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ここは、とある初心者冒険者の町…
自然に囲まれた喉かな風景が広がるこの町に、今日も新人冒険者が新たな期待を胸に膨らませてギルドの門を潜る。
15歳になったばかりの少年は、故郷の村から3日かけて初心者冒険者の町に辿り着いた。
少年の名はピエール。農家を営む優しい両親と祖母、3つ下の妹と暮していたが冒険者になれる15歳になると、立派な冒険者になる誓いを立て旅立った。
ピエールが、ギルドの門を潜ると町の冒険者達が酒を煽り陽気に語り合っている。ギルド内に併設された酒場の雰囲気にピエールは一気に高揚するのだった。
これだよ!! これこれこれー!! まさに、荒くれ冒険者の溜り場的な!
くぅー! 痺れる!!
こうしちゃいられない… 早速、冒険者登録を済ませないと。
ピエールは、ギルドカウンターに行くと冒険者登録をしたいと受付嬢に申請する。受付嬢は、必要事項の記入と登録費を求める。
ピエールは、5年間かけて家の手伝いをして貯めた銀貨と必要事項を記入した申し込み用紙を渡す。
「少々、お時間を頂きます。席にかけてお待ち下さい。」
受付嬢に言われ、ピエールは併設された酒場の椅子に腰掛けて出来上がってくる冒険者登録証を待つ。
すると、何やら音が近づいてきた。太皷だろうか…
ドンドンドコドコ ドンドンドコドコ
周りで酒を煽る荒くれ冒険者達が下を向き汗を垂らす。顔面蒼白となり、胃の辺りを押さえる者まで出はじめた。そして、呟きだした…
「マジデパネェ… 」
「パネェ… マジデパネェって… 」
「あああああああ!! もう駄目だ!! ブクブクブク… 」
「最凶パーティーがやってきた… 」
泡を吹いて倒れる者まで出だした。ピクピクと痙攣している…
状況が飲み込めず、恐ろしくなったピエールは側にいた冒険者に尋ねる。
「あ… あのう… これは一体、何が… 」
「うるせぇぇぇぇ! 俺に今、話しかけるんじゃねぇぇぇ!! 」
冒険者の目は血走り、汗と涎を垂らしながら怒声を巻き散らかした。
ピエールは、その異形とも思える光景を見て異常事態が起きたと確信した。
さっきまで、ギルドの外で聞こえていた太鼓の音がピタリと止まった。
…
コツコツコツ
複数の足音が、ギルドの内部に響き渡る。その足音は、ピエールの後ろでピタリと止み椅子を引く音が聞こえた。
どうやら、複数の人物は椅子に腰掛けたようだ。
そして、それは始まった…
「マジシャンて素敵や~ん」
えっ!? 女の子…
続け様に
「タンタカターン!! 」
大きな声がギルド内に響く。
男の人の声だ… 僕と、あまり歳が変わらない!?
一瞬、ビクッとしたピエール。周りの荒くれ冒険者達も一斉に体をビクッとさせていた。
どうしても、後ろが気になったピエールは振り返ろうとした… その時、側にいた荒くれ冒険者がピエールの顔を掴み、再び真っ直ぐに顔を向き直させる。
そして、こう言ったのだ。
「気にするな… 決して目を合わせるな… 空気と思え… 」
ピエールは、鷲掴みにされた顔を縦に振る。
「ピエールさん 冒険者登録証出来ました。 ピエールさーん? 」
「は… はい! 」
ピエールは、席を立ち上がりギルドカウンターへ小走りで向かった。
「「「ピエール… 」」」
声が小さく、聞こえずらかったが確かに聞こえた。
僕の名前を呼ぶ声が…
ピエールは、ギルドカウンターで登録証を預かると嬉しくなり小さなガッツポーズを決めていた。
これで、今日から僕も冒険者だ!
とんとん
誰かが、ピエールの肩を叩く。ピエールは嬉しさの余韻に浸っている真っ最中だった。
「はい? 何でしょう」
ニッコリしながら振り向くピエール。そこには、1人の騎士が立っていた。
「やあ!! 新人冒険者ピエール! 君が来るのを待っていたよ!! 」
「えっ!? 僕をですか? 」
「ああ!! もちろんさ さぁ、一緒に冒険してみないか? 」
「「「さぁ 行こうぜ ピエール!! 」」」
ピエールは気が付いた。恐らく、この3人が荒くれ冒険者達も恐れる最強パーティーだ!! ピエールは、荒くれ冒険者達の様子を見渡した。
どうした事か… 荒くれ冒険者達はピエールの視線と目を合わさない。
ピエールは思った。
恐らく、この人達は町一番の最強パーティー! みんな、嫉妬で僕と目を合わせられないんだろう。だから、「気にするな… 決して目を合わせるな… 空気と思え… 」なんて口にしたのかな? 僕にとってチャンスだ!最強のパーティーに入れるなんて滅多にない事だ。このチャンスを活かす!!
「ありがとうございます! こんな僕で良ければ仲間に入れて下さい! 」
「「「もちろんさ! ピエール!! 」」」
こうして、ピエールは最凶のパーティーとダンジョンに出かける事になった。
自然に囲まれた喉かな風景が広がるこの町に、今日も新人冒険者が新たな期待を胸に膨らませてギルドの門を潜る。
15歳になったばかりの少年は、故郷の村から3日かけて初心者冒険者の町に辿り着いた。
少年の名はピエール。農家を営む優しい両親と祖母、3つ下の妹と暮していたが冒険者になれる15歳になると、立派な冒険者になる誓いを立て旅立った。
ピエールが、ギルドの門を潜ると町の冒険者達が酒を煽り陽気に語り合っている。ギルド内に併設された酒場の雰囲気にピエールは一気に高揚するのだった。
これだよ!! これこれこれー!! まさに、荒くれ冒険者の溜り場的な!
くぅー! 痺れる!!
こうしちゃいられない… 早速、冒険者登録を済ませないと。
ピエールは、ギルドカウンターに行くと冒険者登録をしたいと受付嬢に申請する。受付嬢は、必要事項の記入と登録費を求める。
ピエールは、5年間かけて家の手伝いをして貯めた銀貨と必要事項を記入した申し込み用紙を渡す。
「少々、お時間を頂きます。席にかけてお待ち下さい。」
受付嬢に言われ、ピエールは併設された酒場の椅子に腰掛けて出来上がってくる冒険者登録証を待つ。
すると、何やら音が近づいてきた。太皷だろうか…
ドンドンドコドコ ドンドンドコドコ
周りで酒を煽る荒くれ冒険者達が下を向き汗を垂らす。顔面蒼白となり、胃の辺りを押さえる者まで出はじめた。そして、呟きだした…
「マジデパネェ… 」
「パネェ… マジデパネェって… 」
「あああああああ!! もう駄目だ!! ブクブクブク… 」
「最凶パーティーがやってきた… 」
泡を吹いて倒れる者まで出だした。ピクピクと痙攣している…
状況が飲み込めず、恐ろしくなったピエールは側にいた冒険者に尋ねる。
「あ… あのう… これは一体、何が… 」
「うるせぇぇぇぇ! 俺に今、話しかけるんじゃねぇぇぇ!! 」
冒険者の目は血走り、汗と涎を垂らしながら怒声を巻き散らかした。
ピエールは、その異形とも思える光景を見て異常事態が起きたと確信した。
さっきまで、ギルドの外で聞こえていた太鼓の音がピタリと止まった。
…
コツコツコツ
複数の足音が、ギルドの内部に響き渡る。その足音は、ピエールの後ろでピタリと止み椅子を引く音が聞こえた。
どうやら、複数の人物は椅子に腰掛けたようだ。
そして、それは始まった…
「マジシャンて素敵や~ん」
えっ!? 女の子…
続け様に
「タンタカターン!! 」
大きな声がギルド内に響く。
男の人の声だ… 僕と、あまり歳が変わらない!?
一瞬、ビクッとしたピエール。周りの荒くれ冒険者達も一斉に体をビクッとさせていた。
どうしても、後ろが気になったピエールは振り返ろうとした… その時、側にいた荒くれ冒険者がピエールの顔を掴み、再び真っ直ぐに顔を向き直させる。
そして、こう言ったのだ。
「気にするな… 決して目を合わせるな… 空気と思え… 」
ピエールは、鷲掴みにされた顔を縦に振る。
「ピエールさん 冒険者登録証出来ました。 ピエールさーん? 」
「は… はい! 」
ピエールは、席を立ち上がりギルドカウンターへ小走りで向かった。
「「「ピエール… 」」」
声が小さく、聞こえずらかったが確かに聞こえた。
僕の名前を呼ぶ声が…
ピエールは、ギルドカウンターで登録証を預かると嬉しくなり小さなガッツポーズを決めていた。
これで、今日から僕も冒険者だ!
とんとん
誰かが、ピエールの肩を叩く。ピエールは嬉しさの余韻に浸っている真っ最中だった。
「はい? 何でしょう」
ニッコリしながら振り向くピエール。そこには、1人の騎士が立っていた。
「やあ!! 新人冒険者ピエール! 君が来るのを待っていたよ!! 」
「えっ!? 僕をですか? 」
「ああ!! もちろんさ さぁ、一緒に冒険してみないか? 」
「「「さぁ 行こうぜ ピエール!! 」」」
ピエールは気が付いた。恐らく、この3人が荒くれ冒険者達も恐れる最強パーティーだ!! ピエールは、荒くれ冒険者達の様子を見渡した。
どうした事か… 荒くれ冒険者達はピエールの視線と目を合わさない。
ピエールは思った。
恐らく、この人達は町一番の最強パーティー! みんな、嫉妬で僕と目を合わせられないんだろう。だから、「気にするな… 決して目を合わせるな… 空気と思え… 」なんて口にしたのかな? 僕にとってチャンスだ!最強のパーティーに入れるなんて滅多にない事だ。このチャンスを活かす!!
「ありがとうございます! こんな僕で良ければ仲間に入れて下さい! 」
「「「もちろんさ! ピエール!! 」」」
こうして、ピエールは最凶のパーティーとダンジョンに出かける事になった。
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