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第二章~国持ち大名~
焦りと発展7
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翌日、幸隆と刹那は朝餉を共にしていた。
「刹那殿、この子が神威家の嫡男じゃな。」
「はい、虎千代と申します。そしてこちらが妻のおとわです。」
「お初にお目にかかります。神威刹那の妻、とわと申します。昨日はご挨拶もできず申し訳ありませんでした。」
「武田家家臣、真田幸隆と申す。丁寧なご挨拶痛み入る。昨日はこちらも急に来たゆえ、気になさらんでくだされ。刹那殿、虎千代を抱かせてはもらえんか?」
「是非、知将の幸隆殿に抱いていただければ虎千代も聡明に育ちます。」
「なんの、虎千代のお父上には叶わぬよなーっ。」
虎千代を抱く幸隆の顔は優しい好々爺のようであった。
それを見て刹那は「虎千代は誰にでも愛される子だ」と思うのであった。
ひとしきり虎千代を可愛がった幸隆はおとわに虎千代を返すと語り出した。
「昨日の刹那殿の話を聞いてな。わしは若き日のことを思い出した。始めてお館様にお目見えした時にあの方の元で力を発揮してお役にたちたいと思ったことをな。優れた人物に仕えることも大事なことだが、武士と生きる以上、自分が心から仕えたいと思う人こそ主に相応しいと、その心を思い出した。」
「人の人生は一期一会、心よりお仕えしたいと思える方にお仕えしている私や幸隆殿は幸せ者でしょうな。」
「そうかもしれんな。それにわしには刹那殿という大事な友もおる。これ以上に幸せなことはないわ。」
「幸隆殿に友と言っていただけて私も嬉しゅうございます。これからも若輩者の私ではありますがよしなによろしくお願いします。」
そう言って幸隆と刹那は握手を交わした。
「殿、素敵なお話ではありますが、できれば食事を終わらせてからにしていただきとうございます。」
話に夢中になって朝餉の途中だったのを忘れていた二人はおとわにおしかりを受けてしまった。
「あっ、ごめんおとわ。今食べます。」
「はっはっは、刹那殿も妻には頭が上がらないのだな。」
「はい。普段は優しく可愛い自慢の妻ですが、怒らせると怖いので。それに母になってからは怖さに拍車がかかりました。」
そんな話をしながら食事を済ませた刹那と幸隆は控えさせていた昌幸を呼んだ。
「昌幸殿、昨日はゆっくり休めたかな?」
「はい、お心遣いありがとうございました。おかげさまで、心が決まりました。」
「聞いてもよろしいかな?」
刹那がそう聞くと昌幸はあらためて姿勢を正した。
「真田幸隆が三男、真田昌幸、神威刹那様を生涯の主と仰ぎとうございます。」
「そうか。真田昌幸、これより私に仕えよ。」
「はっ。」
刹那は幸隆のほうに姿勢を向けると
「幸隆殿、御子息お預かり致します。」
「よろしくお頼み申します。」
こうして真田幸隆の息子、真田昌幸が新たに神威家の家臣に加わることになったのである。
それから幸隆は身支度を整えると霧山御所を後にして甲斐へと帰って行った。
幸隆を見送った刹那は左近を呼んで、ある人物二人を連れてきてほしいと頼んだ。
左近に仕事を任せた刹那はその間に昌幸と家康に預けられた5人を連れて城下を見て回ることにした。
「刹那殿、此度はどうして我らを連れて城下に?」
「皆さんにより民と親しくなってもらおうかと思いまして。寺子屋で領民と接することで以前よりは民、百姓の気持ちがわかるようになったと思います。」
その刹那の回答にイマイチ要領を得ない一同であった。
「あっ、神威様。今日は御家来の方々のもご一緒なのですな。」
「神威様、うちの野菜持って行ってよ。今日の朝に採れた新鮮なもんだからさ。」
「神威様、おはよぉーございます。」
「ええ、今日は皆も一緒にお散歩です。」
「これはこれは立派な野菜たちだ。どれもみな美味しそうだ。あっ、でもちゃんと買いますからね?このお金でまた美味しい野菜を作ってください。」
「はいっ、おはようございます。」
刹那が町を歩くと領民達が次々と声をかけてきて、刹那はそれに丁寧に返事を返していた。
その姿を後ろで見ていた元忠達は驚きのあまり口が半開きだった。
「領主があのように領民と会話しているなど聞いたことがありません。」
康政が元忠にそう言った。
「えぇ、私もさすがにこれは驚くばかりです。せっ、刹那殿。」
「はいっ。なんでしょうか?」
刹那は領民の女の子を抱っこしながら返事を返した。
「いつもそのようなことをしておられるのですか?」
「えぇ、今回は皆さんをお連れしましたがいつもは一人でふらっと散歩していますね。」
「私、刹那様大好きぃ~。」
抱っこしていた女の子がそう言いながら刹那に思いっきり抱きついた。
