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第三章~筆頭家老としての行動 関東編~
関東遠征9
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「しかし、昌幸よ、攻め落とすにしてもどのように攻略する。小田原や玉縄、江戸といった北条の主要な城を落としたとは言え、敵の多くは撤退した故に岩付には北条の精鋭が数多く残っているぞ。鉄砲衆は刹那は佐竹討伐に大半を持って行った故、打開する策がなければ攻めることは当主として許せぬ。」
「大殿、ご安心くださいませ。殿は私と共にあるものを残していってくださいました。それを使えば岩付城にいくら北条の精鋭がおろうとも攻略することは可能でございます。」
「ほう。刹那が何か残して行ったと言うことか。」
「昌幸殿、その打開策となるものとはなんなのですか?」
「国崩しにございます。」
昌幸の答えに家康と忠次は首をかしげた。
「国崩しとはなんだ?聞いたことのないものだが。」
「殿が、孫市殿に命じて作らせていたと大砲にございます。鉄砲を巨大化させたものとお考えいただいてかまわないと存じます。国崩しを遠くから城に打ち込み、北条の戦意を削ぐことにしてはいかがかと。」
昌幸の話だけではイマイチ大砲を理解できなかった家康と忠次は翌日、国崩しを直接見ることにした。
その間も岩付城を包囲し、外からの物資が届かないようにしてあるため、まだ大きな戦闘は行われていない。
「大殿、これが国崩しにございます。」
そこには3門の大砲が置かれていた。
「これが、国崩しか。」
「確かに鉄砲を巨大化させたような作りですね。」
「国崩しは九州の大友氏が呼んでいる名前だそうで。大きく言えば大砲。細かく言えば、ふらんき砲?とか申すそうです。」
「刹那はいつの間にこのような兵器を。」
「殿は大殿の天下のために敵となるものを倒すためにいかにして味方、敵ともに死者をできるだけ出さずに済むか色々と考えておいでです。そこで相手の戦意を挫くことこそ一番の近道と考えられたようで、鉄砲の名手である雑賀衆と神威水軍が持つ他国の情報と、殿が有しておられた知識を組み合わせてこの二年間でここまで完成させたと左近殿に聞きました。」
「刹那に北条と戦う用意をしろと申したらこのようなものを作ってみせるとは。あいつは徳川の守り神であり軍神だな。」
「殿、刹那殿の忠義、けして忘れてはいけませぬぞ。これほど殿のため、民のため、徳川のために尽くしておられる人物は刹那殿以外におりませぬ。」
「そうだな。北条のことが片付き次第、何か報いねばならんな。」
「領地ではこれ以上受け取らないでしょうから、工夫をせねばなりませんよ。」
「忠次もともに考えよ。」
「では、まずは刹那殿が戻ってくる前に岩付城を落とさねば。」
「あぁ。そうだな。昌幸、国崩しはどのくらいの距離飛ばすことができるのだ。」
「はい。この国崩しは3町(330m)ほどの飛距離があると聞いております。」
「それほど飛ぶのか!!」
「それだけ離れていれば敵の反撃にも合わずに済みましょう。」
「よし、昌幸、国崩しを使い、岩付城の兵の戦意を削ぐのだ。」
「はっ。」
昌幸はすぐに準備を済ませると国崩しを打ち込み始めた。
国崩しは連射することができず、かつ、3門しかないために絶えず攻撃することはできなかったが、岩付城にこもる北条勢にとっては見たことがない脅威に晒されることになった。
「なんだ、あの轟音は。」
「鉄砲ともまた違いますな。音がでかすぎる。」
北条家の家臣達が城内で色々話をしているが、昌幸はわざと城内には落ちないように国崩しを撃っているため、轟音が響くだけであった。
そのような攻撃を3日昌幸は続けた。
「昌幸、なぜに岩付城に国崩しを当てないのだ?」
疑問に思った忠勝がそう聞いてきた。
「まず、この音だけで相手を脅します。そしてそれに相手がそろそろ慣れてきたことでしょう。なので、次は3発。城にぶつけまする。そうすると北条方もこちらが本格的に攻め始めたと戦闘態勢を取ると思われます。」
昌幸がそこまで話したところで忠勝には全容がまだ見えてこず、首をかしげるだけであった。
「戦闘態勢を取った北条勢は夜に易々と寝ることはできぬでしょう。たまに飛んでくる国崩しの玉にを警戒せねばなりませぬ故。しかし、人は寝なければ持ちませぬ。戦意が失せます。そうなった時に全軍を持って岩付城へ攻撃を仕掛けます。そうすればいくら北条の精鋭であろうとも我らに勝つことはできませぬ。」
