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魔物討伐隊 立入制限区域レベル6にて
タスクフォース 2
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リッツェンが演台から降りた代わりに、今度はメイ・ホルンストロームが講演台に立った。
ハーフアップに結ばれた肩までの長さがある銀色の髪がさらりと揺れる。全てを見透かすかのようなルビー色の瞳が鋭く光り、隊員たちは、尊敬と畏怖の両方の念を抱いた。リッツェンを前にした時とは異なる緊張感が走る。
メイ・ホルンストロームは、パラビナ王国の中で今最も力のある筆頭貴族の嫡男であり、現宰相の息子でもある。ホルンストローム家は、政治の裏の裏までを熟知し、中枢に深く入り込んでおり、他の貴族からは非常に恐れられた存在であった。そのような背景と、メイ自身が放つ威圧のオーラは、討伐部隊前線において隊員を統制するのに大変役に立っていた。
「王命により、より多くの聖樹の木を探索するため、特別機動部隊が結成されることになった。人員は、この討伐統合部隊より選出される。基本は魔術騎士で編成するが、治療士も場合によっては帯同を任命することもある。立入制限区域のため、いつまたS級やA級の魔物が出現するかわからない。その覚悟があるものは、自選してもかまわない」
メイがそう告げると、隊員たちはまた、ザワザワと話しはじめる。
魔術騎士の中で、命が惜しい者たちは、どうか任命されませんようにと願ったし、昇進したい者たちはぜひ機動部隊に参加したいと、息をあらくする。
こういった場合、戦闘力に乏しい魔術士たちは前線には派遣されない。治療士も平常は同じ扱いだ。魔物に遭遇した場合、体力も戦闘力も無い者をぞろぞろと引き連れて行っても、足手まといになるだけだからだ。
ただ、討伐現場ですぐに怪我人の手当ができる要員は欲しいところで、今回のように未開の土地に入る場合などは、万が一にも備えたい。治療士が派遣されるのは、それが理由だった。
「中途半端な覚悟しか持たない魔術騎士や治療士は、この拠点に残って控えのサポートに回るか、それもできないと言う奴は統合部隊を除隊しろ。他の部隊はどこでもここよりはマシだろう。調査や物資調達の準備などがあるから、1ヶ月後にミッションを開始する。詳細は追って知らせる。以上だ」
有無を言わせないような雰囲気で、メイはそう言い放つと、最後に新人治療士が立つ列に視線を向けた後、壇上を降りていった。
ハーフアップに結ばれた肩までの長さがある銀色の髪がさらりと揺れる。全てを見透かすかのようなルビー色の瞳が鋭く光り、隊員たちは、尊敬と畏怖の両方の念を抱いた。リッツェンを前にした時とは異なる緊張感が走る。
メイ・ホルンストロームは、パラビナ王国の中で今最も力のある筆頭貴族の嫡男であり、現宰相の息子でもある。ホルンストローム家は、政治の裏の裏までを熟知し、中枢に深く入り込んでおり、他の貴族からは非常に恐れられた存在であった。そのような背景と、メイ自身が放つ威圧のオーラは、討伐部隊前線において隊員を統制するのに大変役に立っていた。
「王命により、より多くの聖樹の木を探索するため、特別機動部隊が結成されることになった。人員は、この討伐統合部隊より選出される。基本は魔術騎士で編成するが、治療士も場合によっては帯同を任命することもある。立入制限区域のため、いつまたS級やA級の魔物が出現するかわからない。その覚悟があるものは、自選してもかまわない」
メイがそう告げると、隊員たちはまた、ザワザワと話しはじめる。
魔術騎士の中で、命が惜しい者たちは、どうか任命されませんようにと願ったし、昇進したい者たちはぜひ機動部隊に参加したいと、息をあらくする。
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