ」
「わかった! わかった金貨400で手を打とう… それなら査定から戻った時点で、うちから即支払う」
「かざねさん 受けていいんだよな? 」
「かまわん ゼスのやりたい様にやれ」
「了解 ありがとう かざねさん それと支部長、戻った時の冒険者ランクについてだ」
ゼスは冒険者ランクについて条件を提示する。
「俺と彼女と、もう一人 託也をSSランクにしてもらう」
「お前は分かるが… 彼女ともう一人? もSSランクか ちなみに今のランクはいくつなんだ? 」
「二人ともCランクだ 冒険者になったのは2~3日前だな」
「C… 2~3日前に冒険者登録!? 」
「ゼス わしらはよい 問題があるならCのまんまでかまわんわ」
支部長ブライトは驚きの連続だった。北ダンジョンの攻略成功に、こんな子供が関わっていたなんて…
風音は、何時もの煙管を取り出し煙草を吸いはじめる。
「支部長 灰皿はどこじゃ? 」
ブライトは風音の態度に驚愕する。煙管を吹かし、話し方… 風音から滲み出るオーラは、とてもじゃないが16歳の女の子には到底見えなかった。ブライトは恐る恐る話しかけてみる。
「かざねくんといったかな… 君は本当に16歳なのか? 」
「そんなに わしが子供に見えるか? 」
風音は、冷たい視線をブライトに送る。
「よせ! 支部長 あまり歳の事を言うな… 」
「嫌… 逆だよ 何十年も生きている… そんな気配を感じたんだ」
「多少は判るやつがいたようじゃ こやつもはじめは肩を引くつかせて わしを笑っておったわ」
「ちょ! かざねさん 謝っただろう 蒸し返さないでくれよ… 」
「クックク ゼスよ わしは執念深いぞ そして支部長とやら お前の言った事は大きく外れてはおらね 灰皿はまだか? 」
「あ… ああ」
支部長は立ち上がり、隣の部屋から灰皿を取り風音の前に差し出した。
「うむ… とりあえず、わしらは待機という事でいいんじゃな? 」
「あ… ああ その通りだ 出来れば3日ほど街の中で待機してもらえるとありがたい」
「どうする ゼス」
「了解だ 1日ゆっくり休んで準備しよう」
「うむ… 」
「ゼス 朝と昼 そして夕方には顔を出してくれ」
「了解 支部長頼んだぜ」
「任せとけ! 」
▽▽▽
風音とゼスは、応接室から出て1階に下りてきた。
俺は、魔石交換の途中でいなくなったミラを暫く待っていたが、何時までも戻らない所に2階から降りてきた職員に交換の続きをしてもらった。
そして、カリナ達は無事に冒険者登録を済ませた。
俺達は、今後の予定を決めるために飯を食いながら会議をはじめる。
カウンターに座った5人は登録証が来ると俺と風音が受けたギルド説明会がはじまる。5人は真剣に話を聞いていた。
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ゼスと風音は、支部長より先に応接室のソファーに腰掛け来るのを待っていた。ゼスが持ち運んだ調査の戦利品と共に…
支部長が、階段を駆け応接室のドアを開ける。
丸い眼鏡をかけ、小太り気味だが感じの良い、黒髪短髪の50歳前後の男。メイドス・ギルド支部 支部長のブライト。
「ゼス… やったのか!? 」
ゼスは、テーブルの上に床に置いた土嚢袋を乗せて中身を広げた。
「うおぉぉぉぉ! ゼス!! やったなゼス! やったぞぉぉぉ!! 」
興奮する支部長。ゼスと風音は目を合わせ軽く笑みを見せる。
ゼスは、8層からの道順を説明しながら、9層と石版の仕掛けや儀式に使われたとされる施設の発見と宝物庫について模写してきたマップを支部長に見せながら説明をする。支部長は、ゼスの報告を紙に綴ると一人のギルド職員を声を大にして呼ぶ。
「エリック! エリックはいないか!? 」
「今行きます 支部長」
エリックと呼ばれる職員が1階のオフィスから駆け上がってきた。
「どうしたんですか? 支部長 おおっ! なんですかこれは!? 古代通貨じゃないですか!? こんなに… 」
「ゼスがやったんだよ! 北ダンジョンの攻略を!! 」
エリックは、ゼスを見て挨拶をする。
「ゼスさんおめでとうございます!! やりましたね! わたしはエリックと言います。事務処理専門で中々、挨拶が出来ませんでしたが今後もよろしくお願いします。」
「ありがとう こちらこそよろしくお願いします」
ゼスは、帽子を取り頭を下げる。すると、今度はミラが駆け上がってきた。
「支部長! 大変です!! 北ダンジョンの8層魔獣のキングタイガーを倒してきた少年が… なんですそれは? 」
「ああ ミラくん これは古代通貨だ ゼス達が北ダンジョンの攻略を成功させたんだ! これでメイドス・ギルド支部も盛り上がるぞ! 」
「ぎゃああああ」
バターン
ミラは、その場で倒れてしまった。エリックが、慌てて起こすが起きないミラをみかねて支部長とエリックが隣の部屋にミラを運んで休ませた。
