23 / 341
23話 知らない二人 7
しおりを挟む
「あ?お前バカじゃねーの?何で南原になんか助け求めてるわけ?」
分からない。この二人も南原さんも、同じように酷いことをしてくる。でも昨日南原さんは、俺がずっと怖がってたら止めてくれた。優しさや思いやりで止めてくれた訳ではないと思うけど。俺には縋れる人なんて居ないから。咄嗟に口をついて出たのは、怖いものなんて何も無さそうな、怖い人の名前。この二人も、彼には敵わないとさっき言っていた。だから......
「南原さんっ...!南原さんっ...!...ふえぇっ...みなみはらさん!!」
俺は壊れた人形のように、同じ言葉を繰り返す。俺の事を思い切り蹴って、ガムテープで拘束して、泣かされた人。そんな彼の名前を何度も何度も。
高橋たちは、俺に散々忠告してくれた。それでも俺はその忠告を無視した。だからどうしても彼らのことなんて呼べない。
今の俺には、あなたしか呼べる人がいないよ。
あんな奴に縋るなんて屈辱以外の何でもないけど、それ以上に今は怖くて。彼の名を口にしていると、少しだけ恐怖が和らぐような気がした。
ああ俺、ホント最悪だ...。
「なーんだ、へにゃへにゃじゃん。ちょっとは期待してくれてもいいのに♪」
いつのまにか俺の中心を取り出して、それをゆるく握っている西村さんに気付き、顔がカーッと熱くなる。
「やだぁ!!...グスッ...もっやめて...おねが...しますからぁ...!...南原さん...たすけ...」
チッ、と舌打ちが聞こえて、ビクッと体が強張る。
「あーもーうっぜーな。別にいきなりケツ掘るとかしねぇから黙ってろよ。口にもガムテ貼んぞ?」
そんな...。
「...ぅ...っく...ふ...」
何も言葉を出せなくなってしまったら、恐怖の闇に呑まれてしまいそうで、俺は嗚咽を堪えようとする。
「ははっ。従順な奴は嫌いじゃねぇよ。」
東山さんと西村さんとは相変わらず楽しそうに、泣いてる俺を見下ろしていた。
分からない。この二人も南原さんも、同じように酷いことをしてくる。でも昨日南原さんは、俺がずっと怖がってたら止めてくれた。優しさや思いやりで止めてくれた訳ではないと思うけど。俺には縋れる人なんて居ないから。咄嗟に口をついて出たのは、怖いものなんて何も無さそうな、怖い人の名前。この二人も、彼には敵わないとさっき言っていた。だから......
「南原さんっ...!南原さんっ...!...ふえぇっ...みなみはらさん!!」
俺は壊れた人形のように、同じ言葉を繰り返す。俺の事を思い切り蹴って、ガムテープで拘束して、泣かされた人。そんな彼の名前を何度も何度も。
高橋たちは、俺に散々忠告してくれた。それでも俺はその忠告を無視した。だからどうしても彼らのことなんて呼べない。
今の俺には、あなたしか呼べる人がいないよ。
あんな奴に縋るなんて屈辱以外の何でもないけど、それ以上に今は怖くて。彼の名を口にしていると、少しだけ恐怖が和らぐような気がした。
ああ俺、ホント最悪だ...。
「なーんだ、へにゃへにゃじゃん。ちょっとは期待してくれてもいいのに♪」
いつのまにか俺の中心を取り出して、それをゆるく握っている西村さんに気付き、顔がカーッと熱くなる。
「やだぁ!!...グスッ...もっやめて...おねが...しますからぁ...!...南原さん...たすけ...」
チッ、と舌打ちが聞こえて、ビクッと体が強張る。
「あーもーうっぜーな。別にいきなりケツ掘るとかしねぇから黙ってろよ。口にもガムテ貼んぞ?」
そんな...。
「...ぅ...っく...ふ...」
何も言葉を出せなくなってしまったら、恐怖の闇に呑まれてしまいそうで、俺は嗚咽を堪えようとする。
「ははっ。従順な奴は嫌いじゃねぇよ。」
東山さんと西村さんとは相変わらず楽しそうに、泣いてる俺を見下ろしていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1,044
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる