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改革に祝福で満ちて
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愛を捧げる女性との幸せを掴むためとはいえ、国王の執政への取り組みは目覚しいものがあった。ヴィクトリアも王宮で暮らしていることで、働きを助ける発想力と行動力を忌憚なく発揮できた。
王国内での需要に対する供給を安定させること、そのための外交と労働環境の改善。国民の生活における不満は、国王とその婚約者ヴィクトリアによる働きで、王室へと向けられることもなくなった。
ヴィクトリアは生まれこそ恵まれているが、かといって環境に甘んじて贅沢をすることは好まないのも大きかった。
たとえば日常にささやかな楽しみを加えることこそあれど、豪奢な装いや暮らしで浪費することは、彼女の美意識からすれば愚かしいと考えている。
そんなヴィクトリアが国王の伴侶となる。なるべくして王室の規範は正され、民の血税をみだりに使わず、水道の整備などへ回して還元する、民のための王室と生まれ変わった。
そこには、王国内の被雇用者全ての待遇を改善したことも含まれる。
元より彼らには毎月二回の休日が定められてはいたものの、休みの日は働きがないため、雇用主から食事が出されないことを当たり前とされてきていた。
しかし、それでは健やかな労働への従事に無理が出てしまう。ヴィクトリアはまず、王室と己の家門で働くものを対象に、休日も二度の食事を必ず与えると決めた。
その結果、雇われて働くものたちの体力と意欲は目に見えて上がったのだ。
こうした例が作られると、王国全体にも法により広めることが可能になる。
屋敷で、街で、農村で──雇われていた全ての労働者が、空腹の休日から安息の休日へと変化させてくれたことを喜んだ。
「今までは休みの前日になると、飲み水や残りものを集めるのに苦労していたのにねえ」
「そうだよ、その残りものだって、厨房じゃ余分に料理を作ったりなんかしないんだから、僅かな食べ残しに期待するしかなくて……」
「そんな惨めな気持ちも、薄っぺらいベッドに潜って耐えるだけだった空腹も、あのお二方はご理解下さったんだ」
「裕福な暮らしが普通のご身分でも、下々の苦労を思いやって……こんな素晴らしい方々の治める国になった今では、働くことも苦しいだけじゃないと思えるよ」
「そうだね、しかも休日の食事以外にも、毎月の給金だって底上げしてもらえた!安く働かされてた人も少なくなかっただろ?それを、『労力の搾取は許されない』と仰せになられて……」
労力の搾取──こういうことを言うのは、もちろんヴィクトリアである。
ヴィクトリアは、自分に悪意を持つものや害をなそうというものには、それはもう容赦なく堕ちてもらおうと働きかける。
一方で、国王の伴侶としての立場は彼女なりにわきまえており、国益にならない慣例は「民の幸せを思えば」と言って積極的に変えさせる。
己が美しくあるには、己の君臨する国までも美しくあれという理念が、ヴィクトリアの意識を高く保っているのだ。
夫君になる国王もまた、そんな彼女をこそ至高として愛している。
何しろ、ヴィクトリアの独特な美意識も、闇を孕んだ心のありようも、全てを承知したうえで全肯定する人物だ。それはヴィクトリアも快い驚きとともに相手を認めるほかなかった。
過去には腹黒いやり取りこそあったが、この両者も大概似合いの二人だ。
国直しが一段落ついたこともあり、晴れて婚姻の儀を迎える日取りを決められ、──いよいよ当日となった今や、国民も祝賀の催しで大いに沸いている。
「婚姻の儀でお二人がお召しになるご衣装は、王国の建国当時から代々受け継がれてきた絹織物で作られたのでしょう?」
