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第一章~家臣~
清洲同盟と逆転3
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遠江に戻った刹那はすぐにおとわの元へ顔を出し様子を確認した。
「殿、おかえりなさいませ。」
「おとわ、寝ていなくて大丈夫なのか?」
「はい、最近は吐き気もなく、子の状態もよろしいと薬師よりお墨付きをいただいておりますので。」
「そうか、なら良いのだが。大事な時期だ。無理はするなよ?」
「ふっふっ、殿はもう立派な父上のお顔をしておられますね。」
「ん?そうか?」
「ええ、素敵でございます。」
あいかわらずのおのろけ夫婦ぶりに見馴れている側近達はやれやれと苦笑いをするのであった。
おとわとの話を済ませた刹那は家臣達を呼び集めた。
刹那が遠江を離れている間のことを家臣達は事細かに説明した。
まず、長安が内政について話始め、農地ごとの責任者の設置とその責任者の育成をすること。いわゆる社員教育の導入を立案してきた。
今まではその役割を村長に頼んでいたが、長安はそのことで効率化が落ちること、村長達の疲労が溜まりすぎることなどを考慮してこの案を考えた。
刹那はそれをすぐに採用することにし、教育内容を長安に一任した。
次に嘉隆が神威水軍の武力所持の許可を求めてきた。水軍を組織したばかりの頃は警戒されて攻撃を仕掛けてくるものもいなかったが、最近では他の水軍や海賊達が水産物の横取りを狙って仕掛けてくることが少しながらあること、嘉隆を始めとする武にも自信のある者がそれを撃退しているが、このままではまずいので武力の所持が必要であると述べてきた。
これについても刹那は危惧していたことではあったため、岡崎屋に鉄砲の調達を依頼することで一先ずは話を終わらせた。
「よし、これで農業と漁業については問題なさそうだな。左近、訓練についてはどうなっている?無事に進んでいるか。」
「はい、殿に頂いた指南書を参考に日々精進しておりますれば、今のところさしたる問題はありませぬ。」
「それはなにより、今日皆に集まってもらったのは殿からこの曳馬城を本拠地とするとの知らせがあったからだ。まぁ、だが今すぐにと言うことではない。まずは我らに城の改築を命じられた。」
「ほう、これはまたなかなか難しいことを申されましたな。」
改築を聞いて頭を悩ませる左近に対し、
「資金はこの長安がなんとか致しましょう。」
とそろばんを空中で弾いて計算するような仕草を見せる長安だった。
「改築については私が指揮を取る。皆には私が指示したことを今の任と並行してやってもらいたい。」
「「「はっ。」」」
刹那は長安に人材と材料を、左近には軍略家として攻めにくい城の図を一緒に考えるように、嘉隆には海上からの輸送を任せた。
これにより、役割分担を済ませた刹那は左近を連れて自室に戻り守りにも攻めにも対応できる城の構想を練ることにした。
家康に曳馬城の改築を任せられてから5ヶ月後、もう少しで改築が終わるという時に神威家ではそんなことよりも更に重要な出来事が起きていた。
おとわの出産である。
「殿、奥方様、無事に出産なさいました。」
「誠かっ。」
刹那は侍女から出産の知らせを受けるとすぐにおとわのいる部屋へと向かった。
「おとわっ。」
「あっ、殿。」
「おとわ、よくやってくれた。ありがとう。」
そう言って刹那はおとわの手を握り締めた。
「殿、ありがとうございます。どうぞ、殿の子を抱いてやってください。神威家の世継ぎにございますよ。」
「男の子かっ。」
そう、おとわの産んだ子は嫡男であった。
刹那はおとわの隣の部屋に寝ている我が子をそっと抱いた。
「この子が俺の子。俺の息子。」
そう言う刹那の瞳からは涙がこぼれていた。
「殿、その子の名は?」
「ああ、この子の名は虎千代。神威虎千代だ。」
「虎千代。良い名ですね。」
「虎のような勇猛な、そして千代に八千代に神威家を繁栄へと導く子だ。」
「殿と私の子でございます。必ず立派な子に育ってくれましょう。」
「あぁ、立派に育ててみせる。」
刹那はそう言いながら虎千代のほほを軽く撫でるのであった。
「そうだ、おとわ。」
「はい?」
「今度は姫を授かるように頑張ろうか。」
刹那は笑いながらおとわを見た。
「殿、そんな、産んだばかりでそんな。」
刹那の一言に顔を赤らめるおとわ、それを見てまた惚気けてると呆れる神威家の女中達であった。
おとわの嫡男出産の知らせはすぐに三河の家康夫妻の元にも届き、またしても家康と瀬名は曳馬城へと足を運んできた。今回は忠勝、忠次を引き連れて、
「どーれ、虎千代ー、可愛いのー。よく寝ておる。」
「さすがは刹那殿とおとわ殿のお子ですね。堂々としておりますよ。」
家康夫妻は曳馬に来るなりすぐにこのような状況だった。
「殿、わしにも抱かせてくだされ。」
「私も抱っこしとうございます。」
それに続いて一緒にやってきた忠次、忠勝も子供の前では好々爺と兄貴分である。
「おとわ、虎千代は生まれてすぐにこのように可愛がられて幸せ者だな。」
