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第三章~筆頭家老としての行動 関東編~
関東遠征10
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それにより徳川の兵は適度な休息を与えられ轟音といつ攻めて来るかわからない敵に怯えながら毎日を過ごし疲労が蓄積している北条の兵とでは士気も力も大きな差ができた。本来の力ですら三河武士は並大抵の兵には負けない強さを有しているのにも関わらず、これだけの差を生み出したのは昌幸の策によるところが大きいと言わざる負えないだろう。
「大殿、今宵まで国崩しによる砲撃を行いますので、翌朝には全軍で総攻撃のご指示をお願い致します。」
「うむ。わかった。」
翌日になり家康は計画通り全軍に岩付城への総攻撃を命じた。
岩付城内の兵が轟音から開放されホッとしたのも束の間、すぐに徳川の兵が攻め寄せてきた。
「皆の者、己の持ち場に付き死守せよ。」
綱成が兵に指示を出し防戦を行うが、寝不足かつ疲労困憊の北条兵はまともに戦うことなどできるはずもなかった。
また徳川の猛攻も激しく、城門は瞬く間に攻略されてしまった。
北条方も北条五色備えの黄備、北条綱成と赤備、北条綱高などが必死に抵抗しているが、三河武士を率いる本多忠勝に苦戦を強いられている状態であった。
それを見かねた氏政と氏照、氏邦、氏規の四人が氏康に最後まで残っている忍城へと退くように説得を試みた。
「父上、ここは忍城へと逃げるべきでございます。悠長にしている暇はありませぬ。このままでは岩付は落ちます。」
「兄上の申す通りにございます。我らが殿を努めますので父上は兄上とともに忍城へ。」
「氏政兄上、父上をお願い致します。」
「父上っ。」
「このまま退いたところであの轟音のものを使われてはさすがのわしとて叶わぬわ。」
「父上っ。情けのうございますぞ!!父上がしっかりせねば北条はまことに滅びますぞ!!」
「氏政。」
「小太郎!!兄上と父上を連れて忍城へ逃れよっ。」
氏照のその言葉にどこから現れたのか、北条の忍び、風魔の長、風魔小太郎が数人の忍びを連れて現れ、氏康と氏政を連れて消えた。
「よし、これで父上と兄上は忍城へ逃れたであろう。氏邦、氏規、我らはここで死を迎えることになろう。しかし、けして忘れるな。我らは誇り高き北条氏康の息子だということをな。」
「「はいっ。」」
こうして氏照、氏邦、氏規は綱成、綱高に合流して反撃に出た。
北条一門の反撃は予想以上の激しさで一時は徳川を押し返したが、多勢に無勢。
ついに5人は捕らえられ、岩付城は陥落した。
捕縛された5人は丁重に扱われ、逃亡などができないように監視の目はあれど、牢などに放り込まれることはなかった。
これは家康の判断で行われ、反対する者はいなかった。
いや、むしろ家康の強い意思に反対しようとしていた者もできずに終わったのだった。
一方忍城へと逃げた氏康と氏政は忍城の守備を任されていた幻庵に迎えられ入城していた。
岩付城陥落から1週間後、佐竹義重の討伐に向かっていた刹那達が岩付城へと入城した。
「殿、佐竹義重を捕縛し、降伏をさせました。」
「うむ、刹那、大義であった。こちらも刹那がいない間に岩付城を無事に落とすことができた。これもすべて昌幸の策のおかげだ。」
家康はそう言いながら刹那の後ろに控えていた昌幸を褒めた。
「ありがたきお言葉にございます。」
「昌幸、よくやってくれた。」
「殿っ。」
「残る北条方の城は忍城のみとなりましたが、敵の戦力はこたびの戦で減らせましたでしょうか?」
刹那が岩付城での状況を把握しようと家康に問いかけた。
「あぁ、氏康の息子の北条氏照、氏邦、氏規と北条一門の北条綱成と綱高を捕らえることができたぞ。」
「それはようございました。殿、その者らは今何処に。」
「うむ、丁重に扱うように命じ、逃亡などできぬように監視はつけておるが、部屋でゆっくりさせておる。」
「捕虜への温情。お見事でございます。」
「刹那ならどうするかを考えてな。合っていたか?」
「はい。」
刹那の答えに笑みがこぼれる家康であった。
そしてそれを見て微笑む忠次と忠世の姿もそこにはあった。
岩付城を陥落させてから数日後、岩付城へ一人の来訪者が訪れた。
