チートな家臣はいかがですか?

織田っち

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第二章~国持ち大名~

焦りと発展6

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刹那が自室で家臣達からの報告書を読んでいると思わぬ来客が霧山御所にやってきた。

「刹那様、よろしいでしょうか。」

「貞昌か、どうした?」

「刹那様に来客です。真田殿と申される方がいらしゃっていますが、どうなさいましょうか?」

「幸隆殿が?そうか、ではお通ししてくれ。」

「はいっ。」

貞昌の最初は拙かった小姓ぶりがだんだんと板についてきたのを見て刹那は静かに微笑んだ。

「これはこれは幸隆殿お久しゅうございます。」

「刹那殿があれ以来来てくださらんからこちらから来てしまったわ。」

「申し訳ありません。なかなか忙しいもので。」

「よいよい、徳川の成長の影には刹那殿の力が大きいこと武田では皆が知っている。その刹那殿が忙しいのは当たり前のことだ。」

「私はそのようなたいした男ではございませんよ。それで今日はどうしてわざわざ伊勢までお越しに?」

「我が殿から家康殿に贈り物として馬を送られてな。その使者がわしだったのだ。それで浜松まで来たついでに刹那殿と語らいたくてな。共の者を数人だけ残してほかは先に返してしまった。」

幸隆はそう言って笑ってみせた。

「そうでしたか、それでは盛大なおもてなしをしなければなりませんね。今日はゆっくりしていってくだされ。お供の方も交えて宴会と行きましょう。」

「おっ、それは楽しみだ。伊勢の名物ももちろん出るのであろう?」

「ええ、新鮮な海産物をたんと召し上がっていただきます。」

刹那はその夜に自分の重臣達を全員集め、幸隆一行を盛大にもてなした。

「いやぁ、これほど海の幸を食べることができるとは幸せだ。」

「武田家の領地は海に面してないため新鮮な海産物を食すことが難しいですからね。」

「そうなのだ。どうにかできれば良いのだがな。」

「それを可能にするには速やかな輸送方法を確立しなければならないので、戦国の世では難しいかもしれませんね。同じ領主の元なら街道を整備し、馬でかけることができるようにするなど工夫がございましょうが。」

「それも群雄割拠の時代ゆえ、無理であろうな。」

刹那と幸隆は酒を酌み交わしながらも話すのは領地経営のこれからの有り様であった。

「実は折り入って刹那殿に頼みたいことがあるのだが。聞いてはいただけないだろうか。」

「頼みでございますか?幸隆殿の頼みとあれば無下にはしたくありませんが、内容によりますよ。」

刹那がそう言うと幸隆は刹那に土下座をした。

「えっ、幸隆殿?」

「どうか、我が息子の昌幸を刹那殿の家臣に加えてはもらえないだろうか。」

その場にいたすべての者が視線を幸隆に向けた。

「御子息を我が家臣に。どうゆうことでしょうか。」

幸隆は頭をあげると話始めた。

「わしには信綱、昌輝、昌幸、信尹と四人の息子がおるが、真田の家督を継ぐのは信綱だ。しかし、昌幸には優れた才能があるとわしは見ておる。しかし、わしの元に居てはそれを発揮させてやることができん。だが、今川の属国となっていた徳川をここまでの大名にした功労者である刹那殿の元なら昌幸の才を存分に活かしてやれると思ったのだ。厚かましい願いだとは重々承知しているが、どうか、お願いできないだろうか。」

「幸隆殿、まことにありがたきお言葉です。当家は今人材不足に嘆いています。それに武田の頭脳とも言える幸隆殿がそれほどの才を持っていると言われる御子息なら尚更です。」

「では。」

しかし刹那は首を横に振った。

「そこまで申してくれるならなぜなのだ。」

「幸隆殿、私は主従関係と言うものは主に惚れるからこそ、力を出せるものだと思うのです。また主も家臣をそばに置きたいと。力になってほしいと思うこと。両者が望まなければ強固な信頼関係を築くことは出来ないと思うのです。いくら父である幸隆殿の命で私に仕えたとしてもご子息自身が私に魅力を感じなければそれは互いにとって有益とは申せません。」

刹那はそこまで言うと幸隆の連れてきた供の者達の一番後ろに座っていた若者を見た。


「誰に仕えるかを決めるのはあそこに座っているご子息、昌幸殿自信が決めるものですよ。」

「なっ、あれが昌幸だと気付いていたのかっ。」

「先ほどの幸隆殿の願い出の時に私よりも驚いた顔をしておりましたから、それで気が付きました。」

刹那はそう言いながら笑った。

「なるほど。昌幸、こっちへ来い。」

幸隆がそう言うと昌幸は幸隆の近くまでやって来た。

「昌幸よ、お主はどうしたい。」

「わっ、私は。」

「幸隆殿、そう答えを焦らせては昌幸殿も困ってしまいますよ。昌幸殿、今日はゆっくり休むがよろしい。幸隆殿もそれでよろしいですか?」

こうして宴会は終わった。
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