「そうですわ、一代に一人のみが技法を伝授される特別な織物で、王室でもめったに用いられることのない美しい絹だと伺いました。どれほど素晴らしい装いになられるか、楽しみでなりません」
高位貴族でさえ手に入れることの叶わない生地を用いた揃いの衣装は、なめらかに輝く白地を主体にしており、そこに王家を象徴する紫色を合わせて、金糸と銀糸で細やかな刺繍を施した格調高いものだった。
無論、ヴィクトリアの美貌を際立たせるように意匠が凝らされている。
きらびやかで荘厳な花嫁衣裳をまとったヴィクトリアの美しさは比類するもののないほどだった。
支度を整える部屋を訪れ、完璧に着飾られたヴィクトリアを、国王は陶然と見つめて惚れ直している様子だ。
「ヴィクトリア、君はこの日、世界の誰よりも美しく……女神でも、こうまで神々しく美しいとは思えないほどだ」
そう言う国王も、遜色のない美丈夫に仕上がっているのだが、ヴィクトリアを第一にしているので自惚れたりはしない。
「ありがたく存じます。ですが、わたくしは天上の神ではなく陛下の王妃となるために、本日を迎えました。これからの人生を、共に歩んで下さいますのでしょう?」
「言うまでもない。私は常に君と話し、君の提言を蔑ろにすることはない。君は腐敗した王室も、正しく理想的な姿に生まれ変わらせてくれた。私が求められる私であるために、君の存在は必要不可欠だ」
「過分なお言葉でございます。ですが、わたくしは陛下に嫁ぐ身。陛下がわたくしの生き方を否定なさらず、わたくしを妻として愛して下さる限り、陛下のおためにならぬことは致しません。敬愛と誠意で寄り添いたく存じます」
「それならば、私たちは生涯を共に歩めることだろう」
──協力関係にあり、過去の共犯者としても。
「わたくしもそれを望みますわ。陛下とわたくしを陥れる闇の悪意は、今ここにございません。万が一この先現れましても、わたくしは排除してみせましょう」
物騒な愛の言葉ではある。しかし、国王への想いを自覚したヴィクトリアとしては、彼を守り抜き、幸福で豊かな──国王の治世が瑕瑾なく尊ばれるためにならば、王妃として務めを果たす覚悟もできている。
「君の意思と心を嬉しく思うよ。ヴィクトリアは、私にとって最高の妻であり最強の盾と剣だ」
想いを語らい、熱を帯びて見つめあう二人だが、しかし婚姻の儀に遅れるわけにもいかない。
そのあとは、祝賀のお披露目も待っている。王室で二人に仕えるものは時間に追われており、甘い時間に酔うのは、それらを済ませてからにと内心でやきもきさせられた。
だが、そんな感情も取りこぼしはしないのが強みである。国王はヴィクトリアに手を差し伸べ、それを合図に婚姻の儀へと歩を進めた。
──婚姻の儀では、両家の親族のみならず主要な貴族と異国の貴賓も参列できる。祝いと賞賛の言葉を囁き交わしながら、結ばれる二人を寿いだ。
「私は、彼女を生涯の伴侶として重んじ、永遠の真心を誓う」
「わたくしは国王陛下を夫として、良き王妃となりお仕えし、いついかなる時も敬愛でもって支えることを誓います」
誓言を述べると、みなが手にしていた花びらを舞わせて、華やかに場を盛り上げた。
次は国民へのお披露目だ。婚礼衣装だけでも十分に整えたと見なしているヴィクトリアの意向にそって、ことさらに衣装替えをすることはなく、二人は重々しく飾られた八頭立ての馬車に乗って王都の中心を進んだ。
婚姻の儀でもそうだったが、お披露目でも国民たちが色とりどりの花を撒いて二人の婚姻を歓迎し、歓声を上げている。
「国王陛下、王妃殿下の御代がいつ久しくお栄えしますように!」
「王国の未来はお二方により、必ずや明るいものとなることでしょう!」
──こうも祝福されて嫁ぐということは、心を曇りなく晴れやかにしてくれるのね。
