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第一章~家臣~
清洲同盟と逆転5
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また侵攻するにあたって駿河の領民の印象をよくするために素直に受け入れる者には1年間の年貢の免除や仕事の斡旋などもすることにした。
今回の参謀は刹那が務めることになり、補佐に酒井忠次と家臣の島左近を置くこととした。
当初は忠次だけであったが、家康の配慮で左近を置くことになった。
出陣は3日後とし、その間に兵力の動員をするようにと家臣達に通達した。
そして出陣当日に本多忠勝を先陣にした徳川軍は総勢3万の軍勢で駿河に向かった。
「刹那、武田との同盟はどうなっておる。」
「ただいま、家臣の大久保長安に書状を持たせ真田幸隆殿のところに向かっている最中にございます。」
「そうか、では、どちらに転ぶにせよ。我らは駿河を落とさねばな。」
「駿河へは調略もかけておりますのでおおきな問題もなく今川館へ迎えるかと思います。」
それから刹那の読みはあたり、たいした反撃を食らうこともなく、今川の本拠地である今川館へと進むことができた徳川勢。
武田への同盟も無事に済ませ、残るはこの今川館を落とすだけとなった。
今川勢は既に猛者達が離反して徳川家や武田家、北条家へといなくなっていたので、徳川の侵攻に抗う力はほとんど残されてはいなかった。しかし、朝比奈泰朝が奮闘するも、自衛隊式の訓練で鍛えられた精鋭揃いの徳川軍には手も足も出せなかった。
攻城からまもなくして今川館は落城した。
そして今川氏真、朝比奈泰朝、他らは家康の前に連れ出された。
「氏真様、お久しゅうございます。」
「家康、なぜなぜ裏切ったのだ。」
「義元公亡き後、氏真様が治める今川に未来は見えぬと思ったからでございます。」
「義元公のご顕在の間、たびたび殿のつかいとして今川館に赴きましたが、その時にお目見えした氏真様は蹴鞠や和歌にご執心で、義元公も嘆いておられたほどにございました。故に、私は徳川の家臣として殿に離反を申し上げました。」
「そうか、刹那が、家康に申したのか。」
「はい。あのままの氏真様では武田や北条に飲み込まれてしまうと思いましたので。」
刹那がそう言うと氏真は下に下げた。
「わしの完敗だ。首をはねるがが良かろう。泰朝、今日までよく支えてくれた。」
「殿。。。徳川殿にお願い申す。某の首でどうか、氏真様のお命だけはお助け願えぬか。」
泰朝は頭を地面に擦りつけ家康に氏真の助命を願い出た。
「刹那。」
家康は刹那に一言を声をかけ、その場を後にした。
それを見て泰朝は何度も「徳川殿、徳川殿」と叫んだ。
「朝比奈殿、ご安心下され、私が既に氏真様のご助命はお願いしてお許しを頂いております。」
「刹那、それは誠か。家康がわしを許したのか。」
「はい、そもそも殿は氏真様を殺そうとは考えておりませんので。」
刹那は目線を氏真に移すとそう答えた。
「しかし、氏真様にはご隠居をしていただくことになります。これよりは徳川の庇護の元過ごしていただくことになります。」
「相分かった。よしなに頼む。」
「そして、朝比奈殿、あなたには我が徳川家の家臣になっていただきたい。これからは家康様に忠誠を誓っていただけますか?」
「この朝比奈泰朝、氏真様をご助命頂いた御恩に報いるため、これよりは家康様を殿と仰ぐ終生忠誠を誓います。」
こうして、家康は三河、遠江に続いて駿河まで領地とすることになった。
戦の後の領地仕置では、新たに領地となった駿河の東を酒井忠次を領主とし、西を大久保忠世を領主とした。
また、この戦いで一番の功労者である刹那には当初、駿河一国が与えられる予定であったが、本人のたっての希望で掛川城とその周辺を領地とするだけに止めた。
駿河一国を断る際に刹那は「殿のそばを離れては側近としての忠節が出来なくなる故、そして古参の家臣である酒井殿や大久保殿を差し置いて国主にはなれない」と述べた。
今回の参謀は刹那が務めることになり、補佐に酒井忠次と家臣の島左近を置くこととした。
当初は忠次だけであったが、家康の配慮で左近を置くことになった。
出陣は3日後とし、その間に兵力の動員をするようにと家臣達に通達した。
そして出陣当日に本多忠勝を先陣にした徳川軍は総勢3万の軍勢で駿河に向かった。
「刹那、武田との同盟はどうなっておる。」
「ただいま、家臣の大久保長安に書状を持たせ真田幸隆殿のところに向かっている最中にございます。」
「そうか、では、どちらに転ぶにせよ。我らは駿河を落とさねばな。」
「駿河へは調略もかけておりますのでおおきな問題もなく今川館へ迎えるかと思います。」
それから刹那の読みはあたり、たいした反撃を食らうこともなく、今川の本拠地である今川館へと進むことができた徳川勢。
武田への同盟も無事に済ませ、残るはこの今川館を落とすだけとなった。
今川勢は既に猛者達が離反して徳川家や武田家、北条家へといなくなっていたので、徳川の侵攻に抗う力はほとんど残されてはいなかった。しかし、朝比奈泰朝が奮闘するも、自衛隊式の訓練で鍛えられた精鋭揃いの徳川軍には手も足も出せなかった。
攻城からまもなくして今川館は落城した。
そして今川氏真、朝比奈泰朝、他らは家康の前に連れ出された。
「氏真様、お久しゅうございます。」
「家康、なぜなぜ裏切ったのだ。」
「義元公亡き後、氏真様が治める今川に未来は見えぬと思ったからでございます。」
「義元公のご顕在の間、たびたび殿のつかいとして今川館に赴きましたが、その時にお目見えした氏真様は蹴鞠や和歌にご執心で、義元公も嘆いておられたほどにございました。故に、私は徳川の家臣として殿に離反を申し上げました。」
「そうか、刹那が、家康に申したのか。」
「はい。あのままの氏真様では武田や北条に飲み込まれてしまうと思いましたので。」
刹那がそう言うと氏真は下に下げた。
「わしの完敗だ。首をはねるがが良かろう。泰朝、今日までよく支えてくれた。」
「殿。。。徳川殿にお願い申す。某の首でどうか、氏真様のお命だけはお助け願えぬか。」
泰朝は頭を地面に擦りつけ家康に氏真の助命を願い出た。
「刹那。」
家康は刹那に一言を声をかけ、その場を後にした。
それを見て泰朝は何度も「徳川殿、徳川殿」と叫んだ。
「朝比奈殿、ご安心下され、私が既に氏真様のご助命はお願いしてお許しを頂いております。」
「刹那、それは誠か。家康がわしを許したのか。」
「はい、そもそも殿は氏真様を殺そうとは考えておりませんので。」
刹那は目線を氏真に移すとそう答えた。
「しかし、氏真様にはご隠居をしていただくことになります。これよりは徳川の庇護の元過ごしていただくことになります。」
「相分かった。よしなに頼む。」
「そして、朝比奈殿、あなたには我が徳川家の家臣になっていただきたい。これからは家康様に忠誠を誓っていただけますか?」
「この朝比奈泰朝、氏真様をご助命頂いた御恩に報いるため、これよりは家康様を殿と仰ぐ終生忠誠を誓います。」
こうして、家康は三河、遠江に続いて駿河まで領地とすることになった。
戦の後の領地仕置では、新たに領地となった駿河の東を酒井忠次を領主とし、西を大久保忠世を領主とした。
また、この戦いで一番の功労者である刹那には当初、駿河一国が与えられる予定であったが、本人のたっての希望で掛川城とその周辺を領地とするだけに止めた。
駿河一国を断る際に刹那は「殿のそばを離れては側近としての忠節が出来なくなる故、そして古参の家臣である酒井殿や大久保殿を差し置いて国主にはなれない」と述べた。
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