「ありがとうね。」
刹那はそう言いながら女の子の頭をなでた。
「刹那殿、この子が神威家の嫡男じゃな。」
「はい、虎千代と申します。そしてこちらが妻のおとわです。」
「お初にお目にかかります。神威刹那の妻、とわと申します。昨日はご挨拶もできず申し訳ありませんでした。」
「武田家家臣、真田幸隆と申す。丁寧なご挨拶痛み入る。昨日はこちらも急に来たゆえ、気になさらんでくだされ。刹那殿、虎千代を抱かせてはもらえんか?」
「是非、知将の幸隆殿に抱いていただければ虎千代も聡明に育ちます。」
「なんの、虎千代のお父上には叶わぬよなーっ。」
虎千代を抱く幸隆の顔は優しい好々爺のようであった。
それを見て刹那は「虎千代は誰にでも愛される子だ」と思うのであった。
ひとしきり虎千代を可愛がった幸隆はおとわに虎千代を返すと語り出した。
「昨日の刹那殿の話を聞いてな。わしは若き日のことを思い出した。始めてお館様にお目見えした時にあの方の元で力を発揮してお役にたちたいと思ったことをな。優れた人物に仕えることも大事なことだが、武士と生きる以上、自分が心から仕えたいと思う人こそ主に相応しいと、その心を思い出した。」
「人の人生は一期一会、心よりお仕えしたいと思える方にお仕えしている私や幸隆殿は幸せ者でしょうな。」
「そうかもしれんな。それにわしには刹那殿という大事な友もおる。これ以上に幸せなことはないわ。」
「幸隆殿に友と言っていただけて私も嬉しゅうございます。これからも若輩者の私ではありますがよしなによろしくお願いします。」
そう言って幸隆と刹那は握手を交わした。
「殿、素敵なお話ではありますが、できれば食事を終わらせてからにしていただきとうございます。」
話に夢中になって朝餉の途中だったのを忘れていた二人はおとわにおしかりを受けてしまった。
「あっ、ごめんおとわ。今食べます。」
「はっはっは、刹那殿も妻には頭が上がらないのだな。」
「はい。普段は優しく可愛い自慢の妻ですが、怒らせると怖いので。それに母になってからは怖さに拍車がかかりました。」
そんな話をしながら食事を済ませた刹那と幸隆は控えさせていた昌幸を呼んだ。
「昌幸殿、昨日はゆっくり休めたかな?」
「はい、お心遣いありがとうございました。おかげさまで、心が決まりました。」
「聞いてもよろしいかな?」
刹那がそう聞くと昌幸はあらためて姿勢を正した。
「真田幸隆が三男、真田昌幸、神威刹那様を生涯の主と仰ぎとうございます。」
「そうか。真田昌幸、これより私に仕えよ。」
「はっ。」
刹那は幸隆のほうに姿勢を向けると
「幸隆殿、御子息お預かり致します。」
「よろしくお頼み申します。」
こうして真田幸隆の息子、真田昌幸が新たに神威家の家臣に加わることになったのである。
それから幸隆は身支度を整えると霧山御所を後にして甲斐へと帰って行った。
幸隆を見送った刹那は左近を呼んで、ある人物二人を連れてきてほしいと頼んだ。
左近に仕事を任せた刹那はその間に昌幸と家康に預けられた5人を連れて城下を見て回ることにした。
「刹那殿、此度はどうして我らを連れて城下に?」
「皆さんにより民と親しくなってもらおうかと思いまして。寺子屋で領民と接することで以前よりは民、百姓の気持ちがわかるようになったと思います。」
その刹那の回答にイマイチ要領を得ない一同であった。
「あっ、神威様。今日は御家来の方々のもご一緒なのですな。」
「神威様、うちの野菜持って行ってよ。今日の朝に採れた新鮮なもんだからさ。」
「神威様、おはよぉーございます。」
「ええ、今日は皆も一緒にお散歩です。」
「これはこれは立派な野菜たちだ。どれもみな美味しそうだ。あっ、でもちゃんと買いますからね?このお金でまた美味しい野菜を作ってください。」
「はいっ、おはようございます。」
刹那が町を歩くと領民達が次々と声をかけてきて、刹那はそれに丁寧に返事を返していた。
その姿を後ろで見ていた元忠達は驚きのあまり口が半開きだった。
「領主があのように領民と会話しているなど聞いたことがありません。」
康政が元忠にそう言った。
「えぇ、私もさすがにこれは驚くばかりです。せっ、刹那殿。」
「はいっ。なんでしょうか?」
刹那は領民の女の子を抱っこしながら返事を返した。
「いつもそのようなことをしておられるのですか?」
「えぇ、今回は皆さんをお連れしましたがいつもは一人でふらっと散歩していますね。」
「私、刹那様大好きぃ~。」
抱っこしていた女の子がそう言いながら刹那に思いっきり抱きついた。
「ありがとうね。」
刹那はそう言いながら女の子の頭をなでた。
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