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episode...04
しおりを挟む数分前に見た方向からすると多分、蒼空くんの家の玄関を出て右に曲がった筈だから、T字路の左にあるコンビニが目的地だろうと推測して足を進めて曲がったところで、そのすぐ隣の公園の入り口付近で蒼空くんの後ろ姿を発見した。
そっと後から声をかけて驚かせようと企む私に気づかず、蒼空くんは道を抜けてすぐにある自販機の横に赤いベンチ付近で立ち止まった。
暗がりだと言うのにスマホの明かりだけで誰かが座ってる。
顔がよく見えないまま蒼空くんが声をかけた先に居たのは、予想してた通りの人で、すぐに顔を上げて満面の笑みを浮かべて立ち上がったのが鈴花さんだとすぐに分かった。
駆け寄ると抱きつく訳でもなく側で立ち止まって、ただ胸元のシャツだけを引っ張って、突然糸が切れたみたいに子供みたいな泣き方で鈴花さんは泣きじゃくり始めた。
泣きじゃくる鈴花さんを蒼空くんが優しく少し遠慮がちに抱き寄せて鈴花さんの頭を優しく撫でていた。
蒼空「帰ろう?」
暫くしてから、鈴花さんを抱きしめたまま蒼空くんは諭すように言っているのが微かに聞こえた。
鈴花さんが顔を上げると、お互いに向かい合って目と目があった瞬間に鈴花さんの唇が蒼空くんへと近づいた。
受け入れる事もできた距離だったけど、蒼空くんは鈴花の唇を両手で塞いだ。
蒼空「俺で遊ぶなよ」
無理矢理押さえ込むみたいにして鈴花の言葉を遮って、その体温を振りほどくと背中を向けた。
言葉通りに受け取ると、予想してた通りで、それは過去の出来事なのだからと割り切るしか他に術はないのだけれど、どうしても今すぐには受け取ることができず、気付けばその場から逃げ出すように全力で走ってた。
*
翌日、私は大学内にある広間のスペースで、今日も燐ちゃんと渚ちゃんと一緒に過ごしていた。
珍しく燐ちゃんが思い詰めているような顔をしていて、元気がないことに気がついて声をかけてみるけど、声をかけても返事もなくてずっとうわの空で、いつもならとびっきりの笑顔で笑ってくれるのに、顔つきは真剣なままで反応もない。
海桜「りーんちゃーん?」
側まで行って、顔を覗きながら再度声をかけてみる。
明らかに挙動がおかしくて、目の前に顔を覗かせても気づかないままぼーっとしている。
海桜「燐ちゃん?」
燐斗「え?」
海桜「今日はカフェでお茶しながら課題やっちゃおうって、燐ちゃんどうする?」
燐斗「あー課題な!勿論。海桜が行くなら行くよ」
渚咲「何?なんかあったの?」
燐斗「なんもねぇよ」
それからは、何時も通りの笑顔…とまではいかないものの、無理矢理テンションを上げているのか、何時もよりもずっと口数が多い燐ちゃんはいつにも増してチャラさ全開だった。
燐斗「ん?ちゅうする?」
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