「お初にお目にかかります。私、北条家の家臣、北条幻庵と申します。こたびはおめ通りが叶い恐悦至極に存じます。」
「わしが徳川家康だ。こたびはどのような要件で参られた。」
「これをお読みくださりませ。当主氏康よりの書状でございます。」
幻庵はそう言うと懐から書状を取り出し、家康のほうに差し出した。
小姓がそれを受け取り家康に渡し、それを読み始めた。
家康は読み終えるとそれを刹那に渡した。
「幻庵殿、この手紙にはご当主、北条氏康殿とその御子息氏政殿の首を持って城兵、及び家臣の助命を願う内容になっておりますが、お間違いございませんか?」
「はい、相違ございません。ご不満であれば、この幻庵の首も献上致します。」
幻庵がそう言うと家康が「いらぬ。」と一言言った。
それを聞いた幻庵は更に頭を低くして
「何卒、何卒、家臣と城兵の命だけはご容赦を。どうか、どうか。」
そう懇願しだした。
「幻庵殿、幻庵殿っ!!」
刹那に声をかけられた幻庵が頭をあげると
「殿は首はひとつもいらぬという意味でいらぬとおっしゃったのです。」
「そっ、それはどうゆう意味でございましょうか?」
「忍城にいる氏康殿に伝えてくれ。わしが望むのは首にあらず、降伏し、徳川に仕えよとな。」
「殿、首を求めていない証拠に氏照殿、氏邦殿、氏規殿をお返ししてはいかがでしょうか。」
「そうだな。忠次。三人をお返しするよう手配せよ。」
「はっ。」
「幻庵殿、氏康殿によくお話くださいませ。」
「はっ。」
こうして幻庵は三人を連れて忍城へと戻っていった。
その道中、幻庵は氏照、氏邦、氏規に徳川家康は天下を取るであろうと話したと言う。
幻庵が忍城へ戻ってから更に数日後、今度は北条氏康達が訪れた。
「氏康殿、よくおいでくださった。」
「こたびは我が息子達をお返しくださりまことに申し訳ござらん。この氏康、もう三人にはあの世でしか会えぬとばかり思っておりましたわ。息子達、そして幻庵より降伏のお話を聞き、ここにやって参りました。」
「では、降伏していただけますな?」
「はい。北条家は徳川家に降伏致します。」
氏康はそう言うと平伏した。
これにより北条家は徳川に降り、最終的に武田が上野を、里見が下総を、北条のそれ以外の領地を徳川が治めることになった。
また、関東の雄、北条家とその次に力を持っていた佐竹、そして里見がすべて徳川の傘下に加わったことで残る諸勢力である那須、小田、宇都宮、岩城も傘下に入り関東一帯は徳川の支配下となった。
「大殿、今宵まで国崩しによる砲撃を行いますので、翌朝には全軍で総攻撃のご指示をお願い致します。」
「うむ。わかった。」
翌日になり家康は計画通り全軍に岩付城への総攻撃を命じた。
岩付城内の兵が轟音から開放されホッとしたのも束の間、すぐに徳川の兵が攻め寄せてきた。
「皆の者、己の持ち場に付き死守せよ。」
綱成が兵に指示を出し防戦を行うが、寝不足かつ疲労困憊の北条兵はまともに戦うことなどできるはずもなかった。
また徳川の猛攻も激しく、城門は瞬く間に攻略されてしまった。
北条方も北条五色備えの黄備、北条綱成と赤備、北条綱高などが必死に抵抗しているが、三河武士を率いる本多忠勝に苦戦を強いられている状態であった。
それを見かねた氏政と氏照、氏邦、氏規の四人が氏康に最後まで残っている忍城へと退くように説得を試みた。
「父上、ここは忍城へと逃げるべきでございます。悠長にしている暇はありませぬ。このままでは岩付は落ちます。」
「兄上の申す通りにございます。我らが殿を努めますので父上は兄上とともに忍城へ。」
「氏政兄上、父上をお願い致します。」
「父上っ。」
「このまま退いたところであの轟音のものを使われてはさすがのわしとて叶わぬわ。」
「父上っ。情けのうございますぞ!!父上がしっかりせねば北条はまことに滅びますぞ!!」
「氏政。」
「小太郎!!兄上と父上を連れて忍城へ逃れよっ。」
氏照のその言葉にどこから現れたのか、北条の忍び、風魔の長、風魔小太郎が数人の忍びを連れて現れ、氏康と氏政を連れて消えた。
「よし、これで父上と兄上は忍城へ逃れたであろう。氏邦、氏規、我らはここで死を迎えることになろう。しかし、けして忘れるな。我らは誇り高き北条氏康の息子だということをな。」
「「はいっ。」」
こうして氏照、氏邦、氏規は綱成、綱高に合流して反撃に出た。
北条一門の反撃は予想以上の激しさで一時は徳川を押し返したが、多勢に無勢。
ついに5人は捕らえられ、岩付城は陥落した。
捕縛された5人は丁重に扱われ、逃亡などができないように監視の目はあれど、牢などに放り込まれることはなかった。
これは家康の判断で行われ、反対する者はいなかった。
いや、むしろ家康の強い意思に反対しようとしていた者もできずに終わったのだった。
一方忍城へと逃げた氏康と氏政は忍城の守備を任されていた幻庵に迎えられ入城していた。
岩付城陥落から1週間後、佐竹義重の討伐に向かっていた刹那達が岩付城へと入城した。
「殿、佐竹義重を捕縛し、降伏をさせました。」
「うむ、刹那、大義であった。こちらも刹那がいない間に岩付城を無事に落とすことができた。これもすべて昌幸の策のおかげだ。」
家康はそう言いながら刹那の後ろに控えていた昌幸を褒めた。
「ありがたきお言葉にございます。」
「昌幸、よくやってくれた。」
「殿っ。」
「残る北条方の城は忍城のみとなりましたが、敵の戦力はこたびの戦で減らせましたでしょうか?」
刹那が岩付城での状況を把握しようと家康に問いかけた。
「あぁ、氏康の息子の北条氏照、氏邦、氏規と北条一門の北条綱成と綱高を捕らえることができたぞ。」
「それはようございました。殿、その者らは今何処に。」
「うむ、丁重に扱うように命じ、逃亡などできぬように監視はつけておるが、部屋でゆっくりさせておる。」
「捕虜への温情。お見事でございます。」
「刹那ならどうするかを考えてな。合っていたか?」
「はい。」
刹那の答えに笑みがこぼれる家康であった。
そしてそれを見て微笑む忠次と忠世の姿もそこにはあった。
岩付城を陥落させてから数日後、岩付城へ一人の来訪者が訪れた。
「お初にお目にかかります。私、北条家の家臣、北条幻庵と申します。こたびはおめ通りが叶い恐悦至極に存じます。」
「わしが徳川家康だ。こたびはどのような要件で参られた。」
「これをお読みくださりませ。当主氏康よりの書状でございます。」
幻庵はそう言うと懐から書状を取り出し、家康のほうに差し出した。
小姓がそれを受け取り家康に渡し、それを読み始めた。
家康は読み終えるとそれを刹那に渡した。
「幻庵殿、この手紙にはご当主、北条氏康殿とその御子息氏政殿の首を持って城兵、及び家臣の助命を願う内容になっておりますが、お間違いございませんか?」
「はい、相違ございません。ご不満であれば、この幻庵の首も献上致します。」
幻庵がそう言うと家康が「いらぬ。」と一言言った。
それを聞いた幻庵は更に頭を低くして
「何卒、何卒、家臣と城兵の命だけはご容赦を。どうか、どうか。」
そう懇願しだした。
「幻庵殿、幻庵殿っ!!」
刹那に声をかけられた幻庵が頭をあげると
「殿は首はひとつもいらぬという意味でいらぬとおっしゃったのです。」
「そっ、それはどうゆう意味でございましょうか?」
「忍城にいる氏康殿に伝えてくれ。わしが望むのは首にあらず、降伏し、徳川に仕えよとな。」
「殿、首を求めていない証拠に氏照殿、氏邦殿、氏規殿をお返ししてはいかがでしょうか。」
「そうだな。忠次。三人をお返しするよう手配せよ。」
「はっ。」
「幻庵殿、氏康殿によくお話くださいませ。」
「はっ。」
こうして幻庵は三人を連れて忍城へと戻っていった。
その道中、幻庵は氏照、氏邦、氏規に徳川家康は天下を取るであろうと話したと言う。
幻庵が忍城へ戻ってから更に数日後、今度は北条氏康達が訪れた。
「氏康殿、よくおいでくださった。」
「こたびは我が息子達をお返しくださりまことに申し訳ござらん。この氏康、もう三人にはあの世でしか会えぬとばかり思っておりましたわ。息子達、そして幻庵より降伏のお話を聞き、ここにやって参りました。」
「では、降伏していただけますな?」
「はい。北条家は徳川家に降伏致します。」
氏康はそう言うと平伏した。
これにより北条家は徳川に降り、最終的に武田が上野を、里見が下総を、北条のそれ以外の領地を徳川が治めることになった。
また、関東の雄、北条家とその次に力を持っていた佐竹、そして里見がすべて徳川の傘下に加わったことで残る諸勢力である那須、小田、宇都宮、岩城も傘下に入り関東一帯は徳川の支配下となった。
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