とある剣士の異世界転生!〜極大魔法?超越魔法?要りませんよ。ただの基本魔法で十分です……コピーもできますし?〜

朱雀

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新しいSSランク冒険者と、「覚醒者」

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 白銀の龍を保護した後、人化した彼女と共に城に戻った。…ちなみに、彼女の本名は銀煌龍帝〈アストリア〉だそうだ。普段はアリアと呼ぶことになった。

「…と言う訳で、彼女が俺の仲間になった。OK?」
「「「「はぁああああああああ!?」」」」

 …知ってた。こんな反応になるだろうな、とは思った。アリアの本名がやばいし、そもそもあの見た目で普通なのはやばい。いっそ神々しささえあったし。あれで普通なら、上位の龍は神か、と思う。

 …余談だが、銀煌龍帝は、まごうことなく龍神で、この世界でも最上位の階級に位置する生物。そしてその存在は、不死に限りなく近い聖霊、精霊の一種で、その力は大自然の化身である精霊王を凌駕する。その神が司るのは“全ての龍”と、究極固有魔法【銀煌魔法】。世界の調停者である。

「……まぁ、お主が規格外、常識外なのはわかった。……ここに余、三十八代目フレデリク王国として宣言する。我が国はSSランク冒険者、シンとその仲間に対する、害意ある干渉を禁ずる。同時に、これを破ったものは誰であれ死刑に処すこととする。……じゃから、この国には攻め込まんでくれよな?な?」
「…わかった。そこまでしてくれるのなら、俺としては何も言うことはない。そして、特別だ。俺に特権を与えてくれた礼だ。本当は特別依頼とか受けたくなかったんだが…この国、フレデリク王国の国王の依頼なら、できる限りやるとしよう。…無論、物色はさせてもらうがな。」
「!!それはありがたい。感謝する。……では、長くなったがこれでお披露目を終わることにする。これよりパーティー会場に移動する。各自用意出来次第、それぞれで行ってくれ。」
「「「ははっ!」

 うん。実は今回のお披露目、半分これを楽しみに来たのだ。ガイアスセンパイ殿が言うには、このお披露目の後のパーティーは、素晴らしいご馳走が並ぶと言う。準備は既にできている。是非是非味わっていこうじゃないか。…とは言え、貴族にとっては服芸の場になるらしいが…まぁ、俺は【神の権能】の応用で気配を隠しておくから、問題はないだろう。

 …にしても、後ろからついてきている気配、妙だな。静かだが微量な殺意を感じる。…この感じだと暗殺者かな?まぁ…とりあえず、一旦小さい道に入るか。

「アリア、先に行っててくれ。」
「む?…なるほど。わかった。」

 どうやら、しっかりと意図を汲んでくれたみたいだ。銀煌龍帝がいるから躊躇っている様子なんだよな。アリアが離れれば、もしかしたら自分から近づくかも…。…やっぱり。

「どうしたんだ?そんなに俺につきまとって。そんなに殺したいのならさっさとくればいいのに。…ちなみに言っておくけど、バレバレだったぞ。まぁ、殺意の消し方や気配の殺し方は結構うまかったけどな。」
「「……。」」

 つきまとっていたのは、完全に黒装束の二人。…身軽に動けるように作られた衣装、音を一切立てない足運び。こいつらは結構上級の暗殺者だな。まぁ、俺の世界じゃまだまだ二流だが。

「はぁ、こう言うタイプって依頼人を履かないのが面倒なんだよなぁ…。まぁいい。さっさとかかってこい。」

 黒装束の二人は、同時に動き出し懐から出した、おそらく毒の塗ってあるだろう短剣で切り掛かってくる。…こう言うタイプは正攻法じゃ絶対に来ないから…SSランク冒険者でも潰せるような裏技を持っているだろう。じゃないと、流石に強者に挑む勇気は出ないだろうしな。