第二王子と婚約していたときには想像だにできなかった晴れの舞台だ。ヴィクトリアは国王とともに笑みを絶やさず、集まった群衆に向けて優雅に手を振り応えた。
「……これで、私たちは全てのものに認められて王国を導き統べる身となったね」
小さく耳打ちした国王に、ヴィクトリアは艶然と微笑みを返した。
「はい、──陛下とわたくしで、世界にあるどの国よりも豊かに繁栄させましょう。陛下がわたくしを裏切ることのない限り、わたくしは王妃として誠意と真心をもって共にございます」
「ならば、私たちは生きている限り身も心も離れない」
そう言わせる底なしの想いと信用を損なうような過ちは、まずありえない。
ヴィクトリアは生と死の狭間で、飽きるほど世界を見て、各国の内情にも通じている。王妃となったからには、その知見も存分に活かせるだろう。
また、たとえ国難に見舞われることが起きても、自在に薬品を生み出せる。
ただでさえ己のためにならば賢明な行動に出ることを惜しまないヴィクトリアだが、もはや無敵だ。
──私を葬った過去への復讐には、もうとらわれることもない。私は王国の王妃。得られた栄華と人生を、心置きなく謳歌できる。私を尊重する国王陛下と寄り添い、歩みながら。
ヴィクトリアにより無惨な最期を与えられたものからすれば、そうしてのけた罪悪感のかけらどころか、嫌悪感や後ろ暗い達成感すらも放棄されては完全に葬られるのと変わらない。
しかし、彼女の知ったことではない。晴れ渡る青空のもと、優しく華々しく舞う花びらと祝福に包まれ、ヴィクトリアは報復した過去の愉悦から、今後築き上げる好ましい未来へと心を切り替えて、隣に座る国王の手に自分の手を柔らかく重ねた。
──これからは、私でしか得られない私の幸福を。
心のなかで呟くと、重ねた手は温かく指が絡められた。
呼応して交わした眼差し。その瞳には麗しく無邪気なヴィクトリアが映っており、それは向けられる愛情により彼女の美を際立たせていた。
誰よりも満たされた、一人の人間として。
王国内での需要に対する供給を安定させること、そのための外交と労働環境の改善。国民の生活における不満は、国王とその婚約者ヴィクトリアによる働きで、王室へと向けられることもなくなった。
ヴィクトリアは生まれこそ恵まれているが、かといって環境に甘んじて贅沢をすることは好まないのも大きかった。
たとえば日常にささやかな楽しみを加えることこそあれど、豪奢な装いや暮らしで浪費することは、彼女の美意識からすれば愚かしいと考えている。
そんなヴィクトリアが国王の伴侶となる。なるべくして王室の規範は正され、民の血税をみだりに使わず、水道の整備などへ回して還元する、民のための王室と生まれ変わった。
そこには、王国内の被雇用者全ての待遇を改善したことも含まれる。
元より彼らには毎月二回の休日が定められてはいたものの、休みの日は働きがないため、雇用主から食事が出されないことを当たり前とされてきていた。
しかし、それでは健やかな労働への従事に無理が出てしまう。ヴィクトリアはまず、王室と己の家門で働くものを対象に、休日も二度の食事を必ず与えると決めた。
その結果、雇われて働くものたちの体力と意欲は目に見えて上がったのだ。
こうした例が作られると、王国全体にも法により広めることが可能になる。
屋敷で、街で、農村で──雇われていた全ての労働者が、空腹の休日から安息の休日へと変化させてくれたことを喜んだ。
「今までは休みの前日になると、飲み水や残りものを集めるのに苦労していたのにねえ」
「そうだよ、その残りものだって、厨房じゃ余分に料理を作ったりなんかしないんだから、僅かな食べ残しに期待するしかなくて……」
