34 / 140
魔物討伐隊 立入制限区域レベル6にて
突破口を開く 1
しおりを挟む
コニーは早速、エミンの側にかけ寄って足首に治癒魔術をかけた。
「僕の魔力とスキルじゃ、痛みを紛らわせるくらいで、毒を完全に中和できない…ごめん…」
コニーは謝りながらも、同じようにノエルの右腕に治癒魔術を施す。
治癒魔術は、繊細な上に魔力も相当量必要なため、毒を受けているノエルとエミンは自分自身に治癒魔術をかけることができない状態であった。
「ありがとう、ユーストマ君。痛みが和らいでだいぶ楽になったよ」
「ありがとう。痛みが無くなるだけでも全然違う」
エミンとノエルは、コニーに感謝の言葉を伝える。
コニーの頬がほんのりピンク色に染まった。優秀な2人に褒められるのは嬉しかった。
「すぐにでもここから脱出したいところなんだけど…あの自動で閉まったドアが厄介だと思う」
第2武器収容庫には窓はなく、出入りするドアは1つだけといった作りになっていた。
ノエルは、武器収容庫のドアに近付いて、ロックの仕様を調べる。
「…簡単には開かなそう」
ドアには幾重にも魔術が施されており、一つ一つ解除していかなければ、開かない仕組みになっていた。
さらにノエルには、気になっていることがあった。
病魔ストレス症状を現す大量の黒い点が、失神している先輩治療士と、エミンのまわりに少しずつ集まっているのが見えていたのだ。
「ちょっと、酷い顔色だけど…大丈夫?」
コニーが、エミンの顔色の悪さをに気付く。
「うん…痛みはひいたんだけど、身体全体が、重たいというか、呼吸もし辛くて…」
病魔ウィルス濃度が高いと、病魔ストレス症状が悪化しやすい。この武器収容庫はしばらく使われていないらしく、空気がひどく淀んでいた。
「収容庫内の病魔ウィルス濃度が高いのかもしれない…このままだと、僕たちの病魔ストレスが悪化して、ますます困ったことになる」
ノエルは2人にそう告げた。ノエルとコニーも、エミン達と同じように、やがてすぐに病魔ウィルスの影響を受けるだろう。
やはり、早く脱出するためにも、このドアを解除するしかないと思った時、先輩治療士が突然うめき声をあげた。
「うぅ…」
ノエル達に緊張が走る。
また突然発狂して、おかしなことでもしたら…この武器収容庫には、大量の火薬がある。ボヤ程度の小さい火でも、引火したら大惨事だ。
「この人、目を覚ましちゃう!どうしよう…!!とりあえず、持ってる危ないもの全部回収しちゃう…?」
コニーの言う事に同意しようとした時、ノエルの頭にある案が浮かんだ。
「そうか…!吹き飛ばしてしまえばいいのか…!」
「僕の魔力とスキルじゃ、痛みを紛らわせるくらいで、毒を完全に中和できない…ごめん…」
コニーは謝りながらも、同じようにノエルの右腕に治癒魔術を施す。
治癒魔術は、繊細な上に魔力も相当量必要なため、毒を受けているノエルとエミンは自分自身に治癒魔術をかけることができない状態であった。
「ありがとう、ユーストマ君。痛みが和らいでだいぶ楽になったよ」
「ありがとう。痛みが無くなるだけでも全然違う」
エミンとノエルは、コニーに感謝の言葉を伝える。
コニーの頬がほんのりピンク色に染まった。優秀な2人に褒められるのは嬉しかった。
「すぐにでもここから脱出したいところなんだけど…あの自動で閉まったドアが厄介だと思う」
第2武器収容庫には窓はなく、出入りするドアは1つだけといった作りになっていた。
ノエルは、武器収容庫のドアに近付いて、ロックの仕様を調べる。
「…簡単には開かなそう」
ドアには幾重にも魔術が施されており、一つ一つ解除していかなければ、開かない仕組みになっていた。
さらにノエルには、気になっていることがあった。
病魔ストレス症状を現す大量の黒い点が、失神している先輩治療士と、エミンのまわりに少しずつ集まっているのが見えていたのだ。
「ちょっと、酷い顔色だけど…大丈夫?」
コニーが、エミンの顔色の悪さをに気付く。
「うん…痛みはひいたんだけど、身体全体が、重たいというか、呼吸もし辛くて…」
病魔ウィルス濃度が高いと、病魔ストレス症状が悪化しやすい。この武器収容庫はしばらく使われていないらしく、空気がひどく淀んでいた。
「収容庫内の病魔ウィルス濃度が高いのかもしれない…このままだと、僕たちの病魔ストレスが悪化して、ますます困ったことになる」
ノエルは2人にそう告げた。ノエルとコニーも、エミン達と同じように、やがてすぐに病魔ウィルスの影響を受けるだろう。
やはり、早く脱出するためにも、このドアを解除するしかないと思った時、先輩治療士が突然うめき声をあげた。
「うぅ…」
ノエル達に緊張が走る。
また突然発狂して、おかしなことでもしたら…この武器収容庫には、大量の火薬がある。ボヤ程度の小さい火でも、引火したら大惨事だ。
「この人、目を覚ましちゃう!どうしよう…!!とりあえず、持ってる危ないもの全部回収しちゃう…?」
コニーの言う事に同意しようとした時、ノエルの頭にある案が浮かんだ。
「そうか…!吹き飛ばしてしまえばいいのか…!」
130
あなたにおすすめの小説
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
たとえば、俺が幸せになってもいいのなら
夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語―――
父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。
弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。
助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件
表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。
病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。
この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。
しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。
ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。
強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。
これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。
甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。
本編完結しました。
続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
(無自覚)妖精に転生した僕は、騎士の溺愛に気づかない。
キノア9g
BL
※主人公が傷つけられるシーンがありますので、苦手な方はご注意ください。
気がつくと、僕は見知らぬ不思議な森にいた。
木や草花どれもやけに大きく見えるし、自分の体も妙に華奢だった。
色々疑問に思いながらも、1人は寂しくて人間に会うために森をさまよい歩く。
ようやく出会えた初めての人間に思わず話しかけたものの、言葉は通じず、なぜか捕らえられてしまい、無残な目に遭うことに。
捨てられ、意識が薄れる中、僕を助けてくれたのは、優しい騎士だった。
彼の献身的な看病に心が癒される僕だけれど、彼がどんな思いで僕を守っているのかは、まだ気づかないまま。
少しずつ深まっていくこの絆が、僕にどんな運命をもたらすのか──?
騎士×妖精
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる