当たり能力1個より、ハズレ能力10個の方が良いに決まってる

俺には丁度いい

３８話 絶望

泣いてる場合じゃない
嘆いてる場合でもない
分かってる
ただ分かっていても
膝をつかざるおえなかった

妹が消えた

この現実を受け入れ、助けに行かないと
まずはどこにいるのか突き止めよう
おそらく、この街に居る人も同じように攫われたんだ
俺が攫われなかった理由ぐらい分かっている
はずれだからだ
今は悔しくもなんともない
約立たずだと思って連れていかなかったんだろ

ハズレでよかった
俺にはまだチャンスがある

初めて心から思った
ハズレだから、今があるんだ
俺が当たりだったら
攫われて終わり
妹に、何もしてやれなかったはずだ
作った感情でいい
今出来ることをするんだ



俺は旅館に戻り、機械を取った
ここで1つ問題が
機械が色あせたまま、全然反応しない
これは今悩むべき問題だ
俺の戦いで最も使用している武器
使い方次第ではどこまでも汎用性が高くなる
これが無くては、何も始まらない
この地域に入ったから使えないのか？
それも考えにくい事だ
絶対権力なんて噂に過ぎないんだ
妹は当たり能力に攫われた
これだから嫌いなんだ
いつか、何もかも奪っていく気がして
弱い俺は、全部失う気がして
俺は拳を握りしめ、旅館を後にした


どうにか探すんだ
何も手がかりが無いなんて事は無いはずだ
時間も無い、急がなくては
タイムリミットがどれくらいかすら分からない
青メーターすら使えない今
どうするか、、、
答えは出てこない
なら、事件に関与していそうな人を
全員ぐるに思えてきたが、流石にそれは無いはずだ
旅館の人は怪しいな
1人しか居ないはずなのに、不気味なぐらい旅館は回ってる
では誰に聞けば、、、
気づいた時、俺はあのコンビニの前にいた