「そんな惨めな気持ちも、薄っぺらいベッドに潜って耐えるだけだった空腹も、あのお二方はご理解下さったんだ」
「裕福な暮らしが普通のご身分でも、下々の苦労を思いやって……こんな素晴らしい方々の治める国になった今では、働くことも苦しいだけじゃないと思えるよ」
「そうだね、しかも休日の食事以外にも、毎月の給金だって底上げしてもらえた!安く働かされてた人も少なくなかっただろ?それを、『労力の搾取は許されない』と仰せになられて……」
労力の搾取──こういうことを言うのは、もちろんヴィクトリアである。
ヴィクトリアは、自分に悪意を持つものや害をなそうというものには、それはもう容赦なく堕ちてもらおうと働きかける。
一方で、国王の伴侶としての立場は彼女なりにわきまえており、国益にならない慣例は「民の幸せを思えば」と言って積極的に変えさせる。
己が美しくあるには、己の君臨する国までも美しくあれという理念が、ヴィクトリアの意識を高く保っているのだ。
夫君になる国王もまた、そんな彼女をこそ至高として愛している。
何しろ、ヴィクトリアの独特な美意識も、闇を孕んだ心のありようも、全てを承知したうえで全肯定する人物だ。それはヴィクトリアも快い驚きとともに相手を認めるほかなかった。
過去には腹黒いやり取りこそあったが、この両者も大概似合いの二人だ。
国直しが一段落ついたこともあり、晴れて婚姻の儀を迎える日取りを決められ、──いよいよ当日となった今や、国民も祝賀の催しで大いに沸いている。
「婚姻の儀でお二人がお召しになるご衣装は、王国の建国当時から代々受け継がれてきた絹織物で作られたのでしょう?」
「そうですわ、一代に一人のみが技法を伝授される特別な織物で、王室でもめったに用いられることのない美しい絹だと伺いました。どれほど素晴らしい装いになられるか、楽しみでなりません」
高位貴族でさえ手に入れることの叶わない生地を用いた揃いの衣装は、なめらかに輝く白地を主体にしており、そこに王家を象徴する紫色を合わせて、金糸と銀糸で細やかな刺繍を施した格調高いものだった。
無論、ヴィクトリアの美貌を際立たせるように意匠が凝らされている。
きらびやかで荘厳な花嫁衣裳をまとったヴィクトリアの美しさは比類するもののないほどだった。
支度を整える部屋を訪れ、完璧に着飾られたヴィクトリアを、国王は陶然と見つめて惚れ直している様子だ。
「ヴィクトリア、君はこの日、世界の誰よりも美しく……女神でも、こうまで神々しく美しいとは思えないほどだ」
そう言う国王も、遜色のない美丈夫に仕上がっているのだが、ヴィクトリアを第一にしているので自惚れたりはしない。
「ありがたく存じます。ですが、わたくしは天上の神ではなく陛下の王妃となるために、本日を迎えました。これからの人生を、共に歩んで下さいますのでしょう?」
「言うまでもない。私は常に君と話し、君の提言を蔑ろにすることはない。君は腐敗した王室も、正しく理想的な姿に生まれ変わらせてくれた。私が求められる私であるために、君の存在は必要不可欠だ」
「過分なお言葉でございます。ですが、わたくしは陛下に嫁ぐ身。陛下がわたくしの生き方を否定なさらず、わたくしを妻として愛して下さる限り、陛下のおためにならぬことは致しません。敬愛と誠意で寄り添いたく存じます」
「それならば、私たちは生涯を共に歩めることだろう」
──協力関係にあり、過去の共犯者としても。
「わたくしもそれを望みますわ。陛下とわたくしを陥れる闇の悪意は、今ここにございません。万が一この先現れましても、わたくしは排除してみせましょう」
物騒な愛の言葉ではある。しかし、国王への想いを自覚したヴィクトリアとしては、彼を守り抜き、幸福で豊かな──国王の治世が瑕瑾なく尊ばれるためにならば、王妃として務めを果たす覚悟もできている。
「君の意思と心を嬉しく思うよ。ヴィクトリアは、私にとって最高の妻であり最強の盾と剣だ」
想いを語らい、熱を帯びて見つめあう二人だが、しかし婚姻の儀に遅れるわけにもいかない。
そのあとは、祝賀のお披露目も待っている。王室で二人に仕えるものは時間に追われており、甘い時間に酔うのは、それらを済ませてからにと内心でやきもきさせられた。
だが、そんな感情も取りこぼしはしないのが強みである。国王はヴィクトリアに手を差し伸べ、それを合図に婚姻の儀へと歩を進めた。
──婚姻の儀では、両家の親族のみならず主要な貴族と異国の貴賓も参列できる。祝いと賞賛の言葉を囁き交わしながら、結ばれる二人を寿いだ。
「私は、彼女を生涯の伴侶として重んじ、永遠の真心を誓う」
「わたくしは国王陛下を夫として、良き王妃となりお仕えし、いついかなる時も敬愛でもって支えることを誓います」
誓言を述べると、みなが手にしていた花びらを舞わせて、華やかに場を盛り上げた。
次は国民へのお披露目だ。婚礼衣装だけでも十分に整えたと見なしているヴィクトリアの意向にそって、ことさらに衣装替えをすることはなく、二人は重々しく飾られた八頭立ての馬車に乗って王都の中心を進んだ。
婚姻の儀でもそうだったが、お披露目でも国民たちが色とりどりの花を撒いて二人の婚姻を歓迎し、歓声を上げている。
「国王陛下、王妃殿下の御代がいつ久しくお栄えしますように!」
「王国の未来はお二方により、必ずや明るいものとなることでしょう!」
──こうも祝福されて嫁ぐということは、心を曇りなく晴れやかにしてくれるのね。
第二王子と婚約していたときには想像だにできなかった晴れの舞台だ。ヴィクトリアは国王とともに笑みを絶やさず、集まった群衆に向けて優雅に手を振り応えた。
「……これで、私たちは全てのものに認められて王国を導き統べる身となったね」
小さく耳打ちした国王に、ヴィクトリアは艶然と微笑みを返した。
「はい、──陛下とわたくしで、世界にあるどの国よりも豊かに繁栄させましょう。陛下がわたくしを裏切ることのない限り、わたくしは王妃として誠意と真心をもって共にございます」
「ならば、私たちは生きている限り身も心も離れない」
そう言わせる底なしの想いと信用を損なうような過ちは、まずありえない。
ヴィクトリアは生と死の狭間で、飽きるほど世界を見て、各国の内情にも通じている。王妃となったからには、その知見も存分に活かせるだろう。
また、たとえ国難に見舞われることが起きても、自在に薬品を生み出せる。
ただでさえ己のためにならば賢明な行動に出ることを惜しまないヴィクトリアだが、もはや無敵だ。
──私を葬った過去への復讐には、もうとらわれることもない。私は王国の王妃。得られた栄華と人生を、心置きなく謳歌できる。私を尊重する国王陛下と寄り添い、歩みながら。
ヴィクトリアにより無惨な最期を与えられたものからすれば、そうしてのけた罪悪感のかけらどころか、嫌悪感や後ろ暗い達成感すらも放棄されては完全に葬られるのと変わらない。
しかし、彼女の知ったことではない。晴れ渡る青空のもと、優しく華々しく舞う花びらと祝福に包まれ、ヴィクトリアは報復した過去の愉悦から、今後築き上げる好ましい未来へと心を切り替えて、隣に座る国王の手に自分の手を柔らかく重ねた。
──これからは、私でしか得られない私の幸福を。
心のなかで呟くと、重ねた手は温かく指が絡められた。
呼応して交わした眼差し。その瞳には麗しく無邪気なヴィクトリアが映っており、それは向けられる愛情により彼女の美を際立たせていた。
誰よりも満たされた、一人の人間として。
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