当たり能力1個より、ハズレ能力10個の方が良いに決まってる

ネムスター

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はずれの運命

12話 当たりは最低だ

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威圧的な態度は変えられないのか
馬鹿みたいなに上からな性格
肥大化したのは腕だけではないらしい
そいつの妹は必死に止めているのに、右から左
昔はこんな人では無かった
1度勉強を教えて貰ったこともある
妹さんとも仲が良いイメージだった
俺も当たりを選んでたら、、、
コイツみたいになっていたのか

「一発殴らせろよ」

大きく膨らんだ腕より伸びきった髭と大量のニキビが目に付いた
前は結構イケメンだったのに
今では30後半にしか見えない
全部変わってしまった
妹の友人が俺を呼んだ理由も分かる

「殴ってみろよ」

お構い無しに殴りかかってきた
腹部に向けて鋭い一撃が
一発貰う気でいた
パラメーターをいじれば、こいつに勝てる
筋力を少し高めに設定してるから
骨が折れることは無い、、はず
間もなく俺の体に到達する
覚悟だとか言ってもやはり怖い
目は開けられなかった
しかし、拳は当たらなかった
相手が動きを止めたのだ
寸前で、違うものにぶつかって


相手の、、、妹にぶつかって


俺は言葉を失った
妹さんは気を失っている
男は顔を顰めた後にもう一発構えた

本気か?

心配じゃないのか?

有り得ない

10数年一緒に暮らしてきた子を殴って、気にも留めないのか

両手がわなわなと震えた

殴られるのが怖いとか
妹さんが心配だからとか

そんなんじゃない

コイツに対しては怒りしか芽生えなかった

突然、右頬に衝撃が走る
口を三日月型に曲げ
ニヤニヤと笑う奴が見えた
自然と、体が倒れるのを拒絶した
それを見た相手が腕をかざした瞬間だ
無意識の蹴りが、敵の顎を砕いた
考えは巡っていた
最大限痛めつけてやろうと
それだけしか頭になかった
でも、殺す訳にもいかない
だから、、俺は

「これが、あの子の痛みだ」

角度、威力、姿勢
全て計算された渾身の一撃
家に、もう1つ穴が増えた




女の子はゆっくりとまぶたを起こした
周りを見てみると、見慣れない部屋に寝ていた

「おはよう!」

急に視界にに俺の妹が登場
昨日あの後勢いで連れてきてしまったのだ
顔に大きな包帯が巻かれているのはそのせい
兄貴の方はどうなったか知らない
俺は挨拶だけして部屋を後にする
重大な問題をどうにかしないといけない
手についた機械の数値が、昨日からおかしいのだ
全体的に1メモリ分落ちている
能力の謎は深まるばかりだ
俺はカバンを拾い上げ、ごくごく普通にバイトへ行った
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