最強の大魔導師は静かに隠居生活がしたい

がい

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13話 メリルの覚悟

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僕はファウストに言伝を頼んだ後に1階の酒場で朝食を食べに来たが、メリルを待たずに食べ始めるのも悪いと思ったのでお茶を飲みながら一服して時間を潰していた。

「お?兄ちゃん今日は随分と早いな!朝飯食うだろ?」

店主のおっさんが厨房から僕に気付いて顔を出して来た。

「フゥ…おはようございます店主さん。ちょっと連れを待ってるんで、その後に注文させて貰いますね?」

10分程待つと、先程のあわあわしていた子とは思えない凛とした容姿のメリルが現れた。

「大師父様、先程は取り乱し恥ずかしい所をお見せしました。改めて、マリーダ様より蛇炎の魔術師を受け継ぎました不肖の弟子、メリルと申します」

お茶を飲みながら一服をしている僕に、片膝をついて最上の礼をしながら挨拶をされるメリル。

突然の出来事に何事かと店内が騒ついてきた。
やはり王都ではメリルは有名人なんだと改めて感じる。

うん、この子は天然な所があるみたいだね。

「うん、丁寧な挨拶ありがとね。ただ、ちょっとここだと注目されちゃうからこっち座って朝ごはんにしよっか?」

ポンポン、と横の席に座るように椅子を叩き促すと周りの反応に気付いたのか、顔を少し赤くしてそそくさと席に着いた。

「お、おい兄ちゃん!炎姫とどういう関係なんだよ!」

店主のおっさんが慌てて聞いてくる。
周りの客もどうやら気になっているようで聞き耳を立てているみたいだ。

「メリルの師匠とは古い友人…みたいな感じだったんです。それで先日、立派に育ったと手紙を貰ったんで会いに来たって感じですね。そうだよね?メリル?」

「は、はい!私なんかの為に来ていただいて恐縮です!」

うん、元気いっぱいだね!
ただもう少し、君の発言の影響力を考えよう!

一応店主のおっさんも納得した様で、兄ちゃん凄え魔術師だったんだな!と背中を叩かれ、何故か周りの客達も納得してくれたので、とりあえず話を合わせておいた。







その後、美味しい朝ごはんを食べた後は静かな場所でメリルの話を聞く事にした。

「さて、お腹も膨れて元気になったし、君の話を聞きに行こうか。どこか静かな場所はあるかな?」

「は、はい!それでしたらうちの研究室ではどうでしょう?マリーダ様の弟子しか入れませんし!」

なるほど、マリーダの弟子達しか入れないなら都合が良いね

「良いね、じゃあ早速向かおうか。僕の事は内密にしてくれると嬉しいな。僕はもう過去の遺物でこの世界に関わる気がないからね。お願い出来るかな?」

「大師父様の仰せの通りに。しかし…我らが崇拝する貴方様が過去の遺物なんて仰らないで下さい…私は、私は!」

僕はそっと遮音魔法を使い、周囲に音が漏れないようにする。

「メリル、僕は神ではないし、崇拝されるような出来た存在でもないんだ。でも…」

メリルの頭をそっと撫でる。

「ありがとう。マリーダ達五人の弟子は僕の大切な子供達なんだ。その子が築き上げた魔法を受け継いでくれて本当に感謝してる。さぁ、そんな顔をしているとマリーダに笑われてしまうよ?」

メリルは今にも泣きそうな顔をパンッと叩くと、今朝の凛々しい顔に戻った。

「重ね重ね申し訳ありませんでした。ご案内致します。」

そこからはお互い言葉を交わす事なく、マリーダの研究室がある王立魔導師団の研究棟に向けて歩いて行った。
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