「なるほどのぉ。師匠が昌幸殿を残した理由がわかったわ。して、我らが攻めるのはいつ頃だ?」
「後5日後にございます。それまでは最低限の警戒で兵に休息を与えておくべきかと。」
「うむ。相分かった。」
昌幸はこの案の全容を家康をはじめとする徳川の重臣に伝え策を実行した。
「大殿、ご安心くださいませ。殿は私と共にあるものを残していってくださいました。それを使えば岩付城にいくら北条の精鋭がおろうとも攻略することは可能でございます。」
「ほう。刹那が何か残して行ったと言うことか。」
「昌幸殿、その打開策となるものとはなんなのですか?」
「国崩しにございます。」
昌幸の答えに家康と忠次は首をかしげた。
「国崩しとはなんだ?聞いたことのないものだが。」
「殿が、孫市殿に命じて作らせていたと大砲にございます。鉄砲を巨大化させたものとお考えいただいてかまわないと存じます。国崩しを遠くから城に打ち込み、北条の戦意を削ぐことにしてはいかがかと。」
昌幸の話だけではイマイチ大砲を理解できなかった家康と忠次は翌日、国崩しを直接見ることにした。
その間も岩付城を包囲し、外からの物資が届かないようにしてあるため、まだ大きな戦闘は行われていない。
「大殿、これが国崩しにございます。」
そこには3門の大砲が置かれていた。
「これが、国崩しか。」
「確かに鉄砲を巨大化させたような作りですね。」
「国崩しは九州の大友氏が呼んでいる名前だそうで。大きく言えば大砲。細かく言えば、ふらんき砲?とか申すそうです。」
「刹那はいつの間にこのような兵器を。」
「殿は大殿の天下のために敵となるものを倒すためにいかにして味方、敵ともに死者をできるだけ出さずに済むか色々と考えておいでです。そこで相手の戦意を挫くことこそ一番の近道と考えられたようで、鉄砲の名手である雑賀衆と神威水軍が持つ他国の情報と、殿が有しておられた知識を組み合わせてこの二年間でここまで完成させたと左近殿に聞きました。」
「刹那に北条と戦う用意をしろと申したらこのようなものを作ってみせるとは。あいつは徳川の守り神であり軍神だな。」
「殿、刹那殿の忠義、けして忘れてはいけませぬぞ。これほど殿のため、民のため、徳川のために尽くしておられる人物は刹那殿以外におりませぬ。」
「そうだな。北条のことが片付き次第、何か報いねばならんな。」
「領地ではこれ以上受け取らないでしょうから、工夫をせねばなりませんよ。」
「忠次もともに考えよ。」
「では、まずは刹那殿が戻ってくる前に岩付城を落とさねば。」
「あぁ。そうだな。昌幸、国崩しはどのくらいの距離飛ばすことができるのだ。」
「はい。この国崩しは3町(330m)ほどの飛距離があると聞いております。」
「それほど飛ぶのか!!」
「それだけ離れていれば敵の反撃にも合わずに済みましょう。」
「よし、昌幸、国崩しを使い、岩付城の兵の戦意を削ぐのだ。」
「はっ。」
昌幸はすぐに準備を済ませると国崩しを打ち込み始めた。
国崩しは連射することができず、かつ、3門しかないために絶えず攻撃することはできなかったが、岩付城にこもる北条勢にとっては見たことがない脅威に晒されることになった。
「なんだ、あの轟音は。」
「鉄砲ともまた違いますな。音がでかすぎる。」
北条家の家臣達が城内で色々話をしているが、昌幸はわざと城内には落ちないように国崩しを撃っているため、轟音が響くだけであった。
そのような攻撃を3日昌幸は続けた。
「昌幸、なぜに岩付城に国崩しを当てないのだ?」
疑問に思った忠勝がそう聞いてきた。
「まず、この音だけで相手を脅します。そしてそれに相手がそろそろ慣れてきたことでしょう。なので、次は3発。城にぶつけまする。そうすると北条方もこちらが本格的に攻め始めたと戦闘態勢を取ると思われます。」
昌幸がそこまで話したところで忠勝には全容がまだ見えてこず、首をかしげるだけであった。
「戦闘態勢を取った北条勢は夜に易々と寝ることはできぬでしょう。たまに飛んでくる国崩しの玉にを警戒せねばなりませぬ故。しかし、人は寝なければ持ちませぬ。戦意が失せます。そうなった時に全軍を持って岩付城へ攻撃を仕掛けます。そうすればいくら北条の精鋭であろうとも我らに勝つことはできませぬ。」
「なるほどのぉ。師匠が昌幸殿を残した理由がわかったわ。して、我らが攻めるのはいつ頃だ?」
「後5日後にございます。それまでは最低限の警戒で兵に休息を与えておくべきかと。」
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