最強の大魔導師は静かに隠居生活がしたい

がい

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6話 三魔公の伝説

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翌朝、朝食もご馳走になってあっという間に出発の時間だ。
公爵家のみんなで見送りに来てくれて、すっかりリーシアお嬢様のお気に入りになったファウストは今も抱きしめられている。

「大変お世話になってしまいましたね!朝食までご馳走になってしまって本当に助かりました!」

「これぐらい子供達の命の恩人には当然だ。またこの街に立ち寄った時は顔を見せてくれ。妻や子供達も喜ぶだろう。俺は王都で会うかもしれんしな?」

王都が目的地ってのはバレてた、と。
恐らくローガンさんかな?

「勿論です!王都は広そうなんで、会えれば奇跡ですかねー?それじゃファウスト、そろそろ行こうか?」

僕が呼ぶと、待ってましたと元気いっぱいに影にファウストが飛び込んだ。

「あっ…!マルクス様!またファウストくんと遊びに来て下さいね!絶対ですよ!」

「こらリーシア!妹が申し訳ない…是非また遊びに来て下さい!」

「子供達もこう言ってますので、顔を見せに来ていただけたら嬉しいですわ」

ここまで気に入られるとは思わなかったけど、久々に知り合いが出来て悪い気はしないな。

「ありがとうございます!次は旅の土産話でも出来た頃に訪ねるとしましょう!それでは!」

ボルジャーノン公爵家に別れを告げた僕は、とりあえず街で旅の準備を整えて、王都に向けてリーフェンの街を後にした。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




レオンは執務室に戻ると、一冊の本を取り出した。

「竜の魔法を極めし者、影より現れし魔獣と共に戦い、竜と共に戦場を駆ける、か。まさか、な?」

三魔公伝承記という本を開く。
俺が子供の頃に父から聞いた話だが、三魔公は存命だと言うのをずっと御伽話おとぎばなしだと思っていた。

ローガンの話だと、B級魔法の氷槍アイシクルランスを一度に十発近く同時に放ったという。
恐らく、帝国の氷姫ひょうきでも難しい技だと思っている。

「マルクス…一体何者だ?何故王都に?」

我が家を救ってくれた謎の魔術師、彼が王国に何をもたらすのか。

「ローガンを呼んでくれ!」

俺が呼ぶと、すぐにローガンがやって来た。

「お呼びでしょうか、レオン様」

「少し早いが明後日に屋敷を発つぞ。王都に戻る。」

ローガンは一瞬反応したが顔には出さずに返答した。

「マルクス殿、ですか?」

「杞憂なら良いんだがな?こちらからは接触はするな。彼と敵対したくない」

マルクス殿、次に再会する時は友人としてか、災厄としてか…

ローガンが去った執務室で、俺は気を紛らせるようにワインを一杯飲み干した。
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