「甘い。【白の太刀・班雪はだれ】。」

 【白の太刀・班雪はだれ】。技としては、相手の武器を掠め取る、と同時に鋭い踏み込みを行う突き技である。…俺のは元のと少し変わっていて、威力を落とす代わりに速度を上げる方にアレンジされている。これにより、一度の呼吸(踏み込み)で最大八回の月が行える。…今回のは四回の峰打ちに返した突きで、脛を攻撃し、無力化した。無駄な殺しはしたくないしな。

 ちなみに、これを前世の友人にすると、峰打ちで突きはできないと真顔で言われたのだが……まぁ、できるのだし深く考えたことはない。…そういえば、あの人は元気にしてるかなぁ…。

「さて、じゃ、ついてきてもらうぞ。一応言っておくけど、その高速は取れないからな。」

 無力化した二人を、【無限収納】の中に入れていた縄で縛り上げて連行した。目的地は王様のところである。…にしても、今さっき王から干渉と同時に処刑宣言が出たのに、よく暗殺者を差し向けれるな。…まぁ、前世ではあるあるだったけど。処刑とか法とかが効かない奴らもいるし。つか、いなかったら俺の仕事は無くなっていたんだがなぁ…。

「…まぁ、そう言う訳だ。」
「なんだと!?…近衛兵!」
「は。」
「こやつらから情報を洗い出せ!“影”を使っても構わん!首謀者に余に恥をかかせたことに対し、制裁を科せ!」
「はは!直ちに。」

 …この近衛、かなり強いな。ガイアスとタメをはれそうだ。…いや、こっちの方が少し強いかな?…そして今回の首謀者は、ご愁傷様。今回の行動は、あの重鎮たちの前で宣言した王の顔に、たっぷりと泥を塗った。一人の首じゃ済まされないだろうなぁ…。

「シン殿。此度のことは本当にすまなかった。首謀者には然るべき処置を下す。その上、賠償金を限度があるが、ある程度は言い値で払おう。」
「…いや、怪我はなかったし、怒ってはいない。だが、次はないぞ?…それと、金なのだが……金は要らん。正直、有り余っているしな。それより、この国には、古代の遺跡があるみたいだな?そこに入る許可が欲しい。」
「……わかった。お主が、そこで生き残れるくらいの力があるのは周知の事実であるのでな。じゃが、それでは足りん。まだ何か、欲しいものなどはないのか?……正直、救国の英雄に対する此度の多大な不敬に対し、それでは足りんのだ。周りの国や臣下…がうるさい。……そうじゃ。では宝物庫の物を一つ、持っていってくれていいぞ。すまんが、王家に関するものはやれんが…。」

 これはまたすごい。この国、フレデリカ王国にある計十二の国が管理する古代遺跡に、自由出入りできる許可が降りた上に、宝物庫のものも物色していいらしい。…まぁ、何かいいものがないか、または見て回るだけでもこの世界の“宝”はどんなのかわかるだろう。

「それはありがたい。ではそうしてくれ。…で、俺はパーティーに行っても?」
「ああ。…此度は本当にすまなかった。」
「いやいや、気にしないでくれ。謝罪の気持ちは受け取ったし、もとより怒ってはいなかったからな。」
「そう言ってくれるとありがたい。…宝物庫の件は、後日またギルドの方に、使者をおくろう。」

 さて…と。じゃあ、お楽しみのお食事タイムが来た訳だ…。俺がパーティー会場に着いた時、アリアは既に料理を楽しんでいた。…いいなぁ。さっきの奴らは、アリアに任せれば…あ、でも失敗すればこの城が消し飛ぶな。

「む、主様ではないか。おすすめの料理を選んでおいたぞ。」

 うむ、それならば許そう。ちなみに、エメルたちも端っこの方で楽しんでいる模様である。…そういえばあいつら、アリアが落ちてきた時に来なかったな。…その後も見てなかったし、先にパーティー会場に来ていたのかな?

 …この後、俺はそこの料理を存分に楽しんだのだった…。
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