とある剣士の異世界転生!〜極大魔法?超越魔法?要りませんよ。ただの基本魔法で十分です……コピーもできますし?〜

朱雀

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大暴走

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「おいおい…これは…古龍の…」
「何か言ったか?」
「いや、なんでもない。ボソ(今は突っ込まないでおこう…。」

 コアを消した後に引いた魔物の中で、残っていた魔物の大群を古龍のブレスで殲滅していると、ガイアスが何か言った気がした。…ちなみに、古龍のブレスは【魔法陣カスタム】で完全に改良し、魔力の使用量が十分の一になり、威力が約三倍まで引き上げれた。

「なんでもないなら良いが。さて、後…百匹くらいか。あれは剣で潰してみようかな。…さあ、来い。………【桃の太刀・夢見草ゆめみぐさ・十連】。」

 刀が走り、刀を鞘に収めた瞬間、魔物の首が全て血に落ちた。…ガイアスがその血飛沫を受けてボーゼンとしてるのは…まあ、ご愛嬌だな。…後で血がよく落ちる洗剤かなんかを献上させてもらおうかな。今回の討伐の金で。

「とりま、殲滅完了っと。」
「…大暴走は終わったーー!!俺たちの勝利だーーー!!!。」

 …あ、ガイアスが言ってくれた。本当は俺が言うはずだったけど…まぁいいか。正直、ちょっと恥ずかしいし。

「うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 大暴走、終結。死者、三人。同規模の大暴走の中では、過去最低の戦死数だった。

______sideガイアス______

 俺、ガイアスは命が危険なはずだった。倒しても倒してもそこが見えない魔物に心が折れるかと思った。…が、その戦況は一人の少年が覆した。Bランクは下らないだろう強さのやつから、S Sランクの俺でも手こずるような魔物まで、その少年の前では塵芥だった。これが…英雄か。ここまでだと、嫉妬もわかない。ただ純粋な憧れが俺の心を埋め尽くした。

 そして、最後の百匹、しかも古龍のブレス…いや、それを改良したような魔法を喰らって生き残れた強者だと俺が認識した刹那____そいつらの首が落ちた。少年の刀とよばれる武器は既に鞘に収まっている。見れなかった。この世界最強とまではいかずとも、かなり強い部類に入るだろう俺が。ただ一太刀も、首が落とされたこともわからなかった。かろうじてわかったのは、少年が戦場を数瞬の間に駆け廻ったことだけだった。

 

 そして現在、俺は少年や他の冒険者が倒した魔物の情報を処理している。今夜は一睡もできぬであろう仕事量に、いつもは呆然とし、時間がかかるだろう。だが、今日は嫁が来てくれているので、かなり減っている。おそらく、ニ、三時間は眠れるだろう。明日は忙しい。だが、あの少年______シンの活躍を思い出すと、怠ける気にもならない。俺はまだ上を目指す。憧れた少年の背を追うために。俺は今、全盛期の力もないだろうが…北の山に、若返りの神水があったはずだな。俺は、このままここで終わるのをよしとしない。さぁ、仕事に取り組むか!おそらく、ギルマスとして最後の仕事だろう。
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