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魔物討伐隊 立入制限区域レベル6にて
惹かれる 3 ※メイ視点
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気がつくと、メイは治療魔術をかける為ノエルにキスをしていた。別にわざわざ口付けなくても良かったのだが…考える前に身体が動いていた。
メイにキスされたノエルは、ヘーゼルナッツの瞳が落ちそうなくらい目を見開いた後、少しだけ悔しそうな表情を覗かせていた。
(キスしたらどんな顔をするのかと思えば…なんで、ちょっと悔しそうなんだよ)
いちいち予想外の反応を見せるノエルの様子を見るのが面白かった。
統合討伐部隊では、メイは戦術を考える参謀のような役割を担っていた。魔物討伐部隊においては、あらゆる可能性を視野に入れて、プランをいくつも用意しておく必要がある。
ランドルフやリッツェンのような隊長クラスの魔力量であっても『魔力の交換』に耐えうるノエルの能力は、今回の特別機動部隊でおそらく使えるだろう。
有事の時に備え、万策を尽くすという意味で、ノエルにその任務を任せたいと伝えた。そして、ノエルはメイに応えた。
――ここには、その覚悟で来ました。引き受けさせてください
(コイツも成し遂げたい何かがあってここにいるんだな…)
ノエルの現場に出たいというただならぬ決意に、メイは親近感を覚える。達成しなければならない事があるのは自分も同じだった。
ただ、魔術騎士でもない治療士を討伐現場の前線に派遣するのは、危険が伴う。そこで、ノエルをリッツェンの側に配置し、隊長クラスとほぼ同じくらいの魔力を有しノエルと近しい存在であるイスタも同じ戦闘部隊に置くことで、より強固に守りを固めたかった。
『魔力の交換』をしてくれと、他の治療士には任せていない使命をこちら側の勝手な都合で押し付けている手前、ノエルの気持ちをできるだけ尊重したいという思いがある。
リッツェンとランドルフならば、ノエルを不当に扱ったりはしないだろう。あの2人ならばノエルの『魔力の交換』相手として不足は無い。
そういった考えを持ち先陣を切って未開の地を進むメイのところに、リッツェンから連絡が入る。
――メイ、そろそろ1人じゃ無理が出る頃じゃない?ノエルをそっちに送るから
そう気を回すリッツェンに、メイは「寄越さなくていい。大丈夫だ」と伝える。ノエルにはできるだけ安全なところに居て欲しかったし、顔を見るときっと益々ノエルに惹かれてしまうだろうと、確信めいた気持ちを持っていた。
(あいつの、あの目は…ダメだ)
メイのルビーの瞳を射抜くように真っ直ぐに見据えるノエルの瞳が、メイの胸に浮かんでいた。
メイにキスされたノエルは、ヘーゼルナッツの瞳が落ちそうなくらい目を見開いた後、少しだけ悔しそうな表情を覗かせていた。
(キスしたらどんな顔をするのかと思えば…なんで、ちょっと悔しそうなんだよ)
いちいち予想外の反応を見せるノエルの様子を見るのが面白かった。
統合討伐部隊では、メイは戦術を考える参謀のような役割を担っていた。魔物討伐部隊においては、あらゆる可能性を視野に入れて、プランをいくつも用意しておく必要がある。
ランドルフやリッツェンのような隊長クラスの魔力量であっても『魔力の交換』に耐えうるノエルの能力は、今回の特別機動部隊でおそらく使えるだろう。
有事の時に備え、万策を尽くすという意味で、ノエルにその任務を任せたいと伝えた。そして、ノエルはメイに応えた。
――ここには、その覚悟で来ました。引き受けさせてください
(コイツも成し遂げたい何かがあってここにいるんだな…)
ノエルの現場に出たいというただならぬ決意に、メイは親近感を覚える。達成しなければならない事があるのは自分も同じだった。
ただ、魔術騎士でもない治療士を討伐現場の前線に派遣するのは、危険が伴う。そこで、ノエルをリッツェンの側に配置し、隊長クラスとほぼ同じくらいの魔力を有しノエルと近しい存在であるイスタも同じ戦闘部隊に置くことで、より強固に守りを固めたかった。
『魔力の交換』をしてくれと、他の治療士には任せていない使命をこちら側の勝手な都合で押し付けている手前、ノエルの気持ちをできるだけ尊重したいという思いがある。
リッツェンとランドルフならば、ノエルを不当に扱ったりはしないだろう。あの2人ならばノエルの『魔力の交換』相手として不足は無い。
そういった考えを持ち先陣を切って未開の地を進むメイのところに、リッツェンから連絡が入る。
――メイ、そろそろ1人じゃ無理が出る頃じゃない?ノエルをそっちに送るから
そう気を回すリッツェンに、メイは「寄越さなくていい。大丈夫だ」と伝える。ノエルにはできるだけ安全なところに居て欲しかったし、顔を見るときっと益々ノエルに惹かれてしまうだろうと、確信めいた気持ちを持っていた。
(あいつの、あの目は…ダメだ)
メイのルビーの瞳を射抜くように真っ直ぐに見据えるノエルの瞳が、メイの胸に浮かんでいた。
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