「まったく… 今はそれどころじゃないのに エリック 大至急、ギルド本部に鳩を飛ばしてくれ! 早急の案件だ 頼む」
「わかりました 支部長」
ここでエリックが印を結び出した。
「なんじゃ… 術者か」
風音が言う。すると、支部長ブライトがゼスに訪ねる。
「ゼス… この子は? あまり見かけたことないんだが… 」
「一緒に同行したCランクの冒険者 かざねさんだ こう見えても16だからあまり子供扱いしないで欲しい なんせ、ビーノすら手も足も出ない実力者だから 下の冒険者達も見たはずだ」
「この子が… 」
支部長ブライトが息を飲む。
「かざねさんがいなきゃ 今回の調査も成功しなかった 最大の功労者だよ」
印を結んでいたエリックの横に隼が動物が現れた。隼はテーブルに留まり、支部長から預かった伝言メモをエリックが隼の足に結ぶ。すると今度は支部長がスキルで魔法を隼にかける。
「何をしたんじゃ? 」
風音は、ゼスに聞く。
「支部長はビショップ アコライトの上位職業で 今、使った魔法は一度だけ攻撃を無効化出来る魔法をかけたんだ」
「なるほどのう… 」
エリックが隼に命令する。
「ギルド本部だ 頼んだぞ! 」
隼は、エリックの掛け声と共に応接室の窓から飛んでいった。エリックは隼が進む方向を確認すると仕事に戻る。支部長は風音達の迎いに座り。今後の予定を話し出した。
「一応、国の研究機関から1名ギルド本部でダンジョン・遺跡部門から1名の計2名の学者が査定を行う事になる。プラス、国から雑兵が20名と荷馬車4台を率いて、メイドスに集合してから出発になるはずだ」
「おいおい 支部長! 雑兵20名って… 宝を運ぶだけの人員かよ? 」
「すまんな しかし、Sランク同等の実力者なんて軍に数名しかいないのは事実 誰が来た所で8層クリアーすらできないだろう」
「確かにそうだが… 」
「そこでだ! 今回の件とは別に、護衛依頼として受けてはくれないか? 」
「報酬次第だろけど… いくら出るんだよ」
「金貨300でどうだ? 」
「500… 」
「吹っかけてきたな… ゼス 350だ! 」
「400… 400出せなきゃ置いていくぜ」
「わかった! わかった金貨400で手を打とう… それなら査定から戻った時点で、うちから即支払う」
「かざねさん 受けていいんだよな? 」
「かまわん ゼスのやりたい様にやれ」
「了解 ありがとう かざねさん それと支部長、戻った時の冒険者ランクについてだ」
ゼスは冒険者ランクについて条件を提示する。
「俺と彼女と、もう一人 託也をSSランクにしてもらう」
「お前は分かるが… 彼女ともう一人? もSSランクか ちなみに今のランクはいくつなんだ? 」
「二人ともCランクだ 冒険者になったのは2~3日前だな」
「C… 2~3日前に冒険者登録!? 」
「ゼス わしらはよい 問題があるならCのまんまでかまわんわ」
支部長ブライトは驚きの連続だった。北ダンジョンの攻略成功に、こんな子供が関わっていたなんて…
風音は、何時もの煙管を取り出し煙草を吸いはじめる。
「支部長 灰皿はどこじゃ? 」
ブライトは風音の態度に驚愕する。煙管を吹かし、話し方… 風音から滲み出るオーラは、とてもじゃないが16歳の女の子には到底見えなかった。ブライトは恐る恐る話しかけてみる。
「かざねくんといったかな… 君は本当に16歳なのか? 」
「そんなに わしが子供に見えるか? 」
風音は、冷たい視線をブライトに送る。
「よせ! 支部長 あまり歳の事を言うな… 」
「嫌… 逆だよ 何十年も生きている… そんな気配を感じたんだ」
「多少は判るやつがいたようじゃ こやつもはじめは肩を引くつかせて わしを笑っておったわ」
「ちょ! かざねさん 謝っただろう 蒸し返さないでくれよ… 」
「クックク ゼスよ わしは執念深いぞ そして支部長とやら お前の言った事は大きく外れてはおらね 灰皿はまだか? 」
「あ… ああ」
支部長は立ち上がり、隣の部屋から灰皿を取り風音の前に差し出した。
「うむ… とりあえず、わしらは待機という事でいいんじゃな? 」
「あ… ああ その通りだ 出来れば3日ほど街の中で待機してもらえるとありがたい」
「どうする ゼス」
「了解だ 1日ゆっくり休んで準備しよう」
「うむ… 」
「ゼス 朝と昼 そして夕方には顔を出してくれ」
「了解 支部長頼んだぜ」
「任せとけ! 」
▽▽▽
風音とゼスは、応接室から出て1階に下りてきた。
俺は、魔石交換の途中でいなくなったミラを暫く待っていたが、何時までも戻らない所に2階から降りてきた職員に交換の続きをしてもらった。
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