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<第一巻:冷酷無慈悲の奴隷商人>

閑話3 :パオリーアの秘め事

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「お前は何人族だ?」

 このときが、初めて私に興味を持ってもらえた瞬間でした。
 ニート様に何度かご奉仕させていただいたことはありましたが、私の名前も聞いてくださらないし、興味すら持ってもらえなかったので、とても嬉しくって。

 いつもイライラしていて、眉間にしわを寄せて怒っているニート様ですが、今日はとてもご機嫌がいいのか、時々ですが私の名前を呼んでくださいます。
 また鞭打たれるのでは、と恐怖を感じていたのですが今日は誰もぶたれたり、鞭打たれる女の子がいなくて、ニート様にもそんな日があるのだと、安心しました。

 いつも怒っているので、きっとこの方は寂しい方なのだろうと思っていましたが、何かの心境の変化でしょうか。私のような下賎な者にはわからないことですが、ニート様が上機嫌ということは私たちも安泰ということはわかります。

 水浴びをさせていただいた代償に、部屋の掃除や糞壺を運ぶ仕事を命じられましたが、ずっと狭い小屋に入れられていた私にとっては、とても楽しい時間でした。

 みんなで、雑巾を絞って床を拭くのも、いつしか競争になっていたり、高いところを拭くために肩車をしたりして、楽しく過ごすことができました。

 五人組に掃除をする部屋を分けましたが、私は年長者ですので年少者の多い部屋に入ることにしました。

 綺麗で大きなお部屋で、こんなお屋敷に住んでみたいって憧れていたので、お掃除する機会をくださったニート様に感謝しかありません。
 しかも、その後に掃除した部屋で寝泊まりしても良いとおっしゃって……夢かと思ったくらいです。

 部屋には大きなベッドが三つありました。これはきっとお客様用で私たちはこのベッドは使わせていただけないだろうから、ベッドとベッドの間の床を五人で分けました。
 私は年長なので、少し広いスペースをいただいちゃったのですが、それくらいは許されますよね。

 床の上に直接寝るとせっかく新しい服を支給してくださったのに汚したくなくて、私たちは裸になって寝転んでみました。
 ひんやりとした木の感触は、ちょうど心地よくて、みんなで裸になってゴロゴロしていたんです。楽しそうに笑っていた女の子たち。あの子たちの笑顔を見るのは初めてかもしれません。

 アルノルトさんが入ってきたときは、驚いてしまったのですが、ニート様が私を呼んでいるということで、急いで身なりを整えました。

 ニート様は、たまに私たちのおっぱいやお尻をじっと見てくるときがあるので、気持ち悪いって思うこともあるのですが、今日のニート様がとても素敵に思えて、お呼ばれしたときは、なぜか嬉しかったのです。

 お部屋に行くとき、アーヴィアとマリレーネも一緒でした。
 アーヴィアがニート様のお気に入りなのだと思います。よく夜のご奉仕にも呼ばれていたようだし、今日も何かとお呼びがかかっていて、ちょっと嫉妬してしまいました。

 ニート様のお部屋に行くと、ご奉仕のため呼ばれたと思っていたのですがアルノルトさんとお話があるみたいでした。私たちは、お話の後でご奉仕なのだと理解し、三人で静かに待つことにしたのですが、ソファに座るように仰って……あのときは、思わず変な声が出てしまいました。
 だって、ビックリしたんですもの。

 今まで生きてきた中でソファに座る機会なんてなかったので、ふわふわした感触がとても気持ちよくて、何度も立ったり座ったりしてしまいました。

「パオリーアは、何族?」

 ニート様が私のことを聞いてくださったときは、胸がドキドキしてしまいまして、胸の鼓動がニート様に聞こえないかと心配したくらい。
 しかし、その後にもっとドキドキしてしまうことがありまして……

「犬人族の尻尾はどう言う形なのだ? 見せてくれないか?」

 そう仰ったのです。私はアーヴィアのような立派な尻尾ではないし、兎人族の子達のような小さくて可愛い尻尾でもないので、恥ずかしくって。
 でも、ニート様が私の尻尾が見たいとお望みならと、頑張って服をめくってお尻を出しました。
 あのときは、本当に恥ずかしくて顔が熱くなってしまって。
 後でマリレーネが私の真似をしてニート様にお尻を見せようとしたもんだから、もう恥ずかしくって、恥ずかしくって。

 でも、綺麗な尻尾って褒めていただいて、自分の尻尾に劣等感を持っていたので、とても嬉しくて涙が出そうでした。
 実はさらに、嬉しいことがあったのです。ニート様が私にお役目をくださったのです。

「パオリーアはみんなに毎朝起きたらベッドメイクをすること、部屋の掃除を毎日することをみんなに徹底させてくれ」

 ニート様からの直々のお役目をいただいたのですから、これは一大事です。
 急いで後でみんなに説明して回らなければと思っていましたが、どうしてもお聞きしたいことがあったので勇気を出して尋ねてみました。
 今日のニート様はお優しいお顔をされているので、ご気分を害さないかと少々怖かったんですが。

「あの……ベッドも使ってよろしいんでしょうか?」

 このとき、変なことを聞く奴隷だと思われなかったでしょうか?
 厚かましい女だと思われていなかったかと、少し不安です。
 しかし、ニート様は、こうおっしゃったのです。

「ああ、かまわないよ。仲良くみんなで使っておくれ。でも、壊さないようにな」

 ああ、なんてお優しい言葉でしょう。まるで人が変わったかのようです。ニート様がおっしゃった言葉は、私にはこのように聞こえたのです。

 その後、ニート様に夜のご奉仕をさせていただく機会をいただいて、恥ずかしいのですがニート様が私のおっぱいをよく見てきていたので、頑張っておっぱいを堪能していただきました。
 赤ん坊のように、吸い付いたり、手で押したりこねたりする姿も可愛らしくて。
今までこんな風にニート様を思ったことがなかったので、自分の感情に驚いてしまいました。

 私のおっぱいでよければ、毎日でもお触りいただきたいと思ってしまいました。
 はしたない女と思われていないでしょうか?

 きっと、あのときの私はどうかしていたんです。
 だって、ニート様がお眠りになってから、アーヴィアとマリレーネを部屋に返した後、そっと私もニート様のモノをお口に含んでしまったのですから。
 起こしてしまわないかと、ヒヤヒヤしましたが、アーヴィアたちの行為を見よう見まねでやってみました。
 すると、ムクムクと再び大きくなってお口いっぱいになったときは嬉しかった。
 今まではとても嫌なお口での奉仕だったのに……苦しいだけだったのに……どうしちゃったのでしょう、私。
 もし起こしてしまっては、せっかくご満悦でお休みになっておられるのに、怒られてしまいます。
 でも、いつか私もお口で果てていただきたいです。
 だからアーヴィアちゃんには負けないように、お口のご奉仕も練習するつもりです。

 いつか、今のお優しいニート様に添い寝させていただく機会があったら、精一杯ご奉仕しようと思います。

 そのような機会が、きっと来ると信じて、まずは雑用や家事のお役目をしっかりしていかないと……
また折檻されてしまいますから。

 鞭打たれるときは、どんな優しい顔をしたニート様でも恐ろしい悪魔のような形相になってしまわれるのです。
 いつまでも優しいニート様でいてほしいです。
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