「はい、殿にも負けぬ武将に育つかもしれませんよ。」
そんな四人を見ながらほほえましく会話をする刹那夫婦であった。
「殿、おかえりなさいませ。」
「おとわ、寝ていなくて大丈夫なのか?」
「はい、最近は吐き気もなく、子の状態もよろしいと薬師よりお墨付きをいただいておりますので。」
「そうか、なら良いのだが。大事な時期だ。無理はするなよ?」
「ふっふっ、殿はもう立派な父上のお顔をしておられますね。」
「ん?そうか?」
「ええ、素敵でございます。」
あいかわらずのおのろけ夫婦ぶりに見馴れている側近達はやれやれと苦笑いをするのであった。
おとわとの話を済ませた刹那は家臣達を呼び集めた。
刹那が遠江を離れている間のことを家臣達は事細かに説明した。
まず、長安が内政について話始め、農地ごとの責任者の設置とその責任者の育成をすること。いわゆる社員教育の導入を立案してきた。
今まではその役割を村長に頼んでいたが、長安はそのことで効率化が落ちること、村長達の疲労が溜まりすぎることなどを考慮してこの案を考えた。
刹那はそれをすぐに採用することにし、教育内容を長安に一任した。
次に嘉隆が神威水軍の武力所持の許可を求めてきた。水軍を組織したばかりの頃は警戒されて攻撃を仕掛けてくるものもいなかったが、最近では他の水軍や海賊達が水産物の横取りを狙って仕掛けてくることが少しながらあること、嘉隆を始めとする武にも自信のある者がそれを撃退しているが、このままではまずいので武力の所持が必要であると述べてきた。
これについても刹那は危惧していたことではあったため、岡崎屋に鉄砲の調達を依頼することで一先ずは話を終わらせた。
「よし、これで農業と漁業については問題なさそうだな。左近、訓練についてはどうなっている?無事に進んでいるか。」
「はい、殿に頂いた指南書を参考に日々精進しておりますれば、今のところさしたる問題はありませぬ。」
「それはなにより、今日皆に集まってもらったのは殿からこの曳馬城を本拠地とするとの知らせがあったからだ。まぁ、だが今すぐにと言うことではない。まずは我らに城の改築を命じられた。」
「ほう、これはまたなかなか難しいことを申されましたな。」
改築を聞いて頭を悩ませる左近に対し、
「資金はこの長安がなんとか致しましょう。」
とそろばんを空中で弾いて計算するような仕草を見せる長安だった。
「改築については私が指揮を取る。皆には私が指示したことを今の任と並行してやってもらいたい。」
「「「はっ。」」」
刹那は長安に人材と材料を、左近には軍略家として攻めにくい城の図を一緒に考えるように、嘉隆には海上からの輸送を任せた。
これにより、役割分担を済ませた刹那は左近を連れて自室に戻り守りにも攻めにも対応できる城の構想を練ることにした。
家康に曳馬城の改築を任せられてから5ヶ月後、もう少しで改築が終わるという時に神威家ではそんなことよりも更に重要な出来事が起きていた。
おとわの出産である。
「殿、奥方様、無事に出産なさいました。」
「誠かっ。」
刹那は侍女から出産の知らせを受けるとすぐにおとわのいる部屋へと向かった。
「おとわっ。」
「あっ、殿。」
「おとわ、よくやってくれた。ありがとう。」
そう言って刹那はおとわの手を握り締めた。
「殿、ありがとうございます。どうぞ、殿の子を抱いてやってください。神威家の世継ぎにございますよ。」
「男の子かっ。」
そう、おとわの産んだ子は嫡男であった。
刹那はおとわの隣の部屋に寝ている我が子をそっと抱いた。
「この子が俺の子。俺の息子。」
そう言う刹那の瞳からは涙がこぼれていた。
「殿、その子の名は?」
「ああ、この子の名は虎千代。神威虎千代だ。」
「虎千代。良い名ですね。」
「虎のような勇猛な、そして千代に八千代に神威家を繁栄へと導く子だ。」
「殿と私の子でございます。必ず立派な子に育ってくれましょう。」
「あぁ、立派に育ててみせる。」
刹那はそう言いながら虎千代のほほを軽く撫でるのであった。
「そうだ、おとわ。」
「はい?」
「今度は姫を授かるように頑張ろうか。」
刹那は笑いながらおとわを見た。
「殿、そんな、産んだばかりでそんな。」
刹那の一言に顔を赤らめるおとわ、それを見てまた惚気けてると呆れる神威家の女中達であった。
おとわの嫡男出産の知らせはすぐに三河の家康夫妻の元にも届き、またしても家康と瀬名は曳馬城へと足を運んできた。今回は忠勝、忠次を引き連れて、
「どーれ、虎千代ー、可愛いのー。よく寝ておる。」
「さすがは刹那殿とおとわ殿のお子ですね。堂々としておりますよ。」
家康夫妻は曳馬に来るなりすぐにこのような状況だった。
「殿、わしにも抱かせてくだされ。」
「私も抱っこしとうございます。」
それに続いて一緒にやってきた忠次、忠勝も子供の前では好々爺と兄貴分である。
「おとわ、虎千代は生まれてすぐにこのように可愛がられて幸せ者だな。」
「はい、殿にも負けぬ武将に育つかもしれませんよ。」
そんな四人を見ながらほほえましく会話をする刹那夫婦であった。
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